豊聡耳神子(とよさとみみの みこ)とは、上海アリス幻樂団制作の弾幕STG「東方Project」の登場キャラクターである。
概要
種族:聖人
二つ名:聖徳道士(神霊廟)
宇宙を司る全能道士(心綺楼)
天資英邁の仙人(茨歌仙)
登場作品:『東方神霊廟』6面ボス
『東方心綺楼』プレイアブルキャラ
『弾幕アマノジャク』最終日ボス
『東方深秘録』プレイアブルキャラ
テーマ曲:聖徳伝説 ~ True Administrator
能力:十人の話を同時に聞く事が出来る程度の能力
危険度:低
人間友好度:極高
主な活動場所:神出鬼没
モチーフは聖徳太子。
聖徳太子虚構説の化身のようなものである。
長き眠りから目覚めた聖人。生まれた時から尋常ならざる才能を持ち、人間を超えるべくして超えた人物。
『豊聡耳(とよさとみみ)』は聖徳太子の別名である「豊聡耳皇子」から。
『神子(みこ)』は巫女とほぼ同じ意味で使われるが、こちらの場合は聖徳太子が皇族(神の血を引く家系)であることからではないかと思われる。皇族を出したかったZUN氏は皇族を出せるギリギリのラインである聖徳太子を選択した。設定上、神子が神童(才知の極めて優れている子供のこと)であったことも関係しているのかもしれない。
後述する能力により相手の本質を見抜くことができ、言葉はいらず全てを見通す。
着用している耳あては、能力ゆえに耳が良すぎるため聞こえるのをある程度制限している。
性格は意外と軽く、相手をよくからかう事もあり、フランクでおちゃらけている。かなり口の悪い所もある。人間にも協力的であり、魔理沙に小神霊の扱い方のレクチャーをするなど意外と気さく(魔理沙は小神霊の欲の聞き取りに対応できず、結果は失敗だったがそれ以降も彼女の他の弟子はまだ小間使いの段階なのに術を教えるから弟子にならないかと誘っている)。
しかし、直接対面すると全く隙を見せないどころか全てを見透かされている気分になり、畏れ多い気分になるという。圧倒的なカリスマの持ち主でもあり、彼女のカリスマにあてられて早苗が一時道教に改宗してしまった。邪の気配はあまり好きではないようだが、妖怪も有効利用できると話す事やその存在の本質も理解しており、妖怪自体を嫌っているわけではない。口調は「~わね」と女性の標準の口調と敬語を交えて話すが、心綺楼では若干気取った男性的な口調でも喋る。魔理沙や霊夢を気に入っており、仙術の修行に誘ったり、幻想郷の平和を守る為の相談(そ.う.だ.ん)に乗るとも言っている。
だが、彼女もまた打算的な為政者でもあり、思想より実利を取る現実的な思考をするタイプで仏教も目的達成の手段としか思っておらず「仏教は政治に利用するものだと思っているの。人心の乱れを正し、すべてを受け入れる事が修行なんて、為政者の為にあると言っても過言ではないわ」と白蓮に語るなど仏教を広めたのも目的が一切の苦しみからの解放であるため、為政者に逆らう事が得をしないという刷り込みを行えるため民衆の平定に都合が良かったからである。道教を選んだのも同様で自然宇宙そのものの力と不老不死を得るための手段に過ぎない。
学ぶものがない人間などいないと語ってはいるものの、自身の持つ数々の超人的な能力(先天、後天合わせ)に裏打ちされた自信か魔理沙が3人の対談の際「我々は普通の人間とは違う。抜きんでた存在だ」と思っているだろうと問い詰めた際、彼女は「いや、まあその思っていますが」と答えている。
しかし基本は温厚であり、妖怪にも敵対的ではなく、人間や霊夢達にも協力的でスタンスも「和を以て貴しと為す」であり、闘う理由のない事や無駄な争いはしない。実際二ツ岩マミゾウにも「媼」と親しげで、雲山にも「御仁」と言う。
人間の心理にも詳しく人間の心から妖怪が生まれるメカニズムを的確に分析した。分析能力もずば抜けて高く外の世界の情報をわずかに聞くだけで状況を的確に把握した他、初対面(妖怪としては)にも関わらず秦こころ誕生の経緯と能力まで言い当てたほど。この高い分析能力と異常聴覚をはじめとした超人的能力から相手の言語、非言語手段問わず、数々の情報を収集でき、相手の動きや考え、欲を読む事ができる。
復活する際に宝剣に魂を宿らせ、その宝剣が肉体に変化している。然るべき時が来たら依り代が今の肉体になり、前の肉体が代わりにその依り代の物体になる。つまり今の肉体は宝剣が変化した姿で代わりに剣と化した前の肉体は今はもうただの抜け殻にすぎない。
その際に姿を現代風に変えたらしい(肉体を捨てているためその姿を自由自在に変える事が可能)。
ちなみに部下達を神子=聖徳太子と同様に元ネタだけで見た場合、蘇我屠自古は嫁であり、物部布都は姑にあたる(実は刀自古郎女の母親については諸説あったりするが)。詳しくはそれぞれの記事を参照。
実際は彼女達との関係は門徒で、ZUN氏もこの事に聞かれると「屠自古は名前を厨二っぽくしただけの名前が似ているだけの別人です」と答えている。
なお、馬小屋で生まれたと言われていたが本人に聞いてみた所それは軽い冗談で「高貴な私がそんな臭う所で生まれるわけないでしょ」と話している(イエス・キリストの逸話にあやかったものらしい)。
布都は「太子様」と呼び、青娥は「豊聡耳様」と呼ぶ。彼女は彼女達を「布都」、「青娥」と名前で呼ぶ。
来歴
過去エピソード~『東方神霊廟』
幼い頃からその才能を遺憾なく発揮していた神子であったが、天才であるが故に葛藤があった。
「大地は神々の時代から変わらず、海は水を湛えている。何故、人間は死を受け入れなければならないのか」
そう考えた神子は次第に人間の死の運命に対して不満を持つようになった。
