すべては恐怖のために
「バイオハザード7 レジデント イービル(英:RESIDENT EVIL 7 biohazard)」とは、カプコンより発売されたサバイバル・ホラーゲームである。
概要
バイオハザード7 レジデント イービル | |
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ジャンル | サバイバルホラー |
開発元 | カプコン |
発売元 | |
プラットフォーム | PlayStation4 / Xbox One Microsoft Windows |
発売日 | 2017年1月26日 |
プロデューサー | 川田将央 |
ディレクター | 中西晃史 |
プレイ人数 | 1人 |
CERO | 通常盤:D(17歳以上対象) グロテスク版:Z(18歳以上のみ対象) |
カプコンが開発・販売するサバイバルホラーシリーズの20周年記念企画の一角。
ナンバリングタイトルとしては前作『バイオハザード6』からおよそ4年振りの作品となった。またサブタイトルがつくのは『コード:ベロニカ』以来。
アメリカを含む海外では日本に先駆けて2017年1月24日に発売され、国内では同月26日に発売された。
「新生バイオハザード」と銘打ち、アイソレートビューを用いたシリーズ2度目のフルモデルチェンジ、新しいゲームエンジン『REエンジン』の採用によるより進化したグラフィック描画など、新しい要素が数多く取り入れられている。
『レジデントイービル(resident evil、「邪悪な住人」の意)』は海外版のバイオハザードシリーズタイトルである。
また、タイトルの「VIL」が赤く塗られ「VII」に見えるようにもなっている。
2016年6月14日よりPlayStation Plusの会員限定でPS4用の体験版タイトル『バイオハザード7 ティザー 〜ビギニングアワー〜』が配信された。また、PlayStation VR用の体験コンテンツとして『KITCHEN』も配信。
製品版はバージョンが2つあり、通常版はCERO「D」。グロテスク版はCERO「Z」となっている。
価格や基本的なゲーム内容はどちらでも同じだが、グロテスク版はグラフィックや演出面での残虐表現がより強くなっている。なお、残虐表現が最も強いのは海外版である。
システム
今作では『6』までのアクション重視から路線変更し、シリーズの原点である「恐怖」に焦点を当てたホラー性の深化が念頭に置かれている。そのため、主人公は従来のように戦闘のプロが務めるのではなく、ごく一般的な「弱さ」を持つ人間として設定されている。
プレイヤーは主人公であるイーサンを操作し、邸宅に住んでいる狂気のベイカー一家と戦いながら妻であるミアの救出を行う。ベイカー家が、汚物同然の食事を囲んで談笑している様子が今作のキービジュアルとなっており、体験版では、アンブレラ社のヘリが彼らを監視していたことが示唆されていた。ゲームメディアやファンの間では、たびたびホラー映画『悪魔のいけにえ』のソーヤー一家の影響が指摘されている。『6』よりも後の時代の物語であり、進行度合いによってシリーズ作品との繋がりが次第に浮かび上がって来る。
また、『アイソレートビュー』と呼称される一人称視点が新たに採用され、いわゆるFPSの形式をシリーズ本編として初めて導入している。これにより、恐怖演出の緊迫感が増した。3人称のいわゆる「ラジコン操作」が特徴的だった初作~『コード:ベロニカ』、肩越し視点のTPSとなった『4』~『6』に継いで、シリーズ2度目のフルモデルチェンジが行われたことになる。PlayStationVRにも対応しており、一人称視点を採用したことで親和性も非常に高い。
さらに、カプコンが開発した新しいゲームエンジン『REエンジン』により、実写と見間違えんばかりの精密でリアリティのあるグラフィックを実現しており、ソファー等の大きいものからホコリなどの小さいものまですべてがリアルに再現されている。
ストーリーのライターの一人に、最恐のホラーゲーとして名高い『F.E.A.R.』や屈指の鬱展開で知られる「ドバイ」こと『Spec-Ops: The Line』のRichard Pearseyが参加し、話題となった。
ストーリー
イーサン・ウィンターズの妻ミアは、3年前に突如行方不明となった。
警察の捜査も空しく、有力な手掛かりは得られないままで、もはや彼女の生存は絶望的であった。
彼は失意の日々を送っていた。
ところがある日、彼女からメールが送られてくる。
「イーサン、貴方に嘘をついた……ごめんなさい。このメッセージを、もし見ているなら……私を探さないで」
彼女は生きていたのだ。
イーサンは居ても立ってもいられず、メッセージが発信された場所へ向かった。
その場所――ルイジアナ州のある山奥には、一軒の古い邸宅が立っていた。
妻と再会するため、彼は単身、邸宅の中へ乗り込む。
だが彼を待ち受けていたのは、ある一家の、凄まじい狂気と恐怖だった……。
キャラクター
主要人物
- イーサン・ウィンターズ - CV:木内秀信
- 本作の主人公を務める青年。行方不明になっていたミアの足取りを追って、ベイカー一家の棲む邸宅へと乗り込んだものの、キチガイ一家やおぞましい怪物に襲われる羽目になる。戦闘に関する訓練などは受けていない一般人であり、シリーズ本編の主人公としては初めてのタイプである。……あるはず。多分。
- ミア・ウィンターズ - CV:樋口あかり
- 3年前に行方不明になった、イーサンの妻。震える声で「探しに来ないで」とイーサンに訴える様子などが確認できるが、本編ではイーサンと再会後に突如として狂乱、襲いかかってくる。その理由は……?
