アスキン・ナックルヴァールとは、漫画『BLEACH』の登場人物である。アナキンではないしダスキンでもない。
見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)の精鋭部隊である星十字騎士団(シュテルンリッター)のメンバーで「D」の聖文字(シュリフト)の持ち主。星十字騎士団の中でもその実力は上位に食い込むらしく、尸魂界(ソウル・ソサエティ)への第二次侵攻の際には、ユーハバッハの直属精鋭部隊「親衛隊(シュッツシュタッフェル)」のメンバーに抜擢されている。身長は187cmで誕生日は6月6日。
ノリの良いラテン系の男で、痩せ気味な頬と藍染惣右介を思わせるようなオールバックヘアーにちょろ毛の前髪が特徴。腕輪を嵌めており、左腕には腕輪を三重に嵌め(神聖弓(ハイリッヒ・ボーゲン)は普段はこの中に収納している)、古代エジプトを思わせるような軍服を着用している。因みに、ユーグラム・ハッシュヴァルトや蒼都程ではないが、中々のハンサム顔である。
お気楽で掴みどころのない性格をしており、敵味方問わず冗談を口にしたり軽口を叩く事が多いが、常に冷静且つ慎重に物事を観察している。「キツい言葉を遣う奴ってのは余裕が無く見える」という理由で、敵であろうと暴言は吐かずユーモアのある言い回しをしたり、好物のカフェオレを戦場でいつでも飲めるよう水筒に入れて携帯したりと、様々な場面で余裕を見せる言動が多い。また、上記の性格や言動に加え、やり方こそ荒っぽいもののハッシュヴァルトとバズビーの衝突を諫めたりと、人格破綻者の多い騎士団メンバーの中では数少ない常識人でもある。「致命的」が口癖で、女の価値の判断基準は「顔ではなくオシャレか否か」。
他の騎士団メンバー達が非常に好戦的で真っ向勝負を好む傾向にある中、彼は「敵と遭遇する事を避けて身を隠す」「形勢不利と見ると一目散に逃げ出す」「強力な敵を前にすると心底面倒臭がる」等、戦いには消極的だが、戦闘を避けられない状況になると、逃亡せず交戦に移る。戦闘では戦略的に動きながら確実に相手の弱点を突いたり、ひょうきんな振る舞いで相手の油断を誘いつつ、計算されたカウンターや罠に嵌めたりと、狡猾に隙を窺う姿勢を見せる。霊圧解析能力にも長けており、相手から受けた攻撃を即座に解析し、驚異的な速度で免疫を精製する。相対した浦原喜助は「1分もあればどんな攻撃も無効化してしまうでしょう」と述べた。
ユーハバッハへの忠誠心は本人曰く「ポメラニアンの倍ほどもあるつもり」との事だが、彼の場合は忠節のみではなく、「現世・尸魂界・虚圏の三つの世界を潰した後にどのような世界を築くのかを見てみたい」という好奇心によるところも大きい模様。
第一次侵攻ではフードを被った姿で登場しているが、特に活躍の場面が描かれる事はなかった。見えざる帝国に帰還後は、石田雨竜の王位継承に不満を抱くバズビーと、それを諌めようとするハッシュヴァルトが私闘が始めようとしたところに「毒入りボール(ギフト・バル)」を投げ込む形で、2人を仲裁した。
第二次侵攻では技術開発局に侵入するも、見えざる帝国が影を使って自由に移動可能である事を看破し、局長室や自分にも影が出来ないよう対策を施した涅マユリが現れた為、彼を一筋縄ではいかない相手だと判断し、撤退した。 その後はペペ・ワキャブラーダと共に更木剣八とグレミィ・トゥミューの戦いをサンドイッチを食べながら観戦したりと、随所で顔を覗かせる。ユーハバッハによる霊王宮侵攻の際は、ユーハバッハ率いる4人の親衛隊のうちの1人として、瀞霊廷を襲撃していた騎士団の中で唯一召喚される。他の親衛隊達が二枚屋王悦に瞬殺されていく中、自身も攻撃を受けて大量に出血するが、血を舐め取り「致死量」の能力を発動。自身の致死量を上げて耐性を獲得する事により生存し、王悦の致死量を下げつつ彼の体内の血液を猛毒へと変貌させた。しかし、王悦の呼び掛けに応じて麒麟寺天示郎が乱入し、対象者の血液を入れ換える「赤の湯」によって、毒された王悦の血液は全て健常な血液に入れ換えられてしまう。そしてナックルヴァールは状況を理解出来ないまま、回復した王悦に一撃で斬り伏せられ死亡した。だが、直後にユーハバッハが「聖別(アウスヴェーレン)」を発動した事で、瀞霊廷に取り残された騎士団員の力を得て他の親衛隊達と共に復活した。アニメ版では、復活後は麒麟寺と交戦し、「滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)」となって麒麟寺を圧倒するが、零番隊の自刃によって真の力を解放した修多羅千手丸の卍解「娑闥迦羅骸刺絡辻」の能力で、アイアンメイデンの如く串刺しにされ、反物の中に封印されてしまった。
