この世界は、戦いに満ちている。
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました
とは、ざっぽんによるライトノベルである。イラスト担当はやすも。
概要
2017年10月より小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載が開始された。
2018年6月より角川スニーカー文庫にて書籍化が始まり、既刊15巻(本伝14巻+外伝1巻)まで刊行されている。またコミカライズも行われており、
・池野雅博「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」2018年5月より月刊少年エースにて連載、既刊13巻
・東大路ムツキ「真の仲間になれなかったお姫様は、辺境でスローライフすることにしました」2021年10月より少年エースplusにて連載、既刊3巻
が展開されている。後者は勇者パーティーを見送ったリットのその後を描くスピンオフである。シリーズ累計は280万部を突破、テレビアニメ化やPCゲーム化も行われている人気作品である[1]。
あらすじは大体タイトルの通りである。あまりにタイトルが長いので「真の仲間」という略称が使用されている。レッド・ルーティの過去話を収録した巻(第0巻)では「真の仲間 episode.0」がメインタイトルである。
書籍版は1巻まるごと書き下ろしの巻もあるなど大幅加筆されており、Web版と物語の進行が一部異なる。漫画版で書籍版から展開が更に加筆されている箇所もある。
「追放」に目が向きがちだが、デミス神から等しく与えられる「加護」と、加護に向き合う人それぞれの人生についても物語内で深く掘り下げられている。
ストーリー
「君は真の仲間ではない――」最前線での戦いについていけなくなってしまった英雄・レッドは、仲間の賢者に戦力外を言い渡され勇者のパーティーから追い出されてしまう。
「はぁ、あんときは辛かったなぁ」レッドが抜けた事で賢者達が大パニックになってるとは露知らず、当の本人は辺境の地で薬草屋を開業しようとワクワクした気分で過ごしていたのだが……
「私もこのお店で働いていいかな? 住み込みで!」突如かつての仲間であるお姫様が自宅まで訪ねてきて!?
追い出された英雄は第2の人生で報われる――。お姫様との幸せいっぱいな辺境スローライフ開幕!!
――原作のあらすじより
主な登場人物
※CV複数表記の場合、アニメ版/ドラマCD版。
レッド&リット薬草店
- レッド(ギデオン・ラグナソン) CV:鈴木崚汰/梅原裕一郎
- 本作の主人公でDランク冒険者。薬草の採取と販売で生計を立てながら自分の薬屋を営んで穏やかに暮らすことを目指し、のちに念願の自分の店を開業する。薬や病気に関する知識は医師のニューマンを唸らせるほど。加えて料理が(料理スキル1レベルなのに)上手く、影響を受けた周囲の者が次々に料理スキルを取得していたりする。
- その正体は弱冠17歳でアヴァロニア王都精鋭バハムート騎士団の副団長となり、妹の『勇者』ルーティと共に「人類希望の双翼」と呼ばれた走竜騎士。自分の意志に関係なく『勇者』の加護に翻弄されるルーティを護るため、8歳で騎士団に所属し実力を付けていたが、ルーティの旅立ちに同行し「勇者パーティー」を結成、当初は事実上のパーティーリーダーだった。
- しかし彼の持つ『導き手』の加護は「初期レベル+30」と能力値こそ高いが専用スキルや武技(必殺技的なもの)、魔法が一切習得できずメンバーのレベルが追いつくにつれ戦闘で足を引っ張るようになる。このため次第に食事の手配や先々での交渉など雑務を引き受け、裏方に回るようになった。アレスから実力不足の名目で勇者パーティー追放を言い渡され、自身もそれを痛感していたことと、ルーティがアレスと恋仲であると確信(誤解)し「自分の役割は終わった」と判断したため勇者パーティーを離れる。その後は辺境都市国家ゾルタン共和国にたどり着き、「レッド」の名で第二の人生を歩む。
