乙女ゲーのモブですらないんだがとは玉露による「小説家になろう」でのオンライン連載ノベル、その書籍版、およびコミカライズである。
略称は「モブすら」。
概要
「小説家になろう」で2018年12月25日から2021年5月21日まで連載された。
本編完結後も番外編の執筆が続いている。
2020年4月よりスクウェア・エニックスマンガUP!にてコミカライズ連載開始。作画担当は日芽野メノ。2023年1月現在は既刊5巻。
2020年8月20日にTOブックスより書籍版1巻刊行。11月10日に2巻刊行。
あらすじ
アーベントロート国エルンスト公爵家専属庭師の息子イザークは、前世が現代日本人・田中太一だったという記憶を持っていた。
さらに近世ヨーロッパ[1]をモデルにした乙女ゲー・君星こと「君だけの小さな星-Dein einziger Sternchen-」の世界に転生したのだということにも気付いた。
ちなみに男のイザーク(=太一)が乙女ゲーである君星を知っているのは、君星がミニゲームが豊富なゲームで、妹が詰んだミニゲームを太一に攻略させていたからである。
そんなつまみ食い状態の記憶であるものの君星にイザークなどという庭師の息子のキャラクターは
モブキャラクターですらいなかった。
だからと言ってこの世界をリセットしてやりなおせる訳でもなく、イザークの人生を送るしかない。
そんなイザークは父の仕事である庭師を継ぎたいと考えていて、7歳になった折についに見習いとして公爵家に働きに出ることに。
公爵に面通ししていると、公爵の令嬢と思われる幼女がやってきて、
「こんな無礼なメイド、クビにしてください!」と父に向って我侭を通そうとする。
さてここで我らがイザークは、
「お前、すっげぇ性格ブスだな」と、つい言い放ってしまう。
この発言のあと、しっかりイザーク父の拳骨制裁を浴び、幼女に対しては何が不味いのかを伝えはし、公爵も本来自分が娘を叱るべきことを出来ていなかったからこうなったと認識できる御方だったので一件落着――といった形で物語は始まる。
→ツイートによるコミカライズ版冒頭試し読みのまとめ(Togetter)
登場人物
大体がコミカライズの範囲で登場している人物を挙げる。
- イザーク・バウムゲルトナー
- 主人公。愛称は「ザク」。
- あくまで普通の平民であり特殊なチート能力を持っている訳では無いが、現代日本人思考は君星世界民のそれからすると型破り。そんなイザークの行動から生じるバタフライ効果を味わう作品と言える。
- モブですらないと考えているからか、自分が評価される対象でないと考えているきらいがある。
→つまり:鈍感野郎
- 前世の田中太一は父親と折り合いが悪く、就職内定で受けた健康診断で末期がんで余命いくばくもないと宣告され、茫然自失で帰宅しようとしていたところを車に撥ねられて死亡という人生だった。
- その後悔が意識・無意識で作用している為、日々の感謝など思ったことはすぐに口に出すような行動ルーチンをしている。
- リュディア・フォン・エルンスト
- エルンスト公爵家の長女。愛称は「ディア」だがザクには呼ばせない。なのでザクは「お嬢」呼び。
- 作品開始時は5歳の幼女ということもあってか感情のキャパシティが小さいようで、すぐ赤面してしまう。
- 元々のゲーム『君星』では、第一王子・ロイの婚約者であるライバル令嬢。
と言っても"悪役"ではなく、君星ヒロインに対して正々堂々と上回るならそれも良し!と凛々しさを見せる行動ルーチン。
- ジェラルド・フォン・エルンスト
- エルンスト公爵家当主でディアの父。
- 甘い容貌と高レベルの水・風=氷属性の希少な二属性魔法の使い手な事から「氷の貴公子」と呼ばれている。24歳という若さで国の魔術・薬術・医術の三部所を統括する「三省長」の座に就いている。
- そんな完璧超人な御方だが、家族に対して愛情を無限に注ごうとする困った御方でもある。
また家族ほどではないものの、その愛情は「身内」である屋敷で働く者たちにも注がれているので公爵家はホワイト職場となっている。
- カトリン・フォン・レハール
- ディア付きのメイド。発端でクビにされかけた女性。
