鰻(うなぎ)は、ウナギ目ウナギ科の魚である。細長い体・腹びれが無いことなどが特徴。食用にもされる。
胴体が細長く、ぬめぬめしている。古来から日本人が食用にしてきた身近な魚であるが、その生態はそれほど解明されていない。
海で生まれて、川に来たり湖に住んだりした後、海に戻って産卵する。産卵場所は長らく不明で、場所が分かったのは21世紀になってからである。
生活史の一端で透明な笹の葉のような姿(レプトケファルス幼生)になることが知られている。
外見が似ている生き物にアナゴ、ウツボ、ハモ、タウナギ、デンキウナギ、ヤツメウナギ、ヌタウナギなどがいる。前3つはウナギ目の仲間であるがそれ以外はウナギとの類縁関係は遠い。
日本産の天然の鰻はとても高額であり、国産養殖鰻も資源の減少を受けて、高価になってきている。台湾や中国からの輸入物、養殖物は比較的リーズナブルなのだが…。
身を使った料理として蒲焼、鰻丼、ひつまぶし、うざく、鰻巻きなどが知られる。他にも頭や肝も食用とする。鰻の代表的な食べ方が蒲焼きであり、蒲の穂に見立てて串焼きにしたものが元祖だが、当初はかなり硬かったという。それを江戸時代に、今のように柔らかく焼き上げる技術を確立した。うな重はそれを重箱に盛り付けたもので、鰻といえばうな重というぐらい人気が高い。なお、蒲焼きの焼き方は東日本と西日本で異なり、東日本は背開きにして仕上げる。対して西日本では腹開きにして皮をパリッとして仕上げる。これについては俗説があり、江戸では腹を開くことがすなわち、切腹に通ずるとして忌み嫌われたとか、逆に西日本では腹を割ることが縁起につながるから、とか言われているが、大坂での鰻の蒲焼きは出雲地方から伝わったものであり、それゆえ「いづもや」という屋号で鰻屋を指しているなど、実際は食文化の伝播の関係のようである。
また、大阪では間に入れて蒸すことから「まむし」と呼ばれており、タレのかかった白飯の下に鰻の身をひそめている(歴史的には質素倹約のお触れから逃れた贅沢だったとか)。また、中京圏ではひつまぶしという、蒲焼きを刻んで供するうな重が有名で、お茶漬けも絶品。
蒲焼きに対して、タレを付けずに焼くのを白焼きといい、ふんわりした白身を楽しめ、ワサビ醤油などで供する。蒲焼きを卵で巻いた、う巻き、また鰻を刻んで、きゅうりなどと一緒に三杯酢で合わせたうざくもメジャー。その他、鰻の肝も重宝され、肝吸いや肝焼きといった料理となるほか、肝以外の部位を供せられる店もある。佃煮にしたり、それを茶漬けにしたものも美味しい。また、関西では寿司ネタとしても定番であり、うなぎのにぎりや押し寿司は人気の一つ。
鰻料理は静岡県三島市、うな重発祥地の説があるさいたま市浦和区、成田山の参道に十数軒がひしめきあう千葉県成田市、寒の土用の丑の日運動を行っている長野県岡谷市、かつては鰻産地で知られ、今も名物として名高い三重県津市、全国の鰻職人が修行に出るという福岡県柳川市などが有名。特に津市のうなぎ消費量は非常に多く、しかも値段も他よりかなりリーズナブル(昔は1000円でうな丼が食えたという)。
一方、日本国外では英国やオランダなどに鰻を用いた料理文化が存在する。英国の首都、ロンドンを流れるテムズ川においては鰻が昔はよく取れたと言われており、ロンドンのイーストエンド地区にはパイ生地に鰻を入れて焼いた「ウナギパイ」 (イールパイ)、鰻を煮込んだ「ウナギシチュー」、煮た鰻をゼラチンで固めた「ウナギのゼリー寄せ」といった郷土料理が存在する。
土用の丑の日に鰻を食べる習慣がある。古来より梅干との食べ合わせが悪いといわれているが、健康に悪いのではなく「鰻と梅干を一緒に食べるとあまりの美味しさに止まらなくなって腹を壊す」という意味らしい。気になる方は試してみて下さい。
土用の丑の日に鰻を食べようと言ったのは、江戸時代の発明家平賀源内。街の寂れた鰻屋を活気づかせるための彼の施策とのこと(1822年の書物「明和誌」に記述)。また、鰻の旬は真冬であり、脂も乗って非常に美味しい。逆に本来の土用の丑の日の時期は、最も鰻の味が落ちているといわれ、一節には売上が落ちる鰻を売るための宣伝文句だったといわれている。
一方で万葉集に夏痩せ対策として鰻を食べることをすすめる歌もあり(大伴家持「石麿に我物申す 夏痩せに 良しといふものぞ むなぎとりめせ」)、夏場の滋養強壮に鰻を食べる文化は古くからのものであるという説もある。
生食は基本NG。生血に猛毒を持つ(60℃以上に加熱すると問題ないが味が落ちるため、専門店では一般に血抜きをする)ため、食用認可されていない。
また、うなぎもそのまま市場で仕入れたものを調理するのではなく、淡水を湛えた水などに放ち、泥を吐かせたりして極力泥臭さを取るという手の混んだ下拵えを行っている店が多い。
鰻の産地として名高いのが静岡県の浜名湖であり、東海道新幹線から生簀が見えるようにして大々的に売り出したことで全国区となった。しかし、浜名湖を含めた静岡県は現在4位である。1位の鹿児島県は現在洋食ウナギの国内首位で、県内トップは大隅半島の大崎町である。なお、指宿市山川には鰻という地名はあるが、ウナギ産地としての特筆性はない。2位は愛知県、一色(いっしき)が産地として有名である。3位は宮崎県であり、特に新富町の一ツ瀬川河畔には名代の鰻店が多い。