ベイカー家
- ジャック・ベイカー - CV:山路和弘
- 邸宅の持ち主で、一家で一緒に住んでいる老人。狂気じみた笑顔を称えながら、主人公を追跡し襲い掛かってくる。壁すらぶち破って追ってくる様は、『3』の「追跡者(ネメシス)」を彷彿とさせる。常軌を逸した怪力と生命力の持ち主であり、頭に銃撃を喰らったり、火だるまにされたりしても、死ぬどころかひるみすらしない。プレイヤーの間での愛称は「ファミパンおじさん」。
- マーガレット・ベイカー - CV:伊沢磨紀
- ベイカーの妻で、不気味な笑顔を浮かべた老婆。拘束されたイーサンにグロテスクな料理を無理やり食べさせようとし、拒否されるとヒステリーを起こす。ベイカー家の旧邸を「聖域」と称しており、隙を突いて逃げ込んだイーサンやミアに襲いかかる。
- ルーカス・ベイカー - CV:佐藤せつじ
- ベイカー夫妻の長男。前日譚では「悪い噂が多い不良」と評されている。明らかに異常な家族と共に平然と暮らしているが、その実は両親以上のサイコパス。イタズラとは呼べないレベルのデストラップをあちこちにしかけており、おかげでイーサンは大変な目に会う。
- ゾイ・ベイカー - CV:小林ゆう
- ベイカー夫妻の長女で、ルーカスの妹。キチガイ一家にあって唯一正気を保っており、敷地内のトレイラーハウスを住居としている。イーサンに対しては電話を介して助言を行うが、その口から語られた真実を聞かされたイーサンはショックを受ける。
- 老婆 - CV:田畑ゆり
- 車椅子に座った、生きているのか死んでいるのかもわからないほど年老いた老婆。「家族」の一員である事には間違いがないのだが……
その他
- クリス・レッドフィールド - CV:東地宏樹
- おなじみ初代主人公。BSAA勤務だったが新生アンブレラに招かれ、終盤に救出部隊を率いて登場した。また後日談を描いたDLC『Not A Hero』では主人公をつとめ、本作の黒幕を追う事となる。
- クランシー・ジャービス - CV:関雄
- 複数のDLCにおける、いわば番外編の主人公。
テレビ局カメラマンで、インターネット配信番組「スーワ・ゲーターズ」取材の為にベイカー家を訪れたのが運の尽き。同僚のピーター、アンドレと共に監禁され、次々と彼らが死んでいく中で必死に脱出しようとするが、最終的にルーカスのデスゲームに巻き込まれて焼死した。 - ジョー・ベイカー - CV:廣田行生
- DLC『End of Zoe』主人公。ジャックの兄。
ベイカー家とは距離を取り、湖畔の小屋で一人自給自足の生活を送っていた。素手でクリーチャーと渡り合い、ムカデやザリガニを生食して回復するなど、色々と人間離れしたじいさん。頑固一徹な所があり、ベイカー家の異変にも3年間気づく事がなかった。
姪であるゾイを奇病から救う治療薬を求めて奔走する。たびたび襲撃してきた怪物「スワンプマン」がジャックの成れの果てと知った時は動揺したが、ゾイを助ける為にジャックを倒す事を決断、ベイカー家に殴り込みをかける。本人曰く「昔喧嘩した時はいつも鼻っ柱を折っていた」。
クリーチャー
- モールデッド
- 黒い体色の人型モンスター。その正体はカビ状の特異菌によって生み出された「カビ人間」。菌に感染した人間がモールデッドとなるほか、増殖した菌そのものから生み出される。
ただしその特性上体の接合が脆く、繋ぎ目である関節を狙えば四肢切断による無力化が可能。頭部も弱点であり、ヘッドショットが通用する。知能は低く、扉を自分で開け閉めする事は出来ない。
刃状の腕、毒、再生能力を持つ強化個体も存在する。 - 食人虫
- マーガレットが使役する巨大な羽虫。針で突き刺して攻撃するほか、腕につかみかかられると数秒ほど無防備になってしまう。耐久力はないので駆除は容易く、静かに移動すれば気づかれる事もない。
- ミア・ウィンターズ
- 特異菌によって黒幕に操られたミア。凶暴化してイーサンに襲いかかり、包丁やチェーンソーで攻撃してくる。
その正体は、後述するエヴリンを「開発」した組織の工作員。夫には自分の仕事は秘密にしており、エヴリン護送に同道し、そこでバイオハザードに巻き込まれた。ベイカー家とは違い完全に支配はされていないものの、血清を使わなければ支配下から逃れられない状況にある。 - エヴリン
- 本作の中心人物にしてラスボス。
10歳前後の少女に見えるが、その正体は生物兵器「B.O.W.」。モールデッドの元となる特異菌を組み込まれ、培養により誕生した存在である。別名「E型被検体」。
特異菌を体内で生成し操作、感染者を支配下に置く能力を持つ。知能は人間と同等だが、良くも悪くも幼く無邪気な存在だった。同時に孤独な境遇から「家族」に対して強い執着を持ち、これが今作の悲劇へと繋がっている。
研究施設から移送される際に脱走、移動に使われたタンカー内でバイオハザードを引き起こして乗員を壊滅させた。船が漂着した沼地でミアと共にジャックに保護され、温かく迎えられるが、その恩を仇で返す形でベイカー一家を感染させて支配下とする。その後も一家を利用して旅行者や浮浪者を拉致監禁し続けていた。
ベイカー一家の「老婆」がその正体で、能力の副作用により急激に老化している。
関連動画
関連項目 |
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