米国面(American Side 英:American style,American way)とは、"デカさ、多さ、雑さ"が光る、アメリカンなものたちの総称である。
★概要★
米国面とは、英国面のような美しい変態的アプローチではなく、力技で強引に解決してしまったもの達である。
他国では金がかかりすぎてできないような技術的困難でも、力技で解決し、作ってしまう。
わかりやすい変態アプローチをする英国面とは異なり、米国面は真当な方法でアプローチする。が、財力で2世代以上進んだ技術に仕上がったり、力技でとにかくデカくなったりする。そして、お得意の経済力で作り上げた変態を大量生産する。それもすさまじい数を作る。しかし、雑な性格故に仕上がりはお粗末になったりもする。そしてそれを末永く量産したり、使い続けたりする。
★具体的な米国面の例★
力技
技術的困難はデカくてもハイパワーにして強引に解決する。それでも無理なら金で解決。これこそアメリカ流。
- サターンVロケット
「月に人類を送る」アボロ計画で使われたロケット。現在でも世界最大のロケットであり、その全長なんと110.6m。打ち上げセットをすると、高層ビル並の高さになる。大きさも然ることながらパワーも絶大で、低軌道に118㌧もの物資投入能力を持っている。日本が誇る大型ロケットH-IIBロケットが全長56.6m、低軌道投入能力が19㌧である点と比較すれば、いかに巨大でハイパワーであるかがわかる。さすがにこれ程のロケットはアメリカの財力にも響き、アポロ計画(20号までの予定)は17号までで終わってしまった。だって一発5億ドル、当時の日本円の相場ですら180億円、現代の価格なら約600億円もするんですよこれ。 - P&W R-4360 ワスプ・メジャー
空冷星型7気筒エンジンを4つ縦に繋ぎ合わせた28気筒エンジン。お前はロータリーエンジンか。排気量71.4ℓ、出力3000馬力(最終生産型は実に4300馬力!)は文句なしに航空機用レシプロエンジンとしては史上最大にして最強。ただし採用した飛行機はあんまりいい目に遭ってない。特に単発機。AM (航空機)も参照。 - B-29 スーパーフォートレス
説明する必要すら無い、我々日本人の仇敵。個別記事参照。
与圧付きキャビンや優れた空力性能、FCS付きリモコン機銃も然ることながら、日本がどうしても量産できなかった排気タービン(ターボチャージャー)をエンジンに採用できた当時の米国工業水準の結晶である。
ただし軽量化優先で耐久性に関しては流石のアメリカといえども下手すりゃ「欠陥品」の烙印を押されても致し方ないようなものになってしまった(特にエンジン)が、「耐久性上げるの難しいなら逆に"使い捨て"と割りきってしまえばよくね?」という逆転の発想で高性能を実現してた。なおそのせいでエンジンが飛行中に火を噴くのは日常茶飯事の上カーチス・ルメイが「爆撃の効果上がんないから日本に低空飛行で爆撃しな」と言ったせいで被害も大きく味方からも仇敵呼ばわりされていたのは内緒。
なおエンジンを上述のワスプ・メジャーに換装した派生型もあり、そちらはB-50と呼ばれている。 - コンベア B-36
上記B-29をも上回る飛行機界のSUZUKIことコンベア謹製の超大型爆撃機。
エンジンはレシプロ6発(上記のワスプ・メジャー)+ジェット4発。こいつのお陰でB-29が「中型爆撃機」扱いになってしまった。
但し登場した頃は既にジェット戦闘機の時代であり、ぶっちゃけ「時代遅れ」となってしまったという英国面的な一面も存在する。
しかしその搭載能力は魅力的であり試験機の発射母機として使われたり或いは派生型の輸送機が1機しか作られていないにも関わらず重宝されたりというから世の中どう転ぶかわからない。 - メトロライナー
日本の新幹線に刺激されて登場したアメリカ初の高速鉄道電車…なんだが、前面は新幹線(流線型)と違って切妻構造。下手すりゃ地下鉄っぽく見えるがそういう意味のメトロじゃない。メトロポリスとメトロポリスを結ぶ列車だからメトロライナー。ニューヨーク~ワシントンDC間をつなぐペンシルバニア鉄道→ペンセントラル鉄道→アムトラックが1969年から走らせた。交流11000~13500V/25Hz・60Hz、交流25000V/60Hzの三電源対応、日本の東急車輌にライセンス供与していたことで有名なステンレス車両のパイオニア・バッド社のクソ頑丈なステンレス車体に300馬力(約220kw。0系新幹線電車は185kw)のモーターを1両あたり4つ積んで1200馬力(パーラーカー・ビュッフェ車は1020馬力)として、頑強だが大重量でおよそ高速鉄道に不向きなイコライザー台車に装着、結果一両あたりの重量は約75トン(0系新幹線電車は鋼鉄製で一両約55~60トン)。これを最短2両、最長16両編成で最高時速125マイル(200㎞/h)で走らせた。なお整流器は日本では交流電化初期を除いてほとんど採用されなかった水銀整流器式。いやそれ大規模変電所用だから!
その水銀整流器が災いし登場後10年もしないうちに故障が頻発、機関車列車に取って代わられお役御免に。なお晩年は最高時速90マイル(145km/h)に減速されていた。だがクソ頑丈な車体のおかげで一部は電装解除され客車として今も健在。 - ユニオン・パシフィック鉄道4000形蒸気機関車「ビッグボーイ」
蒸気機関車を縦に2つ繋いだ形状(ボイラーと走行装置が2つある)をしている、量産されたものとしては世界最大にして最強の蒸気機関車。「世界最重」(石炭と水を満載した状態で548.3 t)、「世界一長い」(40.47m)、「世界最強」(引張力602.14kN、6290馬力相当)である。実は「11パーミルの上り坂を3300トンの貨物を引っ張りつつ時速100キロオーバーで巡航」というアホなスペックを要求したらこうなったらしい。この化物は1941年から44年にかけて25輌製造、59年まで現役に就かせていた。余談だが特筆すべきは扱いの簡便さで、自動給炭装置をはじめ各部が機械化・省力化されたことで徴兵検査で落ちてしまった虚弱体質の新人機関助士達でもこの鉄の怪物を操れたのである。実はもう人の手では扱いきれないデカさなので機械化に走ったのだが。
- ペンシルバニア鉄道『S1』
宇宙戦士バルディオスにおける未来の地球敵の惑星ではない。上記ビッグボーイと同じころ(1939年)にペンシルバニア鉄道が1両だけ試作した、試作機を含めて実際に営業運転したものとしては世界最強の蒸気機関車。2メガパスカルというおっそろしい超高圧蒸気(ちなみに日本のC62で1.5メガパスカル)で4つのピストンと8つの動輪(日本式配置で3-B-B-3)を動かしビッグボーイが裸足で逃げだす7200馬力を達成した。
スタイルはフルカバードかつ流線型で非常にかっこよく、当時の雑誌でも被写体として引っ張りだこだったとか。またアニメ『銀河鉄道物語』に出てくる機関車『アイアンベルガ―』の元ネタとなったことで知られる。
ところが動輪が『B』であることが災いし動輪に粘着力がなく空転を頻発、しまいにゃ動輪が割れるというとんでもない欠陥が発覚。結局1両だけ作って10年運用しただけで廃車の憂き目にあう。余談だがペンシルバニア鉄道はこのS1を用いて巡航速度227㎞/h、最高速度251㎞/hを達成したと主張(事実なら文句なく世界最速)しているが正式の記録をとったわけではないことと上記の欠陥のせいで疑問視されている。 - ペンシルバニア鉄道『Q2』
エロい有料電話ではない。S1で痛い目にあったペンシルバニア鉄道がS1の知見を基に開発した理論上世界最強の蒸気機関車。ペンシルバニア鉄道の研究施設上でS1すらびっくりの7987馬力を達成した。S1の致命的な弱点だった空転はトルク配分装置によって解消。まさに究極の蒸気機関車……になるはずだった。ところが1944年から45年にかけて26両作ったのはいいものの第2次世界大戦が終結。究極のボイラーとトルク配分装置のメンテナンスコストはかなーリ高かったらしく、これだったらディーゼル機関車の新規製造と既存の蒸気機関車で十分だよねという結論に達したらしい。だからと言って一度も使われずにわずか6年、1951年に全車スクラップってやりすぎだろ。 - ピックアップトラック