そんな時、神子の評判を聞きつけた仙人、霍青娥が神子に道教を勧めにやってきた。不老不死を実現する宗教であると聞いた神子は喜んだが、すぐに道教は国の統治をするには不向きな宗教であると青娥に伝えた。
道教は自然宇宙そのものの真理を理解して、その力を我が物にする。高みを目指す人間にとっては魅力的な宗教であるが蔓延すると力そのものに正邪がなく、誰でも超人化する事ができる道教だと当然政治が成り立つどころか世紀末の世界となる事が容易に想像できるため彼女は断ったのだ。提案をした青娥は国の事などどうでも良いと思っていた。現代でも道教は秘術が多く、秘術の悪用を恐れ、差し障りのない部分以外は大抵は門外不出である。
青娥はならばこうしよう、と殺生を禁じ、規律の厳しい宗教である仏教を表向きには信仰させようと提案した。それならば国も安定するだろう、とその条件を神子は飲み、表向きは仏教を広め、自分は道教の研究を進めることにした。
その前は毘沙門天を信仰しており、化身となった寅丸星を元とは随分変わったわねと話している。彼女が信仰していた当時は毘沙門天は護国、戦勝の神であったが、いつしか日本では福徳増進のご利益のある七福神の一角として奉られるようになった。寅丸星は七福神としての毘沙門天の要素を強く受け継いでいるため、この発言にいたったと考えられる。
他の権力者が仏教を信仰する一方、自分は道教の教えに従い超人的な能力を発揮、後の世に虚構説が広まるほどに現実離れした離れ業をやってのけた。後世に残る伝説にはこのような裏があったのである。
最終目標の不老不死の研究も怠らなかった神子であったが、その過程で不老不死をもたらすとされていた丹砂(硫化水銀、猛毒である)などにより、身体を壊してしまう。このままでは自分の身が持たないと判断した神子は尸解仙になることを決意した。
しかし自分一人で実行するのを怖れた神子は、同じく道教を信仰している布都に話を持ちかけた。自らの死に呪いをかけ、我らは尸解仙となり復活しよう、と。そしてまずは布都に先に眠りについて貰うように頼んだ。
神子を信じて眠りについた布都は、腐ることもなく眠ったままであった。それを確認した神子も眠りについた。
当初の計画では国が仏教に限界を感じて、聖人を求めた時に復活する予定であった。だがその思惑ははずれ、仏教は千年以上もこの国を支配していた。
実は仏教の力ある僧侶達は神子の霊廟を封じ続けた為、復活することが出来なかったのである。神子の企みは筒抜けであった。
焦る必要はないと眠り続けていたある日、復活の時が来たのである。それは彼女の数々の伝説が作りものであると疑われたためである。今の人間に超人的な能力を発揮するような幻想的な力が存在するはずもなく、彼女の偉業全てが虚構であると疑われても仕方の無いことだった。
しかしその幻想の否定により彼女は霊廟ごと幻想郷へと移動した。移動した当時、幻想郷に寺は無く、いつでも復活する準備が出来ていたのである。
だがタイミングの悪いことに幻想郷にお寺、命蓮寺が出来てしまう。しかもそれは狙ったかのように霊廟の真上であった。命蓮寺の僧侶、白蓮は霊廟に封印されたものを危険なものだと判断し、押さえつけたのだった。
しかし押さえつけていた霊廟の封印がついに解け、神子に惹かれた神霊が幻想郷に溢れることになる。
だが、本当は彼女はもう少し寝ている予定だったのだが上に寺を建てた事で彼女を刺激してしまった事で彼女が復活のリアクションを取ってしまい、結果的に復活を早めてしまうという皮肉な結果となってしまう。聖白蓮の話では「うちの宝探しが得意な鼠(ナズーリンは他のメンバーからも大抵鼠呼ばわりである)があそこに何かとんでもないものが埋まってるという報告をしてきて、調べてみるとやばそうな代物とわかり、頑張って隠そうと思ったが、いかんせん力不足で抑える事が出来なかった」と話している。彼女はそれが聖徳王とは知らなかったのである。
東方神霊廟の封獣ぬえの設定テキストにも「白蓮が抑えていた聖人がついに抑えきれずに復活した」と書かれており、白蓮の力では彼女を抑える事が出来なかった程の力である。彼女も「残念だったわね。名も知らぬ生臭坊主が私を封じ込めようたって」と跳ね飛ばした。
また何かを知ってそうだった西行寺幽々子も、妖夢からの報告を受け1400年前の人間が復活したのを「素敵で羨ましいわ」と話しており、どうも彼女も知らなかった模様。
『東方神霊廟』後日談
彼女は空間を作り、仙界と呼ばれる世界に道場を建て、物部布都らと共に霊廟からそこに引っ越した。霊廟は今はもぬけの空となっている。霊夢も招待され、道場はとても大きく、きらびやかできらきらしていて、作りやそこにある道具類、小物類は月や天界かどこかで見た事があったものだという(月の都に住んでいる人間は仙人や天人っぽいらしい)。彼女達が寝ていた霊廟は夢殿大祀廟で、今いる道場(道観)は神霊廟というらしい。沢山の仙人志望の者が修行している。
為政者の名残か完全に俗世間との関係を断つことはせず、人里にもちょくちょく手を出しているらしく、彼女が人里に現れた時は十の話を同時に聞く彼女の噂で持ちきりであったらしい。彼女に弟子入りを志願する者も多く(今の所仙人候補生は小間使い扱いで雑務中心)、今は天人になるために道場で道の修行をして悠々自適に暮らしている。人々が自分を必要とすれば出てくると話しており、望むならば為政者になると話している。
『東方心綺楼』
弾幕アクションゲーム、「東方心綺楼」に、まるで魔王のようなカッコいいマントを引っさげて参戦。
道教の代表として人気を奪い合った(とは言っても彼女に道教を広める気はなく、人身が荒廃している今の状況を憂い自分が民衆の希望になり、世界を救おうとした。まさに太子信仰。
