クリソプレーズとは (クリソプレーズとは) [単語記事]

クリソプレーズとは、2002年生まれの日本の競走馬である。黒鹿毛の牝馬。

競走馬としては条件戦を3勝する程度であったが、繁殖牝馬としては優秀な産駒を輩出して大成功を収めた。

概要

父*エルコンドルパサー、母*キャサリーンパー、母の父 Rivermanという血統。
父は3歳にしてジャパンカップを制して、古馬ではフランス遠征を行いサンクルー大賞を制し、凱旋門賞においてはMontjeuとの壮絶な一騎打ちの末に日本馬最高順位である2位となった。種牡馬としては本馬はその2年目の産駒である。なお、*エルコンドルパサーはクリソプレーズが誕生した2002年に腸捻転により亡くなっている。
母は未勝利馬ながらG3・2着2回でG2・3着とグループ競走での好走歴がある。引退後は繁殖牝馬としてアイルランドやイギリスで生活を送って、1997年に稀代の大失敗種牡馬*ラムタラの仔を受胎した状態で日本に輸入されてノーザンファームに繋養された。
母の父はプール・デッセ・デ・プーランとイスパーン賞の勝ち馬で、種牡馬としてはG１・7勝を挙げたIrish Riverなどの活躍馬を輩出した。

2002年 4月7日に北海道早来町のノーザンファームにて誕生。馬主は2001年よりノーザンファームと提携を結んだ一口馬主法人キャロットファームで、一口4.5万円×400口の総額1800万円で募集された。所属は栗東の音無秀孝調教師の厩舎に預けられた。

馬名の由来は、緑玉髄。希望が湧き一人で未来を切り開いていく。

2004年 10月16日に京都競馬場の新馬戦にてデビュー、生野賢一を背に6番人気の支持を受けた。しかし結果は5馬身差の圧勝を決めた勝ち馬ラインクラフトから大きく離された10着となった。ちなみにラインクラフトは後に桜花賞とNHKマイルカップを制して変則二冠を達成しているが、これはまた別のお話。

2005年に入ってからは中京競馬場の未勝利戦を4着、阪神競馬場の未勝利戦を5着として、デビュー4戦目となる新潟競馬場の芝1800mの未勝利戦に1番人気で出走。中舘英二を背に10番手追走から人気に応えて初勝利を挙げた。

その後は500万以下の特別戦であるカーネーションカップを4着・尖閣湾特別を7着として、9月の3歳以上500万以下の一般戦を5番人気で出走して生野賢一騎手を背に勝利を捥ぎ取った。

そして秋華賞のトライアル競走であるローズステークスに出走するもエアメサイアの8着。これが最初で最後の重賞競走出走であった。

その後は1000万以下の特別戦である堀川特別に出走して7着として3歳時を終えた。

2006年の3月から始動して1000万以下の条件戦を2戦して何れも着外。収得賞金の半減により500万以下に降格した。降格後は洛北特別を5着として、8月の新潟競馬場の3歳以上500万以下を制して3勝目を挙げた。

その後は1000万以下で何度か入着するも勝ち切れずに2007年の三木特別3着を最後に引退、繁殖牝馬となった。通算成績23戦3勝。

競走馬引退後は生まれ故郷であるノーザンファームにて繁殖入りとなった。なお、産駒は全てキャロットファームが所有して募集を集めた。

2010年に生まれた第2仔クリソライト（父ゴールドアリュール）がジャパンダートダービーを制して早くもGⅠ級制覇。その後も韓国 GⅠ コリアカップに参戦して初の王者となるなどの活躍を見せた。

順風満帆な繁殖生活を送っていたが、2019年 6月20日に17歳で死去。GⅠ 馬2頭を含むパターン競走優勝馬4頭を輩出したことにより、2020年に国際保護馬名に認定された。

本馬にはクリソライト・クリソベリル兄弟とダートにおいて好成績を残した産駒が存在する。また、一つ下の全弟にはジャパンカップダートを制したアロンダイトがいる。

実はクリソプレーズは芝でしか走っておらず、ダートでは一度たりとも走っていない。まあ、とうに競走馬を引退してしまった以上、確かめる術はない。だが、もしも彼女がダートで走っていたらどうなっていただろうか？真実は神のみぞ知る。