ジョン・スミスとは、ジョンという名のスミスという姓の人のことである。
イメージ的には山田太郎、鈴木一郎のようなものだが、日本ではすでに時代遅れ感のある姓名であるのに対し、英語圏では今日も新たなジョン・スミスが生まれ続けている信頼と実績の組み合わせである。
概要
ジョン(John)…愛称はジョニーなど。英語圏で非常にポピュラーな名前であり、ことイギリスでは1半世紀も赤ちゃん命名ランキングトップを君臨し続けるチャンピオンネーム。「神は恵み深い」という意味の聖書人名ヨハネ(羅ヨハネス)に由来し、洗礼者ヨハネ、使徒ヨハネ、十字架のヨハネ、ジョン・レノンなど聖人に多い名としても有名。各国語で対応するのはイタリア語でジョヴァンニ、ギリシャ語でイオアンニス、ゲール語でショーン、スペイン語でフアン、チェコ語やポーランド語でヤン、ドイツ語でハンス、フランス語でジャン、ポルトガル語でジョアン、ロシア語でイヴァンなど。
スミス(Smith)…原義は鍛冶屋。英語圏で非常にポピュラーな苗字であり、ことアメリカでは百人に一人ほどスミスさんが存在する。これは各国からの移民層に「鍛冶屋」を意味する姓を持った人達が多かったためである。また、奴隷貿易で奴隷に付けられた代表的な姓でもあり、アフリカ系にも多くのスミスさんがいる。各国語で対応すると思われるのはアラビア語でハッダード、イタリア語でフェラーリ、イディッシュ語でシュミーダー、スペイン語でエレーラ、ドイツ語でシュミット、フランス語でファーブル、ロシア語でクズネツォフなど。
そして生まれるべくして生まれたのがジョン・スミスである。分かりやすい偽名として扱われることもあるが、英米人なら知り合いのジョン・スミスくらい一人や二人は多分持っているのものである。多くの有名人・文化人・歴史人を輩出し続ける終りなき流行の最先端にある名前であり、けして身元不明の死体などではない(そのポジションにあるのはジョン・ドゥである)。以下ジョン・スミスの一覧と業績。
こいつらがジョン・スミスだ!!
- ジョン・スミス…17世紀イギリスの探検家。ニューイングランドの名付け親で、植民地開拓を指揮して「働かざるもの食うべからず」を使い出した人。インディアンの族長の娘ポカホンタスのロマンスが知られるがたぶんそんなことはない。
- ジョン・スミス…17世紀イギリスの政治家。アメリカのジェームズタウン植民地の初期の指導者。
- ジョン・スミス…18世紀イギリスの政治家。大蔵大臣を二度務めた。
- ジョン・スミス…18世紀イギリスの音楽家。ヘンデルの愛弟子。ヘンデルの晩年の公演は実質彼が指揮を取っており、ヘンデル死後も未完作を補稿している。彼自身の代表作はオラトリオ『失楽園』。ちなみに父親もジョン・スミス。
- ジョン・スミス…18世紀のイギリスの音楽家。10代で『天国のアナクレオンへ』を作曲。酒場の猥歌であったがのち仰々しい替え歌を付けられて『星条旗』、即ちアメリカ国歌になってしまった。
- ジョン・スミス…18世紀のイギリスの画家。当時最高峰の版画家。
- ジョン・スミス…19世紀イギリスの政治家。ロンドン協会(非国教徒のための学術・教育機関)の最初のマネージャーの一人。
- ジョン・スミス…19世紀アメリカの政治家。南北戦争時のバーモンド州名知事。
- ジョン・スミス…19世紀のニュージーランドの政治家。対マオリ族用の木製防衛柵を築こうとしたが、沈降したり腐ったりで失敗。
- ジョン・スミス…19世紀のアメリカの軍人。スイスのベルン生まれで、イリノイ州ガリナに定住。南北戦争中、北軍義勇軍の大佐となってヘンリー砦の戦いなどを歴戦し、准将に昇格。終戦後には正規軍大佐となり、名誉准将となって退役した。ユリシーズ・グラントなどの「ガリナの九将軍」の一人。
- ジョン・スミス…19世紀のアメリカの学者。化学者、鉱物学者。莫大な隕石収集に努めた。
- ジョン・スミス…19世紀のオーストラリアの学者。細菌学者。炭疽菌の研究を行い、改良ワクチンを開発した。
- ジョン・スミス…20世紀のイギリスの政治家、銀行家。また、歴史建造物保護団体のナショナル・トラストの副会長。ナイト授賞者。
- ジョン・スミス…20世紀のイギリスの政治家。ブレアの前の労働党党首。党内左派で人気が篤かったが心臓発作で急死。
- ジョン・スミス…20世紀のアメリカの政治家。メリーランド州知事。医療・教育改革を行った。
- ジョン・スミス…20世紀のアメリカの軍人。海兵隊の航空隊指揮官。太平洋戦争で活躍し、ソロモン諸島の戦いでは隊合計83機を撃墜した。メタル・オブ・オナー受賞者。
- ジョン・スミス…20世紀のアメリカの大佐。通称ハンニバル。奇襲戦法と変装の名人。俺のような天才策略家でなけりゃ、百戦錬磨の強者どものリーダーはつとまらん。
- ジョン・スミス…20世紀のアメリカの俳優。60年代の西部劇ドラマ『ララミー牧場』レギュラー。
- ジョン・スミス…20世紀のアメリカの学者。生物学者。ESSなど進化生物学に関する数々の理論を唱え、広く影響を与えた。自宅で本に囲まれ椅子に座りながら死去したが、奇しくもチャールズ・ダーヴィンと同じ命日であった。
- ジョン・スミス…20世紀のイギリスの学者。法学者。ブライアン・ホーガンと『Smith & Hogan Criminal Law』(グーグル先生訳『スミス&ホーガンの刑事訴訟法』)は何十年もの間イギリスにおける刑法の定番テキストとされた。
- ジョン・スミス…「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズで使われた偽名。小説では3巻(「涼宮ハルヒの退屈」) と4巻(「~消失」)に登場。
- ジョン・スミス…イギリスの映画監督。『The Girl Chewing Gum』など前衛的なものが多い。
- ジョン・スミス…20世紀のイギリスの科学者らしき人物。その名前は何百年に渡って世界中の秘密組織に表れているが、その正体は不明。ドクターと呼ばれる人物との関連も囁かれる。
この記事はこの世にジョン・スミスが生まれ続ける限り永遠に要編集記事です。 |
関連項目
- 26
- 0pt