なお、天然鰻をありがたがる人もいるが、プロ連中からも「養殖の方が身が柔らかいから、そっちの方が美味いという人は多い」という意見がちらほらある。そして、それだけ鰻産地の養殖技術がハイレベル化しており、鹿児島では指宿の温泉水を使ったり、愛知県の一色では天然鰻が棲む環境を再現したりとかなりの力の入れようだったりする。
また、鰻を焼く炭は決まって火力を出せる備長炭を用いる。中でもウバメガシを用いた紀州備長炭が最高級品として知られ、ほかにランクは落ちるものの、土佐産と日向産が有名。比較的安価な輸入品もあるが、火力がまるで違うために、専門店ではまず使わない。
とにかく、日本人の鰻への執着は尋常じゃないのである。
このように日本の文化、とりわけ食生活とは馴染みの深い鰻であるが、一方で近年は稚魚(シラスウナギ)漁獲量が極端に減少し、このため価格高騰を招いていることが知られている。
環境の変化に伴うものであるという説や原因不明であるという説が日本国内では一般的であるが、漁獲のほとんどが日本で消費されるという現実もあり、世界的には乱獲によって絶滅の危機に瀕しているという説の方が有力である。
ニホンウナギ、ヨーロッパウナギなどは現実にレッドリスト掲載を招いている状態であり、特にヨーロッパウナギはワシントン条約において輸出入も禁止になっている。
そのため、世界中を駆け巡って「ウナギ」を探そうとする日本の姿勢にはグリーンピースなどの環境保護団体などを中心に批判が集まっている。密漁の温床にもなっていると言われており、現実に香港産ウナギと表記されていながら実際には禁輸であるはずの台湾産ウナギであったという事例も報告されているようである。また、国内においても暴力団員が不法にシラスウナギを所持していたとして摘発される事例が発生している。
しかしながら、これらの現実が日本国内ではほとんど知らされておらず、大手スーパーですらヨーロッパウナギの明確な購入・販売禁止を宣言する店舗が少数派である。養殖物であるという言葉に騙され、その「養殖」が「卵からの孵化も行う完全養殖」ではなく「稚魚を出荷適正サイズにまで育てているだけ」であることを知らない消費者がいるのも事実である。
このことから、近年になって完全養殖のための研究やニホンウナギやヨーロッパウナギに代わる種の捜索など様々な対策が取られてはいるが、そこまでの成果が上がっていないのが現状である。
日本においては2010年4月に独立行政法人「水産総合研究センター」がウナギの完全養殖の実験に成功している。開発に成功したのは上記にもあるシラスウナギを卵から育成する技術である。
それから6年たった2016年時点において、まだ市場には国産のシラスウナギは出ていない。
これはいくつかの課題が未解決の為、市場に出すことがいまだ困難であるためである。現在の時点で以下の三点が課題として挙げられており水産総合研究センターでは手探りを続けながら解決の糸口を探している。
課題の難易度の高さから時間がかかっているが確実に成果は出ていることから、焦らず着実に結果を出すことが望まれる。
近畿大学がうなぎに近い味(最終目標はウナギ味のナマズ)を目指して開発した代替品としてのなまずである。2016年現在、イオンなどで販売されているが残念ながら味は鰻よりも秋刀魚に近いといわれまだまだ改良の余地が残っている。近畿大学では現在も鋭意改良を重ねている。
なお、ナマズも鰻と同様に食文化として浸透していた歴史があり、埼玉県吉川市が、なまず料理を名物として売り出しており、伝統的な専門店も多い。そして、血に毒を持つ(加熱すると毒が消える)鰻と違い、ナマズは生食が可能なので、鰻と違った味わい方ができたりもする。
ニコニコ動画の極一部の動画では、音楽のメドレーなどでつなぎがうまいことを指す。「うまい」+「つなぎ」 = うなぎ。
掲示板
909 ななしのよっしん
2024/08/10(土) 18:32:13 ID: AmL8x9IlgU
たまたま目にしたけど、ウナギにはこういうリスクもあるのね
ウナギ好きな人は気をつけよう!(何に?)
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結腸直腸会陰外科センター副所長「ウナギを生きたまま肛門に挿入すると腹腔を傷つけるリスクがある」
910 ななしのよっしん
2024/11/10(日) 01:00:10 ID: Kl0Nsr0Our
人が海の生物を取りつくすことは不可能なのだから気にせずどんどん食べていい
人が絶滅させてきた陸生動物は多いが、それは目で探すことができ、足で赴くことができる地上という環境あってのこと
人は海中の生物を肉眼はおろか文明の利器ソナーを使ってすら1匹1匹を見つけ出すことはできないし、海の上は移動するだけで大きな油代がかかる
漁師にせよ密漁者にせよ量をするのは金のためなのだから、採算が取れなくなった時点で撤退し、生き残った群が個体数を回復させる
ウナギの絶滅()など杞憂も杞憂なのだ
911 ななしのよっしん
2025/01/08(水) 17:40:22 ID: Gsj22BBWNy
イソフラボンを使ってメスウナギの養殖ができるようになった
食欲旺盛なので単価のいい身が手に入ることに
急上昇ワード改
最終更新:2025/01/22(水) 09:00
最終更新:2025/01/22(水) 09:00
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