魔女(まじょ)とは、
伝承上の魔女についての説明は「魔女狩り」にも詳しい記述があるので参照のこと。
中世~近世までのヨーロッパでは、災害や疫病に対する薬学や占いなどといった土着的な文化が根付いていた(現代的にはそれらは「ウィッチクラフト」と称されている)。これがいつしかヨーロッパ圏での文化の変化や政治情勢により、人間が悪魔と契約を交わし、魔法や魔薬を用いて人々に様々な害悪、病気、死をもたらすことがあると考えられるようになった。この「悪魔と契約を交わし、人に厄災を与える存在」が魔女である。この伝承は近世まで欧州では広く信じられていたため、多くの人々が魔女の疑いをかけられ、「魔女裁判」にかけられ迫害されたり処刑されたりした。
現代では女性の印象が強いが、中~近世のヨーロッパでは男性も魔女の疑いをかけられたようである。日本語で魔女と言っているからおかしな印象を受けるが、当時の西洋では"witch"を女性と限定しない、あるいは男性のそれには専用の呼び方が用いられていたと思われる(先のウィッチクラフト的に当てはめれば、ウォーロックとも呼ばれる)。
民話やお伽話から現代に伝えられる魔女の一般的な印象は、女性、特にカギ鼻の老婆で、黒いとんがり帽子に黒いローブを纏い、杖を使って魔法をかけたり、大きな釜で魔法の薬を煮こんでいたりする。また箒(ほうき)や杖に乗って空を飛ぶ。人里離れた森の中に住み、黒猫やふくろう等、不吉とされる動物を使い魔として使役している。また占い師などオカルト的なものと一緒にされることも多く、水晶玉に手をかざして占ったりする姿も見られる。
このような「魔女」の印象は、魔女裁判が行われていた頃から徐々出来上がったものであると言われている。その多くは一人暮らしの孤独な老人を裁判にかけるために都合の良い印象付けであるとも考えられている。
現代では欧米でも魔女狩りのような差別・迫害はなく、魔女はファンタジー作品の世界の住人として受け入れられており、創作作品などに頻繁に登場する。
日本では明治時代には数多くの文学作品に魔女が輸入され、芥川龍之介などの文豪の多くも魔女が登場する作品を描いている。
1960年代にはアメリカのテレビドラマ「奥さまは魔女」のヒットをきっかけに、そういった作品が人気になり「魔法使いサリー」などの作品が作られた。
現代では漫画やアニメにおいても、魔女はお馴染みのキャラクター像となっている。ミステリアスな雰囲気、わかりやすい衣装、魔法という未知の能力など、特徴付けがしやすい要素が多くキャラクター性が高い。元の伝承が多岐に渡り不明瞭な点も多いことから、独自のアレンジも加えやすい。
このように魔女の登場する作品は多いが、作品の中での魔女の概念は様々であり、魔導師や魔術師などの魔法使いとの区別、宗教や政治との関係性も作品によりまちまちである。
(ほぼ年代順)
魔女も魔法使いのひとつだが、特に悪魔と契約によって魔力を得て邪悪面に落ち、人間に厄災を与える「黒魔術」を使用する黒魔術師の女性に対しての呼称である。
魔法使いの中には高い知識・技能によって魔法を獲得し、人々に有益な形で魔法を使用する「魔導師」「魔術師」も含まれる。これらは黒魔術に対して「白魔術」と呼ばれ、雨乞いや病払いなどの呪術・祈祷の類において古来から活躍していた。
創作作品においての魔導師・魔術師は、魔女の邪な印象と相対するキリスト教の聖者のイメージで描かれることがある。白を基調とした司祭のような服装、人々からの信頼は厚く、杖や、時には剣などを持ったり、魔導書を手にする。しかしキリスト教は魔法全般に否定的であるため、魔導師=聖者であるというイメージは現実的には不自然である。
「魔女」「魔導師・魔術師」「呪術師・祈祷師」そして「賢者」などは時代によっても認識が異なり複雑である。さらに創作作品ではオリジナル要素も入ってくるので、作品によって境界はまちまちであると考えたほうが良いだろう。
魔法少女とは、日本のアニメ・漫画において、魔女から派生し独自の発展を遂げた作品分野である。「魔女」→「魔女っ子」→「魔法少女」と発展し現在ではほぼ別物と言ってもいい存在ではあるが、細部には「魔女」の特徴を引用した箇所が数多く残っている。
この記事では魔女と魔法少女の共通点を列挙するに留めるので、魔法少女についての詳細な記述は該当記事を参照すること。→魔法少女
魔法少女と魔女の共通点として、魔法を使用する際に杖(ステッキ)などの道具を使用する。杖(ステッキ)に乗って空を飛ぶ。お供の動物を連れている(魔女で言う使い魔に相当する)。お供の動物との契約によって力を与えられる。などが挙げられる。
また魔法少女であることは秘密にしなければならず、普段は通常の少女としての生活を送っているという展開が一般的である。これは、姿を隠して生きていたとされる魔女伝説のイメージの引用と考えられる。ある意味では、下手に「魔女らしい」姿で歩きまわる魔女キャラクターよりもずっと元来の魔女に近い要素であるとも言えるだろう。
ただし「魔女」が持つ、暗い印象は徹底的に排除されており、服装はピンクなどの派手で女の子らしい衣装、お供の動物もぬいぐるみのようなかわいいキャラクターであり、基本的には「人間に幸せをもたらす存在」であったり、「悪と戦う正義の味方」として描かれることが多い。
(ほぼ年代順)
掲示板
118 ななしのよっしん
2023/04/17(月) 20:25:50 ID: oYK0NEo4nL
大正忌憚魔女って本が気になったので読んだ
とてもいいので ぜひよんで(語彙力喪失)
119 ななしのよっしん
2024/01/02(火) 20:23:12 ID: 1qLi7xxKtk
昔朝日ソノラマで、金田一耕助シリーズの子供向けのが出てたのだが、その中に見覚えのない『洞窟の魔女』というのがあって、何だろうと調べたら『不死蝶』だった・・・
洞窟の魔女ってのは玉造朋子の事だと思うが、この人成り行きで人を殺して自殺したって言われているだけなんですが・・・
(ネタバレになるが、八つ墓村の犯人の方がよっぽど洞窟の魔女だと思う。)
120 ななしのよっしん
2024/05/12(日) 17:45:55 ID: Dnx91VXOqD
魔女術/魔女宗まで言及は流石に無理か
魔女=悪魔や悪霊と契約して云々からちょいと離れるからなぁ
イメージ的にはここら辺こそ魔女っ子アニメの源流だと思うんだけど
サリー・チャッピー・メグ辺りまでは見つかったら火炙りの刑とか
言っちゃってるからどうしても異端審問からの魔女のイメージも出てくるし
急上昇ワード改
最終更新:2025/01/02(木) 21:00
最終更新:2025/01/02(木) 21:00
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