布都に決闘の理由を後から説明するというアフターケアを頼んだのは「本気で戦うために決闘前に理由は言わない」からとの事。
等のネタ満載のはっちゃけを見せてくれた。
聖白蓮とも戦ったが、負けても素直に相手を認めたり、共闘することもある等、立場は対立していても仲が悪いわけではないようだ。
ラスボスの秦こころは元ネタ通り、神子が作ったお面であり、神子はこころの親とも言える立場にある。
このことから、こころのお父さん(なぜかお母さんではない)のように振る舞う二次創作が増えつつある。
ただの道具に戻す発言にしても最初に希望の面を与えて戻そうとしたのも感情が暴走したままの状態では辛いと思ったからであり、その後人里で民衆の感情を暴走させる暴挙を彼女がまた(今度は自分の意思)起こしたからこそ生みの親としてのケジメをつけようとしたのである。同じくその場にいた白蓮も霊夢も彼女の行動の結果なのかその発言に反対はしていない。霊夢も「宗教の本分は感情の平定。あなたを大人しくさせるのが私達の仕事。恨むなかれ」と発言してる。白蓮も反論してない事から同じ考えと思われる。
こころに新しく作ってあげた希望の面の酷いセンスは必見。ミコダヨー。しかし彼女が他に作った閻魔に寿命の報告に行く虫を執拗に追いかけ、捕らえるようプログラムされたアイテム『四猿ちゃん』は普通の造型であるし、前の希望の面もお地蔵様のような顔で普通の造型である。造型センスはともかくとして完璧な希望の面の道具としての効果は誰もが認める所(実際あれをそのまま使うと元の66個あるお面の均衡に戻ってしまう)彼女の高い道具作成スキルがうかがえる。材料は希望の結晶(人気)との事。
『弾幕アマノジャク』
『東方輝針城』後もなお逃走を続ける鬼人正邪の前に、八雲紫や聖白蓮ら幻想郷の大物達と共に最終日に参戦した。
シーン10-2のシーン名「神にでもなったおつもりか」に対するスペルカードが「我こそが天道なり」といった辺りがさすが太子様である。
能力
十人の話を同時に聞く事が出来る程度の能力
文字通り、十人同時に喋られてもその全てを理解することが出来る能力である。
豊聡耳神子の豊聡耳(とよさとみみ)とは、この能力のことを指す。
やんごとなき家柄の神子は、幼少の頃から周囲の役人達から愚痴のようなものを聞かされることが多かった。役人達はどうせ理解など出来るはずがないと思っていたが、神子はこれを全て理解し、的確な指示を与えることが出来たのだ。その噂が世間に広まり、聖人として絶大な人気を得たのだという。
長き眠りで信仰の力を得た神子は、相手の欲を聞くことも出来るようになった。相手の十の欲を聞くことで、その本質を理解し、相手の全てが分かるという。相手の生まれる前からの事柄を全て遡り、見えるばかりか、近未来の予測も含め、相手の全てを見通せる。これは本来十の欲の声を同時に聞かねばならないため不可能なはずの行為であるが、彼女にはそれが可能なため相手の本質を見抜くことができる。今作のサブタイトル『Ten Desires(十の欲望)』はこれのことを指している。彼女はこれを簡単な事だと事もなげに言っている。彼女の言う簡単とは常人の尺度とは随分と違うものだと思われる。
ただしこの能力も万能ではなく、最初から生と死の欲が無い半人半霊の妖夢のような欲が欠けているイレギュラーな存在の場合、その相手を完全に理解することは出来ない。その理由を妖夢は自分は半分生きてて、半分死んでいるからだと語ったが、彼女の主である亡霊の幽々子は生き返る尸解仙の話を聞くと自分も生き返るためにやろうとする(数日で飽きたが)などしている辺り、死んでいるから、寿命がないからといって生死の欲がないかは不明。妖怪も復活したり、幽霊になればいいやと死は恐れていないようだが、存在が否定されたり、忘れられたりして完全な死を迎えるのを恐れている。また、心を閉ざしている古明地こいしにはこの能力は効果がない。
この能力は欲を読む能力と彼女の超人的な身体能力と分析能力によるものの二つに分類する事ができる。彼女の異常聴覚で十の話をすべて聞き、覚え、理解し、的確な答えを出す能力がなければいけない。人の考えは時とともに変わるので順序立てて聞くと結果が変わってしまう。そのため十欲同時に聞かないと本当の姿は見えてこないのである。また、喋り方、表情、仕草などから直接言葉にしない非言語的手段から相手の考えや動きを読む分析能力が彼女はずば抜けて高く、何を欲していて、その欲が本人を形成してきた要因を瞬時に読み取るのである。
彼女の能力は、古明地さとりの「心を読む程度の能力」に近いが、それと違う点は後者が記憶や今の考えを読むのに対し、彼女の能力は当人の資質と未来を読み取る点である。現に霊夢を見た際に無限の可能性を彼女から感じたという。また、十欲同時に読めなくても妖夢の欲が足りないと指摘するなど十欲の個々の欲望は把握は可能。
能力の有効性についての考察
東方神霊廟において、豊聡耳神子は魂魄妖夢と対した際、その存在について判断を誤っている。妖夢は自身に生死の欲がない理由を自分は半分生きてて、半分死んでいるからだと語ったが半分死んで、半分生きてる宙ぶらりんの状態である半霊という存在だったからこそ読めなかったのではないかという説もある。現に妖夢は四季映姫から「生きている者と同じではないし、死者でもない。半分幽霊の不安定な位置にいる」と評されている。小野塚小町の魂の気質を天気になぞらえて診断する幽霊診断でも「天気は蒼天、蒼天は活動の象徴にして空虚、生きたままその気質を得るのは大変な事だが死んだ者には多い気質。心にぽっかり穴の開いた幽霊になりそうだ」と診断されている。