本来の意味は『大型以外のトラック全部』らしいのだが現在は『ボンネットのついた乗用車ベースのトラック』という意味で大体あってる。アメリカ人の下駄替わり、日本でいう軽トラ。ただしV8エンジンのFF駆動、日本の2tトラックよりもデカイ車体、荷台に遊び道具満載してトレーラーつなげてモーターボートまで積んでも80MPH(≒時速130㎞)楽勝という頭おかしい車がアメリカ中を走り回っている。怖ぇ。余談だがあちらでは『ピックアップのセルシオ』ことトヨタ・タンドラが大人気。
なお積載量と頑丈さ、安さが買われて、中東やアフリカでは重機関砲を無理矢理載せてテクニカルとして活躍している。 - SUV
上述のピックアップトラックと並んで人気で、アメリカの自動車産業を象徴する車種。日本ではまずお目にかからないV6エンジンやV8エンジンを積んだデカくてパワフルなSUVがアメリカ中部では女子高生の通学やおばちゃんの買い物の足にと、まるで軽自動車感覚で乗られていたりする。
ガソリンが安い上に土地が広く、未舗装路や荒れた道も多いアメリカならではの事情に基づく人気に支えられており、同時にアメリカ自動車社会のガラパゴス化の象徴でもある。 - ゼネラル・モーターズ ハマー
アメリカ陸軍向けのオフロード車「HMMWV/ハンヴィー」から(シュワちゃんが「なにこれ欲しい」と言ったのがきっかけで)装甲と武装を取っ払い民生用として売り出したSUV。
つまるところが日本で言うメガクルーザー的なクルマなのだが、5.7Lのガソリンエンジンまたは6.5Lのターボディーゼルを搭載し重量は最大3.6tになるという。お前のような乗用車があるか。
大ヒット商品となり様々な派生モデルも発売されたものの、流石にリッター4kmという燃費は(特にリーマンショック以降の原油高の環境では)こりゃねーわと言われて生産終了。(原型であるハンヴィーはまだ作っている) - MTTタービン・スーパーバイク
アリソン250ターボシャフトエンジンを搭載したガスタービンバイク。個別記事参照。
「何故バイクにガスタービンを積んだのか?それが可能だからです」。 - ボスホス/カノン
趣味のバイクメーカー。後述する排気量5700㏄のV8エンジン使ったバイクを作って売っている。なおどちらも日本代理店があり購入可能。 - クライスラー ターバイン
クライスラーが趣味と悲願で作ったガスタービン乗用車。
ユーザーテスト用に55台のみが製造された。
「液体燃料なら何でも使える」という雑食性(メキシコ大統領曰く「テキーラでも走ったぜ」)、エンジンの部品点数がレシプロの1/5で済む、排ガス中の炭化水素は0、何よりハイパワーという夢のクルマ!
…のはずだったが炭化水素が出ない代わりに窒素酸化物は多かった、高地ではセルモーターが不調になりがち、エンジン始動が難しい、何よりV8エンジン大好きのアメリカ人(後述)には「やっぱガスタービンは音がなぁ」と受け入れられなかった。
一方でクルマとしては意外とタフであり、テスト中の不稼働時間は僅か4%だったとか。 - スペースシャトル
再利用可能なロケット。今までのロケットは使い捨てで、宇宙へ打ち上げたら終わり。戻ってくる宇宙船も大気圏再突入で乗員ブロック以外は燃えてしまい、中の乗員と物資以外は再利用できないことが 多い。つまり金がかかるって訳。無限財布のアメリカでもこんなのポンポン打ち上げられない。じゃあ再利用できるロケットがあればバンバン宇宙行けるんじゃね?っとどこの国でも思いつくがやらなかったこのアイデアを・・・金のチカラで作ってしまった。が、安全対策に金がかかり、逆に普通に使い捨てロケット打ち上げた方が安上がりという結果になってしまった。よってドナドナされる。全5機のうち2機がそれぞれ打ち上げ時と帰還時の事故で失われている(もちろん乗員全員死亡)。一方、ソ連はコピーを作ったものの無人での打ち上げ一回でお払い箱に。 - ハッブル宇宙望遠鏡
スペースシャトルは25トンもの貨物搭載量を持ち人工衛星なら5個ぐらい一気に運べるのだがそのペイロード全部使いきって運ばれた宇宙に浮かぶ望遠鏡。お値段約2500億円。アメリカでないとできないマジキチ物件。ただし値段に見合った成果をバンバン出している。 - ジェイムス・ウエッブ宇宙望遠鏡
前述ハッブルの後継望遠鏡。開発費、2021年の打ち上げの時点で約1兆1000億円。あまりに高価すぎて米帝ですら音を上げヨーロッパ宇宙機関(ESA)にも金を出させたといういわくつきの代物。そのせいでこいつを打ち上げるのにアメリカではなく南米ギアナからESA最大のロケット、アリアン5で打ち上げている。ちなみにどこに送られたのかというと、ハッブルが地球周回軌道であるのに対しこの望遠鏡はなんとジオン公国があることで有名な月の裏側、第二ラグランジュ点の周回軌道。地球から実に150万キロもの彼方、もう壊れても修理できないというのが定説。 - 軍事予算
2014年で約60兆円、全世界の軍事費のうち35%がアメリカ。ちなみにアメリカのGDPの10%以上。 - ノースロップ B-2スピリット
ご存じステルス爆撃機、個別記事参照。お値段一機約2000億円、アーレイ・バーク級駆逐艦2隻分という頭おかしい飛行機。B-2の総重量と同じ重さの金塊の値段に匹敵するとまで言われているこの飛行機を132機も作ろうとした。結局冷戦終了で21機で製造終了。戦没した機体は未だないが、2機が着陸時の事故とエンジンからの出火で大破している・・・がどちらも長い時間と莫大な費用をかけて修復されている。
現在、製造・運用コストを引き下げるべく後継機のB-21が開発中。 - ロックウェル B-1ランサー
超音速可変翼爆撃機。
音速突破可能な爆撃機というだけでも実戦配備されている機種は限られているのに、それに加えて(製造とメンテナンスに手間のかかる)可変翼まで盛り込んだ機能とロマンマシマシてんこ盛りの爆撃機。
しかもれっきとした「量産機」の部類に入る。上記のB-2とはまた違った意味で「アメリカでなければ製造と運用が出来ない」飛行機だろう。ロシアにそっくりさんがいる?ナンノコトカナー - ゼネラル・エレクトリック GE90
ボーイング777に採用されている巨大ターボファンエンジン。個別記事参照。
ファンの直径は3.4m、ボーイング737の胴体直径とほぼ同じ。シリーズ最大出力のGE90-115Bは推力115,300lb(≒50t)というマジキチスペック。
どんくらいの推力かといえば、B747などでおなじみのJT9DやCF6の約二倍、B-52に搭載されているJT3Dの約7.5倍。馬力換算すると11万馬力、エンジン1つでひゅうが型護衛艦(ガスタービンエンジン4基搭載、10万馬力)の出力を凌駕。
なお、あまりにでかすぎて輸送時にはAn-124クラスの輸送機が必要(分解すればもう少し小さい機体でも輸送可能だがそれでもB747クラスが必要だけどな!)で実際にロシアでエンジントラブルが発生した時に本当にAn-124がチャーターされエンジンを運んだ。 - マンハッタン計画
日本人のトラウマ、原爆製造計画……その実態は、
「ウラン鉱石から核物質の抽出に分離機使うんですが、出てくる量が少なくてかないません」
「なら分離機いっぱい作っちゃえ」(詳細は後述カルトロン参照)
非常にアメリカンな方法で核物質製造。ちなみに計画の総投入予算は現在の貨幣価値で約3兆円なのだが、本州四国連絡橋が3ルート全部合わせての建設費が約4兆円ということを考えるとあんまり金がかかってない気がする。 - 半自動式防空管制組織『SAGE』
『サゲ』と読むな、『セイジ』と読め。
「露助の爆撃機がいろんなところから来たらいけないからレーダーをいっぱい作ったけど、人間がレーダーの管理でパニックになるよね」
「だったらコンピューターに管理させたらいいじゃん」
こう書くと簡単に思うかもしれないがアメリカはこれを1950年代に実現した。
5万本以上もの真空管を使ったコンピュータと各地のレーダーをつなぎ、モニターに敵機を表示できるようにした施設を何か所も設置した。何気に世界初のネットワークに接続されたコンピューターであり、世界初のタッチパネルをインターフェースに採用したコンピューターでもある。1986年の新システム移行に伴う運用終了までにぶっこまれた予算は非公開だが、予想される最大の金額で約120億ドル、現在の貨幣価値に直すと約10兆円。
- SOSUS
