いいですとも! とは
1991年7月19日に、スクウェア(現:スクウェア・エニックス)から発売されたゲーム、ファイナルファンタジーIV(FF4)において、ゴルベーザがフースーヤと協力して大魔法『Wメテオ』を放つ時に言うセリフ。
FFシリーズや、関連作品、コラボ作品、スクエニ外の作品のパロディネタとしても使われる事がある。
概要ですとも!
『Wメテオ(ダブルメテオ)』という大技を繰り出す局面において、それまで悪役であったゴルベーザがキャラに似合わないこのセリフを言った事で、印象深いシーンとしてプレイヤーの記憶に残り、FF4屈指のネタとして長く引き合いに出される事となった。
一因として、セリフよりも感嘆符「!」が与えた効果が強すぎた事が考えられるが、そのあまりのインパクトに、このセリフはゴルベーザの代名詞にもなっている。
また、このセリフはゼムスに操られ淡々と悪事をこなす機械的な性格だったゴルベーザから、本来の人間味溢れるゴルベーザに戻った事を印象付けたセリフにもなった。
その口調の丁寧さから、操られる前は伯父に当たるフースーヤに敬意を払う人物だったとも受け取れる。
2007年にNintendoDSで発売されたリメイク版でも「いいですとも!」というセリフは全く変わっていない。
しかし、DS版では「いいですとも!」の前に言う、フースーヤのセリフに、感嘆符「!」がついた事で、プレイヤーに無意識下で与えるフースーヤとゴルベーザの間にあった" テンションの差 "が縮められる結果となっている。
FF4、FF4イージータイプでの、いいですとも!
1991年7月19日にスーパーファミコン(SFC)で発売されたオリジナルのFF4と、1991年10月29日に発売されたFF4イージータイプのセリフは以下。
※SFC版での一連のセリフ
セリフ後の括弧閉じが無いのは仕様となっている。
ベタ移植版の、PS1~PS4(ゲームアーカイブス)、Wii/WiiU(VC)、New3DS/2DS(VC)で配信されたFF4でもセリフは変わらない。
また、2002年3月28日に発売された、ワンダースワンカラー(WSC)版も、カラー性能に合わせてグラフィックが一新されてはいるが、セリフ内容は変わっていない。
尚、このセリフを書いたのはシナリオ担当の時田 貴司氏では無く、バトルデザインを担当した伊藤 裕之氏である。
FF4 ピクセルリマスター(新バージョン版)での、いいですとも!
2021年9月9日にiOS/Android/Amazon/Steamで発売された、新バージョン版でのセリフは以下。
ベタ移植版の配信環境が限られている現状、この新バージョンがメインの流通となるので、新規で遊ぶ場合はこちらがおなじみのセリフとなる。
文章としては3Dリメイク版とその後に発売された旧バージョン版がベースになっており、オリジナル版と違って漢字が使われていて、フースーヤのセリフに感嘆符が付いている、名前は後ろ下に表示されるという違いがある。
英語版FF4での、いいですとも!
もちろん、英語版FF4でもこの2人のやり取りは健在であるが、日本語のセリフほどにはキャラ付けは含まれていない。
また、海外のファンコミュニティなどでこのセリフが話題になったという情報は見つからなかった。
移植による翻訳の違いは以下。
FuSoYa: Do the Meteo now! (※当初FF2として発売されたSNES版)
FuSoYa: Almost! Put all your power into Meteo! (※10年後FF4として発売されたPS1版)
FuSoYa: Cast Meteor now! (※GBA版)
Fusoya: Cast Meteor now! (※PSP版)
Fusoya: It's nearly done! Give your power to Meteor! (※DS、PC、iOS、Android版)
Golbez: I'm ready! (※当初FF2として発売されたSNES版)
Golbeze: Right! (※10年後FF4として発売されたPS1版)
Golbez: Ready! (※GBA版)
Golbez: Ready! (※PSP版)
Golbez: Very well. (※DS、PC、iOS、Android版)
関連作品で、PSPで発売されたディシディア ファイナルファンタジー(DFF)、続編のDDFFでのセリフもDS版と同じく「Very well.」になっている。
英語版の翻訳ニュアンスは、移植やリメイク時に何度か変更されてDS版からはセリフに「!」が付かなくなり、落ち着いたセリフとなった。
海外では、日本と違って「いいですとも!」がプレイヤーにウケたという流れが欠けているので、ゴルベーザのキャラに合ったニュアンスに変えたのは当然の事といえる。
DS版FF4から使われている「Very well.」は、渋々ながらの承諾の意を表す時に用いる肯定表現だが、その意味にゴルベーザのキャラを加味して再翻訳すると、「いいだろう。」、「結構。」、「承知した。」といった表現になり、ノリの良い「いいですとも!」とは違った意味合いでのセリフになると考えられる。
フースーヤとの関係性を考えると「承知した。」辺りが適切であろう。
ちなみに、英語版DFF、DDFFでは、このセリフに低音の渋いボイスが付いているが、割と気さくな感じで「Very well.」と言っており、日本語ボイスの「いいですとも!」とはキャラ、ニュアンス共に明らかに違うのが分かる。
他の違いとしては、日本版とは名前が違う。
名前の発音はGolbez(ゴルベーズ)と、FuSoYa(フソーヤ)で、ゴルベーズの「ル」はあまり発音しない。
名前変更の理由はGolbeza(ゴルベーザ)だと、母音がaで海外では女性的な名前になってしまうから改名されたと言われている。
また、FuSoYaの名前が大文字混じりから変わったり、PS1版ではイベントセリフだけGolbezからGolbezeに変わっているという違いがある。
FF4Aでの、いいですとも!
