ノンコノユメ(Nonkono Yume)とは、2012年生まれの日本の競走馬。栃栗毛の騸馬。
千歳市・社台ファーム生産、美浦・加藤征弘厩舎→大井・荒山勝徳厩舎所属
馬主は山田和正→吉田千津→山田広太郎(山田両氏は関東の小売・サービス業会社社長)
主な勝ち鞍
2015年:ジャパンダートダービー(JpnI)、ユニコーンステークス(GIII)、武蔵野ステークス(GIII)
2018年:フェブラリーステークス(GI)、根岸ステークス(GIII)
2019年:サンタアニタトロフィー(南関東SIII)
父*トワイニング、母ノンコ、母父アグネスタキオンという血統。
父の*トワイニングは米国でGII2勝を挙げた、本邦輸入種牡馬*フォーティナイナーが米国に残した産駒の内の一頭である。引退後一度日本にリースされ、数年後に日本に輸入された。
母のノンコは現役時代芝とダートで3勝。母父のアグネスタキオンは無敗4連勝で皐月賞を勝った優駿。
祖母の半姉にハーツクライの母アイリッシュダンスがおり、4代母My Bupersまで遡って下ればGI4勝を挙げダイヤモンドビコーの母、ミッキーアイルやアエロリット、ラッキーライラックらの曾祖母である*ステラマドリッドやアイリッシュオークス馬Winonaがいるという中々のファミリー出身である。
2歳11月の東京ダートマイルでデビュー。鞍上に新人の石川裕紀人を迎え、2番人気でレース本番では中団後ろ目から直線差し脚を伸ばし、先に抜け出た1番人気馬を競り落として新馬勝ちを果たす。
続く自己条件は出遅れもあって最後方から脚を伸ばすも届かず惜敗するが、来日していたクリスチャン・デムーロに乗り替わった次戦では最後方からまくるように上がるとそのまま直線を押し切って2勝目を挙げる。
続く伏竜Sでは前が止まらず5着に敗れたが、次戦の青竜Sではこの年JRA所属のジョッキーになったクリストフ・ルメールが騎乗。ここではやはり後方から進めると直線で一気に追い込み勝利を収める。
その後6月のユニコーンSに出走し、ここでは2番人気。レースではスタート後のダッシュがつかず後方から進め、直線に入ってまだ後方2番手にいたが、一気に加速がつくと押し切り態勢のノボバカラを並ぶ間もなく交わして2馬身半突き放して重賞初制覇。上がり3Fが35秒5で2位とは1.1秒差の剛脚であった。
そしてジャパンダートダービーへと向かう。1番人気は兵庫CSを勝ってきたクロスクリーガーが単勝1.6倍も、続くノンコノユメが2.8倍の2番人気。鞍上は勿論ルメールが継続。
大雨が降り不良まで悪化した大井競馬場。ノンコノユメは中団に付けるが中央勢の中では後方。クロスクリーガーが終始展開を握り、直線に入っても先頭に立って追いすがるラッキープリンスを突き放す中、道中徐々にポジションを上げて直線に入って一気に脚を伸ばすノンコノユメ。残り100mでノンコノユメがクロスクリーガーを並ぶ間もなく交わし、2馬身半差を付けてダートGI初制覇となった。大井の実況は名前になぞらえて「正夢だ!」と叫んだ。
4ヶ月間を空けて武蔵野Sから復帰。ここでは同期で無傷4連勝中のモーニンが1番人気で、3歳ながらGIを勝っている為58kgの斤量となり流石に2番人気となるが、やはり後方から進めて直線に入ると剛脚を披露。粘るタガノトネールをゴール前ハナ差差して重賞3勝目を挙げる。
続くチャンピオンズカップではコパノリッキー、ホッコータルマエと差の無い3番人気に推され、レースでは息を入れる暇の無い締まった流れとなり、後方から進めたノンコノユメは最内を突っ込んで脚を伸ばしたが、中団から立ち回ったサンビスタには届かず2着となった。
年が明けて1番人気に推されたフェブラリーステークスでは後方から大外一気で追い込むが、好位で立ち回ったモーニンの2着、続くかしわ記念では若干伸びを欠いて4着に入り、帝王賞では3番手から早めに先頭に立ったコパノリッキーから3馬身半差も2着と頑張っていた。 頑張っていた、のだが。
帝王賞後、陣営は去勢を決断。この決断は加藤師からの発案であり、かしわ記念の時には鞍を乗せられない程暴れたり、帝王賞ではゲートで立ち上がるなど年を重ねるにつれて気性が悪化。馬は繊細な生き物であり、環境が変わる為に厩舎や牧場とレース当日で性格が全く変わる馬というのはままいるが、ノンコノユメの場合他の馬に反応したり、急に興奮したりするなど極端にそういうところがあるタイプだったようだ。
