ドクムシとは、蠱毒である。
概要
2013年に八頭道尾が小説投稿サイト『E☆エブリスタ』に投稿した『コドク』という作品を原作に、同年12月から2016年にかけてコミカライズ化され、双葉社より出版がなされた作品。
いわゆるクローズド・サークルに分類されるジャンルで、曰くを持つ6人の男女と1人の少女が廃校舎に拉致の上、監禁され7日間(168時間)のサバイバルゲームをするという筋書きである。主人公であるスギウラ レイジの視点を中心に、生き残りのための血みどろの殺し合いが行われていく。
とはいえ、特に黒幕がその人らの前に出ることはなく、生存に最低限必要なものを用意し、三階に土鍋とIHコンロ、肉切り包丁を置いた以外は監視をするだけで、最後まで特に干渉は行わない。
エロもグロも容赦なく描かれているため、特にグロが苦手な人は注意が必要。血も解体も当たり前のようにあります。
登場人物
スギウラ レイジ
〈怠惰〉
やや気弱だが、サークルにも所属しているごく普通の20歳の大学生であり、主人公。同年齢の彼女・マリがいたが、閉じ込められる少し前から連絡が取れなくなり、安否を心配している。
このゲームが開かれることになった元凶。マリとはサークルの飲み会で会った仲だったが、大した好意も覚悟も持たずに体を重ねる。その結果、孕ましてしまい、なんとかして堕ろさせようとするも、マリは聞き入れず最終的に前にサークルで肝試し目的でいった宗教団体の廃墟に監禁。数日後様子を見にいったところ、落下しそうになったところを見殺しにして殺害した(レイジを死体を見てないため、ゲーム開始時点では殺した自覚はない)。
その結果、マリの父親である鎌田美晴ことレンピが激怒し、宗教団体が行おうとしている蠱毒のゲームに加担することになった。
アキヤマ ユミ
〈嫉妬〉
21歳の女子大学生。同じく閉じ込められた9歳の少女、ミチカを心の底から気遣うなど心優しい性格。ややレズの気質があり、アカネに恋愛感情を持つ。
学生時代に部活の先輩と恋仲になったが、修学旅行をきっかけに浮気され、逆にユミを毛嫌いするようになった。通学に使っていた駅で先輩に別れるように求め、言い争いからユミがカッターを持ち出し、それを先輩とも見合っているうちに、ホーム下に投げ飛ばしてしまう。運悪くそこに通過電車が通りかかり、轢殺してしまった。
イサカ ユキトシ
〈傲慢〉
28歳の製薬会社に務める会社員。メンバーでは最年長であるためか、リーダー的な存在として取り仕切る役目を持つ。オカルト分野に深い造詣を持ち、このゲームの目的をいち早く見抜く。
実はレンピの協力者。小学生の頃に試みた本来の方の蠱毒に魅せられて以来、元からの冷血かつ傲岸な性格を亢進させ、遂には自らの立ち上げたサークルで出会った女性を自殺にみせかけて殺害するという凶行に至った。
作中では徐々に内面の非道ぶりや、冷酷さを隠さなくなるようになり、ユミにアカネとレイジが性交していたことを伝えたり、レイジを煽るような発言を繰り返すなど傲慢さがありありとうかがえる言動がよくみられるようになった。ゲーム後半ではミチカを追い詰めて指輪を取り上げ、極限状態の中で仕掛けの針を突き出すことに成功。ユキトシは最終的にはレイジに惨殺されるも、その前に置き土産としてミチカに針を突き刺し、主催者に一矢報いた。
アカネ
〈色欲〉
23歳のキャバクラ嬢。かなりの美人という設定で、主人公・レイジから密かに思いを寄せられる。物怖じせず、率直な物言いをする強い性格。
