トイ・ストーリー3とは、2010年7月日本公開のアニメ映画である。命をもったおもちゃたちが繰り広げる小さな大冒険、その3作目にあたる。
概要
「さよならなんて、言えないよ……」
ディズニーピクサースタジオ製作。同スタジオの名を世界に知らしめた人気作「トイ・ストーリー」シリーズの11年ぶりの続編。
アメリカでは既に公開され、アニメ映画としては「シュレック3」に次ぐ歴代2位の興行成績を記録。G指定=全年齢指定の作品としては史上最高の成績をたたき出した。
第53回グラミー賞の「最優秀サウンドトラック・アルバム賞」を受賞しており、音楽の評価も高い。
あらすじ
かつて、おもちゃ達と遊んでいた少年アンディは、月日を経て17歳になり、大学進学を控えていた。
当然、既におもちゃ遊びからは卒業しており、彼らは寂しがると同時に、もうすぐ来るであろう別れの日を思って不安を覚えていた。
そして、アンディの荷造りの日。
アンディはおもちゃを捨てることこそしなかったものの、長年連れ添ってきたウッディのみを持って行くことに決め、バズをはじめとする残りのおもちゃ達は屋根裏にしまわれることになった。
しかし、アンディの母の手違いで、おもちゃ達は危うく捨てられかける。アンディに見放されたのだと思い込んだおもちゃ達はアンディの家を見限り、託児所へ寄付される荷物の箱に潜り込み、近所の託児所「サニーサイド」へと移り住む。
アンディのことを信じるウッディは、彼らを説得しようと同行するが、託児所の大勢のおもちゃ達が彼らを歓迎する。
「ここではどんなおもちゃも捨てられることはない。おもちゃにとっての天国だ!」……。バズ達はこれを受け、託児所に留まることを決意し、ウッディもそれを受け入れて去って行った。
だが、それは間違いだった。
バズ達が放り込まれたのは、おもちゃを飛び切り乱暴に扱う子供達の部屋。乱雑な扱いのせいで、皆一様にボロボロにされてしまう。
その頃ウッディは、別のおもちゃ達から恐ろしい事実を知った。
サニーサイドは、おもちゃ達から天国どころか「おもちゃの地獄」と呼ばれており、行ったおもちゃは誰一人戻ってこれない場所だった。
一見紳士的に見えたピンクのテディベアロッツォ率いるサニーサイドのおもちゃ達は、運ばれてくるおもちゃを永遠に閉じ込める邪悪なおもちゃ達だったのだ。
脱走を決意するバズ達、一人果敢に助けに戻るウッディ。しかし、サニーサイドのおもちゃ達が、凶悪な本性をあらわにしてそれを阻止しようとする。
彼らは再び、アンディに会えるのか。
そして、もう彼らと遊ぶことのないであろうアンディとの絆は、どんな結末を迎えるのか。
キャラクター
アンディと彼の大好きだったおもちゃたち
- ウッディ
- アンディと最も付き合いが長く、最も固い絆で結ばれたカウボーイ人形。その正体はプレミアのついたおもちゃであり、それが原因で『2』で一悶着起こった。
本作では、アンディが唯一彼だけを連れて行くことになり、他のおもちゃ達と別れを告げなくてはならなくなるが、彼らのピンチを救うため奔走することになる。 - バズ
- 宇宙飛行士人形バズ・ライトイヤー。初めてデイビス家に現れたときはアンディの注目を一身に浴び、ウッディと衝突した(『1』)。以降は、彼の最大の親友となる。
アンディには連れて行ってもらえず、家の屋根裏にしまわれることになったが、手違いで捨てられかけたことでアンディを見限り、託児所へ移り住む。ウッディにも別れを告げるが……。
敵によって設定が初期化され、他のおもちゃ達の仲間になってしまう。ウッディ達が彼を元に戻そうとするがリセットボタンを押してしまい、記憶が戻るどころか、スペイン語で話すマタドールのような人格になってしまう。 - おもちゃ達
- ウッディやバズと共にアンディと遊び続けたおもちゃ。古くからの仲間はもちろん、『2』で仲間になったジェシー、ブルズアイ、エイリアンもいる。が、歌うペンギン人形ウィージーや、ウッディの恋人であったボー・ピープなどを含め、殆どのおもちゃは誰かにあげられたりして姿を消している(ウッディによると、アンディは誰一人として「捨て」はしなかったようだ)。
- バービー
- アンディの妹・モリーのおもちゃ。アンディの引越しに際し、彼の母親がサニーサイドへ譲るものをまとめていた際にモリーに別れを告げられることになった。
- アンディ・デイビス
- おもちゃ達が愛する少年。彼に遊んでもらうことこそが、おもちゃ達の最大の喜びだった。が、本作の彼は既に17歳であり、特にギーク(米国におけるオタク、マニア)という訳でもないため、おもちゃ遊びを全くといって良いほどしなくなっている。
