ニコニコ大百科

「富国より強兵」の時流で戦争と共に突き進む日本の光と影を最前列で見る事になる栄一を
はじめ、栄一のためにも重い口を開いた慶喜様、プレッシャーに耐えきれず苦悩する篤二、
そしてかつての幕臣達と同様、憎悪に身を任せて暴徒と化した国民達…
全ての描写が世相と重なり慶喜様の言葉を通して一本の線となる構成と
それが栄一に突きつけられる展開が実に巧い。本当にもっと多くの話数で見てみたかったなあ。

目線を落として用意された原稿を読む。不本意なのが顔に出てるぞ。現代の政治家みたいに。
これまでの栄一の人生、大きな故障なしでやって来れたのが不思議なくらい。コロナ禍の中生々し過ぎ。

それにつけても、白髪や染み、老けかたの演出うまい。

長男君、偉大過ぎる父の後を継ぐプレッシャー、気の毒の至り。

目が覚めた時、先様がいた。最高の救いだった。どんな薬より。

暴徒ども恐すぎ。

病魔に斃れた父に、死の匂いと後継問題を嗅ぎつけて逃げ出す篤二君
同じように逃げた（と思ってた）慶喜を羨み、そして深く傷つける若さゆえの過ち
セリフ死の福地源一郎、ナレ死の惇忠兄いもお疲れ様でした

慶喜の伝記作りはもっとほのぼのした空気でやるものかと思ってたけど
人間の本質は幕末から地続きになってるよねというメッセージにチビってきちゃったよ

人間には役割がある。生涯の主君は、全ての恨みを引き受け何も語らず隠遁することが自らの役割だったと語った。では自分の役割とは何か？と考え引退を決意する流れも印象的だった。
暴徒と化した民衆が栄一や小村を襲撃する場面もゾンビ映画のゾンビみたいな感じになってるのがインパクト強い

「不都合な人間が消えれば世の中よくなる！！」って思想の狂気も描いてて大衆だけでなく主要キャラも一度この思想に憑りつかれてるという
「人がはだれが何を言おうと戦争したくなったら絶対するんだ。欲望は道徳や倫理よりも強い。ひとたび敵と思えば幾らでも憎めるし残酷になる」って発言も結構踏み込んできたな。草薙徳川慶喜マジで良いし、尽未来際って言葉の重みは重い…
先週の川村も良かったよね

惇忠のあにぃがナレ死だったのはちょっと寂しいなぁ。
栄一との関わりが深い人物だっただけに…
ただ、慶喜公が惇忠のあにぃを労うシーンはグッときたね
退場前のシーンとしてはとてもいいと思う

福地源一郎が亡くなってるから39話の時点でもう1906年か。
川村恵十郎様（1898年）や栗本鋤雲様（1897年）、栄一の弟分だった須永伝蔵（1904年）、栄一の姉のなか姉様（1899年）も既に亡くなってるんだな…。

日露戦争後の民衆が起こした騒動を鳥羽伏見前の幕臣たちの狂気と重ねた演出は見事だった
佐幕大河だと薩長が愚かな悪みたいに書かれがちだけど幕府側の落ち度もここまで省みるとは思わなかったわ
幕末に時間かけすぎと言われてきたけどこの積み重ねがないと今回は光らなかったと思う
しかしこの時期っていだてんで金栗四三が青春を過ごした頃まで進んでるんだな

通常の話数だと喜作と慶喜で1話ずつお別れなんだろうけど
残り話数から考えると週末はふたりともお別れになるかもしれんな。

兄ィも話数があれば、慶喜に労われた後、弟達に迎えられて逝くシーンとか入れられたんだろうなあ。

第一国立銀行の後身がまたやらかしてますが、どうしましょう頭取？

話数少ないから一時間2回って苦肉の策かな？
正直全然期待してなかったから、ここまで幕末から維新までやってくれるとは思わなかった。
岩崎弥太郎との経済戦争とかはもう少し見たかった感はあるけど。

麒麟は後半高速で巻いた印象だったけど、要所要所を押さえてるし、フランス行っていなかったところで無理に書かなかったこととか上手く利用してるな。

篤二の苦しみが直虎の氏真と重なって見えた。
決して無能なわけではなく教養はちゃんとあるんだけど、
上に立つ器量に欠けて、本人がそれを一番自覚しているというのがなおのことお辛い。
今まで沈黙していた慶喜が、世間の評判を本当だと誤解していた篤二が放った言葉を聞いて、重い口を遂に開くきっかけになったのは単純にうまいなーと感心した。
>>639
ほんとこれ。尺が足りないのが本当に惜しすぎる。
花燃ゆか西郷どんから話数を引かせて、青天に与えてあげたくなる。

>>638
言うて、幕府側主役にした大河で薩長を100%トンデモ悪に描く大河の方がまずないのでは？
勝者と敗者という厳然たる史実と政治的ゴニョゴニョから何か言われるリスクを考慮して、バランス取りに行った描き方の方が多いと思うが