- リット(リーズレット・オブ・ロガーヴィア) CV:高尾奏音/花守ゆみり
- "英雄リット"の通り名でゾルタンでは知らない者のいない、名実ともにトップクラスの冒険者。『スピリットスカウト』の加護を持ち、ショーテルを武器とする戦士ながら精霊魔法を使う事ができる。レッドがゾルタンに来て薬屋を開業したことで冒険者をやめ、レッドの薬屋に住み込んで働いている。
- 本来は軍事国家ロガーヴィア公国の第二王女だが、魔王軍に対する国の防衛や戦後の復興で活躍したことで弟の皇太子を上回る名声を得てしまったため、王位継承権の混乱を避けるため自ら国を離れゾルタンに流れ着いた。
ギデオン他勇者パーティーとは、魔王軍の攻勢から防衛する際に共闘したため面識がある。
ツン期の終わった元ツンデレ。
薬草農園
- ルーティ・ラグナソン CV:大空直美/竹達彩奈
- 史上二人目の『勇者』の加護を持つ勇者パーティーの中心人物で、レッド(ギデオン)の妹。加護の恩恵により、睡眠も食事も水も必要もなく暑さや寒さにも影響されないほか、剣術・魔法も圧倒的水準に至っており、まさに人類最強である。一方加護の影響で「近くに怪我をしている人が居れば自身の事情を顧みず救わずにはいられない」など勇者らしい行動を強制されるほか、感情の動きも制限され、その無表情が相手に威圧感を与えてしまう弊害をもっている。ただ一人自分を恐れず温かく接してくれた兄を強く慕っている。
- 勇者パーティー解散後はゾルタンに腰を落ち着け、ティセと共に薬草農園を始めた。また冒険者ギルドにも「ルーティ・ルール」の名で登録し、農園経営のついでで依頼をこなしている。
- ティセ・ガーランド CV:釘宮理恵
- 『アサシン』の加護を持つ暗殺者の少女で、ギデオンとヤランドララの抜けた穴を埋めるためにアレスによって雇われた。暗殺者ギルドでも屈指の実力者で、ルーティの前でも顔色を変えない胆力の持ち主・・・と誤解されがちだが、訓練によって感情と表情を切り離しているだけである。内面は常識人で「人間関係がギスギスしていると落ち込むタイプ」。お風呂をこよなく愛し、暗殺者仲間から「浴場レビューアー」と呼ばれるほど。またおでんのちくわに並々ならぬこだわりがある。
- 紆余曲折を経てルーティとは主従を超えた関係となり、勇者パーティー解散後もルーティの側にあって「ティファ・ジョンソン」の名で農園経営と冒険者をこなす。
- うげうげさん
- ティセの相棒の蜘蛛(ジャンピングスパイダー)、『さん』までが名前。
ティセとは『アサシン』のスキル“蜘蛛との共感”によって意思疎通ができるが、レッドに対しても身振りでコミュニケーションが可能なほど高い知能を持つ。また『勇者』の奥に隠れたルーティの本質を見抜く観察眼、友のためなら危険を顧みない勇敢さも併せ持ったハイスペック蜘蛛さん。
- 持っている加護は最下級の『闘士』ながらティセと共に数多の死線を潜ってきたためレベルは高く、踏まれた程度では死なない(そもそも簡単には踏まれない)。
旧勇者パーティー(ギデオン・ルーティ・ティセを除く)
- アレス・スロア CV:八代拓
- 魔道師系最高峰『賢者』の加護を持つ、没落した公爵家の嫡男。そのため勇者パーティーとして成功することで家の再興・出世を求めているため上昇志向が強く傲岸不遜な性格である。加護の影響で自身に絶対的自信をもっているため、自分より遙かに劣る加護でありながら周囲の信頼を集めるギデオンに対し強いコンプレックスを抱いているほか、家の再興に役立つルーティを篭絡しようと企んでいる。