ソ連の原潜の居場所を探知するために設置された海版SAGE。
どんなものかと簡単に書くと、太平洋と大西洋の海底にソナーを付けたケーブルを敷設しまくって原潜の居場所を探知する。
こう書くと簡単に思えるかもしれないがあの広大な太平洋と大西洋の全域に敷設してある。アメリカだからこそできる力業を地で行くシステムの一つ。
探知性能に関しては「世界中の原潜の居場所が一発でわかるぜ、それも何番艦かまで含めてな」とのこと。最近では、機密解除されたデータを基に原潜・スレッシャーの沈没事故の原因が解明されたという意外な一面も。
尚、日本も海自が海峡などに似たようなシステムを設置しているそうで。 - シャイアンマウンテン空軍基地
たぶん世界最大の核シェルター。アメリカとカナダの共同防空組織『NORAD』(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)の本部として建設された。山の地質がほぼ花崗岩で地震も少ないコロラド州シャイアン山に長さ1.6㎞ものトンネルを掘り、さらに山の中に巨大な空間をくりぬき中に15棟ものビルを建てて航空管制所にした。当時ですら『狂気の沙汰』『冷戦真っただ中でなきゃ作ろうと思わないよ』と言われたマジキチ物件だが建設費は意外に安く今の貨幣価値で約3500億円。
2006年に『冷戦終わったし、こんな大仰な設備はいらんだろ』てなことで一度閉鎖(ただしいつでも使えるように管理はしていた)したが、2015年に米国防総省が『通信機器使うのにぴったりじゃん』てなことでペンタゴンの通信機器が引っ越すことが決定された。 - ペーパークリップ作戦
第二次世界大戦後にドイツから技術者をアメリカに招く(と同時にドイツの技術をソ連に渡らないようにする)ための作戦。
簡単に書くと「ドイツ人技術者にとんでもない額の給料を出して序に家族の生活まで保証してアメリカに連れてくる」という内容。
一方その頃ソ連はドイツ人技術者を拉致同然で連行した。
そしてドイツ人からは「史上最大の泥棒行為」とも言われているとかいないとか。 - ハワード・ヒューズ
20世紀のアメリカの実業家 兼 映画製作者 兼 飛行家。「地球上の富の半分を持つ男」「資本主義の権化」とも称される大富豪にして狂人。
実家の潤沢な財力にものを言わせて黎明期からアメリカの航空産業に首を突っ込み、トランス・ワールド航空(TWA)の実質的オーナーとして航空機メーカーに無茶振りじみた機体を生産させたり、自らもヒューズ・エアクラフト社社長として飛行機の制作を指揮した。
彼の影響下で製造された飛行機は名機も多いが、発想のネジがどこかに飛んでいたりするものも多い。
そのエキセントリックな生涯を描いた映画「アビエイター」が2004年度のアカデミー賞で5部門を受賞したことで有名。
- ヒューズH-4ハーキュリーズ
第二次大戦中に「船でいちいち大西洋に物資送ってると時間かかるしUボートにやられるから、バカデカい飛行機作ってそれで送ろうぜ」と言う造船会社社長(後述のリバティ船の開発主導者、ヘンリー・J・カイザー)のぶっ飛んだ発想に、ヒューズがよりによって乗ってしまったことで産まれた巨人機。
全長66.65m・全幅97.51m・前述のワスプ・メジャー8基搭載というバケモノ飛行艇で、現代のボーイング747よりデカく、エアバスA380と同じくらいの機体となってしまった。しかも金属節約のために機体の大部分は木製である。
デカい上にヒューズ社自体が体力がなかったため製造は遅れ、作ってる最中に量産計画がポシャり、さらに第二次世界大戦も終結。結局一機作って一回だけ海面近くをちょっと飛んだだけで博物館送り。 - コンベアCV880
TWAのジェット化に際して航空機界のSUZUKIことコンベアが製造した旅客機で、スピード狂のヒューズのワガママをふんだんに取り入れた結果、J79エンジン(本来戦闘機や超音速爆撃機が装備するようなエンジン)の民生型を4発搭載したスピード仕様に仕上がった。
確かに同時期のライバルだったボーイング707やダグラスDC-8よりは速かったものの、騒音・排気が酷い上に整備性や燃費も悪く、さらに高揚力装置が貧弱で操縦も難しいと、旅客機としてはいいとこ無しな機体に終わる。
日本航空初のジェット機やエルヴィス・プレスリーの自家用機としても有名。 - コンベアCV990
CV880の改良型で、更なる高速化を狙ったスピード狂ヒューズのワガママの権化。
設計にはエリアルールを用いるなど旅客機じゃなく高速爆撃機でも作ってるのかと言いたくなるような改良が施された結果、通常型旅客機では異例の巡航速度マッハ0.91という高速を叩きだした。
一応CV880で問題になった信頼性や離着陸性能の改善もされていたが、CV880で痛い目を見た航空会社からは見向きもされず、コンベアの経営不振も重なって39機の製造で終わった。
旅客機としては過剰なまでの高速性能に目をつけたNASAが、高速実験機や試験機のチェイサーとして長年使用したという変わった経歴も持っている。 - グローマー・エクスプローラー
飛行機ではなく船だがこちらに。
CIA:ドラえもんヒュ~ズ~、海底に沈んだ露助の潜水艦を回収できる船を作ってよ~
ヒューズ:よっしゃよっしゃ(*^^*)
ということで建造されたサルベージ船。名目上は海底のマンガン鉱床から鉱石を回収する掘削船ということで建造された。
当時の金で3億5千万ドル、現在の金に換算して約1700億円(あたご型護衛艦の建造費とほぼ等価)もの巨費を投じられ建造された満載排水量6万トンを超える巨船で、深海5000mに沈んだソ連のゴルフ級潜水艦を丸ごとつかめるとんでもなくでかい鉤爪とそれを上げ下げするロープ替わりのパイプをたくさん積んでおり、船体内には潜水艦を丸ごと格納する貨物スペースがある。外からは確かに石油掘削船に見える。
1974年7月4日より一か月かけて回収作戦を実行、潜水艦の一部を回収することに成功した。乗組員の遺体以外のめぼしい回収物はなかったというのが公式発表だが、実際は2個の核爆雷と暗号表の回収に成功したらしい。
なおこの船はその後所有者がいろいろ替わり、2015年6月に廃船となり中国で解体された。
- ヒューズH-4ハーキュリーズ
- ハリウッド映画
「力業」の方面では恐らく最もわかりやすい米国面の例。制作費は大作クラスでは億ドルの単位は当たり前。
爆発も炎上も特殊効果も使えるだけ使う。
最新技術は惜しみなくぶち込み、場合によっては本物(兵器まで含めて)も出演。 - ATI Rage Fury MAXX
なんかそんな名前のDDRのラスボス曲があった気がするが、ATI社(カナダの会社じゃなかったっけという突込み禁止)、現在は買収されてAMDグラフィックボード部門が開発・販売した1999年当時のモンスターグラフィックボード。Windows95や98と言った16Bit系OSにある『雑さ』を逆手に取り、当時ATI手持ちの最強GPUであるRage128を2個搭載してブリッジチップ(本体やOSとの仲立ちを行うICチップ)を介さずドライバーであれこれ細工をして無理やり駆動させている。しかしマイクロソフトは雑さを排除した32BitOSであるWindows2000へ移行を始めており、この裏技頼りで動くグラボはWin2Kには対応できないと判明。メーカー自ら『ごめん、このグラボWin2Kで動かないし対応もできんわ』と匙を投げ黒歴史化。 - AMD Radeon R9 295X2
15年の時を超え帰ってきたRage Fury MAXX。2014年当時の最速GPU、RadeonR9-295を一つのグラボに2個載せてきた。実はMAXX以降のRadeonシリーズではたまに最速グラボを作るために一枚のグラボにチップ2個載せをやっているのであるが、バカみたいに発熱するR9-295をさらにクロックアップして2個載せなどという極悪発熱仕様にしてきた。その発熱をどうにかするためにAMDはデフォルトで水冷と空冷のハイブリッド冷却方式を採用。何度も言う。これ、サードパーティー製造のチューンナップモデルではなくメーカーのリファレンスモデルである。まさに公式が病気。
余談だが2014年発表のグラボにもかかわらず発売2年後の2016年に至るまでなお世界最速市販グラボの地位にあった。はい、測定方法次第では既にGeForce980Tiに抜かれてるからという突込み禁止。なお2016年12月、nVIDIA社がGeForce1080を販売。今度こそ間違いなく最速の座から降りた。 - NVIDIA GeForce RTX3090
