張遼 単語

741件

チョウリョウ

4.4千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

張遼とは、後漢末期から三時代の武将。

概要

字は文遠。并州(中原で言うところの北に位置する州)の出身で、前漢の臣・聶(じょういつ)の末裔に当たると伝わっている。

丁原何進董卓呂布と何度もを失ったが、その度に滅ぼした側に配下になる事を請われた名将。最終的には曹操の下に落ち着いた。世の奸雄達に仕えた稀な遍歴を持ちながら、の軍関羽と交友があり、下邳の戦い、官渡の戦い赤壁の戦いなど三国志の大戦において活躍した。

演義より正史の記述の方がという稀有な将。

合肥の戦いではリアル三國無双をやってのけた。

合肥の戦い

張遼をる上で外せないのがこの「合肥の戦い」である。  


合肥駐屯期の張遼伝説

どこぞのイチロー並みの活躍である。

(後に真・三國無双追加DLコスチュームではイチロードカベン山田かに見紛う姿となる。)

まじめな記述

軍10万に対し軍は僅かに7000。この劣勢を李典楽進と共に防衛しこれを撃退している。

この時、張遼は800騎を率いて敵中に飛び込み、陳武を討ち取り、徐盛に怪を負わせ、総大将孫権を捕縛寸前まで追い込んだ。 しかし、難を逃れた孫権が張遼は寡兵であると知ると大軍で持ってこれを全包囲した。

一転、窮地となってしまうが部下とともに奮戦、血路を開いて包囲を脱出する。ところが、敵の包囲の中に部下が取り残されている事に気付くと、なんと引き返して再突撃を敢行する。部下を救出した彼はもう一度包囲を破って脱出した。 この日、彼の部隊は半日戦い続けたといわれる。 軍将兵の士気はを衝かんばかりに燃え上がり、軍は十数日の包囲でも合肥を落せず、何の収穫もなく撤退した。

軍が撤退し始めた事を知ると、張遼は楽進らと共に追撃戦を敢行する。 この追撃は苛を極め、敵深くまで切り込み、最後列で揮をとっていた孫権の喉元まで到達する。 しかし、軍の凌統が死に物狂いの抵抗を行い、部隊全滅となるも君を脱出させることに成功し凌統自身も生還している。 この時、河に掛かっていた曹操軍によって落されていたため孫権は退路を失う。孫権は「落ちれば孫呉は終わる」と覚悟を決め、を走らせ、河を飛び越えた。これが世に言う「孫権飛騎」である。

戦後、投降兵に孫権の話を聞くと、楽進に「撤退する敵軍の中に孫権らしき人物を見た。を知っていれば今頃この手に首級を挙げていた物を」と悔しがったという。

このの如き戦いぶりは相対した孫権江東の兵たちに相当のトラウマを植えつけたらしく、

来々(張遼がくるぞ!)」 ※ただし正確には来。来々は吉川三国志造語である。

と叫ぶだけでの兵は浮き足立ち、死の寸前で病の床にせっていた時ですら孫権は「張遼が病程度でどうにかなるはずがない」と攻め込まなかった。

この活躍が元で、江東では子どもを静かにさせる時に「泣いていると張遼がやってくるぞ」と言い聞かせた。 これが「泣く子も黙る」のとなったという。

張遼が合肥を守りきれなければ、の入り口である合肥を手に入れたと結託してを本格的に攻めることも可であった。そうなった場合、の荊州進攻や夷陵の戦いはなく、を潰したによる下二分が実現していたのかもしれない。見方によっては、張遼が三立という状況を確定的にしたとも言えるだろう。

評価

唐代の史館が選んだ中国史上64名将(『新唐書』巻15)のうちの一人に選ばれている。の将では他に鄧艾一人。

老若男女問わず人気が高く、寄りまたは寄りの三国志作品においても実下方修正やかませ犬的扱いされることがほとんどない。真・三國無双6公式人気投票では7位。

最終将軍職は前将軍陽侯(曹丕代)。曹操の代では合肥の戦い後に征東将軍となった。(後に征東将軍の印綬を返還したと思われる)
、部下からの人望は厚く、曹操と同じに乗せてもらったり、曹丕からは、自分と同じ食事を賜ったり皇帝専門医をつけてもらったりした。

反面、同僚の李典楽進とは仲が悪かったが、合肥の戦いにおいて私情を交えず国家のために戦った。

また、家族部下全員が厚遇され、家族には邸を建ててもらい、合肥の戦いの決死隊の部下は後に全員出世し近衛兵となっている。病床時には決死隊の部下が見舞いに訪れにあふれかえり、皇帝専門医をつけてもらった。

