エイリアン(Alien)とは
もしかして:ナユタン星人による初音ミクオリジナル曲→該当記事「エイリアンエイリアン / 初音ミク」を参照
この記事では2と3について記述する。
エイリアン (映画)
In Space, No One Can Hear You Scream.
(宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない)
1979年に公開されたSFホラー映画。
1980年の第52回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞。第11回星雲賞映画演劇部門賞受賞。
惑星間での物資輸送が当たり前となった近未来、地球に向けて航行中の宇宙船ノストロモ号が辺境の惑星で出会った宇宙生命体によって乗組員を一人またひとりと殺されていく恐怖を描いた作品。
監督のリドリー・スコットと美術造形担当のH.R.ギーガーによって生み出された先鋭的で洗練された世界観やデザイン、未知の生物に追い詰められる恐怖描写は今なお評価が高く、SFホラー映画の金字塔として評価されている。
世界中で大ヒットし、監督などのスタッフや主演女優のシガニー・ウィーバーは大いに名を上げ、続編やスピンオフ作品などが多数作られる人気シリーズとなった。
今作以降「エイリアン」の言葉のイメージが大幅に変わってしまい、空港などの施設で外国人を指して「エイリアン」と表記していた箇所を別の表記に修正するハメになったという。
2003年には、未公開シーンなどを加えたディレクターズ・カット版が公開されている。
ナンバリングタイトル
現在、4作目まで製作されている。
主人公はほぼ一貫して、1作目同様にエレン・リプリーであり、全てシガニー・ウィーバーが演じている。
『VSプレデター』シリーズ
80年代になって製作され、宇宙生物が登場する映画として同様に人気を博した『プレデター』シリーズとのコラボレーションが、何度か行われている。
当初はアーケードゲームやアメコミで展開されていた(特に日本ではカプコンが開発したアーケードゲームがとみに有名)が、2000年代、人気ホラーキャラクターのコラボ映画である『フレディvsジェイソン』が成功したことを受けて『エイリアンVSプレデター』シリーズが2作製作された。
時系列的には『プレデター』シリーズと『エイリアン』シリーズの中間に位置し、現代の地球が舞台となっている。
いずれも全世界で1億ドル以上を稼ぐヒットを記録しているが、両方のシリーズに矛盾を生む独自設定を加えたり、南極に文明があったなど無理のある設定を用いたことから、映画作品としての評価はあまり高くない。
『プロメテウス』
2012年公開。
再びリドリー・スコットがメガホンを撮った作品で、シリーズのプリクエルに当たる。
西暦2089年、人類をはじめとする地球生命の起源たりうる、いわばシードマスターの存在を示す遺跡を発見した人類は、そのデータが指し示す未知の惑星へと向かう。そこにいたのは、人類を凌駕する科学力によって生み出された施設や宇宙船らしき建造物と、その主である「エンジニア」というべき宇宙人であった、というストーリー。
1作目に続く描写やエイリアンの起源が描かれているが、いずれも微妙に1作目とはずれており、完全な前日譚とは言いがたい。繋がっているかどうかに関しては監督や他のスタッフ、配給側同士でも明確に共有できていない様子である。
続編となる『エイリアン:コヴェナント』はアメリカでは2017年5月19日に公開された。日本では2017年9月15日に公開。
『コヴェナント』では『プロメテウス』のその後を描いているが、エイリアンの起源に直接的に人類が関わるようになっている。
その他
『3』から派生した小説シリーズも存在しており、『4』には繋がらない別のストーリーとなっている。
地球がエイリアンによって壊滅し、人類は宇宙から反撃を開始するといった破滅的な展開が待っている。
2014年には、リプリーの娘のアマンダを主人公として1作目の15年後を描くホラーゲーム『エイリアン アイソレーション』が製作され、2015年に国内でも発売された。
『1』から『2』までの間に寿命を迎え彼女と生き別れることになるアマンダだが、今作では彼女の成人後の物語が描かれており、行方不明になった母を追って、ノストロモ号のフライトレコーダがあるはずの辺境の宇宙ステーションへと調査に向かう。しかしそこはエイリアンが蔓延る恐ろしい空間だった……というストーリー。
1作目のシチュエーションを体感できる「オリジンミッション」なるモードもあり、シガニー・ウィーバーをはじめオリジナルキャストが招聘されている。