NVIDIAが満を持して送り出したゲーミング用グラフィックボード。
うん、グラボ。
性能やお値段もさることながら驚愕すべきはそのサイズ。
下手な家庭用ゲーム機並の大きさがあり、拡張スロットは3つ占領する。
そのデカさの9割程は冷却ユニットが占めている。
この巨体にもかかわらず背面吸気なので浮かせなければいけない。…接続部の強度大丈夫? - Xboxシリーズ(Xbox/Xbox360/XboxOne)
マイクロソフトが開発したゲームマシン……の皮をかぶったPC/AT互換機モドキ(後述するがあくまでも『モドキ』であってそのものではない)。正確にはPC/AT互換機のアーキテクチャ(設計理念)を流用し、PC/AT規格のパーツをぶち込んでゲーム機に仕立てたもの。ただしOSはウィンドウズ系列であるがXboxオリジナルの物が積まれており、PC/ATというかウィンドウズ系列のPC用ソフトがそのままXboxで動くというわけではない。 - ATARI Lynx
Epix社が開発し、ATARIが発売したゲームマシン。
メインCPUこそ8ビットながらPCエンジン同様グラフィックを16ビット処理する世界初のカラー液晶ゲーム機。スプライトの回転拡大縮小をハードウェアサポートするなど、部分的にはスーパーファミコンをも凌ぐハイスペックを誇る。
・・・その代償は30cm近い大きさと、電池6本込で700gほどの重量(ゲームボーイ2台分以上。なんと据え置きのファミコン本体より重い)、平均4時間ほどのバッテリーライフ(電池本数を加味するとゲームボーイの約13倍の消費)という凄まじく米国臭漂うファット感であった。
ちなみにATARIの前にゲームボーイを鋭意製作中だった任天堂にも売り込みが行われているが、こんなもん売れるわけねーだろということで交渉決裂していたりする。 - 原子力打撃巡洋艦(CSGN)
『イージスの父』マイヤー提督や開発当時の米海軍本部長ホロウェイ大将が夢見た男のロマン。満載排水量17,000トンの巨体を駆逐艦用原子炉『D2G』2基で駆動し、男のロマン・イージスシステム、男のロマン・後述するMK71、更に男の(ryシーハリアー6機とそのための全通航空機甲板まで積もうとした。しかし運用コストが跳ね上がるってのは想像に難くなく、議会に当然のように阻止された。なおイージスシステムはホロウェイの前任者ズムウォルト大将が『別にそんな大げさな船にせんでもガスタービン駆逐艦で十分やん』と発言しており、これがのちにタイコンデロガ級巡洋艦やアーレイ・バーク級駆逐艦として結実した。 - ズムウォルト級ミサイル駆逐艦
アメリカ海軍のぼくのかんがえたりそうの次世代駆逐艦を目指し、資金力に物を言わせて本当に試作してしまったが…。
個別記事及び「珍兵器」の記事参照。 - XM29 OICW
アサルトライフル+グレネードランチャーにさらにレーザー測距ユニットなどを詰め込みこれ一丁であらゆる局面に対応できる「ぼくのかんがえたさいきょうのじゅう」を目指して試作されてしまった代物、だが…。
「珍兵器」の記事も参照。 - オライオン計画
マンハッタン計画に参加した科学者が「核爆発の平和利用」名目でブチあげた計画。大きなショックプレートを持った宇宙船の背後で核爆弾を連続爆破する事で恒星間飛行を実現させようと言う壮大な計画。21世紀の現代に至るも現状技術で唯一人類を他星系に送りうるプランではあるが、実はこの計画、宇宙船の試作初号機を事もあろうに南極大陸から打ち上げようとしていた(無論、大陸の放射能汚染を計算に入れてだ)。
物量作戦
- M4中戦車
シャーマンで知られる第二次世界大戦時の連合国主力戦車。量産性重視でどちらかというと航空機向けの星形エンジンを採用したため、車高が高く被弾面積がふえてしまった。でも5万輌近くあるからいいんだよ(枢軸国の戦車総生産数を上回る)。ドイツのティーガー、パンター戦車相手では分が悪かったが、数と航空支援に物言わせ押し切った。
個々の性能は低いが決して粗製濫造というわけではなく、使い勝手や整備性は他国の戦車と比べれば折り紙つきに良好であった。
戦後は同盟国や中小国にばら撒かれ、かなり後年まで使用された。 - 第二次世界大戦時の航空機
だいたいどのモデルも数千機以上作っている。この時代に作られたアメリカ製航空機の全合計は30万機。 - エセックス級正規空母
数は力を象徴する米帝プレイの一端、4年間で24隻作られた通称『隔月正規空母』。個別記事参照。 - インディペンデンス級軽空母
数は力を象徴する米帝プレイの一端、1年足らずで9隻作られた通称『月刊軽空母』。 - カサブランカ級護衛空母
数は力を象徴する米帝プレイの一端、一年間に50隻作られた通称『週刊空母』。個別記事参照。 - フレッチャー級駆逐艦
数は力を象徴する米帝プレイの一端、合計175隻も作られ『日刊駆逐艦』と呼称されることも。個別記事参照。 - リバティ船
戦時標準船とも呼ばれる第二次大戦中に作られた貨物船。作りも作ったり1万トン級貨物船が2710隻。おかげで1万トン級の貨物船は今でもリバティ型と言われる。船の建造に溶接とブロック工法を取り入れた造船史における金字塔であり、前述のカサブランカ級はこのリバティ船の建造における知見が取り入れられている。また溶接技術が進んでなくて何もしてないのに船体がポッキリポッキリ折れてその事故原因を追究したら現在の溶接技術の基礎になったという事故を教訓に生かせた好例としても歴史に名を残している。ちなみに開発を主導したのはヘンリー・J・カイザーという男なのだが「船をいっぱい作ってもUボートに沈められるよ!」とハワード・ヒューズに相談したことが前述の飛行艇H-4の開発につながる。 - LST-1級戦車揚陸艦
第二次世界大戦の大反抗を支えた揚陸艦。艦首の扉から戦車や車両を艦内に直接出し入れできる便利な艦。こちらも作りに作ってその数1052隻。使い勝手の良さや揚陸艦がなかなか更新されないため、戦後に同盟国に供与された艦では50年以上使い倒された艦も多々ある。と言うか台湾では現在でも運用中。 - ニミッツ級航空母艦
数は力を象徴する米帝プレイの一端。全長330m以上、満排水量10万t余りにも達する世界最大の原子力航空母艦。アメリカは1隻辺り4000億円以上もするこの空母を全10隻建造。この1隻に搭載される航空戦力(注:1隻の戦力である)ですら下手な一国の空軍総兵力より多いとか頭がおかしい。世界中どこでも航空機を展開する事が可能となり、有事の際にアメリカ政府が最初に行うのが空母の位置を確認する事と言われてるというのもごもっともである。 - アリソンV-1710
7万個以上作られた傑作液冷V型12気筒エンジン。作りすぎ・・・。 - P&W R-2800
12万個以上作られた。2000馬力級エンジン。同じ2000馬力級の日本製エンジン「誉」がより複雑な構造とはいえ9千個ということを考えると・・・ - ライカミング O-540
ザ・軽飛行機用エンジン。軽飛行機用エンジンといったらとりあえずこれ積んどけば問題ねえとばかりに普及している。 - アリソン 250
小型ターボシャフトエンジン。(現在の親会社である)ロールス・ロイス系列製のターボシャフトエンジンでは最多の約30000台が世界中にばらまかれている。
稼働時間の合計は1億8000万時間に達する。
上記Y2Kのエンジンもこれ。 - P&W JT8D
B727用に開発された低バイパス比ターボファンエンジン。個別記事参照。
累計稼働時間はかるーく15億時間を突破している。 - CFMインターナショナル CFM56 / F108
下記のB737などに採用されている小型ターボファンエンジン。個別記事参照。
「私の戦闘力稼働時間(世界累計)は53000年です。」 - ゼネラル・エレクトリック J79
ザ・ターボジェットエンジン。個別記事参照。
国外でのライセンス生産まで含めると17000台以上が作られた。 - コンソリデーテッド B-24リベレーター
第二次世界大戦時にコンソリデーテッド社が開発した4発重爆撃機。
確かに生産数こそ約18000機でB-17をも上回っているが、それほどでも…と思ったか?
