この項目は、死喰い人に見張られています。 <●> <●> |
"名前を呼んではいけないあの人"とは、何らかの理由で畏怖または忌避されていたり、名前を呼ぶことをトリガーとして何かが起きてしまう仕掛けがあったりするせいで名前を呼ばれることの無い人物のことである。
当記事ではJ・Kローリングの小説「ハリー・ポッター」シリーズで"名前を呼んではいけないあの人"(He who must not be named)または"あの人"(You know who)と呼ばれる人物、ヴォルデモート卿(I am Lord Voldemort)について記述する。
概要(以降ネタバレ注意)
魔法界史上最強最悪の魔法使い。
かつて魔法使い一族総純血主義を掲げ、魔法界に多大な犠牲を強いた。そのため倒された現在でもその名前を出す行為自体すら非常に恐れられており、力のある者以外は決して名前を呼んではいけない、とされる。名前を出す事ができないので、会話や文章では、例文:「かつて私は名前を言ってはいけないあの人の手下だった」といったように、これ自体を代名詞としてそのまま当てはめて発言する。長いので省略される事があり、短縮形としては幾つかパターンがあるが主に「例のあの人」が主流。
…と作中で言われているが、天然系だった初期のポッターは事あるごとに盛大に名前を呼んでいる(そしてそのたびに周りから注意される)。また反ヴォルデモート勢力側など一部の登場人物はこの風潮をバカバカしいと考えており、その風潮自体が恐れをより助長するとして反発し、直接「ヴォルデモート」と意図的に名前を出す。
なお7巻では"ヴォルデモート"という名前を口にしただけで保護魔法が破れ、居場所が感知され、転移魔法で即座に死食い人達の襲撃を受けるという「言霊の呪い」が英国全域に張り巡らされており、マジで名前を呼んではいけないようになっていた。おそらく作中以前の暗黒時代も同様だったと推測ができ、それが"名前を読んではいけないあの人"と呼ばれるようになった最大の原因だと考えられる。
その呼び名に違わない邪悪な魔法使いであり、魂を断片化することで仮初めの不死を得る「分霊箱(Horcrux)」の呪文を行使するために何の罪もない6人の人間を生贄に捧げ、そうして得た不死性のもと純血主義の遂行のために、"穢れた血"とされた混血や純マグル家系出身の魔法使いを抵抗勢力ごと虐殺し、最後は配下の"死喰い人"と共に英国魔法界に全面戦争を挑んだ。
"あの人"全盛期の英国魔法界は暗黒時代そのものであったようで、作中にも暗い影を落としている。
しかし予言により自らを滅ぼす可能性を持つ人間が生まれると知ったヴォルデモートは…という所で本編が始まる。
名前を呼んではいないあの人
ちなみに原作者 J.K.ローリングによれば、Voldemort は最後の t をサイレント、つまり発音せずに「ヴォルデモー」とするのが、本来のあの人の名前の呼び方である。
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/jk_rowling/status/641724495695364096
つまり原作小説日本語版や映画版では、あの人ご本人ですらも名前を呼んではいけない縛りを忠実に守っているわけである(なお、なぜ原作者による訂正等が行われなかったのかは不明。その他の詳しい話はこちら → ハリポタの悪役ヴォルデモート、正しい発音は「ヴォルデモー」だった! - ポッターマニア)。
ネットでの扱いについて
尺の都合か、映画版のハリー・ポッターは小説版のハリー・ポッターよりもウィットに富んでいる節がある。
映画版4作目「ハリー・ポッターと炎のゴブレット(日本語吹き替え版)」において、旧習にこだわる"あの人"はハリー・ポッターに対して旧式の作法に則った魔法での決闘を要求。この際、ポッターは決闘の作法を知らなかったため、"あの人"は
「決闘のやり方は学んでいるな? まずは互いにおじぎだ…」
「格式ある儀式は守らねばならぬ。ダンブルドアは礼儀を守れと教えただろう…」
「おじぎをするのだ!!」
と発言。前3作で散々「名前を呼んではいけない」と恐れられた"闇の帝王"が格下のポッター相手に「おじぎをするのだ!」としかりつけるその様子は視聴者に大きく印象づけられた。さすが純血のイギリス人!