真世界城(ヴァールヴェルト)形成後は、侵入者の討伐命令を受けて迎撃に向かったところで黒崎一護の一派と遭遇。早々にグリムジョー・ジャガージャックの執拗な追跡に遭ってしまうが、毒入りボールで彼を返り討ちにする。その後は再び一護の前に現れ、描写はないものの交戦状態に入ったようである。暫くして、リジェ・バロが敗れた事に感づき、更に「奇跡」の能力を発動したジェラルド・ヴァルキリーの姿を見ては親衛隊の事を話し出し、一護に向き直す。
「そう思うだろ?一護 ─────って もう聞こえちゃいねェか」
いつの間にか一護はナックルヴァールの「毒入りプール(ギフト・バート)」による霊子中毒で、床に敷かれた絨毯のようにペラペラの状態でうつ伏せになって倒れていた。主人公であるにも関わらず、戦闘描写もないまま敵の能力であっさりと倒されてしまったこの衝(笑)撃的シーンはネット上でもネタにされており、この回が連載されたジャンプ本誌では「一護でさえ───!!」という煽り文句が付けられていた。(アニメでは一護との戦闘シーンがある程度補完されているのだが、結局一護が絨毯になって敗北する結末は変わらなかった。因みに、この時の一護が絨毯と呼ばれる原因は「死覇装の黒い部分(特に下半身)がベタ塗りされており、影や服の皺が描かれておらず立体感が無いから」なのだが、作画の良さに定評のあるアニメ千年血戦篇でもそれは改善されず、絨毯状態が忠実に再現されていた為、スタッフが意図的に一護を絨毯化したのは間違いないだろう)。救援に現れた茶渡泰虎と井上織姫も一護と同様に毒入りプールで行動不能に追い込むが、背後に四楓院夜一が現れ交戦。「瞬閧・雷神戦形」となった夜一の広く包む程の雷撃を食らった隙に一護達を逃がし、更に彼女の弟である四楓院夕四郎の加勢も許してしまうが、彼女等の攻撃に対する耐性を獲得。反撃に転じ2人を圧倒するが、そこに浦原喜助が乱入し、自身の能力の抗体を施され、更に「瞬鬨・雷獣戦形『瞬霳黒猫戦姫』」となった夜一の怒涛の猛攻の前に完聖体を発動。1秒に48回変化する黒猫戦姫状態の夜一の霊圧も、この完聖体で1秒間だけ攻撃を受け切る事で解析し、全48種感染完了(コンプリート)。「極上毒入りボール(ギフト・バル・デラックス)」や「猛毒領域(ギフト・ベライヒ)」で浦原達の脱出を封じ、「猛毒の指輪(ギフト・リング)」で浦原の両目を即死させるが、追い詰められた浦原は卍解「観音開紅姫改メ」を発動。その能力にナックルヴァールは翻弄されてしまうが、効果範囲が遠くない事を見抜き、結界内の毒の濃度を更に上げて浦原を倒そうとする。実は、浦原にとってこの卍解は囮であり、猛毒領域の「脱出は不可能だが侵入は不可能ではない」特性を利用し、援軍の為の道標を示すのが目的であった。そして、ナックルヴァールはその目論見通り、結界内に侵入したグリムジョーの奇襲により、心臓を抉り抜かれてしまう。だが、ナックルヴァールは最期の力を振り絞り、極上毒入りボールの威力を上げ、浦原達を相打ちに持ち込む形で死亡した。
「アンタにゃ敬意を表してえが……こればっかりはどうしようも無ェ……アンタらにゃもう逃げる力なんか残っちゃいねェだろう……すまねェな……とは言え……アンタならきっと……何とかしちまうんだろうなあ……全く……癪だから……致命的だとは……言わないでおくぜ………」
The Deathdealing(ザ・デスディーリング)。致死量。生物が物体をどのくらい摂取すれば死亡するかの値「致死量」を自在に操作する事が出来る。「操作したい物質を事前に体内に大量に取り込む必要がある」という発動条件があるが、この能力を用いれば、100kg摂取しなければ人体に影響を及ぼさないような物質も、1mg摂取しただけで死亡する有害な毒物に変えてしまうことが可能であり、その対象は生物の体内にある物質だけでなく、大気中の霊子や霊魂の霊圧等にも効果を及ぼせる。作中では血液の致死量を極端に下げる事で、対象が失血レベルで血液を身体から抜かなければ間もなく死亡する状態にするという、生物学的に反した現象を起こす芸当を見せている(対象の血液そのものを摂取する必要は無く、作中では自身の血液を摂取して敵の致死量を操作していた)。