問題はB-24の生産を請け負った先の一つであるフォード、専用の工場を建てて自動車製造で鍛えたライン生産流れ作業を駆使し一時間に一機の割合で量産した。これには同じく請負先に名を連ねるダグラスもノースアメリカンもドン引き。 - ボーイング737
近距離輸送はこれかA320かの二択状態。個別記事参照。1967年の初飛行から8,000機以上空を飛んでいる。余談だが現在製造されているNGシリーズは初期型とは全くの別物という英国面な側面を持つ。なおNGシリーズの後にさらなる改良型MAXシリーズの登場が決まっている。 - ダグラス DC-3
ザ・レシプロ旅客機。個別記事参照。
ノックダウン生産まで含めると17,000機以上が生産された伝説的機体。 - マクドネル F-4 ファントムⅡ
ザ・ジェット戦闘機。西側のベストセラー戦闘機。個別記事参照。 - ベル UH-1
ザ・汎用ヘリコプター。軍民問わず西側を代表する汎用ヘリ。個別記事参照。 - ロッキード C-130 ハーキュリーズ
不可能を可能にする変態企業ロッキードが作り上げたTHE・戦術輸送機。個別記事参照。 - セスナ 172 スカイホーク
総生産数45000機以上のTHE・軽飛行機。特に日本じゃこいつのお陰で「軽飛行機=セスナ=スカイホーク」と言ってもいいくらい。 - フォード・モデルT(T型フォード)
ザ・乗用車。
総生産台数は1500万台以上。え、ドイツにはもっとすごい数作られたのがある? - スペースX
週刊空母が出来るなら週刊打ち上げロケットだって出来るはずだ! と豪語するのは故スティーブ・ジョブズにも匹敵するビジネス界の風雲児イーロン・マスク。彼が創立したスペースX社は年間30機もの主力打ち上げロケット・ファルコン9を製造する予定だという。そして2022年実績で三つの射場から59機(≒6日に1回)ものロケットを打ち上げてみせた。主力ロケット・ファルコン9については後述。
物持ちの良さ
大量に作る上に物持ちがよい国民性なのか、古いものを何十年と使い続けることもある。
- ブローニングM2重機関銃
1933年に開発された12.7㎜重機関銃。開発から80年以上たった現在でも不審船対策で備品扱いで軍艦に搭載とかヘリに積んで機銃掃射するためヘリ搭載とか21世紀の現在でもじゃんじゃん製造されている。個別記事も参照。 - コルト・ガバメント
シングルアクション自動装てん拳銃。1911年販売開始なのだが現在もじゃんじゃん民間モデルが製造販売されてる上2012年には米海兵隊で再度採用されるに至った。個別記事も参照。 - ギアリング級駆逐艦
フレッチャー級駆逐艦の最終進化系にあたる艦で、WW2型駆逐艦の最高峰。96隻が建造された。
WW2では殆ど活躍できなかったが、冷戦期にアメリカ海軍の駆逐艦の更新が滞り(WW2で作りすぎた皺寄せが来たともいう)現代化を逐次受けながらベトナム戦争の時代まで現役だった。
その後世界中の国に払い下げられたり売却されたが、中には21世紀まで運用された艦すらあった。 - 四本煙突型駆逐艦(平甲板型駆逐艦)
ギアリング級のWW1版。コールドウェル級・ウィックス級・クレムソン級の三タイプが存在し計273隻が建造された。
戦間期に事故喪失したり退役した艦もあるが、半数以上の169隻がWW2に参加し、イギリスに護衛艦として引き渡されたり補助艦艇に改造されるなどして、数多くの艦が終戦まで活躍することになった。
爆薬満載で敵軍港のドックに特攻・自爆した艦や、自沈した所を敵軍に鹵獲・修理されて知らないうちに再利用されてた艦など妙なエピソードも多い。 - ヴィクトリー船
リバティ船と同じく第2次大戦期の戦時標準型輸送船。建造数はやや控えめの414隻。
戦争後期の余裕が出た頃に建造されたため、生産性と引き換えに大型高性能な豪華仕様で建造された。
その結果無駄に長生きし、ベトナム戦争はおろか湾岸戦争にすら一部の船が輸送艦として参戦している。 - ゼネラル・エレクトリック J85
小型ターボジェットエンジン。生産数もさることながら米空軍では2040年まで使用が予定されている(デビューは1950年代)。 - ボーイング B-52
ジェット戦略爆撃機。個別記事参照。
初飛行から半世紀以上核爆弾含めた様々な兵器を積んで飛んでいるが後継機共がアレだったというのもあって未だに現役。親子三代でB-52のクルーを勤めている家系も有るとかないとか。 - フェアチャイルド A-10 サンダーボルトII
みんな大好きA-10。個別記事参照。
「もうこいつ(というか対地攻撃機)の時代じゃないよね」と言われるたびにA-10で無ければ無理ゲーな事態が発生して戦場に呼び戻されている。 - ボーイング707
ボーイングの元祖ジェット旅客機。
どこが物持ちの良さだって、未だにB707の系譜の機体(B737、P-8、E-3、E-8、KC-135など)が地球上のどこかで飛んでいる。
B707の系譜が地球上から消えるのは当分先だろう。 - ボーイング・バートル CH-47
1962年に運用を開始して以来、現在も改良を重ねて生産・運用され続けている重輸送ヘリコプター。
(初期型と現行型はほぼ別物とは言え)半世紀生産されてるだけでも特筆できると言うのに、アメリカ陸軍は「CH-47を改修して2060年代まで100年間運用し続けるつもりだ」とまで豪語する始末である。 - アーガスC3
1939年から1966年まで28年間一度もモデルチェンジすることなく作られ続けた伝説のカメラ。アメリカ人いわく、「動けばいいんだよ、性能向上?なにそれ」。 - フォード クラウンビクトリア
アメパトの代名詞と言えるフルサイズセダン。
どこが物持ちの良さだって、民生品としての役割を終えた後にも「パトカーのためだけに」長年生産されたクルマである。車両自体も警察で廃車した後にタクシーや自家用車にリサイクルする場合が多い。
多民族国家
- アメリカ料理
元がイギリス料理だけあって色々アレ…で終わらず、多民族国家だけあってきちんと「これはアカン」と止める人間も居たおかげか単に大味なものだけでなく国外の人間にも受けがいいものも多数生まれている。
また国外からもたらされた「ヒット商品」をアメリカ流にアレンジして、独自の進化を遂げるケースもある(寿司→カリフォルニアロールがいい例か)。 - クトゥルフ神話
H.P.ラヴクラフトの創作を中心とするホラー作品群。
創作だけでなく、世界各地に実在する神話伝承までも作中に組み込み関連付けてしまうという点は多民族国家のアメリカらしい作品群とも解釈できる。 - ハロウィン
元はケルト民族土着の収穫祭兼魔除けの儀式であるマイナーなお祭りで、アメリカには移民してきたアイルランド人やスコットランド人によって伝えられる。
が、何を間違ったか20世紀初頭にはアメリカの全社会に魔改造を遂げたハロウィンの風習が広まってしまい、さらに二度の大戦を経てアメリカが世界中に大きな影響力をもたらすようになった結果、ハロウィンと言う祝祭が世界的に知られるようになった。
ちなみに仮装やお菓子を貰うために家々を回るなどの現在広く知られる風習の多くはアメリカ発祥。 - パワーレンジャーシリーズ
日本の「スーパー戦隊シリーズ」をアメリカでリメイクしたシリーズ。
