独眼竜政宗(どくがんりゅうまさむね)とは、1987年に放送された第25作目の大河ドラマである。
「独眼流」と記されることが多いが、これは誤りである。
概要
奥州の野心家・伊達政宗を題材に、大河ドラマ史上最高の平均視聴率39.7%(※瞬間視聴率にあらず)を叩き出した大ヒット作。俳優陣の演技力、骨太の脚本、斬新でありながら奇をてらいすぎない演出、要所要所を盛り上げた音楽など全ての面において高い評価を得ており、放送終了から30年以上経っている2021年現在でも傑作として語り継がれている。
2005年の「好きな大河ドラマランキング」でも1位を獲得するなど根強い人気があり、「伊達政宗=渡辺謙のイメージ」と言う者すらいるほど。
特徴
当時ほぼ無名に近かった渡辺謙氏を主役に据えたのだが、この作品の大ヒットは渡辺氏の名を一挙に国民的俳優にまで押し上げた。実は近世に後付けされた「独眼竜」という伊達政宗の二つ名を完全に定着させることになった。さらに、仙台市に観光客が殺到するなど経済的な効果も大きく、いわゆる「大河バブル」の先駆けとなった。
逆光のハイライトを生かしたオープニングや、最終回で「伊達政宗本人の遺骨」が出演するなど、それまでの大河ドラマに無い、画期的な映像面での演出が多かったのも特徴である。オープニングテーマの前に数分間の解説を入れる手法は今作から慣例となった(当時は賛否両論あったらしい。初めてこの演出を行ったのは「獅子の時代」)。
当時の考え方として、女性が政治に口を出さないことを基本としながらも、愛姫、義姫など政宗の周りの女性たちに関しても丁寧な描写がされており、彼女たちの織り成す物語もドラマの大きな見どころとなった。
政宗を主役に据えている関係上、政宗の敵役は悪役に描かれたため、最上義光(政宗の伯父)の地元山形から抗議が来るほどであった(最上家と敵対していた伊達家の資料をもとに話を作った(伊達家が監修を行った)からという理由もある。詳しくは最上義光の項参照)。これも人気であったがゆえに影響の大きさである。
主なキャスト
伊達政宗:渡辺謙
伊達輝宗:北大路欣也
義姫(お東の方):岩下志麻
伊達小次郎(政道):岡本健一
愛姫(成人期):桜田淳子
愛姫(幼少期):後藤久美子
五郎八姫:沢口靖子
伊達成実:三浦友和
片倉小十郎(景綱):西郷輝彦
片倉喜多:竹下景子
鬼庭左月(良直):いかりや長介
茂庭綱元(鬼庭綱元):村田雄浩
最上義光:原田芳雄
駒姫:坂上香織
豊臣秀吉:勝新太郎
北政所:八千草薫
淀(茶々):樋口可南子
豊臣秀次:陣内孝則
石田三成:奥田瑛二
蒲生氏郷:寺泉憲
徳川家康:津川雅彦
松平忠輝:真田広之
大久保長安:金田龍之介
虎哉宗乙:大滝秀治
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関連項目
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