4歳秋は川崎開催のJBCクラシックから始動するが、ここでは中団から徐々にポジションを上げるも完璧に立ち回ったアウォーディーには届かず、また直線で同じ位置にいたサウンドトゥルーに末脚で敗れ4着。
ライアン・ムーアに乗り替わった続くチャンピオンズカップは後方から脚を伸ばすも更に後方にいたサウンドトゥルーが剛脚を披露し、ノンコノユメは6着。東京大賞典では4, 5番手といつもより前目に付けたが4コーナーでペースが上がった時に遅れ、そのまま離されて4着。
明けて5歳となりフェブラリーSに挑むが伸び脚なく7着に敗れ、7ヶ月空けて武蔵野Sでは最後方から追い込んで4着、続くチャンピオンズカップは9着となった。
去勢後に去勢前の調子が戻るのには時間がかかるものだが、ことノンコノユメに限れば非常に時間がかかった。加藤師曰く去勢後で逆に馬が大人しくなりすぎた、気持ちに前向きさが無くなった、繊細になりすぎて輸送で馬体が減ることが多くなった、という。
6歳となり根岸Sから始動。ここで新たに内田博幸を鞍上に迎えた。人気は6番人気となったが、ここでは大外枠から出脚がつかなかったものの、前がかっ飛ばした事もあり後方有利の展開となる。直線に入って大外から追い込むと先に抜け出ていたサンライズノヴァと競り合い、最後はハナ差競り落としてゴール。2015年武蔵野S以来およそ2年ぶりの勝利はレコードのおまけ付きでもあった。
その後優先出走権を得たフェブラリーステークスへ出走。前年の春秋ダート王ゴールドドリームが1番人気となり、続いて竹之下から解放されたそのライバル格として台頭してきたテイエムジンソク、出遅れ癖があるも一気の脚で突っ込んでくる4歳馬サンライズノヴァが人気。ノンコノユメはそれに続く4番人気であり、他にもケイティブレイブやベストウォーリア、アウォーディー、サウンドトゥルー、インカンテーションの8歳組やレッツゴードンキなど中々に揃った面子となった。
レースではやはりスタートで遅れ後方から進めたが、ニシケンモノノフとケイティブレイブの1枠組が先頭に立ち、5頭が後続を離して先団を形成。前半800mが45秒8とかいう去年の安田記念と0.3秒しか変わらないとかいうウルトラハイペースとなる。直線に入って残り300mになると先行勢が沈み外からゴールドドリームが台頭するが、その外から脚を伸ばす見慣れた赤いメンコ。ノンコノユメである。
残り100mに差し掛かる頃に内のインカンテーション、外のノンコノユメがゴールドドリームと競り、最後にはノンコノユメがクビ差制してゴール。G12勝目は最後方からの、嘗て見たあの剛脚であった。
その後かしわ記念に出走するが後方から差し届かず4着に敗れ、秋の南部杯ではルヴァンスレーヴ、ゴールドドリームの2強に次ぐ離れた3番人気もやはり届かず4着。京都開催となったJBCでは最後方から上がり最速の脚で突っ込んだが中団から早めに上がったケイティブレイブの4着。チャンピオンズカップでは最後方大外から脚を伸ばすが内目で立ち回った馬で決着し7着に敗れた。
7歳となり年明けのフェブラリーステークスでは中団に位置取るが直線で伸びず14頭立て13着に大敗。ドバイへ遠征しゴドルフィンマイルに出走したが、大きく出遅れてしまい直線で伸びもなく12頭立て10着に敗れた。
同年5月にJRAの競走馬登録を抹消し、大井・小林分場(千葉県印西市にある大井版トレセン)の荒山勝徳厩舎へと移籍。早速大井のトップジョッキーの一人である真島大輔を背に帝王賞に参戦すると、大外枠から中団の8番手付近につけ、直線ではオメガパフュームと共に外から伸びて3着に入線する。その翌月に出走したサンタアニタトロフィーでは単勝1.9倍の圧倒的1番人気に支持され、レースでは中団から進め、直線では先に抜け出したクリスタルシルバーを最内から強襲しゴール。南関東移籍後初勝利となった。
秋シーズンは日本テレビ盃から始動し、8頭立てを中団から進めクリソベリルとロンドンタウンには離されたが3着に入り、続くマイルグランプリでは後方から上がり最速で突っ込むも届かず再び3着、勝島王冠では中団から早めに上がるがモジアナフレイバーに離されて2着となる。