何故わざわざリメイクが必要になったかといえば理由はいくつかあるが、その理由の一つとして「多民族国家たるアメリカの事情に配慮し、変身前の役者は性別・人種共に可能な限り均等に割り振るため」というものがある。このため日本では主に男性が変身する(近作ではそうとも限らない)イエローが女性だったりすることもある。 - 裁判
「人種も出身地も文化も多様なアメリカに於いては裁判こそが尤も公平なトラブル解決方法である」という理由で、他国と比べて裁判の件数が多い。そのためステレオタイプなアメリカ人像の一つに「やたらと裁判が好き」というものがあるくらい。
日本人からすれば「それは冗談で言っているのか…?」「何でそんなことで裁判沙汰になるんだ…」というようなものも多数なのはご愛嬌。
雑さ
工業製品にもその雑さが現れてしまっている。雑でも動けばいいんだよ動けば。
- intel社の一部CPU製品
AMDがライバルとして台頭してからは力技もしくは雑な製品を結構出している。- Pentium4
当時問屋が小売店(DOS/V自作機ショップ)にこのCPUを売り込む際、「CPU本来の性能はどうでもいい! 動作クロック数を上げたら客は性能が高いと思ってくれるんだ![2]」と非常にアメリカンな説明を行ったことで知られる。個別記事参照。
実際は当時のCPU製造技術ではダイ(基盤)にあまり余裕がなく、機能を盛るよりシンプルなのを徹底的に高回転した方がよくね?という発想でできたもの。それ自体は間違っていないのだが、消費電力はクロック数に概ね比例する上、その分回路の微細化すれば大丈夫と思っていた見込みが大きく外れてちっとも電力事情が改善しなかったため、バシバシ電力を食ってガンガン高クロックを回して死ぬほど発熱するという米国感溢れる代物になってしまった。
後期は消費電力と発熱の酷さでどうにもこうにも手の付けようがなくなり、こんなもんノートに使えんということで別に展開していたモバイル向けのPentium Mが、以降のIntel CPUのベースになるという末路をたどることになる。- Tejas
Pentium4の幻の最終バージョンでintelの黒歴史。「クロック数5Ghz超え!」「専用64Bit命令セット搭載!」と気合を入れてきた。しかし惨い発熱で設計してみたPCメーカーが「こんなもんパソコンに搭載できるか!」と匙を投げ、当時のハイエンドサーバー用CPU『Itenium(※Intel製)』の命令セットとすら互換性のない専用64Bit命令セットにMicrosoft涙目となり、とうとうビル・ゲイツ直々に「てめぇこんなもん採用したらWindows陣営からたたき出すぞ!」と焼きを入れられ危うくintel終了のおしらせになるところだった。結局Tejasは没となりIntelは以後ライバル会社AMDの開発した命令セット『AMD64』互換の命令セットを自社製CPUに組み込むという罰ゲームを現在もやらされている。…そういやインドに同じ名前の現在進行形の黒歴史があったなぁ。
- Tejas
- PentiumD
「大変です、AMDの奴ら、1つのダイに2つのコアを乗せたCPUを開発してます!(※のちのAthron X2)」
「ならこっちは1つのパッケージ(我々が普段見ているICの黒いプラスチックのアレ。普通1つのパッケージに1つのダイが入る)に2つのダイを搭載だ!」
てなノリで爆熱CPUのPentium4のダイ2つを無理やり1つのパッケージに詰め込んだCPU。個別記事参照。純正クーラーですら冷やしきれないあまりの熱さについたあだ名が『抵抗器』。Dは暖房のD。 - Core2 Quad
「大変です、AMDの奴ら、1つのダイ(基盤)に4つのコアを乗せたCPUを開発してます!(※のちのPhenom)」
「ならこっちは1つの(以下略)」
てなノリで今度はCore2のダイ2つを無理やり1つのパッケージに詰め込んだ。個別記事参照。性能は意外と悪くなく、 Phenomが期待ほど性能が高くなかったのもあり結構売れた。
- Pentium4
- nVIDIA Geforce FX5800
nVIDIAが2003年に発表したハイエンドグラフィックボード。作らせたところが後述するCrusoe第二世代作ってたところだったためチップの出来が悪くバカみたいな発熱になってしまった。そのためリファレンスボード(他のグラボ作ってる所にお手本として渡すグラボ)は当時としては超大型超高回転ファンで無理やり冷やした。ちなみに超大型といえど、サイズとしては現代のCPU純正クーラーに比べはるかに小型。そりゃ超高回転にでもしなきゃ冷えない。そうして販売された各社FX5800ボードはどいつもこいつも爆音強風仕様、ついたあだ名がヘアドライヤー。しかし無理があるなんてのはnVIDIA自身が痛いほどわかっており、わずか半年で後継機FX5900を発表。その発表会ではメーカー自らFX5800をドライヤーとして使ってるという自虐的ビデオを流す始末だった。 - nVIDIA Tegra
モバイル・車載機器向けのSoC(コンピュータに必要な機能をワンチップに集約したIC)。最近ではNintendo SwitchのCPUに採用されたことでも有名。
「(数年前の)ゲームPC並の性能をモバイル機器に与える」というコンセプトのチップだが、モバイル機器の「低消費電力」とゲームPCの「ハイエンドグラフィックス」をどうやって両立させたかというと…
「クロック落とすとかせこいことやらずに使ってない回路は電源切っちまえ」という雑な単純明快な方法で実現させている。 - ATARI Jaguar
ATARIが発売した64ビット級システムのゲームマシン。
…だがこの64ビット級"システム"というのがクセモノ。
どういうことかとざっくりいうと、内部的には64ビットのシステムバスにMC68000と32ビットRISCが2つと64ビットのコプロセッサがつながっているという構造になっており、しかもどれがメインCPUというわけでもない。
つまり16ビット機であり32ビット機であり64ビット機でもあるというなんだかよくわからないシステムである。あまりにもよく分からないため現地のゲーム誌でも「(セガサターンが32ビットCPU2つで「64ビット級」を名乗っていたことから)もしセガがATARI方式でサブプロセッサもカウントしたらサターンは112ビット級になるところだったぜ!」とツッコまれている。
ATARI「64ビット機とはいってない、64ビット級システムだ!だから間違いや誇大広告ではない!」
…付け加えて言うならコントローラーの端子(D-Sub端子)の作りが悪く、すぐ引っこ抜けることでも有名。
もひとつオマケに拡張機器のCDドライブ「Jaguar CD」に至っては、AVGNのレビューの際に全個体が全く動かなかったという伝説を残している。 - 大型製品
純アメリカ産はとにかく雑。上述のピックアップトラックもそうだが、ダッシュボードの隙間に人差し指が入るレベル。 - ダブルスタックトレイン
旅客輸送は死に体だが、貨物列車は堅調なのがアメリカ。マイルトレインと呼ばれ何百両も編成を繋いだ貨物列車がバンバン走っている。が、それでも輸送量が足りない・・・。ならど うするか。なんてことはない。コンテナの上にコンテナを乗せたらいいじゃないか。といった具合でコンテナ2段乗せという荒業で解決してしまった。トンネルがないも同然なアメリカ西部ならでは。 - ノースアメリカン F-82 ツインムスタング
アメリカ版妖怪双子飛行機。
