ウロボロス(ouroboros、uroboros、古希:ουροβóρος)とは、自分の尾を咥えて(または飲み込んで)円環状になったヘビや竜を図案化したもの。語源は古代ギリシア語で「尾を飲み込む」の意[1]。
元々ヘビは脱皮や強い生命力などの連想から死と再生や不老不死の象徴とされ、そのヘビが自らの尾を呑むウロボロスは循環、永遠、無限、完全性など多くの意味を持つ。
古代の象徴の1つであり、新石器時代の中国の北方紅山(ホンシャン)文明(紀元前4700年-紀元前2900年)では、色蛇紋石で作られた自らの尾を咥えた幻獣の遺物が発見されている。これはヘビと豚が合体したような姿で、「猪竜(ズーロン)」または「玉猪竜(ユーズーロン)」と呼ばれ、龍の原型になったと言われている。
今見られるウロボロスのルーツは、紀元前1600年頃まで遡ることができる。エジプト神話の太陽神ラーの夜の航海を守護する神、メヘン(ヘビの姿をしており、ラーを護るためにラーの周りを取り囲んでいる)が原型とされる。これが古代ギリシアに伝わり、ギリシアの哲学者などによって「ウロボロス」の名がついた。
自らの尾を咥えるヘビ・竜などは以下の例のように多くの神話や伝承、宗教で見られる。
ちなみに2体のヘビや竜がお互いの尻尾を咥えているパターンもある。卑猥なことを考えてはいけない
2体の場合、一方のみに肢や翼が生えていることが多い。
∞にはウロボロスの意味があり、∞の記号自体がウロボロスに由来するという説もある。
自分を産んだ人物が自分自身だった、というような話もウロボロスに例えられる。アメリカの作家ロバート・A・ハインライン(1907-1988)のSF短編小説『輪廻の蛇』や広瀬正のSF長編小説『マイナス・ゼロ』が主たるものである。
ウロボロス的な存在がそのまま自らを飲み込んでいき最終的に無になってしまう、というのも定番。
ここまで広い意味を持つ事からしても、ウロボロスという概念が古代から現在に至るまで多くの人々の心を惹きつけてきたことが分かる。
この他にも、南アフリカ共和国西部に生息しているアルマジロトカゲというトカゲは防御態勢として自らの尻尾を咥えるため、Ouroborus cataphractusという学名が与えられた。
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最終更新:2024/11/09(土) 08:00
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