その後一部ネット界隈において「"あの人"のAAを作った」という事でスレが立ち(詳細はググれ)、そのAAをネタにして新しい派生AAができ、ポッター映画が一般上映されるとマルフォイと共にネタにされるようになる。
※この先はカオスな成分を多々含んでおります。
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/ ヽ こんなにもマグル達がおじぎに飢えてるとは思わなかった
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| ィ rっフ , 弋ミア |r, わたしの愛を 全ての地球人に!!!
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ニニニニニニヽ / {ニニ> ´ `¨¨´ ニ} \>''"´
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ニニニニニニニ./ }ニ{ アバダケダブラ ノニヽ ノ
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「お辞儀」原文
松岡佑子氏による日本語翻訳版とJ・K・ローリング氏による原作版の各原文は以下の通り。
「ハリー、互いにお辞儀をするのだ」
ヴォルデモートは軽く腰を折ったが、蛇のような顔をまっすぐハリーに向けたままだった。
“We bow to each other. Harry,” said Voldemort, bending a little, but keeping his snakelike face upturned to Harry.「さあ、儀式の詳細には従わねばならぬ……ダンブルドアはおまえに礼儀を守って欲しかろう……死にお辞儀するのだ、ハリー」
“Come, the niceties must be observed.... Dumbledore would like you to show manners.... Bow to death, Harry....”死喰い人たちはまた笑っていた。ヴォルデモートの唇のない口がほくそ笑んでいた。ハリーはお辞儀をしなかった。殺される前にヴォルデモートに弄ばれてなるものか……そんな楽しみを与えてなるものか……。
The Death Eaters were laughing again. Voldemort’s lipless mouth was smiling. Harry did not bow. He was not going to let Voldemort play with him before killing him.... He was not going to give him that satisfaction....「お辞儀しろと言ったはずだ」
ヴォルデモートが杖を上げた――すると、巨大な見えない手がハリーを容赦なく曲げているかのように、背骨が丸まるのを感じた。死喰い人が一層大笑いした。
“I said, bow,” Voldemort said, raising his wand ―and Harry felt his spine curve as though a huge, invisible hand were bending him ruthlessly forward, and the Death Eaters laughed harder than ever.
まさかの強制お辞儀である。そして以上を踏まえた映画版の、岸田恵子氏による吹替版とスティーヴ・クローヴス氏の脚本に基づく原語版のセリフは以下の通り。
「決闘のやり方は学んでいるな? まずは互いにお辞儀だ…」
You've been taught how to duel, I presume, yes? First, we bow to each other.「格式ある儀式は守らねばならぬ。ダンブルドアは礼儀を守れと教えただろう…」
Come on, now, Harry. The niceties must be observed. Dumbledore wouldn't want you to forget your manners, would he?
吹替版は原作翻訳者の松岡氏による監修が入っているため、原作と同じ部分はほぼ同じ翻訳が充てられている(例えば「ダンブルドアは礼儀を守れと教えただろう」の部分は直訳するなら「お前が礼儀を失するなど、ダンブルドアは望んでいまい?」位の意味)。
従って bow も当然「お辞儀(をする)」と訳されたわけだが、あまりに幼稚な言い回しが 俺様 卿のキャラや緊迫したこの場面と全く合わないとする批判が多い中、小さい子供に言い聞かせるような揶揄のニュアンスがよりはっきりすると評価する向きもあり、難しいところである。まあ結局ネタになってしまったわけだが。
また映画版では原作版のもう一つのお辞儀である "Bow to death, Harry...." 辺りの部分がオミットされている。これは文字通りには死そのものと等価の存在である自分に対し決闘者として敬意を払えということだが、裏を返せばありがたくも俺様がお前に死を賜る栄誉を授けてやろうという宣言でもある。現に対するハリーは "before killing him...." とこの場で殺される可能性を強く意識しているが、それでも最後まで相手の意のままにならないと覚悟を決める。このように双方のキャラクター性の対比のよく現れた描写ではあるものの、いずれも葛藤も無いまま内面で終始する部分であり、映画的なテンポにそぐわないため省略されたのだろう。
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関連項目
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- ハリー・ポッターの登場人物一覧
- ハリー・ポッターと呪いの子(19年後が舞台のハリーの子世代)
- ○○の人の一覧
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