- ギデオンが足手まといとなったことを引き合いに出して問い詰めパーティーから追放し、主導権を握ることに成功する。しかし独断でギデオンを追い出した事、その後ギデオンが請け負っていた雑務全般を自ら引き受けながらプライドの高さから失敗しては言い逃れと責任転嫁を繰り返す事から他のメンバーから信用を失いパーティーは瓦解してしまう。
- ヤランドララ CV:雨宮天
- 精霊魔術師系最高位の一つ『木の歌い手』の加護を持つハイエルフの女性。植物を自在に操る事ができるほか、実は物理戦闘能力も高い。ギデオンが騎士となるべく王都に来た頃から交流があり、恋愛感情を超えた信頼関係を持っている。それ故ギデオンが他人のために傷つき続ける未来を危惧し、ロガーヴィアでギデオンと再会した際一緒に居たリットの想いにギデオン自身の幸せを託そうとする。
- その後正式に勇者パーティーの一員となり行動を共にするが、アレスが独断でギデオンを追い出した事、そして誰一人彼を連れ戻そうとしなかった事が信頼を重んじるハイエルフの彼女には堪え難く、失意と共に勇者パーティーを去る事となる。
- 書籍版では、ルーティがゾルタンに居着いた後にゾルタンにギデオンの居場所を探しに来るが…、紆余曲折ありゾルタンにしばらく滞在することになる。Web版とは合流点が異なる。
- ダナン・ラボー CV:三宅健太
- 『武闘家』の加護を持つ筋骨隆々の大男。魔王軍に滅ぼされた町で道場主をしており復讐のため戦っているが、それを感じさせない豪快な性格。「疲れているので気分転換に特訓する」とか当然のように言い出すほどの脳筋。直情的で思ったことをすぐ口に出し、足手まといになり始めたギデオンのことを戦闘時には叱責するが、仲間・兵法家としては信頼し尊敬していた。『武闘家』というありふれた加護ながら研鑽を極めた武の力は(『勇者』は別格として)高位の加護持ちを遙かに凌ぎ人類最強の域。ギデオンは「彼ほど加護に愛され、自分の加護を愛した者はいない」と感嘆している。
- テオドラ・ディフィーロ CV:内田彩
- 『クルセイダー』の加護を持つ人類最高峰の法術使いにして聖堂騎士流槍術師範代の女性。生真面目でストイックな武人肌の堅物であり、勇者パーティーで唯一「人々と世界を救う」ために参加した。ギデオンの事は戦闘巧者・まとめ役として高く評価するようになり、彼が抜けた事で勇者パーティーが瓦解しかけている事態を憂慮している。
ゾルタンの人々
- ゴンズ CV:山中真尋
- レッドと親交の深いハーフエルフの大工。職人らしい豪快な性格と確かな技術を持っている。
既婚者だが妻に先立たれており、甥のタンタを我が子のように可愛がっている。
- タンタ CV:芹澤優
- ゴンズの甥のハーフエルフでレッドにもよく懐いている。まだ加護に触れられていないが、将来はゴンズのような大工になりたいと思っている。彼が失明の恐れがある『白眼病』を発症した事から物語は動き出す・・・
- ナオ CV:徳井青空
- ゴンズの妹でタンタの母親のハーフエルフ。エルフの血を引く端整な顔立ちで中身は下世話な話の好きな下町のオバチャン。同棲を始めたレッドとリットを応援している。
- ミド CV:三品健
- ナオの夫でタンタの父親。ハーフエルフでは無い人間で、元冒険者の大工。ゴンズほど器用では無いが計算が速く大雑把なゴンズのフォローが上手く、ゴンズも本人がいない所でよく褒めている。
- ニューマン CV:魚建
- 町の診療所の医師。”高速調合”のスキルを持ちレッドが持つ”初級錬金術”の3倍の速さで薬の調合ができる。
- タンタの『白眼病』を共に診た縁からレッドを信頼し、薬屋を開業する際には商業ギルドへの口添え等の協力をした。
- ストームサンダー CV:上田燿司
- ハーフオークの家具職人。町の人々は「ストサン」、リットは「ストっち」と呼んでいる。
