いつか訪れる結末とは主に、逝ってしまった者(逝こうとする者)とこの世に残された者(残される者)の対比を主題とする動画につけられるタグである。『いつか必ず来る日』とも表記される。
主に東方Projectの動画につけられることが多いため、ここでは東方における本タグの説明を記述する。しかし、必ずしも東方project系専用タグではないということをここに明記する。
概要
簡単に言ってしまえば、幻想郷で入り混じる種族の間で、変えようのない寿命の違いをネタとしたもの。
東方projectには様々な能力を持った、多種多様な種族が存在している。人間、天狗、妖精、吸血鬼、神、蓬莱人、等々。これら種族の中には死の概念がない種族もいるが、大半の種族に寿命が存在し、その寿命差は人間界のそれに比べて文字通りの桁違いである。『残された不死(又はとても長い寿命)の存在』と『既に寿命を全うした存在』を題材にするため、必然的に未来の幻想郷が舞台となる。人間のキャラクターの死を題材とする場合は概ね数十年~数百年後が多い。さらに人間以上の寿命を持つ存在の死(消滅)を扱う場合は数千年~数万年後(もしくはそれ以上の未来)の世界が描かれることになる。
「勝手に殺すな」などというコメントも絶えないが、感動のコメントがそれを上回る場合が多い。
生がある限り、死は免れない運命である。しかし、幻想郷には元々人間でありながら後天的に他の存在となることで人間以上の長命(場合によっては不老不死)になった者もおり、厳しい制約はあるものの人間以上の寿命を得る手段がいくつか存在する。(後述)けれども、この輪廻から一度外れた者は、『仲間の死』を何度も味わう運命にあり、輪廻の流れに戻ることはできない。それ故、人間として生き、人間として死ぬことをあえて選ぶ者もいる。
これらは東方projectオリジナルの世界観とキャラクターに深くかかわっている。
逝く側のキャラとして描かれるのは寿命が短い人間(半人も含む)が多い。
この場合、妖怪、妖精、蓬莱人、吸血鬼、亡霊、天人、神、仙人などの種族は残される側となる。
もっとも、時間経過は作品により異なるので、長い寿命を持つのみで不老不死ではない種族は逝く側になることもある。
(ある程度原作設定に沿ってはいるものの)二次創作作品なので、解釈によって各キャラや種族の寿命は変わることがある。原作でも詳細が曖昧になっている部分があるため、作者により解釈が違うのは致し方のないことである。
原作におけて関連する台詞
原作では本項の主題となる直接的なシーンは無いものの、それを匂わすセリフはいくつか見られる。
- 東方永夜抄より
レミリア「そう、咲夜も不老不死になってみない?そうすればずっと一緒に居られるよ。」
十六夜咲夜「私は一生死ぬ人間ですよ。大丈夫、生きている間は一緒にいますから。」 - 東方花映塚より
四季映姫「小川のせせらぎ、鳥の鳴き声、虫の歌。自然だって死ぬときは死ぬのです。永遠は自然界に存在しないと思いなさい。」(チルノに対して) - 東方心綺楼、東方深秘録より
古明地こいし「不老不死って言ったってどうせ死ぬんでしょ? みんなそうだもん。」(東方心綺楼では豊聡耳神子に対して 東方深秘録では藤原妹紅に対して) - 東方鈴奈庵 二十四話より
博麗霊夢「幻想郷では里の人間が妖怪になる事が一番の大罪なのよ 私の仕事はそれを監視する事」 - 東方鈴奈庵 二十六話より
稗田阿求「その(岩長姫の)ご利益は……長寿 ま精々抗ってみせるわよ 持てる知識を総動員して いつも通りなら後十年も生きられるかってところだけど……」 - 東方深秘録より
藤原妹紅「思ったよりあの世のボールは少ないみたいだ。みんなが血眼になって集めてたのはてっきり全部集めれば死ねるからだと思っていたが…。」(オカルトボールを集めながら)
藤原妹紅「止めときな、不老不死は孤独で救われないもんだ」(霧雨魔理沙に対して)
藤原妹紅「自ら不老不死になる奴の気が知れん」(豊聡耳神子に対して)
逝く者と残される者の主な組み合わせ
原作での関連性や二次創作によるカップリングの人気等により、よく題材となる組み合わせを例として挙げる。
(逝く者 ― 残される者)
- 霧雨魔理沙 - アリス・マーガトロイド
- 霧雨魔理沙 - 森近霖之助
- 博麗霊夢 - 八雲紫
- 博麗霊夢 - 霧雨魔理沙 (魔理沙が種族としての魔法使いになったとする設定で)
- 十六夜咲夜 - 他の紅魔館住人(レミリア・スカーレット、紅美鈴など)