2015年、『第9地区』『エリジウム』を監督したニール・ブロムカンプが、新たなシリーズ作品のメガホンをとることが発表された。『プロメテウス』シリーズとは別の作品になる予定。が、配給会社は「エイリアン:コヴェナント」を優先したため、こちらは企画が頓挫し、お蔵入りしたようだ。
余談
- 完全版ではどの作品もかなりの未公開シーンが追加され、ストーリーに深みが増している。
- 『4』の公開前、日本の漫画作品『レベルE』の中で作中人物が「もうエイリアンは続編作るべきじゃないよね」と言及している
- エイリアンのデザインはギーガーだが、日本に生息しているワラスボに酷似している。
- 1作目は、当初は脚本のダン・オバノンが低予算のB級映画として考案した作品だったが、脚本の出来の悪さから大幅に改稿され、さらに当時のSF映画ブームを受けてA級予算が用意されたという経緯がある。
- 参加デザイナーの中では、オバノンによって推薦されたギーガーばかりが知られているが、ロン・コップ、メビウス、クリス・フォスといった欧米圏では有名なコミックアーティストやデザイナーも参加していた。
- 『4』のプロモーションでシガニーが来日した際、伊集院光のラジオ番組に出演し、日本語がわからないのをいいことに「エンクミデス」などのセリフを言わされた。サウンドステッカー(ジングル)でもこの時のシガニーの音声を加工したものが使われている。
エイリアン(異星生物)
H・R・ギーガーがデザインを担当。
その恐るべき変態過程と奇妙なデザインによって一度見たら忘れられないほどの強烈なインパクトを視聴者に残したため、世界中で「エイリアンと聞いたら『異星人、ひいては(この映画の)エイリアン』をまず思い浮かべる」ようになってしまった。
ただし、一般的には「エイリアン」という名で通っているが、これは一般名詞であるため、国外のファンからは生物学的に「ゼノモーフ(Xenomorph)」と呼ばれている。
生態
全作で共通している特徴は、
- 寄生した生命体の遺伝子情報を取り込んで多種多様に変化する。3では犬に寄生して生まれたエイリアンは犬っぽいフォルムになって4足歩行してみせた。
- 血液は強酸性で、あり得ないスピードで金属を溶かす。しかも死ぬとなぜか中和されるという謎物質。
- チ○コ頭と二重アゴ。中の口?噛んだらそれはもう悲惨の一言。
- 宇宙空間でも生存可能。
大体こんな感じ。
ちなみに1作目製作時点でのリドリー・スコットの言では、「遠い宇宙で繰り広げられる争いの中で用いられる生物兵器の一種」だという。
『プロメテウス』では、スペースジョッキー/エンジニアの生物兵器が彼自身に寄生し、エイリアンが生み出されたシーンが描かれている。
よくわかるエイリアンの一生
一生のサイクルを表すと、おおよそ下記のようになる。
クイーンエイリアンが「エッグチェンバー」と呼ばれる卵を産み落とす。
↓
エッグチェンバーは他の生命体が近づくと、頂点を展開して「フェイスハガー」と呼ばれる小生物を射出。
↓
フェイスハガーは生命体の顔にガッチリ張り付いて仮死状態にしたあと、エイリアンの胚を体内に送り込む。胚を送り込むことに成功したら役目を終えたフェイスハガーは死亡、犠牲者の顔からスルリと取れる。
↓
胚はフェイスハガーが寄生した生命体の遺伝子情報を取り込みつつ急成長し、「チェストバスター」と呼ばれる幼生体に成長。寄生した生命体の体内を食い破る。
↓
チェストバスターは脱皮を伴う変態を繰り返し、成体に成長する。
↓
ある程度個体数が増えるとそのうちの一体がクイーンエイリアンに変化する。
とまあ、なんともまだるっこしい生態メカニズムである。作った人もなんでわざわざこんな面倒な手順を踏ませるようにしたのだろうか。卵から直接孵るようにしてはマズかったんだろうか。
ただし、これは『エイリアン2』以降で確定した設定である。
初代では「捕えた獲物をエッグチェンバーに変える」という裏設定が存在するため、単体で繁殖が可能である。その様子はディレクターズカット版やギーガーの画集などで確認できる。
なお、映画『エイリアンVSプレデター』では、狩りの獲物を求めるプレデターによって、銀河系の各惑星にエッグチェンバーが持ち込まれていることが判明する。その中には地球も含まれている。
関連商品
ナンバリングタイトル
AVP(エイリアンVSプレデター)シリーズ
関連書籍
関連項目
- 映画の一覧
- プロメテウス
- プレデター
- H・R・ギーガー
- 平安京エイリアン
- エーリアン(遊戯王)
- パワードスーツ(2で主人公が“パワーローダー”と呼ばれる作業用パワードスーツに搭乗し、エイリアンと戦う)
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