「航続距離の長い戦闘機って作れない?」→「よし、P-51を2つくっつけよう!」というわけでP-51を横に2機合体。
あまりに雑な発想とは裏腹に性能的に問題はない、二人乗りなので長距離巡航でもパイロットの負担が少ないと中々のものに仕上がっている。 - アリソンV-3420
大人気V型12気筒のV-1710液冷エンジンを真横に2つ悪魔融合したW型24気筒エンジン。他国でも似たようなU型やH型のレイアウトのエンジンはあるものの、このレイアウトはどう考えても雑。液冷エンジンは星形よりユニット重量が重いものの、前面投影面積が小さいという利点がある。が、このW型レイアウトは前面投影面積が大きく、メリットになりにくい。結局、このエンジンを採用した機体は尽く不採用となってしまった。一方ドイツでは倒立V型12気筒エンジンを真横に二個繋ぎ合わせたDB606、DB610を開発しHe177に搭載、実戦投入している。
- フィッシャーP-75
このゲテモノエンジンを搭載するべく、GM社の航空機部門が送り出した戦闘機。
二重反転プロペラを備え、P-40戦闘機の外翼(量産型ではP-51のものに変更)、SBD急降下爆撃機の尾翼、F4U戦闘機の主脚など他の機体の部品を寄せ集めて作ったフランケンシュタイン・ファイター。固定武装も翼内に12.7mm機銃10門と明らかに過剰武装気味。
部品流用による製造コストと製造期間の圧縮を狙った野心的な設計の機体だったが、機体設計にもエンジンにも問題を抱えすぎていたため12機製造しただけで生産打ち切りとなった。
ペットネームは「イーグル」。後世の傑作戦闘機F-15と同じ通称を持つのが余計悲哀を誘う。
- フィッシャーP-75
- CJ805-23
上記CV990に搭載された低バイパス比ターボファンエンジン…なんだがその実態はJ79の民生版であるCJ805の後部に自由回転するファン(コアエンジンと軸でつながってない)をポン付けしただけという雑なとんでもない構造のエンジン。要するに「ジェットエンジンの排気で扇風機を回して推進力にしている」ってことである。 - イコライザー(台車)
保線事情のいい日本ではボルスタレス台車だの軸梁式だのスッカスカ台車が流行っているが、ボコボコの糞保線のアメリカではそうはいかない。日本では50年近く前に廃れた台車であるイコライザーが現役バリバリ。 - WNドライブ
アメリカで開発された継ぎ手(車軸とモーターを繋ぐ装置)。直接車軸にモーターをつなぐとモーターに負担がかかり傷む。って訳でモーターと車軸の間の伝達シャフトにバネを入れ、 衝撃を吸収するという雑さで解決。これが思いの外傑作で、世界中に普及した。日本の新幹線もこれ。 - 急速濾過(浄水場)
浄水場における水質浄化方法。日本の浄水場もだいたいこれ。
イギリスで開発された緩速濾過(巨大なタンクに砂を入れ、砂とそこに住み着いた原生生物の働きで水質浄化を行う)は処理能力が小さいという問題があった。さてどうする。
じゃあ薬品を使って水中の不純物を固めてしまえ、という雑なやり方で大量の水処理を可能とした。 - AIR-2ジニー
空対空核ロケット。ミサイルではない、無誘導ロケット、要するに核搭載ロケット花火である。個別記事参照。 - AIM-26ファルコン
AIM-4ファルコン空対空ミサイルを改造して核弾頭を積んだもの。
ジニー、ファルコンともども核兵器特有の広範囲破壊力で低い命中性をカバーしたり、敵機の群れを一掃する考えだったが、色々と雑な上に危なすぎた。 - チャリオット作戦
1958年に立案されたアラスカのトンプソン岬を核爆発でほじくり返して、人工的な入江を作って港湾化する計画。
平和的な核兵器の利用方法として模索された「核兵器de土木工事」という、冷戦下の麻疹じみた核兵器万能説と雑さが融合して立案された狂気に満ちた土木工事計画である。
一応中止はされたものの、それでも懲りずに核兵器で第二パナマ運河掘削する計画とか考えていたりする。
なお同じくらい雑で核兵器大好きなソ連は核兵器による土木工事を本当に実行してしまった(チャガン湖で検索)。
ついでに言うなら日本でも日本住宅公団の初代総裁が「鋸山を核爆弾でふっ飛ばしてその土砂(と房総地区の山を削ってできた土砂)で東京湾半分埋めでそこに新しい首都作ろうぜwww」とか言ったことがある。 - キャッスル・ブラボー
米国面の雑さが最悪の形で現れた実例。1954年3月1日にビキニ環礁で行われた水爆実験で、当初の予定出力は6メガトン程度だったが、実際は3倍近い15メガトンもの威力を発揮。これは、アメリカが行った核実験で最大の威力である。この実験によって予想を超える広範囲に死の灰が降り注ぎ、第五福竜丸を初めとする数百隻の日本の漁船やロンゲラップ環礁の住民が被爆。その数は2万人以上に上った。 - USSエンタープライズ(CVN-65)
設計にキティ・ホーク級のものを踏襲したため元のボイラーがあった位置に潜水艦用原子炉8つをポン付け(※キティ・ホーク級は8つボイラーを積んでいた)。おかげで原子炉の燃料棒交換では交換費用の高騰にのたうち回る羽目になり、その反省からニミッツ級&フォード級では専用原子炉2つ搭載になった。 - アメリカのスーパーマーケット
大手は基本的に「規模のデカさ」・「雑さ」・「量」を併せ持ったような感じ。ただしそれ故格安を実現しているチェーンも数知れず。 - スーパーセンター
上記ウォルマートが初めて採用した形態の店舗。
売り場面積のやたらめったら広い平屋の店舗に様々な商品を置き、会計は集中レジ一箇所だけで行うという非常に雑な合理的な形態の店舗。
日本ではベイシアグループとかMrMaxあたりが時々やっている。イオンのは同社の黒歴史ということで… - V8エンジン
何が雑ってアメリカでは車のチューニングに困ったらとりあえずエンジンをこれに載せかえとけという扱いが定番。RX-7やシルビア(180SXの米国バージョン240SX)用スワップキット(エンジン載せ換えキット)が売られているほか前述ボスホスやカノンのようにバイクにのっけた量産車が市販されている。 - ピント
フォードが1970年に発表したコンパクトカー。のちにクライスラーの社長になりクライスラーを再建するリー・アイアコッカが開発主任で、通常の半分近い開発期間でお手軽に作った車だが……。
フォード:燃料タンクの位置悪くて事故ったら燃えそうだけど、対策するより賠償金払う方が安そうだよね。
↓
事故発生、悪いのは対策しなかったフォード社の責任と認定。
↓
裁判所:賠償金1億ドル払えや(※のちに減額されたらしい)
フォード:な、なんだってー!!(AA略
……企業は自社製品による顧客の安全に対し責任を持たないといけないという企業倫理を勉強する上で必ず上がるネタとして有名になってしまった。 - マクドナルド・コーヒー事件
『コーヒーこぼしてやけどしただけでマクドナルドは270万ドルもの損害賠償を食らった』と書けば、ああ、アメリカ名物のアレでナニなトンチキ裁判だなと思うかもしれない。実態は『老婆に80度もの熱湯のコーヒーを温度を伝えず渡して重度の火傷、治療に二年もかかり娘は老婆の介護のために退職する羽目になったのにマクドナルドはたった800ドル払っただけで済まそうとしたため裁判所に焼きを入れられた』と書けば上記ピントの例を考えれば納得できるだろう。 - ダクトテープ