- 上白沢慧音 - 藤原妹紅
- 蓬莱人以外の永遠亭住人 - 蓬莱山輝夜、八意永琳 (因幡てゐは残される側になる場合もある)
- 魂魄妖夢 - 西行寺幽々子
- 東風谷早苗 - 八坂神奈子、洩矢諏訪子
その他
博麗霊夢の場合、次代の(もしくはもっと先の)博麗の巫女が登場することがある。
稗田阿求も通常の人間よりさらに寿命が短いとされるため題材となりやすい。もっとも彼女の場合、記憶を維持して転生するため死の意味が少々異なる。転生するとはいっても数百年程度のブランクが存在するため、寿命の短い存在とは永遠の別れになることに変わりはない。
また、死神である小野塚小町、幻想郷の閻魔である四季映姫が、立場上登場するものも多い。
考察
人間(東方Project)の記事もあわせて参照のこと
後天的に人間から他の存在になったとされる者
win版原作に登場し、原作設定において元人間とされる者をあげる。
キャラ名(現在の種族):補足内容 で表記する
- アリス・マーガトロイド(魔法使い):稗田阿求によると、人間から魔法使い(妖怪)となったとのこと。
- 上白沢慧音(ワーハクタク):獣人。半獣。平時は人間だが、満月時にはハクタクとなる。
- 藤原妹紅(蓬莱人):厳密には種族は人間のまま。蓬莱の薬により、不老不死となった人間。
- 八坂神奈子(神霊):求聞口授によれば元人間の神霊とのこと。
- 比那名居天子(天人):オマケで天人となる。
- 雲居一輪(妖怪):「元々は人間だったらしい」(求聞口授)
- 聖白蓮(魔法使い):人間として一度老いてから、妖術魔術の類で若返った。
- 霍青娥(邪仙):邪な考えを持つ仙人。
- 物部布都(尸解仙?):「人間?(尸解仙を自称する道士)」(神霊廟添付txt)「仙人を目指している」(求聞口授)とあり、復活はしたが尸解仙未満の存在ということか?
- 豊聡耳神子(聖人):「現在は人間を超えた仙人」(求聞口授)
- 爾子田里乃&丁礼田舞(人間(?)):「元は普通の人間の子供だが、隠岐奈の魔力により人間では無くなっている」(天空璋添付txt)
上記以外でも、二次創作で様々に『解釈』することは多々ある。
人間が死後に他の存在となったケース
関連として、人間として生き死んだ後に他の存在となった者をあげる。
この項目に入れなかった者とその理由
- 霧雨魔理沙は職業として魔法使いを名乗っているが、種族は人間である。なお原作において、不老不死に興味を持っていることが示唆されており、未来において魔法使い(妖怪)となる可能性は十分考えられる。
- パチュリー・ノーレッジ(魔法使い)は生粋(生まれながら)の魔法使い(妖怪)で元人間ではない。
- 魂魄妖夢(半人半霊)は一族がそういう血統であり、生まれた時から半人半霊。
- 森近霖之助(妖怪と人間のハーフ)も同様に生まれた時からハーフ。(血統によるのか、両親によるのかは不明)
- 東風谷早苗は「現人神」(人間でありながら神でもある存在)だが、これは外の世界にいた時、一子相伝の秘術による奇跡の力により神と同等の扱いを受けて信仰されたことをさす。このため「現人神」は種族というより職業的な意味合いが強いようだ。風神録や自機として登場した作品の添付txtの種族の項目には「人間」とだけ書かれている。なお未来において八坂神奈子のように神霊となる可能性は考えられる。
- 洩矢諏訪子は八百万の神であり元人間ではない。神霊である八坂神奈子とは異なる。
- 八意永琳、蓬莱山輝夜は蓬莱の薬を服用することで後天的に不老不死に変化しているが、そもそもが「月人」という別の種族。(月の民は遥か昔に地上から移住したという設定もあるが、これを人間と言ってよいのかは疑問がある)
人間以上の寿命を得る手段
原作の例や求聞史紀、求聞口授などからとり得るであろう手段の概要をあげる。
- 魔法使い(妖怪)となったうえで、捨虫の魔法を習得する・・・まず、人間が捨食の魔法(食事なしでも生きられる魔法)を習得すると、魔法使い(妖怪)となる。(この時点では、人間と同じく成長、老化し、寿命を迎える。)その後、捨虫の魔法(成長を止める魔法)を習得し自分にかけることで長命となる。稗田阿求によれば、アリス・マーガトロイドがこれに該当するが、彼女が現時点で捨虫の魔法を習得しているのかは不明。なお、捨虫の魔法を習得しないと長命にならないのは、生粋の魔法使いでも同様である。
