アルファベットスープ(Alphabet Soup)は、以下の意味である。
父Cozzene、母Illitarate、母父Arts and Lettersという血統。
父コジーンはブリーダーズカップ・マイルを勝ち、種牡馬としても本馬の活躍で1996年北米リーディングサイアーを受賞するなど活躍した。産駒は*エイシンバーリンやアドマイヤコジーンのような快速馬から*ローブデコルテ、*ティッカネン(BCターフなど)、*スターオブコジーン(アーリントンミリオンなど)のような中距離馬まで幅広いタイプがいる。
母イリテレイトはGIII2勝を含む67戦10勝のタフな馬で、2003年に31歳の高齢で死亡している。
母父アーツアンドレターズは1969年のベルモントSで無敗の二冠馬マジェスティックプリンスに土をつけるとその勢いで古馬戦でも大暴れし、この年の全米年度代表馬を受賞した活躍馬。
ペンシルベニア州で生産された本馬は2歳の時に庭先取引されてデビッド・ホフマン調教師に預けられたが、成長が遅くデビューは3歳4月までズレ込んだ。このため、三冠競走とは無縁であった。
デビュー2戦で3着・4着のあと、ケンタッキーダービー翌週に出走した3戦目の未勝利戦で勝ち上がった。その後一般競走を5戦し、最初の3戦は敗れたが4戦目から2連勝した。続けてヴォランテH(GIII)に出走したがクビ差の2着に惜敗した。その後出走したラザロ・S.バレラH(GIII)では伸びを欠いて5着に敗れ、3歳時は10戦3勝だった。
4歳時は7月に復帰し、初戦の一般競走を3着とした後にハンデ戦を1勝して臨んだデルマーブリーダーズカップH(GII)を直線入り口で先頭に立って押し切った。続くグッドウッドH(GII)では上がり馬の本馬とGI馬である*ソウルオブザマター・ティナーズウェイの3強対決と目され、2頭より5ポンド軽い斤量で出走したが*ソウルオブザマターの1馬身1/4差3着に惜敗した。続くクラークH(GIII)も3着だったが、年末のネイティヴダイヴァーH(GIII)ではスタートから逃げて7馬身半差で圧勝した。4歳時は重賞2勝を含む6戦3勝3着3回という好成績を残した。
5歳時はサンタアニタ競馬場のサンパスカルH(GII)から始動し、GI6勝を挙げていた地元カリフォルニア州のアイドルホース・ベストパルを抑えて1番人気に支持された。レースでは道中終始絡まれながらの逃げになったが最後は抜け出して1馬身3/4差で勝利した。続くサンアントニオH(GII)でも*ソウルオブザマターをクビ差競り落として勝利したが、GI初挑戦ながら3番人気に支持されたサンタアニタH(GI・10ハロン)では全く伸びずに11頭中10着に大敗した。その後、休養に入った。
復帰戦となる8月のパット・オブライエンS(GIII)では後にこの年のブリーダーズカップ・スプリントを勝利するリドジュスティスが1番人気だったが、これを3着に破って快勝した。しかし、続くデルマーブリーダーズカップHでは逃げたドラマティックゴールドを捉えきれずクビ差2着に敗れ、グッドウッドブリーダーズカップH(GII)では前走パシフィッククラシックSでシガーの連勝を止めたデアアンドゴー相手に勝ったと思われたものの同馬への進路妨害を取られ3着降着となってしまった(逃げて2位入線のサヴィニオが繰り上がった)。
この年のブリーダーズカップはカナダ・ウッドバイン競馬場で行われた。本馬が出走したクラシックではデアアンドゴーの他、前年のこのレースを含む16連勝など数々の記録を打ち立ててこのレースで引退するシガー、3歳馬からはトラヴァーズSを勝ったウィルズウェイとプリークネスSを勝ったルイカトルズ、日本から遠征したタイキブリザードなどが顔を合わせた。2ヶ月前に連勝こそ止まったもののそこから1勝2着2回とそれなりの好調を維持していたシガーが単勝1.65倍に支持され、本馬は単勝7番人気(20.85倍)だった。
レースは好位から競馬を進めた本馬に勝負どころでシガーが並びかけ、番手につけたルイカトルズと地元馬マウントササフラとの4頭での叩き合いとなったが、ルイカトルズをハナ差で下して勝利した。勝ち時計2:01.0はコースレコードで、3着シガーはアタマ差、4着マウントササフラは半馬身差という激戦であった。
6歳時も現役を続行したが、サンアントニオH(GII)でアルゼンチンから移籍してきて4連勝中のジェントルメンに逃げ切られて2着に惜敗した後、脚首を故障し引退となった。通算成績は24戦10勝、GIは1勝だったがその1勝はブリーダーズカップという唯一無二の大舞台であった。
引退したアルファベットスープは、馬産団体であるアデナスプリングスが北米各地に保有する拠点を転々としながら種牡馬生活を送り、2015年の種牡馬引退時点でGI馬3頭を含む40頭以上のステークスウィナーを出して成功した。
2015年に種牡馬を引退した後はケンタッキー州の功労馬繋養施設であるオールドフレンズで余生を過ごすことになった。2017年には芦毛の馬が頻繁に悩まされる悪性黒色腫(メラノーマ)に罹患したが、ワクチン接種によって容態が改善した。その後は健康に余生を送ったが、2022年1月28日にかねてから抱えていた腎臓の疾患が悪化し安楽死措置が執られた。当時31歳で、存命のBCクラシック優勝馬の中では最高齢であった。
Cozzene 1980 芦毛 |
Caro 1967 芦毛 |
*フォルティノ | Grey Sovereign |
Ranavalo | |||
Chambord | Chamossaire | ||
Life Hill | |||
Ride the Trails 1971 鹿毛 |
Prince John | Princequillo | |
Not Afraid | |||
Wildwook | Sir Gaylord | ||
Blue Canoe | |||
Illiterate 1972 鹿毛 FNo.1-n |
Arts and Letters 1966 栗毛 |
Ribot | Tenerani |
Romanella | |||
All Beautiful | Battlefield | ||
Parlo | |||
Laurel Mae 1959 黒鹿毛 |
Crafty Admiral | Fighting Fox | |
Admiral's Lady | |||
Magic Melody | Zacaweista | ||
Dancing Deb | |||
競走馬の4代血統表 |
掲示板
1 ななしのよっしん
2022/02/01(火) 22:21:36 ID: IIblI/sghO
当時はドンHでスキップアウェイを負かした馬ぐらいの印象しか無かったけど、こんなに高く評価されてた馬だったのか…
同じ年の活躍馬だとジェントルメンの方は期待して注目してたんだけど、やっぱり海外の勢力図ってのは大レースしかみてないようだと全く分からんもんなんだなあ
2 ななしのよっしん
2022/02/01(火) 22:28:53 ID: IIblI/sghO
3 ななしのよっしん
2023/01/20(金) 20:30:25 ID: Re+1goCcNp
のんびりとしておいしそうな名前とは裏腹な戦績
魔王シガーの成績表を追うと最後に出てくる名前なのが印象深い
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/02(月) 10:00
最終更新:2024/12/02(月) 10:00
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