ファナティックとは、漫画『キン肉マン』に登場するキャラクターである。完璧超人始祖のサイコマンと瓜二つの姿をしている時間超人であり、"終焉の刻"の二つ名を持っている。
概要
時間超人にとって創造神でもある刻の神から最も愛されし特別な時間超人"五大刻"の一人。前述したように、サイコマンと瓜二つの姿をしており喋り方や"旧式超人"を見下すような言動も同じ。口癖もサイコマンと同じ「ニャガニャガ」。姿を見せたときは読者に大きな反響を呼んでいる。
本人によるとサイコマンとは別人らしく、「どこかできいた名前ではありますが知りませんねえそんな人は」とのこと。流石に何の関係もないとは思えないが、現時点では関連性は不明。コスチュームも若干サイコマンと異なっており、煙管を吸っている。本作では初の喫煙者の超人でもある。
なお、ネメシスやジャスティスマン、ザ・マンのことは知っていたようである。
ファイトスタイルもサイコマン(グリムリパー)とそっくりであり、ネメシスに匹敵する柔軟性、受け身の技術の高さもあって耐久力も異様に高く、握力の強さも共通している。マグネット・パワーも使用できるが、マグネット・パワーに固執していたサイコマンと違い、自身の攻撃にあんなものは必要ないと考えており(つまりはサイコマンがシルバーマンに指摘された弱点を理解していることになる)、防御にのみ使用している。必殺技も名前は違うがサイコマンと同じ形のものを使用している。ちなみに顔芸の多彩さも同じである。
とはいえ、本人は頑なまでにサイコマンと同一人物であることを否定している。むしろ、「そんなに私と似ているんですか?」と本気で疑問に思っているような反応もしたり、何度も間違えられて辟易し、苛立ちを見せることもある。
サイコマンと同じく人を小馬鹿にしてり、皮肉を述べることが多い、人を食った態度を取る性格だが、どこかユーモラスで憎めない一面があったサイコマンと違ってより悪辣な一面が目立ち、より残虐。一方、精神的にやや未熟な一面も見られ、不用意な挑発によってネメシスの怒りを買ってかえって力を引き出す迂闊な部分がある。
また、サイコマンと同じくマッド・サイエンティストとしての一面もあり、無能と見下している"旧式超人"の中でもジャスティスマンやネメシスのように優秀と認めた者は、生きたまま捕らえて新たな時間超人を生み出すための実験サンプルとしてコレクションしている。
他の五大刻と同様に超人強度はサイコマンを上回る神と同等の1億パワーを有している。さらに「超回復」などの時間超人特有の能力も使用できる。超神たちと違って地上でも1億パワーを使用できることから自らのことを「現人神」と称している。
ちなみに名前のファナティックとは「狂信者」を意味している。サイコマンもある意味、ザ・マンに対しては狂信者だったが・・・・・。
作中での活躍
他の五大刻、エル・ドミノスと共にかつての時間超人が拠点としていたというレバノンのバールベック遺跡に出現。エル・ドミノスが敗れた後、キン肉マンゼブラたちの前に姿を見せると、時間超人の生命の源である"マグネットパワー"を出現させ、バールベックを新たな時間超人の生命を生み出す拠点とすることを宣言。直近の目的が地球の崩壊であることを明らかにすると、バールベックのことをパピヨンマンに任せて他の鉱脈を探すために飛び立っていく。向かった場所はサイコマンの縁の地でもあるサグラダ・ファミリアだった。
到着後、あっさりと地下のサイコマンの研究室を制圧すると、ザ・マンの命により調査に訪れたネメシスの前に姿を見せる。しかも先にサグラダ・ファミリアを訪れていた完璧超人始祖のジャスティスマンを眠らせた状態でカプセルの中に閉じ込めていた。実は、刻の神の命によってザ・マンが悪魔将軍を戦っていた最中の留守中に超人墓場へと侵入し、ビギニングストーン(起こりの石板)を密かにニセモノとすり替えていた。さらに、完璧超人始祖の命そのものであるダンベルをマグネットパワーによって固めて封印したことによって超人たちの最大戦力であるジャスティスマンを停止させていたのだった。彼の目的は無傷で手に入れたジャスティスマンを時間超人進化のための実験に利用しようというものだった。怒り心頭のネメシスをサグラダ・ファミリア屋上の特設リングへ誘導すると、ネメシスとの決戦に突入する。
試合開始早々、上空からの飛び蹴りから首四の字へと繋ぎ、ネメシスを捕らえる。だが、ネメシスのネックパンプアップによって脱出されると、一瞬のスキを突かれシャイニング・ウィザードで"美しい顔"を汚される。さらに、ファナティックの闘い方はサイコマンと同じであることをネメシスに指摘され、グリムリパー(サイコマン)と山ほどスパーリングをこなしてきたネメシスに長所も短所も把握され、行動パターンを読まれていた。そのためネメシスの怒涛の攻撃に後手を踏み、シャープ・シューターに捕らえられてしまう。しかし、ファナティックの超人強度はグリムリパーと違い、ネメシスの6800万パワーをも凌駕する1億パワーだった。その言葉通り圧倒的なパワーで技から脱出し、「アヴァランチデスロード」を喰らわせる。さらにはグリムリバーを思わせる技を繰り出し、ネメシスを追い込んでいく。ネメシスの鉄壁のパーフェクトディフェンダーさえも超人強度の差によって跳ね除けてしまう。