本人の性格は清廉だっと言われている。

同僚とは折り合いが悪い面もあったが、自分の非を認めたり礼儀を重んじることができた。

張遼は上記に挙げてある申し分のない武勇と経歴に加え、次の二点がっていたため、乱世の中で勝ち組となることができたのではないかと思われる。

①冷静沈着で自できた事
豨の説得時には、夏侯淵許可め、後に曹操に独断専行を注意されすぐ直に謝り、また胡質伝においては部下の武周と仲違いしたことを胡質に諌められて素直に謝りにいき仲直りした。
軍中で反乱騒ぎが起きた時は慌てず、すぐに反乱する者が少ない事を見破り、味方を落ち着かせ首謀者を捉えた。
②内部・周りに「敵」を作らず、「味方」がいた事
曹操子に気に入られていた。
仲の悪かった同僚の李典楽進事より私事を優先せず人を陥れたりしない名将だった。
呂布軍時代の同僚であった覇は曹操の人材集めに貢献した。

武勇経歴がすごい人物は当時多くいたが、上記二点がわず悲劇の末路を迎える者も少なくなかった。

その他諸々の逸話

曹操息子である曹植が詠んだ「篇」のモデルは北伐時の張遼と言われている。

史実では病死だが、演義では一年長く生きていて曹丕をかばい丁奉から受けた矢疵がもとでとされている。

張遼死後、合肥の守りはディフェンスに定評のある満寵が継ぎ、の侵攻を許さなかった。張遼の子である虎も武将として任を果たした。正史の記述では孫に統がいるとされ、子孫は続いていたようだ。

張遼の容姿において明確な記述はないが、記述された文献は「篇」以外には「絵本通俗三国志」において描かれている。その記述は次の通りである。
呂布配下で曹操軍と対峙した時には、『面玉の如くは朗らかなの如く、年二十歳にして~』と記述されている。

張遼の子孫 

張遼の子孫については、正史三国志に子の虎(ちょうこ)のことが記載されている。虎はの死後、後を継いで偏将軍にまでなった。虎の死後は、子の統(ちょうとう)が後を継いでいる。 

三国志演義』では虎は楽進の子である楽綝とコンビを組んで司馬懿の配下として登場する。司馬懿の信任を受けたそれなりに優れた将であるはずであるが、(『三国志演義』の世界では)諸葛亮の知略の前に翻弄され、敗北ばかりとなっている。 

漫画・ゲーム等における張遼

漫画「横山光輝三国志」

曹操の参謀・軍師として、アニメ版の赤壁の戦いでは助言をしている。演義通りの活躍だが呂布軍での描写はなく、李典ホウ徳より出番が少ない。ただし、かっこ悪い描写は皆無である。

漫画「蒼天航路」

最強め続けている武人。名セリフが多く、この漫画をきっかけに張遼ファンになった人も多い。

iM@S架空戦記シリーズ・ニコニコ歴史戦略ゲー

ニコニコ動画では、三国志を題材にしたゲーム漫画の登場人物として扱われる。

その中でも、iM@S架空戦記シリーズの先駆けである呂凱Pの「閣下で三国統一をめざしてみる」で劇的な登場・活躍を果たしたこともあり、同シリーズに続いた各シリーズでも頼れる名将であったり、手強い好敵手として登場するなど概ね良い扱いをされている。

特に「閣下で三国統一をめざしてみる」や「三国志アイドル伝」で名将ぶりを発揮している。

三國無双シリーズ

ニコニコ動画ができる前から山田と呼ばれている三國無双シリーズされキャラの一人。
ステキ帽子カイゼルシリーズ5、6作以外はフリルがついている。

山田とは、

理由は真・三國無双2と5における無双舞台詞「邪魔だぁッ」が「山田ぁっ」に聴こえるため。真・三國無双6ストーリーにおいて「邪魔」が「山田て~」と聴こえる。

無双乱舞(6以降)
  • 撃:「推して参る!」
  • 脚:「いざ!脚!!」
  • 凰撃:「が武を見よ!!」
三国志大戦

LE&SR張遼(神速の大号)、群雄R張遼(シユウの如く)がある。LEは蒼天航路のものでセリフ原作から引用している(一部汎用あり)。神速は使いこなせれば上級者を自負しても良いほど、扱いが難しいが人気はある。

住民層が違うのか山田とはあまり呼ばれない。

劇場版三国志

活躍はほぼ演義通り。三部作全てにおいて出場。敵味方ながら関羽友情に結ばれている。

恋姫†無双シリーズ

さらし、上着は羽織るだけという出で立ちの関西弁姉御肌の人物として登場。

SDガンダム三国伝

張遼ゲルググとして登場。活躍するキャラクターガンダムデザインが多い中、 史実で多くの人物との接点が多い為、大活躍していた。 アニメでは彼が役の回があった。

他作品と違い呂布との別れが特殊。

反三国志

営に非常に当たりの強い展開の中、チート補正がついている営に互の戦いを見せた。

五星戦隊ダイレンジャー

面臂・張遼のモデルとされた。

作品の中では悪の幹部とされているが、物語の重要人物とされ強敵として描かれている。

関連商品

関連項目

この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/05/03(金) 17:00

ほめられた記事

最終更新:2024/05/03(金) 17:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP