小林清志(こばやし きよし)とは日本の俳優・声優・ナレーターである。
ファンからの愛称はコバキヨ。最終所属事務所は東京俳優生活協同組合。
東京府(現:東京都)生まれ。英語の成績が優秀で、高校時代から高校生相手に英語の通信教育の添削者を務めていた。声優としての活動を始めたのは、30代になってからのことで、きっかけは日本大学演劇科卒業生の集まりで、後輩の小林守夫と出会ったことである。
アニメ声優としては『ルパン三世』の次元大介、『妖怪人間ベム』のベムが代表的な役である。ニコニコ的には『勇者王ガオガイガー』のナレーション、『スペースコブラ』のクリスタルボーイが有名。
クリスマスになると定期的に上がる『巨人の星』のクリスマスボッチ回で星飛雄馬に野球ロボットだと野次るアームストロング・オズマも小林清志である
ジェームズ・コバーンやトミー・リー・ジョーンズ等の吹き替えを担当していた。
90近い年齢でもナレーションや吹き替えなどで精力的に活動しており、その秘訣は自分は永遠の65歳でありそこから先の年齢は意識していないとのことであった。
2017年には第11回声優アワードで功労賞を受賞。同じ賞を受賞した『妖怪人間ベム』ベロ役の清水マリは演じたベロの声で「ねぇ、ベム。僕たち、こんな華やかなところで賞をもらっていいのかな?」と、小林に呼び掛け、小林が「これで最後」と言い返し会場の各所から笑いが起きた。
声優活動以外では特撮の「超人バロム・1」で俳優として出演をしていた事もある。
基本的に役のイメージを壊したくない為顔出しはNGであったが、近年は顔出し出演する場面も多かった。
当初は声優業と共に月に2本のペースで翻訳も手がけ、1962年放送の海外ドラマ『ジスマン・ドーソン』では初の主役を演じると同時に翻訳も担当する多忙ぶりであったが、やがて声優に専念した。
草創期から活躍してくこともあり山田康雄、井上真樹夫ほどではないが「声優」と一括りにさせることは若干良しとはしていないが、ナレーション等の挨拶では「声優の小林清志です」と声優と言う言葉自体に大きな嫌悪感は抱いていない。
アフレコ現場ではあまり大御所振ることはなく現場の若手声優とも積極的に交流をしていた、近年のエピソードではルパン三世Part5アフレコの合間に水瀬いのりにスマートフォンの操作方法を教えてもらったという微笑ましい出来事もあった。
次元大介は第1作以前に作られたパイロットフィルムから小林氏であり、ルパン三世のアニメ化から2021年まで約50年間一番長くアニメに携わっていた。次元役に起用したのには、原作者のモンキー・パンチによると、元々次元のイメージは『荒野の七人』のジェームズ・コバーンであり、そのイメージからジェームズ・コバーンの吹替えを持ち役としていた小林に次元役を決定したということである。
この時は数ある仕事の一つにすぎないと思っていたがまさかここまでの人気作品になるとは思わなかったと当時を振り返っている。ただ、自分では意識しないけど、人から声が『次元ですね』と言われることはある。役者冥利に尽きる、ありがたい話だと喜びを表してもいる。
ルパン三世役の山田康雄、栗田貫一はアドリブを多用するのに対し、小林清志は一字一句ほとんどアドリブなしで演技をしている。本人曰く、一番地声で話しているので、自分にとって楽なトーンでしゃべれる役だというが、最初は次元の“鋭さ”を出すのが難しかかったとも語っている。その後は葛藤を通り過ぎると自分のものになったというか、自分が次元に近づいていったと振り返っている。
山田康雄とはルパン三世からの付き合いでプライベートでも、「ヤスベエ」と呼び深い親交があった。山田康雄が亡き後はクリント・イーストウッド等の役を引き継いでいる。
ルパン三世役を山田から引き継いだ栗田貫一のことは「栗ちゃん」と呼び、栗田が「自分が山田さんのルパンを演じてしまっていいのだろうか」と、共演者たちに漏らした際には銭形警部役の納谷悟朗とともに「お前でいいんだよ」と励ました。
