ギルティギアシリーズとは (ギルティギアシリーズとは) [単語記事]

ギルティギアシリーズとは、アークシステムワークスより発売されている格闘ゲームシリーズである。

元はサミーが販売していたが、吸収合併に伴い現在はセガが版権を所有し・販売を行っている。

主な作品

GUILTY GEAR（PS・PS3・PSP）: 記念すべきギルティギアシリーズ第1弾。
当時の家庭用オリジナル格ゲーとしては破格の出来で、独特のキャラ造形・世界観と共に話題になる。
しかし当時はAC格ゲー移植ラッシュの時代で、ギルティギアは知る人ぞ知る名作と言った評価だった。
アーク名物一撃必殺の元祖｢殺界｣、チャージキャンセルによる永久・即死など、
現在のギルティギアシリーズの基礎となる自由度・攻撃的なゲーム性は既に確立されていた。
GUILTY GEAR X（AC・DC・PC）: アーケード第1作目。ストーリー上は外伝扱いとなっている。
格ゲー氷河期に終止符を打つべく、NAOMI基盤を使用した高解像度グラフィックのド派手なインパクトと、
家庭用譲りの自由度でアーケードのタブーギリギリまで迫る内容を引っさげ登場する。
｢見えない2択｣｢起き攻め｣を前面に押し出した斬新なゲーム性と、複雑なシステムは賛否両論あるが、
本業に飽きつつあった多くの他ゲー勢・新規勢を獲得し、見事氷河期を終わらせる事となる。
現在あるテクニックの殆どはこの時代に既に発見されており、異常と言う他ない密度・速度で攻略は進化した。
そして餓えたプレイヤー達による貪るようなやり込みは遂に｢FCD(フォルキャンダッシュ)｣を生み出す。
FCD発覚後は誇張抜きに｢小足から死ぬゲーム｣へと変貌し、技術介入の高さとシビアすぎる対戦は
多くのプレイヤー離れを招く一方で、狂信的なプレイヤーを一層強く囲い込む事となる。
奇しくも後のAC北斗の拳における｢バスケ発覚｣と似た現象がこの時既に起きていたのは興味深い。
FCDを駆使した｢小足からFCDで気絶→即死｣を始め、｢霧ハメ｣を筆頭とする強烈な起き攻め、
今なお語り継がれる神の性能｢ゼクスミリア｣など、発狂しそうな対戦バランスは歴代最狂と言ってよい。
残念ながら当時は動画撮影自体がメジャーではなかったため残っている動画は非常に少ない。
一部ニコニコ動画にアップされた貴重な動画は当時を知る者や好事家から好評を得ている。
なお、京都a-choにてGGXX関西ランバト開催7周年記念祭として本作の大会が行われる模様。
GUILTY GEAR X ver1.5（AC）: ゼクスをベースにFCDの撤廃、XXの技を追加などされたマイナーチェンジ版。
アトミスウェイブ基盤で作成された海外向けの製品で、既にXXが稼動中だった国内では殆ど出回らなかった。
｢常軌を逸した高度のヴェイパースラスト｣｢移動起きのついたポチョムキン｣などが一部には知られている。
GUILTY GEAR XX（AC・PS2）: 新キャラクター・新技を追加し、サイクバースト、空中投げ、フォースロマンキャンセル(FRC)などの新システム、
操作性の変更(Dボタンの追加)など様々な変更が施された。通称｢無印｣。
ゼクスの好評から導入店舗も大幅に増え、一躍AC格闘ゲームのメインストリームへとのし上がる。
猛威を奮ったFCDは撤廃され、ダウン追い討ちの見直しによって多くの起き攻めが弱体化した他、
連続技を中断させるサイクバーストにより基本的に即死・永久が成立しなくなり、若干大人しいゲーム性に変わる。
必要とされる技術の敷居が下がった一方で、ミスれば間違いなく即死するため｢ありえない選択肢｣に近かった、
｢ぶっぱなし｣｢暴れ｣と言った行動が見直され、技術：読み合いのバランスが大きく変化した時代でもあった。
FCDはなくなったものの、今度はフォースロマンキャンセル(FRC)を駆使したコンボが大きく発展し、
難しくなった起き攻めは逆にプレイヤーの研究意欲を刺激し、より緻密なセットプレイへと進化していった。
そしてこの頃｢闘劇｣が始まり、大きな目標が生まれた事によって対戦シーンは各地で過熱していった他、
攻略の中心も個人サイト、実名のキャラ別BBSから、現在も主流となっているしたらば外部板へと移行する。
かの｢ウメハラ｣も参戦していた時代で、ほぼゼロからのスタートでありながら最終的に第一線へと上り詰める。
技術偏重気味のプレイヤー達に｢読み合い｣｢やり込み｣の大切さを再認識させた彼の功績は非常に大きかった。
ゲーム自体はダメージ面に調整の甘い部分が目立ち、キャラランクが火力に大きく左右されていた。
キャラによってはゲージ25％で6、7割平気で減る事もあり、やや大味な作品だったと言える。
数こそ少ないが無印動画もアップされており、現在も活躍する有名プレイヤーの姿を目にする事ができる。
GUILTY GEAR XX #RELOAD（AC・PS2・Xbox・PSP・PC）: 新キャラクター｢ロボカイ｣の追加、FRC対応技の追加、その他細かな演出・キャラ調整が施された。
しかし無印から短いスパンでリリースされたためか、ダスト中など頻繁に処理落ちし、フリーズ系バグ多数、