- 王族のリットも認める高い技術を持つが、魔王軍の尖兵たるオークの血を濃く残す容姿から他国では迫害を受けゾルタンに流れ着いた経緯を持つ。
- 口が悪く喧嘩っ早く金持ちには弱いが、義理と人情には厚い下町の住人。
- ゼフ CV:田島章寛
- 公衆サウナの店主。60年以上の古い店でナオのように幼少期から通っている常連も少なくないが、最近出来たスーパー銭湯中央気風の公衆浴場のため客足が遠のいており廃業を意識し始めている。
- モグリム 声 - 鳩岡大輔
- 下町に住むドワーフの鍛冶師。ドレイクスレイヤーを自称し隙あらば客に自身の武勇伝を語って聞かせようとするが真偽は不明。
- 職人系上位『ルーンの鍛冶師』の加護を持つが、魔法が全く扱えないため加護の真価である「武具への魔法効果付与」ができない。とは言え純粋な鍛冶師として優秀なため、冒険者だけでなくゴンズやストサン、ニューマンといった仕事上刃物を使う面々からも信頼されている。人間の妻・ミンクとは種族を超えた大恋愛の末に駆け落ち同然にゾルタンへ移住してきた。
- ・・・のだがアニメではその辺り全て(奥さんに関しては存在ごと)カットされ、ただの偏屈な武器屋の親父になってしまった。
- オパララ CV:石原夏織
- おでんの屋台を切り盛りするハイエルフの女性。年齢から閉店を考えていた先代店主に直談判で弟子入り、その味を引き継いだ。ハイエルフは凝り性との事で、口調も先代を真似ている。
- メグリア CV:東山奈央
- ゾルタンの冒険者ギルドの受付嬢。レッドが採取してきた薬草の買取りも彼女の担当。
有能で上品さも備えたレッドに対して信頼を寄せ、強い騎士だったのを隠しているのではないかとも考えている。
- マヤ CV:豊田萌絵
- アニメオリジナルの女性冒険者でオリバー、キースと3人で行動している。装備しているブレストプレートとロングソードから戦士系の加護と思われる。レッドとは薬草店の開業祝いに3人で出席する等良好な関係。
- 同じ女性冒険者としてリットに憧れを抱いていたようで、本人から冒険者引退の話を聞いた際は泣きながら薬草店を飛び出していた。
- オリバー CV:木村圭助
- アニメオリジナルの男性冒険者でマヤ、キースと3人で行動している。皮鎧とショートソードを装備している。成り上がりたいが頑張るのは好きじゃないと、良くも悪くもゾルタン人らしい性格。
- 漫画版8巻収録のSSによればDランクで『盗賊』の加護持ち、サウスマーシュ区出身とのこと。
- キース CV:若林佑
- アニメオリジナルの男性冒険者でマヤ、オリバーと3人で行動している。スキンヘッドでローブを纏っている。
- アル CV:木下鈴奈
- タンタの友人でハーフエルフの少年。サウスマーシュ区の貧民街に両親と暮らしている。
- 『ウェポンマスター』の加護を持つが、加護に触れて暴力的になったアデミを目の当たりにして自分も加護によって変わってしまうのでは?という不安を抱いている。
- 「悪魔の加護」事件をアデミと共に解決に尽力したことで成長し、冒険者として独り立ちする。
- アデミ CV:柚木尚子
- タンタ達と喧嘩していたガキ大将。『喧嘩屋 』の加護を持ち、喧嘩の仲裁に入ったレッドが「類稀なる『喧嘩屋』の天才」と評するほど。
- 衛兵隊長モーエンの息子。父のように暴力を取り締まる側でありたいとの思いと、暴力で事態を解決しようとする加護の衝動の間で悩み、そこに付け入られる形で「悪魔の加護」事件に巻き込まれる。
- ガラティン CV:中村光樹
- 冒険者ギルド幹部。2メートル近い長身で視線だけで並の冒険者なら震え上がらせるほどの威圧感を持つ。リットの冒険者引退を撤回させるべくレッドの薬草店を訪れる。実は下町出身で仲間意識が強く、タンタが衛兵に連行された際はレッド達も捜査に参加出来る様に取計らった。