しかし、自らが煽ったことによってかつてのロビンマスクの言葉を思い出したネメシスのロビン戦法によって反撃を許し、美しい顔と優秀な頭脳を傷つけられてしまう。それでも、勝負に出たネメシスのネメシスドライバーをマグネット・パワーによって攻略する。
攻撃にマグネット・パワーは必要ないと述べ、素のテクニックとそれを後押しするパワーのみでネメシスを圧倒すると宣言。テクニックにそこまでの差はないが、やはりパワーの差で圧倒的に優位に立ち、「ファナティック・ビリーバーロック」に捕らえる。関節技の威力のみならず、握力によって屈服させにかかり、さしものネメシスも心が折れかけてしまう。
だが、不用意にネメシスの兄であるキン肉タツノリを侮辱する煽りをしてしまったことでネメシスの怒りに火が付き、火事場のクソ力によって脱出されてしまう。パワーアップしたネメシスの前にこれまでのようにパワーで圧倒できなくなってしまい、キン肉族局中秘伝の技によってダメージを受けると、全身全霊の<完肉>バトルシップ・シンクを喰らう。だが、マグネット・パワーによって石のマットを柔らかくすることで致命傷となることを回避。逆に「完璧拾式・奥義 輪廻転生落とし(グリムリーインカーネーション)」と同じ形の技である「永遠の最終楽章(エターナル・コーダ)」でネメシスをKOする。しかし、バトルシップ・シンクを受けたダメージは大きく、自身もダウンしてしまう。
ダウンカウントが数えられる中、時間超人特有の「超回復」を使ってダメージを回復させ立ち上がってくる。だが、ネメシスも永遠の最終楽章に耐えきり、10カウントギリギリで立ち上がってくる。ネメシスからサイコマンという名前と宿命からは逃れられないと指摘を受けたことで苛立ちを見せるが、ダメージの大きいネメシスの渾身のスピアをいなすと、再び「「アヴァランチ・デスロード」を繰り出し、今度こそネメシスをマットに沈めて勝負を制する。
試合後、自らを追い込んだネメシス(キン肉サダハル)が見せたキン肉族の力を実感し、瀕死の重傷のネメシスをジャスティスマンと同様に優秀な時間超人量産のための研究散布するとするために地下の実験室に連れ去ってしまう。
必殺技
- アヴァランチ・デスロード
- 空中でハーフネルソン式に相手を捕らえ、相手の脳天を自身の膝の上に落下と同時に叩きつける荒技。フィニッシュの形はストロング・ザ・武道の<完全>兜砕きに似ている。
- 終焉のスピア・クロス
- 装束(ドレス)の裾を細く絞り、槍のように尖らせ、連続ラッシュ攻撃で相手を切り刻むというグリムリパーの完幻殺法・スピア・ドレスと同じ技。
- マグネット・パワー
- 太古の昔にサイコマンが発現した地球からのパワーを原動力に体から磁気を発生させる能力。マグネット・パワーに固執していたサイコマンと違い、本来自分の闘いには必要ないものと考えている。むしろ、「あんな力に頼っていたら、本来の技の仕掛けの技術がおろそかになっていく」「あんなものはドーピング」とサイコマンが指摘を受けたシルバーマンやアビスマンと同じ考えを持っている。
- ファナティック・ビリーバーロック
- 自慢のパワーで相手を固める複雑な前身関節技。相手の片足を自分の首の裏にかけて極めるマフラーホールドに、腕を取って相手の背骨を反らせ、さらに右足で相手の首をロックして締め上げている。こうして言葉にすると本当に分かりづらい形状の技である。
関節技のダメージのみならず、手足を掴む握力だけでも常人では耐えがたい凄まじい威力を持つ。あのネメシスですら一時は心が折れかけたほどの技である。
新日本プロレスのエル・デスペラードが使用する「ヌメロ・ドス」を参考にしたのだろうか?(こちらは右足での首ロックがなく、座った状態で放つ) - 歓喜のベサメ・ムーチョ
- 右腕を相手の首に引っ掛け、そのまま自分の右膝の上に落とす。
- 永遠の最終楽章
- ブリッジの反動で飛ばした相手の両足を両腕で、相手の両腕を交差させて両足で固め、あらぬ形に体を捻じ曲げた相手をエビ反りさせまま落下する、サイコマンの「完璧拾式・奥義 輪廻転生落とし」と同じ形のフェイバリット・ホールド。
大きな違いはサイコマンのようにマグネット・パワーを使用せずに放つこと。ただし、強い握力によってクラッチしているため脱出することはできない。
恐らくは輪廻転生落としの本来の形がこれなのだろう。
関連項目
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