ヒットポイント(hit point)とは、ゲーム内において体力、またはそれに相当するパラメータを表すステータス値の最も普及している名称である。一般的にゲーム画面中ではHPと表記されており、ゲーム系フォーラム全般においてこの略称が用いられる。
概要
ヒットポイント(以下HP)は他のステータス値同様明示的にも内部的にも整数値で与えられ、小数点以下のものは切捨/切上又は四捨五入される。攻撃などが加えられた場合のHPに対してダメージ値として差し引く値なども基本的に整数値としてのものである。またゲームシステムによっては10ポイント、100ポイント単位で扱われる計算となっている。
HPは作品によりヘルス・ポイント(health point)の略とされることもあり、体力を単にヘルスまたはライフと呼ぶ事が多い。ライフ・ポイント(life point)としてLPと表示している作品や、また機械類が戦闘主体となる作品ではアーマーポイント(armour point; AP)やシールドポイント(shield point; SP)といった言葉でそれらの耐久値を表しているものもある。
ヒットポイントは数値またはインジケータによってゲーム画面を通してプレイヤーに知らされ、キャラクター・ユニット別に割り振られた最大値に対してどの程度消耗しているかが直接数字で、もしくは視覚的に分かるようになっている(戦闘中は残値のみ表示されるシステムを採用する作品も数多くある)。
全体的な傾向として、RPGやストラテジーなど戦略性の高い作品ではHPが数値として直接プレイヤーに示されており、シューティング・対戦格闘ゲームなどアクション性の高い作品ではハート・などのオブジェクトや直線または円状のインジケータなどで表示される。FPS/TPSなどのシューター作品ではHPが低下すると画面が血飛沫で覆われたり、色調が暗くなるなどのエフェクトでプレイヤーに通告する形をとっているものもある。
敵キャラクターのHPについては直接数字で表示される事は少なく、アクション系の作品は勿論RPGなどでも具体的な数値が伏せられている場合が多い。こうした作品では敵のHPがどの程度残っているかは行動パターンの変化や視覚的な変化から読み取る他ない。また同種の敵キャラクターは同一のHPが割り振られている事が大半のため、戦術的には目測で計算するなどの工夫が必要になる。
🎯
基礎概念
最大値と上限値
HPには現在値(残値)の他、それぞれ最大値と上限値が設定されている。
最大値はプレイ進行中その時点において各キャラクターが有しているHPの最大容量で、原則この値を超えて回復する事はない。HPの最大値は最大HPと呼び習わされている。○○○/△△△といったように残値が左側、最大値が右側といった様に表示されるか、分数と同様上側に現在値、下部に最大値といった表示形式もある。インジケータによる表示の場合は最大HPがバー全体、残値が緑または黄で、最大HPと残値の差分が赤で表示されるのが最も標準的なものである。
バー全体の長さは一定の場合もあれば最大HPに比例して一方向に伸びていくタイプ、更に複色により重層化していくものもある。
上限値はゲームシステム仕様上の制約値であり、最大HPがこれを超えて増加する事はないというものである。
大抵のレベル制を採用する作品ではHPの最大値がレベルアップの度に向上し、また使い切りのレアアイテムなどによって底上げする事が可能である。HPの上限値は作品にもよるが味方側は通例三桁〜五桁(999-99999)程度の範疇にあり、また昔の作品ではメモリ上の制約から敵味方共に255、65535といった数値が設けられているものも多い※。
※『ドラゴンクエスト』シリーズではHP上限値の制約下で高耐久化を図るため、特定モンスターにターン毎に自動回復する能力を付与していた。
ダメージ
HPを低下させる効果については一般にダメージ(HPダメージ)という名称がついている。ダメージを齎す作用はジャンルによって異なり、アクション系作品では敵や敵弾・地形との衝突が主たるもので、対して戦闘中衝突判定の概念がないターンベース制RPGでは敵からの攻撃行動によるものが大半である。また状態異常と呼ばれる効果により時間経過もしくはターン開始または終了時に一定のダメージが加えられるという仕組みも多くの作品で実装されている(毒/ポイズン状態がこれの典型)。