能力の応用として、自分自身に能力を行使して特定の物質に対する致死量を逆に極端に上げる事で、その物質に対する耐性を身に着ける「免疫」を獲得する事が出来る。つまり「大量に取り込んだものに対して自身は耐性を持ち、更に敵にはそれら全てを猛毒に変える事が出来る」のである。
欠点としては、操作したい物質を大量に取り込まないといけない事である。その為、一度は必ずダメージを受け切らなければならない上、自身が即死した場合は能力を発動出来ない。
毒を扱うキャラクターは作中には複数存在するが、ナックルヴァールは有毒物を扱うのではなく、本来無害なものも有毒にしてしまうという、一風変わったタイプの毒使いである。因みに、彼は自身の能力を嫌っているようだが、性能には自信を持っており、自身の能力で相手を打ち倒す事に強い拘りを持っている。また、能力を使わずに相手に勝とうとする事や、純粋な力勝負で勝敗を決めようとする事に対し、「デリカシーがない」として毛嫌いしている。
能力の対象とした物質を含んでいる球を相手に投げ付け、当たった相手に致死量の効果を発現させる。
致死量の効果を持つプールのような空間を形成する事で、内部に踏み込んだ者が対象の物質に対して持つ耐性を致死未満のレベルにまで下げる。
頭上に紫色の光輪(ハイリゲンシャイン)が出現し、背中から分子を思わせる翼が生える。本人曰く「冴えねェ名前」。
完聖体第二段階では、光輪が翼と同じく分子のような形状に変化し、目元にバイザーが装着され、両腕に嵌めていた腕輪と両足に足輪が浮き出て共に浮かび、近未来的でサイバーチックな姿と化す。
この形態になると、摂取した物質が秒単位で変化する特性を持っていたとしても、ベースを瞬時に演算する事で変化に対応出来るようになる。「致死量」の能力をより高めた能力であり、相手の霊圧の耐性を完全に獲得し切ってしまえば、以後その相手はナックルヴァールに対して如何なる攻撃を放とうが傷一つ付けられなくなってしまう。また、左右対称の四つの球体が付いた霊子の棒を作り出す事で、接近戦に持ち込む事も可能。
毒入りボールの強化版。通常よりも遥かに巨大な毒入りボールを作り出す。
極上毒入りボールの表面に猛毒の結界を張る事で、相手を絶対脱出不可能な猛毒の空間に閉じ込める。
致死量の効果を集中させた腕輪を相手に投げ付け、当たった部位を即死させる。着弾するまでに指輪程のサイズにまで小さくなり、相手から見ればあたかも消えたかのように感じてしまう為、回避するのは難しい。本人曰く「とんでもなく強くて「致死量」がロクに効かないヤバい奴にしか使わない」との事。
掲示板
4 ななしのよっしん
2024/01/27(土) 01:04:00 ID: b2FoBOEx5n
人間臭さと頭の回転の早さが騎士団の中では1人だけズバ抜けてたな
如何に久保先生が気に入ってたか分かる
陛下が三界を壊した後に作る世界を知りたいって明確な目的があったのも魅力に奥深さを与えてた
ハスハインは初見時正直カッコ良くないなと感じたけど、子供のSFなりきりみたいだなと思ってから好きになった
要はナックルヴァールって浦原や京楽そっくりな好奇心旺盛で童心を持ったままの大人だったんだな
致死量操作なんて部分的に生と死を操る能力を持ち聖別で強化されたのも一種の万能感に拍車掛けてたんだろう
能力は正にチートだけど敗因は自身のおしゃべりって所も明確かつ小物臭さが効いてて憎めないわ
数多すぎてほとんどが掘り下げ不足で只のやられ役だった血戦篇敵連中の中じゃ屈指の濃い良キャラだった
5 ななしのよっしん
2024/12/29(日) 00:36:35 ID: B7ZNM/GlVY
6 ななしのよっしん
2025/03/14(金) 11:01:49 ID: xv7IC+RoDQ
バラガンみたいな即死生の技の使い手とは相性最悪なんだろうな。バラガンには骨しかないから窒死量として操作できる物質も限られてるし、ましてや滅却師にとって虚は毒だから、死の息を食らったら死神以上に進行が速く対策や侵食部分を切断する前に死亡する可能性も高い。
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最終更新:2025/12/16(火) 07:00
最終更新:2025/12/16(火) 07:00
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