2005年12月15日に、ゲームボーイアドバンス(GBA)で発売されたリメイク版FF4 ADVANCE(FF4A)では、グラフィックはWSCベースながら、一部グラフィックの変更、イベント、アイテム、システムの追加などがあった。
このリメイクから漢字表記が出来る様になったが、戦闘イベントの文字は漢字に変わっていない。
FF4Aでは、セリフの最後に括弧閉じがあるなどSFC版とは若干の違いがある。
DS版FF4での、いいですとも!
2007年12月20日に、DSで発売された3Dリメイク版FF4でのセリフは以下。
このリメイクから戦闘イベントの文字も漢字表記になり、フースーヤのセリフの後に「!」が付くようになった。
イベントにはボイスが付いているものの、この戦闘イベントにはボイスが付いていない。
また、DS版FF4は、iOS/Android/Amazon/スクエニマーケット/Steamでも発売されたが、移植なのでセリフは同じである。
ガラケー版FF4での、いいですとも!
2009年10月5日から順次ガラケー(iアプリ、EZアプリ、S!アプリ)で配信されたFF4でのセリフは以下。
機種によって画面サイズが違うなどの制限からか、上枠では無く、下枠に文字が表示されるという違いがある。
FF4CCでの、いいですとも!
2011年3月24日にPSPで発売したドット絵リメイク版FF4、ファイナルファンタジーIV コンプリートコレクション(FF4CC)でのセリフは以下。
グラフィック自体はオリジナルのドット絵ベースだが、先に発売されたDS版FF4とセリフは同じである。
FF4TA 月の帰還 での、いいですとも!
2011年3月24日にPSPで発売された、FF4の続編であるファイナルファンタジーIV ジ・アフター 月の帰還(FF4TA)でも、ゴルベーザのフリーシナリオで最終決戦前に「いいですとも!」のセリフを見る事が出来る。
フースーヤ 「ここでやられては
月の民だけではない・・・
青き星の民も・・・!
心してかかるぞ・・・!」
ゴルベーザ 「いいですとも!」
このセリフには影のあるゴルベーザのキャラ絵がついているが、このキャラ絵とセリフのギャップが凄かった為、発売当時、2ちゃんねるなどでネタにされた。
後に、iOSとAndroidで配信されたものも解像度がアップしただけでセリフ内容は変わっていない。
このイベント後、『W黒魔法』という2人以上で行うバンド技が覚えられるが、戦闘中に使うと10%の確率でWメテオが発動する。その際にも「いいですとも!」のセリフを見る事が出来る。
パワーをメテオに!
いいですとも!
このゴルベーザは、「いいですとも!」と言いながら片腕でガッツポーズする程ノリノリである。
DFF、DDFFでの、いいですとも!