大学進学とそれに伴う引越しを控えており、おもちゃを捨てることこそしないものの、彼らとの別れを決意する。
サニーサイド保育園
- ロッツォ
- イチゴの香りがする、ピンクのハグベア。年をとった人格を持っており、紳士的で、バズ達を歓迎する。
が、その正体はサニーサイドのおもちゃ達を支配し、訪れるおもちゃ達を全て閉じ込めようとする邪悪なおもちゃ。
その根底には、以前の持ち主との悲しい出来事がある。 - おもちゃ達
- バズ達を歓迎する。しかし、本性はロッツォの手下であり、バズ達をもっとも危険な部屋に放り込み、閉じ込める。
- ケン
- 日本では馴染みが薄いが、バービーのボーイフレンドという設定の人形。
80年代の青春ドラマに良く出てきそうな性格をした露骨にハンサムな男だが、正体はやはりロッツォの一味。しかし、根はそうでもないようで……? - 子供達
- サニーサイドに預けられる子供達。様々な子がいるが、バズ達が入れられた部屋の子供達は非常にやんちゃであり、おもちゃを散々に扱う。
その他
- ミスター・ブリックルパンツ
- ウッディが出会った新たなおもちゃ達の一員。ハリネズミの人形。演技派。
サニーサイドについての真実をウッディに教え、バズ達を助けに戻る彼を必死で止める。 - トトロ
- ブリックルパンツ達のいる家=ボニーの家にいるおもちゃの一つ。
『となりのトトロ』からのゲストキャラクターであり、本シリーズをはじめとして数多くのピクサー作品を監督したジョン・ラセターは、「スタジオジブリの作品はスタッフ達と幾度と無く鑑賞した。見る度に新しい発見と、豊富な教訓が飛び出てくる」と、宮崎駿の作品に影響を受けていることを公言しており、その影響であると思われる。 - なお、本作のトトロは一切台詞がないが、これは版権の制約とも、原作では鳴き声(精霊語)しかなかったからとも、大トトロの声をあてた高木均が亡くなっているためとも言われている。
- ゴミ回収職員
- ゴミと間違われたバズ達を回収しようとした職員。正体は、『1』でバズを散々な目に遭わせたシド。
その他
吹き替え声優
日本語吹き替えの予告では、ウッディとバズの声優が変えられていた(いずれも東京ディズニーリゾート等で代演の辻谷耕史と稲葉実)が、本編では従来通り唐沢寿明と所ジョージで担当している。
その他の声優も前作までと同じだが、ミスターポテトヘッドを担当していた名古屋章は既に故人となってしまったため、辻萬長に変更されている(ちなみに、英語版でもスリンキー役の声優が亡くなったため変更となった)。
3D
小ネタ(鑑賞後に読むのを推奨)
確定したネタ
- ピクサースタジオの次回長編作品は、『カーズ2』を予定しており、翌2011年にその通りに公開された。ピクサーの「次回作に登場するキャラクターがちょっぴり登場する」という小ネタの法則通り、アンディの部屋の壁に、カーズのキャラクターが描かれたポスターが見えるシーンがある。探してみよう。
- 同じように、本作の悪役であるロッツォは、前作『カールじいさんの空飛ぶ家』に出演済み。冒頭、カールが風船で飛ばした家がビル街を浮上していくシーンで、一瞬映る少女の部屋にいる。
- また、『カールじいさんの空飛ぶ家』の主人公である、カール/エリー・フレドリクセン夫妻からの手紙が、アンディの部屋に大切に貼ってあるシーンがある。もしかしたら、デイビス家とフレドリクセン夫妻は、親密な仲なのかもしれない。
- アンディの住んでいる通りの名前が本作で判明するが、その名は何とエルム街。悪夢に悩まされないだろうか…
確定してないネタ
- サニーサイドで遊ぶ子ども達の中に、モンスターズインクのブーと思われる女の子がいる。髪形も変わっているし、若干成長しているようだが、同作の主人公・サリーと同じ色の猫のおもちゃ(=サリーにブーがつけたニックネーム「にゃんにゃん」を指す?)を持っていることから、海外のファンが多く指摘している。
関連動画
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- トイ・ストーリー
- カーズ(映画)
- インサイド・ヘッド
- モンスターズ・インク
- ファインディング・ドリー
- リメンバー・ミー
- Mr.インクレディブル
- トイ・ストーリー4
- 2分の1の魔法
- バグズ・ライフ
- ファインディング・ニモ
- ウォーリー(映画)
- ソウルフル・ワールド
- あの夏のルカ
- マイ・エレメント
- レミーのおいしいレストラン
- カールじいさんの空飛ぶ家
- トイ・ストーリー2
- 完璧な陰影をつけた1セント硬貨
- メリダとおそろしの森
▶もっと見る
- 4
- 0pt