本名は小宮灯(アカリ)。幼少の頃から極めて劣悪な家庭環境で育ち、小学生の頃に父親に性暴力を受けた。学生時代は優秀な成績だったが、親の借金返済と病弱な弟・海を守るために両親と縁を切り、アカネは水商売の道を進むことに決めた。他人の客を寝取ることに躊躇しないなど強引な事もしつつ、キャバ嬢になってから2年で母親の借金を完済した。しかし、その当日にアカネの父親が上がり込み、アカネに無心しようとしたところを海が後ろからハサミで刺し、もみ合いになっているうちにマンションのベランダから転落した。父親は転落死するも、弟の方は植物状態となり、アカネは毎日見舞いに出向くことになった。
作中ではレイジやユキトシの精液を摂取することで生き延びることを思いつき、実行に移したが最終的にユキトシとの決闘に敗れ、殺害される。
ノギサキ タイチ
〈暴食〉
24歳のニート。いわゆるひきこもりであり、しかもミチカに発情するロリコンである。肥満体型であり、特に食がないことの不満をつよくぶつける。
学生時代から肥満体型であったためクラスメイトから激しいイジメを受け、教師もそれを見て見ぬふりをした。やがて学校に行かなくなり、バイトも両親にせっつかれてはじめるも酷いときには半日で逃げる有り様であった。
家では居づらいのか深夜にコンビニに行き、お菓子を買い込んで公園で過ごすことが習慣になっていた。そのときにミチカに似た幼い女の子と出会い、親しくなるも身勝手な理由で彼女になることを迫って拒絶されると、泡を吹くほどに彼女の首を絞め、その場から逃走した。死亡したかどうかは定かでないが、警察は来ていない。監禁後にはミチカに彼女を重ね、一方的に話しかけ、最終的にはミチカもそれを利用した。
暴食の立ち位置らしく、殺害されたユミの太ももを食べたのを皮切りにカニバリズムに目覚め、生き延びるために次々と躊躇なく死体を食していった。最終的にはミチカより、お嫁さんになるという約束と共にアカネ殺害を依頼され、襲いかかるも返り討ちにあい、腹を切り裂かれて死亡する。
ナカノウチ トシオ
〈憤怒〉
22歳の工場勤務の青年。不良のような外見・性格をしており、気に食わなければ暴力も辞さない直情的な性格。その性格が災いして、メンバーからは早々に孤立する。
監禁前は女性と車でデートしている最中に、ただ追い越されたというだけでトシオの癪に障り、30分に渡ってその家族連れの車にあおり運転を続けた。煽られた車は埒が空かないと振り切って無理なスピードを出した結果、トラックに衝突し、運転手であった父親と子どもが死亡、同乗していた母親が重体になるという結果を招いてしまう。トシオは俺は悪くないと言い聞かせてそのまま逃亡した。作中では粗暴な振る舞いを行い続け、孤立したトシオを気にかけ、介抱してくれたユミをそのまま強姦。それが祟って、ユミとレイジの手により、監禁されているメンバーでは一番最初に死亡する。
なお、重体だった妻の方はその後回復するも、生計手段を失ったからか風俗にその身を沈めることに成った。トシオへの復讐としてレンピの計画に手を貸し、トシオの末路をみても喜びの感情はあまり沸かない様子であった。
ミチカ
〈強欲〉
9歳の少女。おとなしい性格で、口数も少ない。優しくしてくれるユミには少しだけ心を開く。
本名は岡澤三千子。このゲームを主催した人間であり、宗教団体の幹部であり”王”と呼ばれる存在。元々はその宗教団体が強い影響力を持つ村に生まれた子どもで、9歳の夏に”蠱毒”の儀式として突如寺に何十人かの子どもと共に監禁される。それに生き残ったただ一人の人物だったが、ショックから身体が成長を止め、見た目通りの年齢ではとうになくなっている。
作中では幼い容姿を存分に用いて手玉に取ったり、精神的な操作を行った。ユミを殺害したのもこの少女の仕業だし、タイチをけしかけたのも同じ。レイジと共に最終盤まで生き残るも、彼の罪を全て知っていることを詰ると逆上し、パーカーの紐で首を背負われ、レイジの手で殺害される。
関連動画
関連項目
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