リメイクされたDS版にはボイスが付いたが、ゴルベーザの声優に俳優の鹿賀 丈史氏を起用する事により、ゴルベーザというキャラクターにSFC版では表現できなかった箔、色等が肉付けされる事となった。
しかし、戦闘イベントである「いいですとも!」にボイスが付く事は無かった。
ファイナルファンタジーシリーズ誕生20周年を記念して企画された『ディシディア ファイナルファンタジー』(DFF)にて、「いいですとも!」にボイスが搭載される事となったが、DFFではオリジナルのイベントシーンがそのまま再現されている訳では無く、シークレットな技として実装されている。
具体的には、ゴルベーザのEXバースト「双月」の特殊コマンドをパーフェクトに入力できたときのフィニッシュ技「Wメテオ」において、ゴルベーザがLv100+シークレットボイス購入済の時に10%の確率で黒竜が「パワーをメテオに!」と発言し、ゴルベーザが「いいですとも!」と答える形式である。
こくりゅう「パワーをメテオに! (※文字表示のみ、ボイス無し)
いいですとも! (※文字表示無し、ボイスのみ)
Dragon: Give your power to Meteor!
Verry well.
ゴルベーザのキャラに似合わない強烈なインパクトと共に、印象深いセリフとしてプレイヤーの記憶に残る事となったこの名言は、初出のSFC版から17年の歳月を経て、鹿賀 丈史氏の高い演技力・声質により、ファンにも納得の完成を果たす事となった。
ちなみに、鹿賀氏は過去に児童向け特撮映画に出演した際、バラエティ番組でのトークで「子供は特に好きという訳ではないが、子供の反応に興味があったから出た」と語った事がある。
演者として、ディシディアをプレイした17年前子供達だった世代の反応にも興味があるのかもしれない。
DFFAC、DFFNTでの、いいですとも!
2015年稼働のDFFAC(アーケード版)と、2017年発売のDFFNT(PS4版)においても、「いいですとも!」は実装されている。
DFF、DDFFの時とは違い、他のキャラクターとコミュニケーションを取る際に使うシンボルチャット(ボイス付き)で、Lv15にて開放されるワードに「いいですとも!」があるというものである。
もちろんWメテオもあり、「パワーをメテオに」のセリフも健在だが、この作品では黒竜が喋らない為、ゴルベーザ本人がセリフを言う。
その為、Wメテオ発動直後にシンボルチャットで「いいですとも!」を出せば、ゴルベーザだけで例のシーンを再現できるという仕様になっている。
2017年11月07日には、ニコニコ生放送と、Youtubeでライブ配信された放送(※ニコ生参照リンク)にて、ゴルベーザの声を演じる鹿賀氏からゴルベーザについてのコメント映像があった。
ファンからは「いいですとも!」を期待するコメントが多数あったが、残念ながら発言は無かった。
尚、映像の中で、「収録の時に気を付けた点は?」という質問に対しては、以下の様に答えている。
今回改めてゴルベーザを演じる際には、力強さ、威圧感といいますか、そういうものを注意して演じました。
FF13での、いいですとも!
物語中盤のノーチラスパークにおいて、サッズとヴァニラの会話の時にサッズが言う。
サッズ
……そうだな
どこにいるかは わかってるんだ
ヴァニラ
一緒に行っていい?
サッズ
ああ いいですとも
おまえはどうだ?
誰かに会いたいとか ないのかよ?
明らかに公式がネタにしてるなと分かるFF14などと違い、いいですとも!のテンプレとは外れた文脈だが、FFシリーズでこのセリフを言うのは、ネタだよね?という共通認識の元でFFプレイヤーが反応した。
FF14での、いいですとも!
FF14では、善王モグル・モグXII世との戦闘で、家臣:プクラ・プキがポンポンメテオを放つ際に関連するセリフを言う。
また、極王モグル・モグXII世との戦闘で、極王モグル・モグXII世がモグルメテオを放つ際に家臣たちが関連するセリフを言う。
極王モグル・モグXII世
もうひといきクポ! パワーをメテオに!
プクラ・プキ
いいですともクポ!
クプラ・キップ
いいですともクポ!
(家臣:以下略)
他にも、A Realm Rebornのメインクエスト『青葉の思惑』にて、パパリモがこの発言をする。
PFF、PFF≒での、いいですとも!
2013年10月21日よりiOS、Androidで配信されているアプリ、ピクトロジカ ファイナルファンジー(PFF)でもこのセリフは登場する。
Wメテオを発動する際に「いいですとも!」を言う。
2017年7月12日発売の3DS移植版、ピクトロジカ ファイナルファンタジー ニアリーイコール(PFF≒)においても、PFFと同じく、Wメテオを発動する際に「いいですとも!」を言う。
いたストDQ&FF 30thでの、いいですとも!
