E7系/W7系新幹線電車とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)・西日本旅客鉄道(JR西日本)が開発した新幹線車両である。
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本系列導入以前は、北陸新幹線(長野新幹線)でE2系N編成が「あさま」として長野区間開業時より運用されていたが、2014年度末の金沢延伸開業対応をはじめ新幹線寿命の平均寿命とされる15年(減価償却満了ともされる)を超えることなどの諸事情から、車両更新並びに金沢延伸開業に対応するため新型車両開発・導入が予想されていた。2012年9月4日にJR東日本・JR西日本は新型車両を本系列を共同開発・導入し、JR東日本が所有する車両をE7系、JR西日本が所有する車両をW7系と命名することが2社で公式発表された(東海道・山陽新幹線用の700系・N700系と違い番台区分での所属会社区別とはなっていない)。
編成は、12両1編成で先頭車が付随車の10M2Tの5ユニット(3+2+2+2+3)。金沢方先頭車両の12号車がグランクラス、11号車がグリーン車、10~1号車が普通車。営業最高速度は、整備新幹線規格の260km/h(高崎~金沢間260km/h、大宮~高崎間240km/h、東京~大宮間110km/h)だが、性能速度が275km/hとE2系J編成同様。車体のカラーリングはアイボリーホワイトをベースに、空色と日本の伝統工芸をイメージした銅色となる。編成名は、JR東日本の車両が”F”、JR西日本の車両が"W"である。
本系列は、E5系と同様にE2系をベースとするが、車体構造やインテリアなどE5系に準ずる部分も多い。最高速度は、E2系N編成と同じ260km/hに抑えられるため、先頭形状がE5系・E6系特有の超ロングノーズではなくE2系のデザインを改良したものとなる。また、E5系・E6系において320km/h対応のため導入された各種設備は、省略(防音壁、車体間ダンパ、台車カバー、車体傾斜装置等)あるいは省コスト化(外幌、グリーン車・普通車のセミアクティブサスペンション化等)により簡略化されている。
一方、碓氷峠などの急勾配区間を高速化する目的でモーター・ブレーキが強化され、山間部でも速度は210km/h以上が維持される。なお、環境・騒音対策等については、E5系採用のスノウプラウやパンタグラフ等を採用、先頭形状をE2系をベースとした「ワンモーションライン(One-motion Line;シンプルな流線型)」を採用し、要求事項に応えている。
2015年9月3日JR東及び西両社
より、本系列全編成のグリーン車(2名分)及び偶数号車の1-D・1-E座席を撤去して「荷物置場」を設置する仕様変更を発表した。なおこれは、インバウンド・冬期スキーシーズン・観光等旅客対策によるもので、2015年12月末までに車両改造工事を実施し、順次運用するという。
車両製造は、川崎重工業・日立製作所・近畿車輛(W7系)・総合車両製作所(E7系)が担当した。
2015年5月21日に鉄道友の会より「E7・W7系は厳しい線区条件の下でも安全性と信頼性を確保しつつ、「和の未来」をコンセプトしたデザインを積極的に採用するなど、北陸への新しい大動脈となった北陸新幹線を強くアピールしている(引用まま)」ことが評価され、ブルーリボン賞が選定された。
| 先頭車両 |
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同車両は2013年秋にJR東日本所有のE7系が落成、2014年春にJR西日本所有のW7系がそれぞれ落成した。E7系は、金沢延伸開業に先行する形で2014年3月15日のダイヤ改正で北陸新幹線東京~長野間の「あさま」運用を開始し、次いでW7系も北陸新幹線試験運転を皮切りに2015年3月14日の金沢延伸時に東京~金沢間の「かがやき」「はくたか」および富山~金沢間の「つるぎ」で導入される。所要時間は、「かがやき(金沢行509号、東京行514号)」運用による東京~金沢間で2時間28分(最速達)となる。
製造・投入予定の編成数はE7系が17編成204両、W7系が10編成120両で、最終的には現在のE2系N編成を全て置き換えるとみられる(金沢延伸時には「あさま」運用にE2系が残存する)。
2016年4月1日時点ではE7系F1~18の216両が長野新幹線車両センターに在籍し、W7系がW1~11編成が白山総合車両所に在籍している。
2014年4月12日に白山総合車両所に第1編成が搬入され、2014年11月15日にW10編成がJR西日本金沢支社白山総合車両所に搬入が完了
したことからJR西日本持ち分の所定編成がそろった。JR東日本では2015年度の設備投資計画においてE7系を増備、JR西日本では中期経営計画の記述からW7系が1編成追加増備が発表され(交通新聞
)、2015年8月29-30日に日立製作所笠戸事業所よりW7系W11編成が陸送された
。
なお、JR東日本2016年3月期株主総会関係「事業報告(p.37)」
において"(2)施工中の主な工事 ①運輸業 新幹線車両の新造 東北新幹線・北陸新幹線"という記述があることから、増備の可能性がもたれる。
その後、2017年4月4日のJR東日本社長定例会見
で、上越新幹線の車内サービス向上等を目的に、2018年度より当該路線にも導入し2020年度までに11編成132両を導入し、E4系全てを置き換えると発表された。
これにより、JR東日本の新幹線3方面(東北・上越・北陸)の全路線にグランクラスが導入されることとなる。
2019年10月13日の台風19号により、千曲川が決壊。長野新幹線車両センターが浸水し、E7系8編成(F1・2・7・8・10・14・16・18)とW7系2編成(W2・7)が被災(2020年に除籍)。北陸新幹線の運用数の1/3に相当するため、上越新幹線向けE7系(F23-27)を急遽北陸新幹線運用に投入。その後も代替新製を含めF47編成まで増備を行い、上越新幹線を含めE7系化を完了した。
W7系についてもJR西日本は2021年に代替2編成(W12・13)を追加投入。既存車をベースに台車モニタリング装置の搭載・着雪防止対策の実施などを行っている。
加えて、北陸新幹線敦賀延伸に伴い運用増となるため、W7系をさらに11編成(W14~)追加新製。代替編成と同様の装備に加えて、車いすフリースペースや荷物置き場の設置を実施している。2024年時点で前述の廃車2編成を除くW24編成まで22本264両が在籍している。
| 1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | 7号車 | 8号車 | 9号車 | 10号車 | 11号車 | 12号車 |
| E723 | E726-1 | E725 | E726-2 | E725-1 | E726-3 | E725-4 | E726-4 | E725-2 | E726-5 | E715 | E714 |
| 1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | 7号車 | 8号車 | 9号車 | 10号車 | 11号車 | 12号車 |
| W723 | W726-1 | W725-1 | W726-2 | W725-2 | W726-3 | W725-3 | W726-4 | W725-4 | W726-5 | W715-5 | W714-5 |
| 停車中のW7系 |
| 東北・北海道・上越・北陸新幹線及び山形・秋田新幹線の車両 |
| 200系 - 400系 - E1系 - E2系 - E3系 - E4系 - E5系/H5系 - E6系 - E7系/W7系 - E8系 |
| 東北・北海道・上越・北陸新幹線及び山形・秋田新幹線の列車 |
| 東北・北海道: はやぶさ - はやて - やまびこ - なすの - あおば 上越: とき - たにがわ - あさひ 北陸: かがやき - はくたか - つるぎ - あさま 山形・秋田: つばさ - こまち ※下線付きは現在不使用 |
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最終更新:2025/12/07(日) 06:00
最終更新:2025/12/07(日) 05:00
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