また、天人は功績や縁故などの例以外は天界は基本死んだ人間が行く場所で死んでいない人間が天人になる場合は生きる欲を含めた欲を断つ必要がありその者は生きながらにして死者と変わらない状態となっている。こう見ると妖夢は天人に近い性質があり、生死の欲にぽっかり穴が開いていたために神子が寝ぼけで判断力が鈍っていたとはいえ読み間違え、修行中の天人や仙人の類と勘違いして話を進めたのも自然な事と考える事もできる。
なおこの能力は人間限定ではなく妖怪にも通用するようで東方心綺楼では河城にとりの心を読んでいた。それ以外に、心を閉ざし心に何もなくなった古明地こいしには能力が全く通じないことが判明している。また、欲を断って生きたまま天人になったケース(比那名居天子はこれを満たしていない)にも能力は効かないのではないかと推測される。ただ、様々な存在がいる幻想郷において、どのキャラにこの能力が有効か無効なのかは原作において実際に神子が能力を使ってくれないことには判断できない部分がある。例えば、幻想郷の閻魔である四季映姫や月人、亡霊である西行寺幽々子や蘇我屠自古などにこの能力が効くのかは、判断が難しい。
その後の東方心綺楼、東方深秘録、書籍等においてこの能力が活躍している様子はない。この能力に関連した言及は心綺楼における古明地こいしストーリーで敗北時に「心が読めないなんて……」と発言した時と、心綺楼の対戦勝利台詞で河城にとりに「私には判るぞ。素直に楽しめない不器用な心が。」と発言したのみで、能力を有効に活用しているとは言いがたい。心綺楼において二ッ岩マミゾウが自分に化けていた場面でも、戦闘が進んでマミゾウが化けるのをやめるまで相手が何者か理解できていない様子であった。 (仮にマミゾウとこの時点までに面識が無くとも、能力を活用していれば、相対した時点で相手の本質を見抜けているはずである)また、東方茨歌仙において茨木華扇と対話した際及び東方深秘録において茨木華扇との対戦勝利台詞においても、華扇が隠しているであろう正体について何か気付いた様子もなく、同じ仙人として対応したのみで、何かを示唆したりすることもなかった。これは能力をあえて使っていないだけなのか、一定以上の力を持つ妖怪には能力の効果が無いのか、ストーリーの都合なのか、謎といえる。
彼女の力
彼女は全く隙を見せず欲を読み取る能力以外にも超人的な能力が備わってるとされる。道教の秘術による超人化以前から彼女は既に超人であり、十人の話を同時に聞き取れるのもシンプルで素朴な能力だが、これは天性のもので他の超人的な能力も同様である。彼女は生まれ持っての超人なのである。
白蓮が抑えきれなかった事や信仰そのものである幻想郷中の生き物の欲の念から生まれた欲の小神霊を全て吸収した事から、信仰が強まると力を強める神霊でもある彼女の力はかなり強まっているものと考えられる。復活時点でも本調子ではなく小神霊は完全吸収はしていない状態であったが、青娥が霊夢の神社に来た時「あなたの力は見事だわ、まさか豊聡耳様にも引けを取らないなんて」と話している。信仰そのものの小神霊は全て吸収したが、小神霊は強い欲から発生した欲の塊なだけで、彼女にはいつの時代も欲望という信仰が集まってきたと話している事から普通の欲という信仰は今でも彼女が布教など何もせずとも集まってきている。実際この欲という信仰が勝手に集まってくる能力『テンフォールドの垂聴』がある。また欲を集めて『デザイアの求魂』や『神霊のプレスティ-ジ』として放出して攻撃できる。彼女には欲望という無尽蔵の信仰エネルギーが絶えず供給されていることになる。
他にも迎えの死神が来ると脅されても良い余興と余裕の自信である。魔理沙も今までの相手とはオーラが違うと話し、霊夢も彼女の力の強さは幻想郷の危機で本格的な準備が必要と感じていたほどである。妖夢も場合によっては自分は庭師だから関係なく、あんなの相手にするより庭師に戻ると一時投げやりになった程である。早苗も場合によっては聖徳王と知り、自分の手に負えないと一時撤退した。
霊夢の神社に現れた際もかなり大きい石を片手で持ち上げるなど相当力もあるらしい。東方心綺楼でもひっかき攻撃やかかと落とし、杓による殴打、投擲、剣からの斬撃やビーム攻撃などの格闘や射撃、仙界ワープを使った瞬間移動などを見せている。言われている超人的な数々の伝説も合わせるとまだまだ彼女の力は計り知れない。
スペルカード・技
東方神霊廟
名誉「十二階の色彩」 | Easy,Normal | 聖徳太子と蘇我馬子が制定したとされる位階制度「冠位十二階」から。 徳・仁・礼・信・義・智の六つをそれぞれ大小に色分けして十二段階の位とし、 姓や氏に捕らわれず、各々の能力を評価して、優秀な人材を登用した制度。 弾幕もそれに従い、順番通りに色分けがされている。ちなみに色は下から 小智・大智・小義・大儀・小信・大信・小礼・大礼・小仁・大仁・小徳・大徳となっている。 |
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名誉「十二階の冠位」 | Hard,Lunatic | ||
仙符「日出ずる処の道士」 | Easy,Normal | 遣隋使小野妹子が隋の皇帝煬帝(ようだい)に渡した国書の記述、 「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す~云々」から。 なお煬帝は「日没する~」の部分ではなく、天子と名乗ったことに関して立腹したという説が有力。 道士は聖徳道士の二つ名を持つ神子のこと。天子は君主を表す言葉。 弾幕自体は太陽を模したもので、当たり判定が非常にシビアである。 |
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仙符「日出ずる処の天子」 | Hard,Lunatic | ||