2017年10月19日発売のPS4/PS Vita用タイトル『いただきストリート ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー 30th ANNIVERSARY』』にて、ゴルベーザが登場した。
ゲーム中では、ゴルベーザを使い1位を取ることでバラエティ豊かな「いいですとも!」を、フルボイスで視聴する事が出来る。
……なに?
また 私と戦いたいだと?
ふん いいですとも!
この「いいですとも!」は、いわゆる" ツンデレ "なニュアンスを含んでいるが、ボイスの方もツンデレな感じに演じられていている。
私の勝利を讃えたい とな。
いいですとも
盛大に讃えるがよい!
この「いいですとも」は、得意気な感じに演じられている。
また、ケフカとの絡みでも、「いいですとも!」なセリフを聞くことが出来て、FFの名シーンを網羅したミニギャラリーのNo.26で、SFC版の「いいですとも!」シーンが観れる。
パーティーゲームという事もあってか、ゴルベーザのキャラクター性がこれまでに無いほど際立っている作品となっているが、これについてはCVを演じた鹿賀氏も公式HPのキャラ紹介で以下の様に述べている。(※参照リンク)
(※前略)
ゴルベーザは悪者の印象が強いキャラクターですけれども、そのなかに人間が含んでいる喜怒哀楽を少しでも感じ取っていただければうれしいなと思います。
FFRKでの、いいですとも!
iOS、Androidで配信されているアプリ、ファイナルファンジー レコードキーパー(FFRK)でもこのセリフは登場する。
FFRKのマルチプレイで使用出来るスタンプに、ゴルベーザの「いいですとも!」スタンプが存在し、スクエニ公式スタンプとして、同じイラストが使われたLINEスタンプが販売されている。(※参照リンク)
FFBEでの、いいですとも!
iOS、Androidで配信されているアプリ、ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス(FFBE)で、このセリフは登場する。
ゴルベーザを、ガチャでゲットした時に表示されるセリフの1つに「いいですとも!」が使われている。
DFFOOでの、いいですとも!
iOS、Androidで配信されているアプリ、ディシディアファイナルファンタジー オペラオムニア(DFFOO)で、このセリフは登場する。
FF14のキャラ、パパリモの共闘セリフに「いいですとも!」がある。
ボイス付きで、CVはFF14と同じく喜多村 英梨氏。
コラボ作品での、いいですとも!
iOS、Androidで配信されているアプリ、モンスターストライク(モンスト)のFFコラボで、このセリフが登場する。
Youtubeに投稿された動画(※参照リンク)にて、開発元、XFLAGの中の人達が語ったゴルベーザに関して思い出の中で「「いいですとも!は名言ですよね」、「ちゃんとSS(ストライクショット)にも入っております」と発言があった通り、SSでWメテオを使った時に表示されるメッセージウインドウで再現されている。
再現されているのはリメイク版では無く、SFC版である。
元となるフースーヤのボイスが無かった為か、他のセリフと違ってボイスは付いていない。
ニコニコ動画での、いいですとも!
元々、このセリフはファンを中心に有名であり、2ちゃんねるなどでもネタにされていたものであるが、ニコニコ動画内おいては、プレイ動画や関連動画で「いいですとも!」弾幕が張られた事からニコニコ動画での定番コメントとして定着していった。その後、このセリフをネタにした動画が数多く生まれ、Youtubeへの転載や、ブログで取り上げられたりした事から、ニコニコ内外でこのセリフの知名度を上げる事となった。
但し、レトロゲーム動画の投稿最盛期だった2007~2008年以降はあまり見かけなくなってきている。
TV番組「笑っていいとも!」と、「いいですとも!」
日本で「いいですとも!」がプレイヤー間に広まった一因として、1982年~2014年まで平日のお昼に全国ネット局でTV放送されていた長寿番組、『森田一義アワー 笑っていいとも!』の存在が考えられる。
番組の掛け声である「いいとも!」は、広い世代で知名度があり、この掛け声をリアルやネットでネタにする人も多かった。
「いいですとも!」との関連性については、実際、ニコニコ動画のレトロゲーム動画で「いいですとも!」の掛け声が流行った際も、掛け声に混じって「いいとも!」とコメントする人が見受けられ、ゴルベーザと司会のタモリを絡めたネタ画像やネタ動画が作られる事もあった。
しかし、番組が終了した事で「いいとも!」は死語となりつつあり、「いいですとも!」より先に廃れてしまう運命にあるのかもしれない。
関連動画ですとも!
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