ダメージは作品毎に固有の計算式に基づいて彼我のステータス値、攻撃別の基本値などから計算され、最終的に算出された値が対象のHPから差し引かれる。HPが0になると戦闘不能状態に陥り、当該キャラクターが一時的に使用不能となる。アクション系作品では自操作キャラのHPが0になった時点で即ゲームオーバとなるものもあり、特にアクションRPGでこういった傾向が強い。
一方その他のアクションやシューティングなどでは残機が設けられており、これらが尽きた上でHPが0になるとゲームオーバ、といったシステムになっているものが大勢を占めている。しかしこれらのジャンルでは自機にHPやライフといったものがなく、ワンダメージ=ワンロストといった関係になっている場合が大半であるため、その点がRPG系作品とは明らかに異なっている。
格闘ゲームではラウンド方式が最も一般的で、どちらか一方のHP/ライフが先に尽きた時点で一本となり、規定回数勝利を収めた側のプレイヤーに軍配が上がる。
ダメージにも上限値があり、これはHPの上限値に合わせている場合もあれば、実質的に上限に届くことが不可能な程高く設定されているケースもある。上限値に達したダメージは所謂カンストダメージと呼ばれるもので、9999、99999などの値がまま見受けられるのはその為である。
二段階ダメージシステム
一部作品ではダメージ値に二段階の階層化を施すことで、HPの挙動をよりシステム的に複雑化している。詳しくはインジャリーの項目参照。
またHPについても階層化を施している作品があり、代表的なのが本体側のHPと外装(装甲・バリアなど)のHPを別々に設定し、通常攻撃を受けた場合まず外装側のHPが低下、0になってから本体側にダメージが与えられるようになるというものである。
回復手段
通例ヒットポイントは回復手段が用意されており※、一般的なRPG作品では戦闘中は回復アイテム/魔法/特技などで、非戦闘中はそれらに加えてセーブポイントや宿場などの特定地点で行える。また作品によってはレベルアップの度にHPが更新後の最大値まで、若しくは更新値との差分だけ回復するものや、少数ではあるが戦闘終了毎に全量または部分的に回復するシステムを採り入れているものもある。またボス戦などのイベント発生前後や、各ステージ/チャプター/章の境目でパーティのHPが自動回復する場合も屡々見受けられる。
※HP回復といった場合通常は最大値ではなく現在値の側を指している。
ローグライクゲームでは歩数(経過ターン数・行動回数)に応じてHPが自動回復するシステムが一般的で、『不思議のダンジョン』シリーズでは満腹度と呼ばれる逆に経過ターン数に応じて低下するパラメータを用意している。この満腹度が0になると今度はHPがターン経過と共に減少していくため、プレイヤーの徒なターン消費による自動回復のアビューズを防いでいる。
マジックポイント
HPとは異なるが、同様の扱いが為される戦闘中の主な可変パラメータ値としてマジックポイント(magic point; MP)がある。MPは魔力を表す値で、これを呪文/スキル等術法毎に定められた一定量消費することで各術法を発動できる仕組みになっている。
魔法に限らずポイントを消費する技全般をスキルと総称している作品ではMPにスキルポイント(skill point; SP)という名称が与えられているケースもあり、他にもシリーズ毎に様々な固有の名称が発案されてきている。
MPはその特性上HPよりも回復手段に乏しく、限定的な状況でしか回復できないよう制約が加えられている作品が一定数存在する。特に『ドラゴンクエスト』シリーズでは伝統的に戦闘中および移動中のMP回復手段が極めて限られており、道中MPを無計画に消耗するとダンジョン深層への到達が困難になるような調整が施されている。一方MP回復手段をHPのそれとほぼ同程度に定めている作品もあり、魔法・スキルの使い所・使用頻度に対する制作側の思惑が強く反映される部分となっている。
🎯
関連動画
ヒットポイントに関するニコニコ動画の動画を紹介してください。
関連商品
ヒットポイントに関するニコニコ市場の商品を紹介してください。
関連項目
- 1
- 0pt