召喚「豪族乱舞」 | Easy,Normal Hard,Lunatic |
豪族とはその地域で強力な地位や財産などを持つ一族の事。 蘇我氏(蘇我屠自古)も物部氏(物部布都)も豪族である。 召喚された二人は霊体なのか、当たり判定がない。あとキャラクターが喋りまくる。 「たわむれはおわりじゃ!」 |
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秘宝「斑鳩寺の天球儀」 | Easy,Normal Hard |
兵庫県揖保郡太子町にある斑鳩寺(いかるがでら、はんきゅうじ)は聖徳太子が建立した天台宗の寺院。 ここには聖徳太子ゆかりの物が納められており、「聖徳太子の地球儀」もその一つ。 この地球儀には日本やユーラシアをはじめ、千年以上先に発見されるはずの南極や 幻のムー大陸に相当する部分にも大陸が記載されていたという。 なおこの地球儀は飛鳥時代ではなく江戸時代に作られたものであるという説が濃厚。 オーパーツとはその時代や場所にそぐわないオーバーテクノロジー品のこと。 ちなみに天球儀=地球儀ではない。役割や用途がまったく異なる。 特殊な回転をする弾幕は、天球儀をイメージしているものであると思われる。 |
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秘宝「聖徳太子のオーパーツ」 | Lunatic | ||
光符「救世観音の光後光」 | Easy,Normal | 救世観音(ぐせかんのん)とは菩薩の一つ。法隆寺の夢殿に安置されている像は 聖徳太子の等身像とも、彼の祟りを鎮めるものともいわれる。 光後光(ひかりごこう)とは仏像の背後にある飾りの一種。 この像には通常の仏像とは異なり、後頭部に後光が打ちつけられている。 弾幕はエターナルミークと同じく高速ばらまき弾のように見えるが、実は固定弾。 グセフラッシュ→救世光→救世観音の光後光。 |
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光符「グセフラッシュ」 | Hard,Lunatic | ||
眼光「十七条のレーザー」 | Easy,Normal | 聖徳太子が考え出したとされる憲法「十七条憲法」から。 条(じょう)とはレーザーのような線状のものを数える時に使用される単位である。 「逆らう事なきを宗(むね)とせよ」とは、十七条憲法の第一条である 「和(やわらぎ)を以(もっ)て貴(とうと)しと為(な)し、忤(さか)ふることなきを宗(むね)とせよ」から。 簡単に説明すると、諍いを起こさぬようにして、和を大切にしなさい、という意味。 弾幕はその名の通り、十七本のレーザーが発射されている。 |
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神光「逆らう事なきを宗とせよ」 | Hard,Lunatic | ||
「星降る神霊廟」 | Easy,Normal | 毎度お馴染みのタイトルが含まれたスペルカードである。 上から降り注ぐ神霊達は、人間(欲)に触れると引き寄せられるように追尾する。 ちなみに、聖徳太子の霊廟は近畿地方を中心に諸説あるのだが、中でも法隆寺夢殿説と大阪府南河内郡太子町にある叡福寺太子廟説は特に有力である。 |
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「生まれたての神霊」 | Hard,Lunatic | ||
「神霊大宇宙」 | OverDrive | 秘宝「斑鳩寺の天球儀」&秘宝「聖徳太子のオーパーツ」を参照。大宇宙=天球? |
スペルカードの背景は聖徳太子が建てた法隆寺の五重塔。背後に展開するのは様々な花を組み合わせた仏教的装飾文様の一つである『宝相華(ほうそうげ)』ではないかと思われる。
東方心綺楼
特技「天職の為政者」により、人気度ゲージとは別に、人気度の上下に連動して上下するゲージ(通称・外人ゲージ)があり、このゲージの状態によって各種技の性能が変化する。
通常状態(マントの色・紫、外人ゲージ・黄色)ではそれなりの性能のキャラだが、人気が高まった赤テンション(マントの色&外人ゲージ・赤)になるとガードポイントがついたり巨大判定になったりと凄まじい性能のキャラになる。逆に人気を失った青テンション(マントの色&外人ゲージ・青)になると悲惨。
そのため、神子が戦う時はまず如何にして赤テンション状態になるかが問われる。特に、各ラウンドにおけるファーストアタック(最初に一撃を入れる事)による人気獲得は初期状態から一発で赤マントになれるため、ファーストアタックを取れるかどうかで勝敗が8割決まるとすら言われるほどの繊細なキャラとなっている。
通常技 | |
A、AA | 杓で叩く。ぺちん 赤テンションになるとリーチがちょこっと伸びる。 |
A3段目 またはDA |
杓をバトンのように回転させながら突撃。多段ヒットでキャンセル可能なため使いやすい。 かなり高い位置を攻撃するため対空や下潜りからの奇襲としても機能する(ことがある)。 |
A4段目 | マントで振り払って飛びのきつつ後退。 赤テンションだとガードポイントが付くため適当においておくだけで相当いやらしい。 |
6+A4段目 または6B |
前方に火炎放射して攻撃。マントで隠しているため、何から火炎を放射しているのかは謎。 多段ヒットの上受身不可能時間がやけに長いため様々なコンボに繋がる。 赤テンションだと炎が強化され判定とヒット数が増える。 |