また山田の還暦祝いのゴルフコンペに栗田が当時出席した際に生前山田が「クリカンの還暦祝いのコンペには俺はたぶん行けない(生きていない)な」と言う趣旨の手紙を送っていたが栗田が実際に還暦になり、還暦パーティを行った際になんと小林が顔を出しに来た言うとても感慨深いエピソードがある。
2011年に『ルパン三世 血の刻印』でルパンを除く3人のメインキャラのキャストが一新されたが、次元大介役は小林が続投を表明したので、オリジナルキャストとして残っているのは小林清志が最後であった。交代時の公開記者会見では昔から一緒にやってきた3人の降板は痛恨の極みとしつつ、新しく加わった3人に対してはこれからはこの人達と新しい作品を作っていくとの発言をしている。
その後のインタビューで製作の「判断」になると思うが、声が出る首から上は大丈夫なのでくたばるまで次元大介を演っていきたいとの言葉も残しており、また別のインタビューで次元大介を演じ続けていきたいかという問いに対しても一言「もちろん。愚問だよ」と返した。
2014年には次元大介をピックアップした映画「次元大介の墓標」が公開された。
その際上映イベントで栗田に「そろそろ山田康雄の亡霊を取っ払って栗田貫一らしい演技をしてもいいんじゃないか」とコメントしている。
昭和、平成、令和と時代が変わる中50年間ずっと次元大介と言う1人の男をを演じ続けていたが、やはり80半ばに差し掛かる頃には杖を突く姿や車いす姿でメディアやSNSに現れたりと体力的な衰えが顕著になっており、それに伴い洋画の吹き替えを担当していた役も一部降板するようになっていった。
また「衰えた」「聞き取りづらい」との一部の心無い視聴者からの声も聞いていたのか自虐気味に「もうちょっとだけやらせて」と苦笑を交じえながらメディアで発言していた。
ただ次元大介に対する想いの深さはずっと口にしており、「俺にとって一生の仕事で命を懸けてずっと演じていく」と強い言葉も残していた。この時の様子を峰不二子役の沢城みゆきは「昔の清志さん」と「現在の清志さん」自分自身との戦いに必死だったんだと思うと振り返っている。
2021年ルパン三世アニメ化50周年となる節目に小林の勇退が発表された。
Part6 「EPISODE 0 ー時代ー」をもって小林の次元大介は最後の出演となる。
本人のコメント文ではくたばるまでやれなかった無念を言い残しつつも、後任となった大塚明夫へは父親で初代石川五ェ門役だった大塚周夫氏の思い出も交えエールを、そしてこれまでの感謝をスタッフ、ファンへ送り、最後の一文を加えてルパン三世の表舞台を去った。
あばよ。」
俳協公式HPでは「吾輩の次元はひとまず終った。 アバヨ 応援してくれた皆さんありがとう。しばらくはノーコメントにして頂戴。またいずれ...」とコメントしており、降板後現状は沈黙を貫いている。ただし次元大介降板後も声優活動自体を引退したわけではなく、様々なTV番組のナレーションやCMで出演するなど仕事自体は続けており、亡くなる寸前まで生涯現役を本人の言葉を借りるとくだばるまで貫いた。
2022年には次元以来でのアニメキャラクターを演じる機会もあった。
2022年8月8日、7月30日に肺炎で亡くなっていた事が所属事務所より発表された。89歳没。
アニメ「ルパン三世」の公式Twitterでは追悼のツイート及び2代目として26年連れ添った栗田貫一と後任である大塚明夫を含む全ルパン三世レギュラーキャストの追悼メッセージが公開された。
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https://twitter.com/lupin_anime/status/1556543577022689280
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最終更新:2024/10/14(月) 14:00
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