ワイシャツが折襟になって、背広のすそが短くなっているのが時の流れ感じるな。

伊藤、ついにこの時が…。栄一の葛藤を強めるうまい演出だった。そしてnowar！の志を決めるきっかけに。

喜作も慶喜公も逝ったか。本当によく生きた。

で大隈、そういえばまだしぶとく生き残っていやがったか。二次政権の時76だしなあ。貧乏くじという言い分はわかるが…。この後日本は…。

大隈とやり合った時に居た外相の加藤高明さん、晩年に栄一をノーベル平和賞に推薦していたんだな。

大隈の「維新の尻拭いばしとるんじゃ！」って言葉には唸らされたな～

先週の話題通り、次々と主要人物が旅立っていく回だった
そして栄一はようやく自分の子ども見てなかったことに気付くというね
平和な戦争とはよく言ったものだけど、やっぱ国土の差は経済力の差に直結するよねと
スピーチを部屋の外で聞いてた黒人青年も良かった

大河ドラマ徳川慶喜公　～完～
慶喜を絡ませたら尺が足りなくなることは危惧されてたけど、それでもしっかり描いてくれて良かった。

>>643
ここ最近の幕末大河で幕府側から描いた作品は割と当たりが多いんだけど、幕府側ひいては主役側のマイナス面もしっかり描いているというのもあるね。
例えば、八重の桜も会津側の問題点も容赦なく描いていたし、新政府側の人間も単なる悪役・仇役ではない魅力的な人物に描かれていたし（槇原、木戸など）

維新側を主役にした幕末大河の場合は維新を目標や新しい希望に満ちたものとして描く場合が多いけど(もちろんその作風で面白い作品もちゃんとある)、実際はその後何年も人生は続く訳で、「維新のその後と現実」を描いてるのが大河らしいなとも思う
同時に生き残った者・残された者を描き続けてる作品だなとも

慶喜公が亡くなって、これで最終回でもいいんじゃないか
本当にいい演技、脚本だった

家族で観てたんだが「第一次世界大戦に日本が参加してた」ってことを知らなかった人って相当に多そう。既に日本の過ちは始まっていたんだよね…

>>651
とはいえ一次大戦に参戦したのはイギリス含む連合国が参戦を迫ってきたのもきっかけだしな(なおイギリスはあの地獄の西部戦線に日本軍来てと言ってきたけど日本は日露戦争の恐怖を知ってたから丁重に断った模様)

仮にあそこで参戦しなくても後に来る世界恐慌で日本の勢力拡大は起きてきそうだし

喜作と慶喜、二人の物語をやりきったうえで
まだまだ激動の時代を駆け続ける栄一…。
最終回も十分期待できそうだけど、どういう形で締めるのか
（後世に功績や希望のバトンをどう繋ぐのか）気になるなあ…。

悲しいことだが、栄一の没年に満州事変が起きるんだよな…。
バトンを受けとるどころか、それまで先人たちが築いて来たものを足蹴にして戦争に向けて全力疾走。
すでに日本は陰り出していた。
雲の上で渋沢翁が怒り泣いたことは想像に難くない。

>>652
お義理なんだから宣戦布告して駆逐艦派遣するくらいでよかったのに、中途半端に欲かいて都合のいいところだけ手を突っ込んだりするから…

栄一の土下座姿が物凄く惨めで情けなくて悲しくなった
若い頃あれだけ父様に支えられ思う存分やりたいことやれたのに
自分は嫡男の教育に失敗し孫の夢を諦めさせるという駄目爺さんに成り果てたのがね…
生まれたばかりの歌子への接し方にも言えるけど市太郎の夭逝で父親としてのスタンスが歪んじゃった気がする

多忙だったのもあるんだろうけど、子供達の事は基本的に千代や兼子やくにに任せてただろうし、実母亡くしたばかりの篤二を長女の歌子に任せきりだったりだったしな。
攘夷活動にかまけて妻子ほったらかしとか不倫騒動もそうだけど、家族への愛情はあるけど家庭人としては駄目人間なのが徹底して書かれてる

栄一は良くも悪くもめっちゃエネルギッシュで周りが従わざるを得ないのかもね…ある意味主人公属性だな
この大河での人物像を見ると自己主張が凄いし本人が自省するかツッコミが入るかしないと喋り倒して栄一劇場が展開してやりたい放題だからまんま暴れ馬だわ
そういう点では頭ごなしに否定するでもなく栄一の主張にすぐワッショイするでもなく淡々といなせる慶喜は相性良かったかも

慶喜公の他に、平岡様の存在も大きかったように思う。
栄一は頭がよく自信家だが、それ以上に賢く先見の明があった。だから、僭越を承知で二人を引き合わせた。
頭だけで考えてねえで世を見てみろ。やるべきことがきっと見つからあ。そう説いて導ける人物だった。
だから疎まれ殺された、と栄一自身後年書いてるけど…。

いい作品だった…
敬三の視点で描いていたのも良かったな…。観て良かったと心から言える大河だった…