8+A4段目 または8B |
少し飛び上がっての前方宙返りからかかと落としを行う。 リーチもそこそこあり、飛び上がる関係で相手の攻撃を避けながら攻撃する事が多々あり、差し合いの要となる技。コンボの繋ぎとしても非常に優秀。 赤テンションになると判定が巨大になる。宙返りの距離が伸びてリーチも伸び、思わぬところから届いてしまうようになる。 |
2+A4段目 または2B |
斜め下に向けて両手の爪による引っかき攻撃。 下に対して判定が強く、コンボの繋ぎとしても優秀。 赤テンションになると判定がさらに巨大化。ヴァンパイアクロウではありません。 |
A5段目 またはTA |
前方に疾走しながら杓の横薙ぎ一閃。 横へのリーチはそこそこあるが上下の厚みは見た目どおり殆ど無いのできちんとコンボを組まないと当たらない。 各種レバー入れB打撃と違い、同じモーションの技で性能がかなり異なる。 A5段目で出すと 当たった時点でスタン確定だがスペカ以上でないとキャンセルできない。 TAとして出すとスタンはしないが射撃からキャンセルでき、大抵繋がるコンボ始動として優秀な技。 |
TB | DAのような回転バトン攻撃からさらに杓をブーメランのように投げる攻撃。 |
弱射撃 | 杓から小さい光線を放つ。1本のレーザーとして少しの間進んだ後分裂する。 信仰モードによって分裂の仕方が変わる他、テンションによって分裂する本数が増減する。 仏教以外のモードの青テンションでは分裂すると見せかけて分裂しない悲しい性能に。 |
強射撃 | こちらは腰の剣を構えて強力な光線を放つ。信仰モードによってレーザーの性質や射程や付属品が変わる。 弱射撃もだが真横への射撃しか無いため、神子は上下に対する牽制力をほかの技に頼らなければいけない。 仏教モードではレーザーが端まで届かなくなるが上下にとても厚くなるため上記の弱点が緩和される。 |
スキルカード | |
縮地のマント | 相手との距離に関係なくマントでフェイントをした後、瞬間移動を行い、相手の背後や真下にワープする。僅かな隙間から無限の広がりを持て、どこにでも瞬時に行ける仙界の空間移動能力を利用した能力。空間を自分で作る事も可能。空間移動は仙人を目指す者の憧れのスキルであるらしい。 硬直は少なくないためコンボの繋ぎなどには使いづらいが撹乱や逃げには使える(かも)。ただしやりすぎると人気低下の原因に。 |
十七条のレーザー | 抜刀して前方の空間を切り裂くと、その切れ目から十七の光線が放たれる。 出が遅い上に威力が人気度依存が強いため癖が強いが、空間を切ってしまえば発生保証があり、なにより遠距離レーザーが無くなってしまう仏教モードでは貴重な端まで届く射撃。 |
デザイアの求魂 | 彼女に集まってくる欲という信仰のエネルギーを凝縮して、エネルギー弾として放出する。 放出すると当然自分の人気が減ってしまうため使いどころが難しい。特に性能がアップする赤テンション状態の時に使うと一発で通常テンションに戻ってしまうのが困りどころ。 |
黄金の剣ジパング | 空間に極大の刃を生成し、敵を切り裂く。正面方向と上下の斜め45°方向から計3本の剣が空間から突き出す。 コンボに上下への牽制にと非常に便利な主力スキルだが、人気が減ると3本出るはずの剣が1本に減ってしまう。 |
東方のインフルーエンス | 周囲を手でなぞるとなぞった部分から光が走り、彼女の周囲を取り巻く巨大な光の輪となる。通称インフル。 出は遅いが持続が長く起き攻めなどに役立つ。人気が上がると輪が広がり、リーチが伸びると共にポケットも大きくなる。 |
テンフォールドの垂聴 | 毎日欲望を聞かされ続けた彼女にはいつの時代にも欲という信仰が何もせずともひとりでに集まってくる。その能力を使い周囲の人気という欲を集め、神霊という信仰で力を強める種族である自身の強化を行う技。 出すだけで人気が稼げ、その後出した欲を回収するとさらに人気が稼げるが、相手に横取りされる危険もある。 |
輝く者の慈雨 | Ver1.30からの新技。空へ手をかざし、天から光の剣を大量に降らせる。 セットした方向によって間合いが変化。人気が上がると剣の数が増加し威力が上がる。 それなりに出が早く、距離に応じたコンボのつなぎ技として組み込むことが可能。 |
スペルカード | |
仙符「日出ずる処の道士」 | 神子の真下から真上まで円状の軌道を描き光が地から天に満たされるように全方位にビームを発射する。 非常にやんごとない位置から放たれるフラッシュ。 神子の真下から順に発生するというレーザーの発射パターンの関係で、相手の上に位置取るか相手の下に位置取るかでダメージやコンボへの繋ぎやすさが激しく変わってしまう。 |
道符「掌の上の天道」 | 周囲を星がめぐる天球儀を放つ。その周囲を回転する星が次々に相手にぶつかる。 上記の「日出ずる処の導士」とは逆で、自分の真上に球体を出すため上に対して強い。 |
人符「勧善懲悪は古の良き典なり」 | Ver1.30からの新技。腰に帯びた宝剣を抜き、刀身から巨大なレーザービームを発射する。 人気度によって威力が増減、人気度マイナスでも数値が反映され、どちらも100%が最高威力となる。 レーザーの色は人気度プラスが黄金色、マイナスの場合は黒色となる。 |
徳符「神霊のプレスティ-ジ」 | 周囲から欲を集めて塊として欲の小神霊とした後赤青黄緑と色とりどりの欲の小神霊をぶつける。 |
光符「無限条のレーザー」 | 十七条のレーザーの上位版。こちらはレーザーの数が更に多い。 |