- モーエン CV:鳴澤卓/石井隆之
- 衛兵隊長。捜査に対する冷静かつ多角的な視野、自身や隊の非に関して素直に謝罪できる謙虚さを持つ・・・が親馬鹿で息子のアデミが関わると私情を隠せなくなる。
- ビュウイ CV:興津和幸
- 浅黒い肌をした流れの冒険者。「悪魔の加護」事件の最中にリットの紹介でレッドの前に現れ解決に協力した。その後ギルドの計らいで空席になっていたBランク冒険者になるも、行方不明になってしまった。その正体はロガーヴィアでルーティ達に討たれたはずのシサンダン。
- ミストーム CV:渕崎ゆり子
- 『アークメイジ』の加護を持つゾルタンの前市長。自身と、ガラティン、モーエンに教会トップのシエン司教(アニメ未登場)を加えた4人は「先代Bランクパーティー」と呼ばれ、ゾルタンを護ってきた英雄として人々に慕われている。飾らない性格で面倒見がよい。
対立・敵対者
- アルベール・リーランド CV:天崎滉平
- ゾルタンでは貴重なBランク冒険者で、万年Dランクのレッドを見下している。困難を乗り越え偉業を達成する英雄の加護『ザ・チャンピオン』を持つが、中央で通用せずゾルタンに流れ着いた経緯に引け目を感じ、英雄としての力と存在意義を示さなくてはと焦り、「悪魔の加護」事件に加担した。
- ディル CV:利根健太朗
- 『火術士』の加護を持つ男。猫背で、頬が削げ、不健康そうな肌をしている。モンスター討伐のため山に入る事になったアルベールに山中の案内役として雇われた。
レッドやリットは忘れているが、実は二人とはロガーヴィア時代から因縁浅からぬ関係。
- ビッグホーク CV:稲田徹
- 盗賊ギルドのナンバー2で巨軀のハーフオーク。ゾルタンの支配者となることを望み、「悪魔の加護」事件を引き起こして貧民街の住民を扇動し、革命を起こそうとした。
- ゴドウィン CV:岩澤俊樹
- 盗賊ギルド所属の錬金術師。ビッグホークの側近として「悪魔の加護」精製に携わる。事件後は収監されていたが、思いもかけず勇者パーティーの内紛に巻き込まれた不幸な人物。
- シサンダン CV:興津和幸
- 魔王軍の将、6本の腕を持つアスラデーモン。人間を食べることによって容姿や能力ばかりか記憶や知識まで自分の物とする能力を有し、ロガーヴィアではリットの師匠でもある近衛兵長ガイウスに成り代わって国を内側から崩壊させようと暗躍していた。
勇者ヴァンのパーティー
- ヴァン・オブ・フランベルク CV:花守ゆみり
- 新たな『勇者』の加護を持つ少年。魔王軍に滅ぼされたフランベルク王国の第8王子だが、様々な経緯から教会が後援する勇者として活動をはじめた。デミス神の敬虔な信徒。
- ラベンダ CV:加隈亜衣
- ヴァンに恋する妖精。小さな体だが強大な魔力を有する。ヴァンの全てを肯定し、敵対者には容赦がない。
- リュブ枢機卿 CV:三上哲
- ヴァンの後見人にして同行者で、『枢機卿』の加護を持つ教会の幹部。自身の加護と『勇者』を最大限活用して教会内での栄達を目論んでいる。
- エスカラータ・ディアス CV:内田彩
- 通称はエスタ。仮面の騎士(傭兵)で、魔王軍四天王の一人を退けたことからヴァンのパーティーに雇われ、サポート兼育成役となっているが、同じ信徒でありながらヴァンの言動が理解できず悩んでいる。
- アルベール・リーランド CV:天崎滉平
- 前述の「悪魔の加護」事件後、紆余曲折を経てエスタの従者となっている。
その他
- ガイウス CV:三苫紘平
- ロガーヴィア公国の近衛兵長。リットにとっては剣術の師匠で唯一尊敬する人物。「剣には哲学がある、そして哲学を加護は与えてくれない」とリットに説いていた。
- ギデオン達が王宮に出入りするようになった頃には既に暗殺されシサンダンに成り代わられていた。