聖白蓮は「いわゆる魔法使いの部類に入る。」(求聞口授)とぼかした書かれ方をされており、上記の魔法とは別系統の妖術魔術で妖怪になったと推測される。捨虫の魔法では若返ることはできないはずである。 - 仙人となる・・・仙人になる方法は複数あるようだが、豊聡耳神子は尸解仙となる方法により仙人となっている。修行を積む必要がある。仙人になったらなったで、定期的に閻魔から死神が派遣されてくるので、対応できなければ即地獄行きとなる。
- 天人となる・・・基本的には、仙人を経由して天人となる場合と、死んで成仏した上で天人となる場合があるとされる。詳細は不明だが非常に厳しい条件があり、第一条件として欲を絶つ必要があるとする。仙人を経由する場合、数百年~数千年での修行が必要。ちなみに、比那名居天子はオマケとして天人となったレアなケースで、これらの条件をクリアしていない。仙人と同じく、「寿命」がくるごとに定期的に死神が派遣されてくるので、さらに生きたければ撃退が必要。豊聡耳神子、茨木華扇は天人を目指しているとの発言をしている。
- 神霊となる・・・幻想郷における神霊とは、神として崇められるようになった亡霊である。生きたまま神霊になる場合と死んだ後に神霊となる場合があるとされる。八坂神奈子が該当するが、どのような経緯で神霊になったのかは不明。
- 獣人となる・・・求聞史紀には、獣人は人間より「若干、成長が遅く、寿命も長い」との記述がある。獣人には先天性と後天性があり、後天性の場合は呪われたり祟られたり魔法を掛けられたりする事で獣人になってしまうという。上白沢慧音は後天性の獣人でこれに該当するが、獣人になった経緯については不明。特定の条件下に置かれると強制的に変身してしまうデメリットがある。
- 妖怪と共生し、自身も妖怪となる・・・雲居一輪が該当。前述の魔法使い(妖怪)や獣人とは違う特殊な妖怪化の例。一輪のケースでは、一輪(人間)が退治した雲山が一輪を一生護ると決心し、一輪がそれを受け入れて波乱万丈な人生を送り、いつしか妖怪になったとのこと。肝心の部分があやふやだが、妖怪を受け入れ、長期間共生し、結果妖怪化した、という流れになる。
- 蓬莱人となる・・・蓬莱の薬を飲むことで、不老不死となることができる。その薬をどうやって手に入れるか、それが最大の難題である。永夜抄では蓬莱人の肝にその薬が溜まっている可能性が噂話程度に指摘されていたが、信憑性は不明。一度不老不死になると、本人が死にたいと願っても死ぬことは出来なくなる。仙人や天人とは違い、いくら待っても死神はやって来ない。
- 怨霊に近い形で復活し妖怪となる・・・東方鈴奈庵に登場した易者が該当。生前に細工をした本を利用することで、死後に嫉妬の力で妖怪として復活した。この方法では本来は怨霊となってしまうのだが、易者は嫉妬の力をコントロール可能であったため怨霊とはならず、妖怪として復活できたとのこと。ただし、里の人間が人妖となることは幻想郷のルールに反するらしく、復活直後に博麗霊夢により退治されてしまい、本も処分され易者の望みは絶たれてしまう。(詳しくは『易者(東方Project)』の記事を参照)
- 摩多羅隠岐奈の部下となる・・・爾子田里乃&丁礼田舞のケース。隠岐奈の部下になると、摩多羅の魔力により人間ではなくなる。明言はされていないが、寿命も延びると推測される。ただし、人間だったころの記憶は失われ、隠岐奈に洗脳された状態となる。また、隠岐奈が後継の部下が見つけた場合、人間に戻されると推測される。
死後、望まぬ形で他の存在となった例をあげる。
- 亡霊・・・死んだ霊が死んだことに気づかなかったり、死を認めない念が強い場合に成仏出来ずに亡霊となる。西行寺幽々子、蘇我屠自古が該当するが、両者とも負の念はすでに無くなっている。
- 舟幽霊・・・海で舟が転覆して亡くなった人間の霊が無念により妖怪化した。念縛霊。村紗水蜜が該当。
- キョンシー・・・邪仙に死体を操られている状態。死んだままで、脳も腐り自我は無いに等しい。宮古芳香が該当。
易者の例にもあるように、仮にその方法が成功したとしても、それが「幻想郷のルール」に反すると判断されると、博麗霊夢などの幻想郷の管理者に排除されてしまう。このあたりをクリアするのも重要となるだろう。
二次創作では、レミリアやフランにより「吸血鬼にする」という手段が提示されるなど、原作設定を広く解釈し上記以外の様々な方法も題材となる。
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