ラストワード「詔を承けては必ず慎め」 | 十七条の憲法第三条からの条文の最初の文章。詔(みことのり)とは天皇のお言葉、命令の事 第三条は王の命令を受けたなら謹んで必ずそれに従いなさい。王は天 臣下は地と万物の気が通い、バランスが取れているのでそれに従う事。天が地を覆い、地が天を乗せているが逆の事をしようとすれば和のバランスが崩れ、自滅するだろうという内容である。君主が言う事に臣下は従え、上の者が行うところ下の者はそれに倣うべきだ。全仙力と集めた人気を杓に乗せて、極大の光剣と化して戦場を叩き斬る。外見も設定もどう見てもセイバーのエクスカリバー。 |
- 心綺楼ストーリーネタバレを含むため反転
心綺楼ストーリーでは共通部分ルートでマミゾウが登場するが、このマミゾウは試合の前半はストーリーに応じて霊夢・白蓮・神子のいずれかに化けた状態で闘う。神子時に使うスペカとして「たわむれはおわりじゃ」がある。
「詔を承けては必ず慎め」は巨大な剣閃が走る演出があるだけだが、こちらは実際に巨大化して攻撃してくるというもの。ちょうど、非想天則のチルノシナリオラストのアリスのゴリアテ人形のような構図になるが、耐久スペカだったゴリアテ人形と違い、こちらは実際に巨大神子に対して攻撃して倒す事になる。
ちなみにこのスペカ使用前は普通に神子として闘う事になるが、神子ストーリーではマミゾウが大胆にも本人を前にして神子に化けるため「同じカラーでの同キャラ戦」が繰り広げられる。自分のキャラがどちらか混乱しないようにしよう。
弾幕アマノジャク
「我こそが天道なり」 | 全方位から中弾が神子のいる中央に向かって集まった後、全方位高密度レーザーが放射される。うおっ、まぶし! 全方位レーザーが上白沢慧音のスペルカード「日出づる国の天子」によく似ている。 |
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「十七条の憲法爆弾」 | 上から3つの大玉弾がゆっくり降りてきた後、17条のレーザーを放って爆発する。同時に神子がばら撒く御札弾が地味にいやらしい。 このスペルカードから日本人皆が知る「十七条の憲法」は爆発物だったという日本史学者驚愕の事実が明らかになった。 そのスペカ名と弾幕のインパクトからネタ弾幕と揶揄されることがあるが、ノーアイテム攻略ではルナシューターですら数百数千のリトライ数を重ねる超高難度弾幕である。 |
種族について
彼女は聖人にカテゴライズされているが、本物の神霊でもある。神霊は霊の内神として崇められているものをそう呼び、生きたまま神になったものと死後神になった者がいる。八百万の神とは別のものであるがその本質は神と同じである。八坂神奈子も彼女は自分の知る限り神道においてもとっくに神であり自分達と同じ存在と話しており、ZUN氏も「聖徳太子は殆ど神様」という認識である。事実聖徳太子を対象とした信仰は太子信仰と呼ばれ全国の寺院に太子堂があり、観音菩薩の生まれ変わりなどご本尊扱いであり、かの親鸞も熱心な太子信仰の信奉者であり英知、建築、木工の神様でもある。秦こころも物部布都に会った時『さっきの神様と同じ匂いがする』と言っている。
神霊の力は信仰の力であり、信仰するものが多くなると人間や妖怪に対して大きな影響力を持つようになるが、逆もまた同じで信仰が減るとダウンする所も神と同じであるが彼女の元にはいつの時代も欲という信仰が集まってきた。異変時に現れた神霊はまだ神霊ではなくその理由は後述する。1400年もの間信仰され続けた大神霊であり、おそらく人間としての彼女という存在が否定されたことにより、ここ幻想郷に来たのだと思われる。しかし仙界という幻想郷ではない世界に普段は住んでいる事から自力で存在はできる模様(神様は幻想郷も外の世界も自由に行き来できる)。
また、尸解仙の術を用い(術の概要は肉体を完全に捨てて、何かの物質に魂を宿らせ、然るべき時が来たらその物体が自分の姿となる術である。代わりに屍はその物体に変わる。彼女は依り代に宝剣を用いた。道教では尸解仙として最上位になれる者は刀剣類を用いる)、仙人ともなっており、彼女は聖人でもあり神霊でもあり仙人でもあるハイブリッドと言える。神奈子の基準ではもう彼女は人間を辞めており、人間の範疇ではないとの事(実際は彼女と同じ神霊という種族)。
彼女自身は目覚めた当時は神霊となった事に気づいておらず、神霊化した理由を人間としての存在を否定されたことにより、人間から神に等しい存在になったと解釈している(神奈子はそれに間違いないと断言している)。
『東方神霊廟』で現れた神霊との関係
『東方神霊廟』時に霊界も含め幻想郷中に現れた神霊は、まだ本当の意味での神霊ではなく、欲の小神霊と呼ばれる存在である。欲や強い祈りの念から生まれる消えたり、現れたりを繰り返す儚い存在である。欲の塊である神霊の子供で霊とは違う存在である。彼女は毎日、毎日十の欲望を聞かされ続けていたせいか、いつの時代も自分には欲望が自分から集まって来たという。青娥も「沢山の欲を抱擁出来るお方で欲が自分から集まってくる」と彼女の事を評している。それと同じ事が幻想郷でも起きたのである。彼女が復活のリアクションを起こした途端、幽霊含む幻想郷中の全ての生き物(妖夢談)の欲や願いの念が彼女の復活を本能で感じ欲の小神霊として具現化、消えたり、現れたりを繰り返しながらも神霊達は本物の神霊になろうとし、彼女の復活の恩恵にあやかろうと自分達を受け入れてくれる人物である命蓮寺地下の霊廟にいる彼女の元へ惹かれ、進み続けた。霊夢達が来る頃には霊廟は地下にも関わらず、神霊の光でまるで広大な星空となっているかのような膨大な数だった。