- クリス CV:大西沙織(ドラマCDのみ)
- バハムート騎士団時代のレッドの部下。ある目的からゾルタンを訪問する。
世界について
地理関係
- アヴァロン大陸
- 大陸の一つ。東西に広く、中央東寄りに『世界の果ての壁』という山脈が南北に連なり、東西の交流は乏しい。多くの国が存在するが、慣例として「王国」を名乗る国が7つあり、「アヴァロンの七王国」と称する。但しそのうちの一つ「フランベルク王国」は既に魔王軍によって滅ぼされている。魔王軍では「眩光大陸」と呼ぶらしい。
- 暗黒大陸
- 大陸の一つで、魔王軍が拠点とする。本編中ではあまり触れられておらず、わかっていることは少ない。しかし科学技術はアヴァロン大陸の水準を大きく凌駕するようである。
- ゾルタン共和国
- 本編の主な舞台で、アヴァロン大陸南東に位置する小国(都市国家)。立地が戦略上意味のない場所であるため、魔王軍の侵攻にさらされてはいない辺境。海に面した河口という水に恵まれる湿地帯。基本的に温暖だが夏の蒸し暑さが長く続く上、海からの大嵐にしばしば襲われ、住居や耕作地が被害にさらされる。そうした環境で住民には怠惰だが大らかな気性が醸成され、恨み言を引きずらず、無闇に他人を詮索しない。
- ロガーヴィア公国
- リットの出身地で、アヴァロン大陸北方の軍事国家。強硬な外交姿勢のため周辺国家と軋轢があった。魔王軍の侵攻にさらされたが、勇者パーティーの助力もあって事なきを得ている。
- アヴァロニア王国
- レッド・ルーティ等の出身地で、アヴァロン大陸中央を占める最大の国家。ルーティを「勇者」と認めた最初の国であり、同国バハムート騎士団は魔王軍への対抗戦力の主力を為している。
組織等
- デミス神
- 至高神とも。この世界をただ一柱で創世した神とされる。人々に「加護」をもたらすことから実在が信じられ、篤く信仰されている。
- 聖方教会
- デミス神信仰を広める宗教組織。拠点はアヴァロニア王国内にある「ラストウォール大聖砦」で、最高指導者は「教父」。アヴァロン大陸の全ての国で国教であり、大陸最大の力を持つと言える。
- ギルド
- 同じ職能を持つもの同士の互助組織。商人ギルド、冒険者ギルド、盗賊ギルド、更に暗殺者ギルドなどが存在する。ちなみに暗殺者ギルドは、『アサシン』の加護を持つ者同士が社会に溶け込めるように助け合うことを目的とし、加護に由来する殺人衝動を解消できる最小限の暗殺依頼を請けている。
- 魔王軍
- 暗黒大陸を拠点とする軍勢で、「憤怒の魔王」が統率する。四天王や将軍シサンダンなど強力な戦士もいるが、多くはデーモンなどの指揮官が率いるオークやゴブリンなどの兵団のようである。3年前、現在の魔王タラクスンの命によりアヴァロン大陸への侵攻を開始し、フランベルク王国を滅ぼすなどしてアヴァロン大陸の半分を勢力下においたが、勇者パーティーや騎士団などの反撃に遭い敗走、戦線を縮小しつつある。
その他
- 冒険者
- 一種の何でも屋。害獣やモンスターの退治、遺跡の探索・発掘、傭兵、旅の護衛、狩り・薬草採取から人探し…などをこなして報酬を得る。冒険者ギルドに登録することで依頼を斡旋してもらえ、実力に応じてE~Sの6段階のランクが付けられる。Sランクとなると大陸を揺るがす事態にも対応できるとされるが、当然希少である。後述の加護レベル上げのため、本業を持ちながら冒険者としても活動する兼業冒険者も少なくない。
- エルフ
- 人間と出自の異なる異種族の総称。「古代エルフ(絶滅)」→「ワイルドエルフ」、「妖精」→「ウッドエルフ(絶滅)」→「ハーフエルフ」、「妖精」→「ハイエルフ(アーバンエルフ)」など多岐に分かれている。ドワーフやオークも「ダークエルフ」から変質・変容した種族と解釈される。
- ハーフヒューマン
