「ドラキュラII 呪いの封印」とは、1987年にファミコンディスクシステムで発売された、悪魔城ドラキュラシリーズの第2作。タイトルに「悪魔城」がつかないが正式な続編。
後述するが、正確には3作目とみなされる。
概要
前作「悪魔城ドラキュラ」の7年後。シモン・ベルモンドは前作の戦いでドラキュラに呪いを受けていた。明日をも知れぬ身だったシモンは、謎の女性(※最後まで謎)にドラキュラの復活が近いことを告げられる。
呪いを打ち破り、ドラキュラの復活を阻止するため、シモン・ベルモンドはトランシルバニアに散らばるドラキュラの5つの遺骸を集め、焼き払わねばならない。
本作はあまり良い評価を得ておらず、初代と違いファミコンROMカートリッジへの移植もされなかったのだが、後に及ぼした影響自体は大きい。
『血の輪廻』『月下の夜想曲』『白夜の協奏曲』ほか、さまざまな悪魔城シリーズで本作由来の話題を見ることができる。
だいたいの内容
一作目と異なり、本作は完全にアクションRPGである。町での情報収集に始まり、アイテムの購入、館の探索。ハートがお金としても使われるようになっている。
ハートを取ると同時に経験値も上がり、レベルが上がるとシモンの耐久力が大きく上がる。
こうしたアイテムを集め、シモンを強化しながら各地でドラキュラの遺骸を探していく。
RPGとしてはドラクエ3よりも早く時間の概念を採用している。
昼は敵が弱く、町で情報収集や買い物、回復ができる。
夜は敵が強いが、ハートも多く得られる。また町は建物に入れなくなり、敵も出現するようになる、買い物もできなくなる。
やみくもに昼夜を切り替えると問題があり、ゲーム内で経過した時間によってエンディングが変化する。
いろいろ言われてること
本作はアクションRPGになったこと自体が不評だったのではなく、アクションRPGとして見た場合の不満が目立つ。
まず、多くのプレイヤーは初プレイ時に最初の街道で狼男に吹っ飛ばされて街に戻され「オマチクダサイ」を見せられる。街から再び街道に出るときに「オマチクダサイ」。
開幕からディスクシステムの仕様を考慮しない配置がされており、かなりやる気を削がれる。(※WiiUバーチャルコンソールでも再現している!)
この狼男のジャンプ突進、本作全体を見ても避けにくい部類で、初期状態で遭遇する敵としては異常だ。慣れれば全然問題ないのだが…
RPG要素である謎解きもかなり厄介。
たとえば「決まった場所で水晶を装備してしばらくしゃがむ」という、発見しにくい操作を要求される場所が何ヵ所かある。
ただし、本作の謎解きの多くは理不尽に見えるがヒント自体はちゃんとある。街の住民が教えてくれることもあるし、聖水で壁を破壊するとヒントの書物が見つかることもある。
どこの壁にヒントが埋まっているか見つけるのは難しいので(見えるようになるアイテムもある)、全部の壁に聖水を投げる覚悟が必要だが、解けないということはない。でも厄介。
街の住人も厄介で、正しいヒントをくれる人もいるが、どうでもいい日常会話(月桂樹はスープに入れるといい香りがするetc)、まったくのデマを話す者もいる。もっとも本作のデマは嘘っぽいものが多く、見分けるのは難しくないのであるが。
話しているうちに夜になってしまうのが一番厳しい。あとはひたすら無駄な時間経過で朝を待つことに…
マップも結構複雑で、地名がやたら多く、必要なアイテムも散らばっており見つけにくい。
ついでにグッドエンドの時間制限がかなり厳しい。最終的には何周かして攻略ルートを完成させ、情報収集をすっとばし、タイムアタックに近いことをやる必要がある。
あまり言われることはないが、純粋なアクションゲームとしての難易度はかなり低い。ただしRPGらしくアクションの腕でごまかせない部分がある。
終盤の敵の攻撃力、耐久力は非常に高くなるため、強い鞭を確実に入手してレベルも上げないとクリア困難。
MSX版から続く流れ
本作は正確にはシリーズ3作目である。2作目はもっと知名度の低い『悪魔城ドラキュラ(MSX2)』。
これが本作より先にアイテムや買い物といったRPG要素を実装していたというか、むしろアクションRPGのRPG要素を抑えてアクションに寄せた感じの独特なゲームだった。
ドラキュラIIにはMSX版の影響も見える(MSX版固有の敵がドラキュラIIにも出る)。そこからもっとRPG寄りになったのが本作ということのようだ。
本作が不評だったのもあってか、次作のAC版ドラキュラ以降は完全なアクションゲームになり、RPG要素は『月下の夜想曲』までなりを潜める。
ただ、もともと本シリーズはRPG化する素養を抱えていたようである。
NES版「Simon's Quest」
国内ディスクシステム版はWiiUや3DSのバーチャルコンソールに移植されているが、『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』にはディスク版ではなく北米NES版のCastlevania II Simon's Questが収録されている。
理由は明かされていない。ディスクシステムからの移植に何らかの制約があるのだろうか?
英語版なので当然メッセージが全部英語になっているが、そんなに難しい文章ではないし、読んでいる間は時間経過しないのでゆっくりやればよい。まず日本語でもわかりにくいゲームであるが…
問題があるとすれば、唐突な北斗の拳ネタがわかりにくくなっているくらいである。
またエンディングは日本版でも英語だが、文面が変更され、スタッフロールもなくなっている。
ハードの変化で「オマチクダサイ」がなくなり、セーブがパスワードになっている。強いパスワードでズルしやすいのは利点。
また日本版で保存されない月桂樹とニンニクの所持数が保存されている。
ただし、NES版はラスボス戦が始まるとニンニクの所持数が0になるという露骨な調整も入っている。
NES版はディスクシステム音源が使われていないため音質が異なるが、本作に関してはROM版の音も評判は良い。日本版と聞き比べてみたい。
関連動画
ニコニコ動画のタグは、「ドラキュラII」または「呪いの封印
」で登録されているものがほとんど。
昼間の街道のBGM「Bloody Tears」が名曲として有名。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん
- 悪魔城伝説
- 悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印
- 悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲
- 悪魔城ドラキュラX 血の輪廻
- 悪魔城ドラキュラ ギャラリーオブラビリンス
- 悪魔城ドラキュラ サークルオブザムーン
- 悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架
- 悪魔城ドラキュラ黙示録
- 悪魔城ドラキュラ 闇の呪印
- キャッスルヴァニア
- キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲
- キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲
- シモン・ベルモンド
- ジュスト・ベルモンド
- ドラキュラ三大名曲
- ドラキュラ伝説
- マリア・ラーネッド
- ユリウス・ベルモンド
- リヒター・ベルモンド
- Vampire Killer
▶もっと見る
- 2
- 0pt