本番の東京大賞典ではゴールドドリーム、オメガパフューム、ケイティブレイブの3強を形成し、離れた4番人気にモジアナフレイバー、それに続く本馬が5番人気も単勝29.8倍。しかしレースは先行するアポロテネシーとそれに有力馬が付いていった為ペースが速くなり、中団で構えたノンコノユメは直線に入ると内から脚を伸ばし、外から抜け出したオメガパフュームに食い下がり1馬身差の2着に入線した。
明け8歳となりモジアナフレイバーやミューチャリーらと共にフェブラリーステークスに参戦。レースでは中団後方から進めたが直線でさほど伸びず8着。地方馬最先着はモジアナフレイバーであった。続くブリリアントCでは1番人気に推されたが、直線入口からストライクイーグルと競り合うも最後は3/4馬身離されて2着となる。帝王賞は中団から脚を伸ばして5着も、笹川翼に乗り替わったJBCクラシックでは先行するJRA勢で勝負が決まり、2.2秒の10着に敗戦。
勝島王冠では逃げるカジノフォンテンに後方から上がり最速の脚で追い込むも2馬身届かず2着に敗れ、続く矢野貴之に乗り替わった東京大賞典は展開がスローに落ち着いた事もあり、後方から脚を伸ばすが11着に敗れた。
明け9歳となり大井最長レースの金盃に出走するが、好位から早めに上がるレース運びも直線で沈没し7着に敗れる。
流石にここまでかなあ…と思わせた帝王賞は13頭立て10番人気、単勝134.2倍にまで落ちる。相手にはオメガパフュームやチュウワウィザード、地元勢にもカジノフォンテンやミューチャリーがいた。しかし真島大輔に鞍上が戻ると、中団後方からレースを進めると直線に入って外に持ち出し一気に脚を伸ばす。内から抜け出したテーオーケインズには離されたがクリンチャーを僅かに下して2着に入線。人気処が沈没した事もあり3連単は238万馬券となったが、その立役者はノンコノユメである。
休養の後、秋は日本テレビ盃から始動。レースでは5番手を追走し、直線に入って確かに脚を伸ばすが、完璧に逃げたサルサディオーネの5着となった。
次走は暮れの大一番、東京大賞典。地方馬の中ではミューチャリーに次ぐ人気(6番人気)に支持され、レースではいつもより前目、好位の内目から追走するものの、キャッスルトップの減速に巻き込まれる形で3コーナーで窮屈になり、直線に入っても伸びを欠き10着となった。
10歳になった2022年。ブリリアントカップ3着、大井記念2着とした後、帝王賞に挑んだ。この帝王賞、中央馬7頭、元中央所属の大井所属馬2頭という状況となり、クリンチャーとハナ差6着となった。
この帝王賞を最後に、引退との意向が報道された。今後は社台ファームに行く模様。
南関東移籍後は1勝のみであるが、大井を知り尽くした真島の馬場読みも光りダートGIで2着2回、3着1回と度々活躍し波乱を巻き起こす存在となっていた。
*トワイニング 1991 栗毛 |
*フォーティナイナー 1985 栗毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
File | Tom Rolfe | ||
Continue | |||
Courtly Dee 1968 黒鹿毛 |
Never Bend | Nasrullah | |
Lalun | |||
Tulle | War Admiral | ||
Judy Rae | |||
ノンコ 2003 栗毛 FNo.6-a |
アグネスタキオン 1998 栗毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
アグネスフローラ | *ロイヤルスキー | ||
アグネスレディー | |||
レディータイクーン 1994 栗毛 |
*クリミナルタイプ | Alydar | |
Klepto | |||
*ビューパーダンス | Lyphard | ||
My Bupers | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Raise a Native 4×5(9.38%)
追い込みと栃栗毛がお好き? けっこう、ますます好きになりますよ。
掲示板
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最終更新:2024/05/11(土) 09:00
最終更新:2024/05/11(土) 09:00
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