- ハーフエルフ、ハーフドワーフ、ハーフオークなど「ハーフ」とつく種族は、(この世界においては)両親が人間と異種族では無く、先祖のどこかに異種族の血が混じり、それが完全に薄くなっていない人間の事を指す。
- モンスター
- 魔物とも。アメーバやスライム、ゴブリンやトロール、キマイラなど。基本的に人間には敵対的であるが、ズーグやジャイアントなど人間と交流を持つ種族もある。
加護
本作における最重要設定。デミス神よりもたらされる人生の指針とそれを助ける力。
概略
レベルについて
加護にはレベルが設定されており、後述の行為によりレベルを上げることができる。
加護の表裏
加護には様々な面があり、必ずしもその人に幸をもたらすとは言い切れない。
- 加護に従って行動することで、ほのかな幸福感がもたらされる。前述の「加護によるスキルの強さ」と相俟って、加護に従うことがよい生き方だと心と体に刻み込まれるのである。
- 一方で加護には、その生き方をある種強要する「衝動」がはたらく。『暗殺者』などの殺人衝動や、『聖職者』などの折伏衝動など、加護によって異なる。ありふれた加護は衝動が弱く、本人の意思・嗜好をさほど阻害しないが、強力な加護を持つと相対的に衝動も大きくなり、状況によっては心身を苛む衝動に襲われることすらある。
- 加護はデミス神から授けられるもので自分で選ぶ事はできない。学者肌の本好きが『武闘家』の加護を得てしまうと、自身の嗜好と加護の衝動との間で深刻な悩みを抱えることになる。もっとも、世襲である各国の王族などは加護に関わらず王族として振る舞わねばならず、常に加護の衝動と戦っているのかもしれない。
テレビアニメ
2020年10月にテレビアニメ化が発表された。
当初は2021年7月放送開始予定であったが、諸般の事情により遅れ、同年10月より放送された。全13話。
2022年10月末にテレビアニメ第2期の製作が発表され、2024年1月より3月まで放送された。全12話。
スタッフ
放送・配信情報
各話リスト
主題歌
- オープニングテーマ「息を吸う ここで吸う 生きてく」
- 歌:ゆいにしお
- 作詞・作曲:ゆいにしお 編曲:水口浩次
- エンディングテーマ「みんなおなじ」
- 歌:JYOCHO
- 作詞・作曲:中川大二朗 編曲:JYOCHO
- 第2期オープニングテーマ「routine life」
- 歌:ゆいにしお
- 作詞・作曲:ゆいにしお 編曲:水口浩次
- 第2期エンディングテーマ「導き、捧げて」
- 歌:JYOCHO
- 作詞・作曲・編曲:中川大二朗
WEBラジオ
- 真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフラジオすることにしました
- パーソナリティ:鈴木崚汰(レッド 役)、高尾奏音(リット 役)
- インターネットラジオステーション<音泉>にて10月8日(金)より隔週金曜日配信
関連チャンネル
関連生放送
ドラマCD
小説5巻特装版の特典として収録・同梱された。アニメ版とはキャストが異なる。時系列は書籍版4巻以降で、原作者書き下ろしオリジナルストーリーである。甘々シチュエーションボイスや目覚ましボイスも収録されている。
ゲーム
2021年10月7日より、Steamにて「Slow living with Princess」のタイトルでアーリーアクセスを開始、2023年10月16日より正式リリースされた。
開業した薬草店を切り盛りして大きくしたり、リットと仲を深めたり、クエストをこなしたり…といったカントリーライフRPGであるが、原作と異なり始めからルーティがいる。大型アップデートにてヤランドララ、正式版ではティセも加わっている。シナリオは原作者の完全監修。
関連静画
関連リンク
関連項目
脚注
- *単行本の巻数はいずれも2024年2月時点。