- 男爵家の三女なのだがそばかす持ちだったことで器量なしと判断され、なかば見捨てられていた所でディア付きのメイドを探していたジェラルドの需要とマッチングしてエルンスト家へ。そして冒頭へ…。
- ロイ・レオナルト・フォン・ローゼンハイン
- アーベントロート国の第一王子。愛称は「ロイ」。元々のゲーム『君星』のメインヒーロー。
- 作品開始時は6歳なので経験不足による失敗はあるものの、6歳にして完璧超人の片鱗を見せる才色兼備な御方。金髪に蜂蜜色の瞳で物理的に眩しい模様。
- 下々の生活を見たいと下町に繰り出して迷っているところで、ザクと遭遇して知り合う。平民への対応もあり「レオ」と名乗ったことから以降はザクは「レオ」呼び。
- フィリーネ・エルナ・フォン・ローゼンハイン
- アーベントロート国の第三王女でロイの妹(姉二人は既に他国に嫁入りしているため未登場)。愛称は「フィル」。元々のゲーム『君星』ではロイルートのサブキャラクター。
- 外の生活を見たいとロイの下町見物を尾行しようとして迷っていたところで、ザクとry。平民への対応もあり「エルナ」と名乗ったことから以降はザクは「エルナ」呼び。
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ネタバレなので折り畳み
- 二人の兄、ロイとクラウスが不和であることに気を揉み、何とかしたいと考えているが…。
- クラウス・ヴォルフガング・フォン・ローゼンハイン
- アーベントロート国の第二王子。ロイやフィルとは腹違いの兄妹ということになる。
- 母がクラウスを跡継ぎにしようと激しく活動していることや、完璧超人であるロイに追いつけないコンプレックスでロイとは極めて不和となっている。フィルとは比較的良好。
- ロイの一計でエルンスト公爵家につり出され、ザクと遭遇しry。ザクは名前が覚えられなかったので「ヴォルフ」と呼べということになった。
- トルデリーゼ・フォン・アウグスト
- ジェラルドの友人であるアウグスト侯爵の令嬢。愛称は「トルデ」。
- 父親同士の関係からディアと仲良くなる。
トルデとの交流をお嬢から伝え聞いているザクはトルデを「兎の娘」と認識している。
- ザスキア・フォン・ファイト
- ファイト男爵の令嬢。愛称は「キア」。
- パーティーの場でピンチになっていたキアに対しザクがry
その一件でディアと親交を深めていくことに。
- シュテファーニエ・フォン・ヴィッティング
- ヴィッティング伯爵令嬢。愛称は「ファニー」。元々のゲーム『君星』の主人公。
- 平民の出だが、母の再婚で貴族となった。
- その再婚は、妻に先立たれたヴィッティング伯爵が亡くなった妻を愛し続けているのにも関わらず持ち込まれ続ける縁談にウンザリして、夫に先立たれ亡き夫を愛し続けている女性を探し出し、両者合意のもとで形だけの再婚をするというエクストリームなもの。
- パーティーの場でピンチになっていたファニーに対しキアがry。
その一件でディア達と親交を深めていく。
- ダニエル・フォン・ヴィート
- ジェラルドの友人であるヴィート侯爵家当主。
- 一人息子が病で夭折。そのショックで妻は精神を病んでしまい、自身も疲弊しきっていた。
それを案じたジェラルドは自分の屋敷にダニエルを招きザクとry。
- ザクと亡くなった息子が似ていたことから、替え玉作戦を決行することで病んでいる妻に何かしら変化を与えられるのではということになり―。
- ニコラウス・フォン・ルードルシュタット
- 宰相を務めるルードルシュタット伯爵の令息。
- 女性をも凌駕する美貌の持ち主であったことから様々なハラスメントを受け女性嫌いに。
キモイオバサンにハラスメントを受けていた現場にザクがry。
解決策としてオネエになればよくね?というトンチキ作戦が決行されオネエキャラとなる。
- その一件からザク達と親交を深めていく。
ザクからは愛称の「ニコ」で呼ばれるが、他の令嬢たちには「ニコちゃん」と呼ぶように強要し、結果として「ニコちゃん様」とけったいな呼称が飛び交うことに。
関連項目
関連リンク
脚注
- *明確な提示はされていないが、機械や電気の概念がある。蓄音機やレコードも存在している。というような文明レベルである。