小神霊は意思を持ち(妖夢も自分の中から欲から生まれる小神霊の意思を感じ取った)、言葉を話し、願いを訴えてくる。彼女はこの小神霊から能力で欲を読み、小神霊の過去、現在、未来の情報から様々な情報を取得したようで小神霊が幻想郷中から集まってくるこの状況を指して、霊廟にいながらにして全てがわかる幻想郷のアカシックレコードと評した。小神霊は強い祈りや欲の念から生まれているのでそれは雑多な欲から信仰が生まれている事を意味する。東風谷早苗はこの小神霊の本質にいち早く気づき自身の信仰獲得のための手段にしようと異変解決に乗り出した。彼女が復活してもこの小神霊は数は徐々に減ってはきていたもののまだ現れ続けたが、彼女が人里に現れるとぱったりと消えてしまった。彼女というあらゆる欲望を内包でき、本物の神霊という存在に全て吸収されてしまったのである。
立ち絵及び設定についての考察
神子が所持している剣は恐らく国宝『七星剣』であると思われる。道教の剣であり、聖徳太子の佩刀であったとされる。 聖徳太子は『丙子椒林剣(へいししょうりんけん)』という剣も所持していたが、こちらは道教とは関係がない。
また神子は尸解仙となる際に宝剣に魂を宿したという事実が東方求聞口授にて判明した。
- 大きく両側に『和』と書かれた耳当ては十人の話を同時に聞く事が出来たという逸話から。大きな耳のように見える髪もその逸話と自身の能力を表しているようである。ちなみに神子の耳当ては自身の能力により聞こえすぎてしまう声を遮断したり、逆に指向性を持たせて消え入りそうな幽かな声を拾うことも出来るという便利アイテム。ZUN氏によるとこの髪型はヘッドホンを耳にしているから耳の代わりにつけたと話している。
- 杓を手に持っているがZUN氏の中ではあれは根性棒で「たわむれはおわりじゃ!バシバシ!」とあれで叩くイメージだという。
- 服に使われている紫と薄紫は、冠位十二階の一番目の大徳と二番目の小徳から。
二次設定
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神子についての二次設定は様々であるが、初期の頃は『ギャグマンガ日和』ネタが多かった。何を隠そう神子のモチーフとなったのは聖徳太子であるため、同じく聖徳太子が登場する増田こうすけ著の『ギャグマンガ日和』と神子が結び付けられたのは自然の成り行きとも言える。また、神子のスペルカードの一部である「十七条のレーザー」や「グセフラッシュ」などの響きが、同漫画上で太子が披露する奥義「フライング摂政ポセイドン」や「飛鳥文化アタック」の響きとダブるためであろう。2011年8月14日(日曜日)、livedoor したらば掲示板に立てられた「豊聡耳神子スレ 耳あてその1」スレッド内では>>29レス目にして早くも『ギャグマンガ日和』の太子AAが貼られており、pixivや他の個人絵サイトにおいても見覚えのある青ジャージを着用した神子の姿が早くから見かけられた。
直接的なネタ以外に、本来の聖徳太子のイメージだけならもっと真っ当なキャラづけになりそうなところ、そこにアホの太子のイメージが混合したことでキャラづけがかなりボケ寄りになり、正しいようで何か間違っている「聡明なアホ」として扱われる場合が多くなっている。
これについて、初めのうちは物部布都が『ギャグマンガ日和』における小野妹子のポジションに据えられていたが、布都は原作での挙動からアホの子という認識がされたためツッコミはもっぱら蘇我屠自古の役割となり、3名でのフリ→ボケ→ツッコミというパターンが多くなっている。
また、元ネタが男であることやライバルの聖白蓮が母性が強いという描写をされやすい等の理由で魔理沙やリグルと同様かそれ以上に「男」としての側面を強く持ったキャラクターとして扱われる。タイプとしては、心綺楼でのカッコ良さ重視の描写や人の人気を集めるという政治家的な側面、女性化したことで中性的な顔になったことなどによって所謂イケメンと化している場合が多い。上に散々書かれている通りスペッグも高く男としても申し分ないキャラである。
他にも「みこたんインしたお!」ネタがある。これも藤原妹紅の「もこたんインしたお!」の前例が既にあったうえに、神霊廟のとあるエンディングの影響もあってか、比較的早くから見受けられた。詳しくは「もこたんインしたお!」の項目を参照のこと。
二次創作でよくある組み合わせ・カップリングとしては配下の豪族である物部布都・蘇我屠自古や、生前より関わりのある霍青娥、心綺楼でライバル関係が強調された聖白蓮(ひじみこ)、自身の作り出した面が付喪神となった秦こころなどが中心である。
特に秦こころは自身が作り出した存在であるためか、カップリング相手の聖を交えて親子的な描かれ方をすることも(ひじみこころ)。
また動物の耳のような特徴的な髪型がミミズクを想起させることから、pixivなどではミミズク姿で描かれることも(pxiv百科事典:トヨサトミミズク)。当初は単なる二次創作ネタであったが、心綺楼においてマミゾウのスペル「変化「二ッ岩家の裁き」」で変身させられた姿がミミズクであったため、まさかの公式ネタとなった。
関連動画
たわむれはおわりじゃ!
みこたんペロペロ
関連静画
お絵カキコ
関連コミュニティ
関連項目
- 東方Project
- 東方Projectの登場キャラクター
- 東方神霊廟
- 東方心綺楼
- 弾幕アマノジャク
- 東方深秘録
- 霍青娥
- 蘇我屠自古
- 物部布都
- 秦こころ
- 聖徳太子
- 聖徳伝説 ~ True Administrator
- 希望の面
- 仙人(東方project)
- 人間(東方project)
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