ファウストの永パ、ロボカイの通称｢永久限界｣と呼ばれるバグに始まり、キャラ調整も非常に荒かった。
この不出来に落胆した京都のプレイヤー｢火九｣氏によって調整版を要望する署名活動が行われた。
多くのプレイヤーからの署名が集まり、結果、再調整と処理改善が施された修正版が無償配布される。
後に幾度となく起こる格ゲーでの｢署名活動｣の先駆けであり、賛否はともかく大きな事件だった。
タイトルの｢#RELOAD｣の文字が赤から青に変更された事から、初期版は｢赤リロ｣、修正版は｢青リロ｣と呼ぶ。
家庭用移植は全て｢青リロ｣の移植となっており、｢赤リロ｣は交換しなかった極一部の店舗に残るのみである。
修正された青リロの対戦バランスは良好で、2年以上の長期稼動となり、シリーズ最高傑作との声も多い。
数多くの名プレイヤー・名勝負を産み、コンボムービーもネタ・MAD・チュートリアルへ発展していった。
また、本作にはPC版が存在し、後に有志によってネット対戦機能が追加され、現在も対戦が行われている。
ニコニコ動画でのアップ数も多く、｢名試合｣と言われる動画も数多く残されている。
本作も京都a-choのGGXX関西ランバト開催7周年記念祭で大会が行われる模様。
GUILTY GEAR ISUKA（AC・Xbox・PS2・PC）: 青リロから約1年、リリースされた新作はプレイヤーの予想の斜め上を行く物だった。
まさかの4人同時プレイ可能な2ライン制バトルロイヤル形式は衝撃の一言。
当然、青リロで培われた糞プレイによって画面・内容ともに超カオスなゲームへと発展する。
3D格闘ゲームのようなカードシステムもあったが、充実には程遠い内容と言わざるを得ない。
また、知り合い4人でやって初めて楽しいゲームのため、プレイヤーは次第に青リロへと戻って行った。
とは言え2ライン制やイスカだけのFRC対応技、EXキャラ使用可など意外と作り込まれており、
家庭用でのパーティゲームとしては自由度のかなり高く、佳作と言ってよい作品である。
それでもアーケードで出す理由は理解できないが…。まさに誰得。
ニコニコ動画では中野TRFの北斗勢による野試合動画が数点アップされているので、
一度その暴力と~~裏切り~~知略の交錯するカオスを見てみる事をオススメする。
GUILTY GEAR XX SLASH（AC・PS2）: 青リロから2年、更なる調整を施し、新キャラ｢アバ｣｢聖騎士団ソル｣を追加した新作がリリースされる。
しかし青リロの影響は大きく、目新しい変更の少なさや、調整内容などプレイヤーの評価は芳しくなかった。
特に青リロで突出していたキャラへの極端すぎる弱体化調整が目立ち、マイルドすぎるとの批判が多かった。
一方で、極端に強化されたキャラが存在し、それが｢単純に強いキャラ｣だった事への批判も多く挙がる。
この頃からアーク特有の｢超頑張ったんだけどやらかしちゃった☆｣的な天然ぽい壊れ方は変化し、
プレイヤーを意識した、開発者の意図が透けて見える調整が増えた事で糞ゲーギルティ派が若干離れてしまう。
他にも青リロの長い稼動期間の内に他ゲーへと移行していった者、進学・就職で辞めてしまった者も多く、
青リロまでの熱狂と比較した時のマンネリ感、下火感は拭い去る事ができなかった。
円熟期には｢上下に突出したキャラがいる｣とする一方で｢絶望的な組み合わせが少ない｣と評価する者もあり、
バランスだけを見れば歴代随一の完成度、シリーズ中一番腕前が出る作品とする声も少なくない。
もう1年稼動が早ければ違う評価だったのかも知れない。
GUILTY GEAR XX Λ CORE（AC・PS2・Wii）: タイトルは｢アクセントコア｣と読み、一般的には｢AC｣の略称が用いられている。
スラッシュから1年、マイルド調整への批判を払拭すべく｢ゼクス回帰｣を謳い、大幅変更が施される。
新技の大量追加、より攻めが強くなる尖った調整、システム面の変更・追加など変更は多岐に渡る。
特にゲージ25％で出せる強化必殺技｢フォースブレイク｣で立ち回りの緊張感・コンボ火力が大幅に強化され、
シビアだが圧倒的フレーム有利を作り出せる｢スラッシュバック｣導入によってやり込み要素が更に増えた。
しかし意図的にピーキーな調整が施された結果、一部のぶっぱなしから即死級のダメージを受ける事が増え、
｢アクシデントコア｣と揶揄される大味なゲームとの印象を多くのプレイヤーに植えつけてしまう。
とは言え、青リロなどと比較しても｢詰んだ組み合わせ｣は大幅に減り、ゲームとしては円熟の域に達している。
｢頑張りが反映されるゲーム｣｢上手くなったからと言って油断できないゲーム｣として依然評価は高く、
闘劇の影響もあってか、ブレイブルーのリリースされた現在も各地で活発に対戦が行われ続けている。
ブレイブルーやメルブラなど他のゲームからの新規参入も未だあり、なんだかんだ言って名作である。
なお、本作の家庭用(PS2版)はAC版からの仕様変更・不具合が多数あったため、後に完全移植版と言える、
｢GUILTY GEAR XX Λ CORE PLUS｣がリリースされている。
これからギルティギアを始めてみようと言う方は、中古で購入する際は注意されたし。