アメリカでいうガムテープのポジションの強力粘着テープ。
外見は銀色のガムテープ。
で、何が雑なのかといえば、「壊れたらとりあえずこいつで応急処置」的な使い方をされるという点。
車のドアが取れそう?ダクトテープで貼っとけ。
飛行機の外板が剥がれそう?ほい、ダクトテープ。
家具が壊れた?ダクトテープでとりあえず直しとけ。
國鐵廣嶋「え?テープでとりあえず修理って、何かおかしいの?ちょっと言ってる意味がわからない」 - 接着剤
近年のアメリカの一般向け工業製品(とりわけ電子機器)はガワに関してはネジ止めや爪で止めるのではなく、接着剤でくっつけて完成というのが主流。Appleの製品とかMSのSurfaceとか。
整備性?察しろ。iFixit激おこ - ピープル・エキスプレス航空
アメリカにかつて存在した航空会社。
いわゆる早割の制度がなく、いつ航空券を買っても値段が変わらないというシステムを採用していた。
そう、出発直前どころか搭乗後に航空券を購入しても、である。
このため「空席が残っていれば切符なしで搭乗し、機内で運賃を支払う」という駆け込み乗車…もとい駆け込み搭乗も可能だった。
世界広しと言えど、駆け込み搭乗ができる飛行機はピープル・エキスプレス以外には今後も無いだろう。
英国面(米国版)
- ロッキード P-38 ライトニング
双胴の間に操縦席を設けた独特な英国臭がするレイアウト。アメリカ陸軍の要求スペックを満たすためには双発エンジンが必要で、双発エンジン搭載で高い性能を出すレイアウトを考えたらこうなった。機体デザインは独特だが、戦歴はかなり良い傑作機。 - ベル P-39 エアラコブラ
エンジンを胴体中心部(主翼付近)に設置した。車のミッドシップと同じ考え方で高い旋回性能が期待され、当時開発されたばかりの37mm機関砲をモーターキャノンとして搭載できるこ とから期待されていた。試験機(非武装)では良好な性能であったため、実際に作られてしまう。が、いざ作ってみると重心にエンジンが近いため旋回性能は悪く、37mm機関砲を撃つと コックピットが一酸化炭素で充満するという糞仕様。アメリカでは不人気だったが、レンドリース先のソ連では戦闘機の迎撃や戦車・舟艇攻撃に大活躍。ソ連空軍のエースパイロットを多数輩出した。 - ノースロップ XP-56
試験機。「レシプロ機の限界を打ち破る」という迎撃機の仕様に応じて作られた機体。デザインはジャガイモに無尾翼の翼と二重反転プロペラが付いた感じ。 - XB-70
東西冷戦のあだ花、純白の死の天使。個別記事参照。 - ロックウェル XFV-12
伝説の出落ち戦闘機。個別記事参照。 - ダグラス A-4 スカイホーク
徹底的に簡潔な構造にした結果、機体重量は当初の要求の半分以下を達成したというある意味アメリカらしくない(失礼)攻撃機。 - ボーイング X-32
X-35(後のF-35)と制式採用の座を争った試作戦闘機。紅茶飲みながらハンバーガーしこたま食った奴がデザインしたとしか思えないキモカワ系非常に独特な外見。個別記事参照。 - ルータン ブーメラン
「スペースシップ・ワン」の設計者として知られるバート・ルータン氏が設計した左右非対称形状の軽飛行機。
機内からiPadでフライトプランを提出できるという謎の機能付き。 - ボーイング747
超音速旅客機がメジャーになったら貨物機に転用するつもりでいたら時代が「速さより大量輸送」に流れて旅客機の花形となってしまったとか、胴体を短縮したら二階客室部分でエリアルールを構成(主翼による断面積増加を吸収)して空気抵抗を減らす→燃費が良くなった(で、後の製造分にもフィードバックされる)とか、実は結構数奇な運命をたどった機体である。 - セスナ 336 スカイマスター / 337 スーパースカイマスター
機体の前後にエンジンを配置、双ブーム方式(尾翼を2本の梁で支える)という独特な形状の軽飛行機。
スーパースカイマスターはスカイマスターの強化版(降着装置を引き込み式に変更、ターボ追加、与圧構造の採用など)。
「エリア88」の漫画版でチラッと登場している。
見た目は奇怪だが臨界発動機(こっちが故障すると本気でヤバイことになるエンジン)という概念が不要という利点がある。 - アメリカ製の機器のインターフェース
合理性を重視するあまり、時に若干クセのある操作方法を要求されるものも生まれる。
だが慣れてしまえば案外快適に使えたりも。- Apple製品のインターフェース
- GEインスペクションテクノロジーズ USM25/USM35
GE系列企業「GEインスペクションテクノロジーズ」製の超音波探傷器。
「ファンクションキーで設定項目を選び、側面のダイヤルで選択・調整を行う」という操作方法を採用しており、(特にフィーチャーフォンやゲーム機などで十字キーとテンキーに慣れた我々日本人に取っては)初見では面食らう。
しかし慣れてくればダイヤル式のお陰で素早く操作できるので慣れれば他社の探傷器にはちょっと移行しづらくなる(本項目を追加した編集者もその一人)。 - GEインスペクションテクノロジーズ USM Go
上記USM25/35シリーズの後継機。
今度は左側の十字キーに操作系の殆どが集約されているという仕様に。
我々としてはこっちのほうが馴染みやすいかもしれない。
どちらもぶっちゃけ日本国内での代理店である「信明ゼネラル」のサイトを参照してもらったほうが早いかも。
- Crusoe/Efficeon
今は亡き半導体設計会社、トランスメタ社が開発したCPU。普通CPUというのは命令(機械語)1つ当たり1つの回路を用意し、それがたっくさん集まっているものなのだが、こいつらは回路と命令の間にデコーダー(翻訳機)を挟み、デコーダーに内蔵されたアプリでx86の命令を自身にわかるVLIWにわざわざ変換して命令を実行[3]していた。なんでこんなめんどくさいことしたかというと、こうすることで回路設計そのものはシンプルになるしデコーダーのソフトを書き換える(基板にフラッシュメモリを内蔵していた)事でintelやAMDがCPUの命令増やしてもソフトの方で追いつけるというメリットがあった。しかし結果としてクロック当たりの性能は当時のPentiumIIIの6割程度、超低電力以外のメリットが全くないという代物になってしまった。おまけにCrusoe第二世代は製造を依頼した工場が投入した新技術に問題がおきて製造できない事態に陥り大コケ。トランスメタは製造依頼する工場を変えて第三世代に相当するEfficeonを投入したが時すでに遅し。「今は悪魔が微笑む時代なんだこれからは省電力の時代なんだ!」と覚醒したintelの切り札PentiumMに自身が開発した市場を荒らされ、哀れトランスメタ社は2009年に買収の憂き目にあった。 - MOS 6502
ファミコンやAppleIIやコモドール64に採用されたことで知られるCPUだが、かなーり変態な設計がなされている。個別記事参照。 - ACE3000
「やべえ、オイルショックで石油手に入らなくてディーゼル機関車動かせないかも知れないどうしよう?」→「よろしい、ならば蒸気機関車だ」
てなわけで計画された現代型蒸気機関車計画。
一応「アメリカ国内では石炭掃いて捨てるほど採れるしならば代替手段としては文句ないよね」という至極当然な発想に基づく計画ではあるのだが、原油価格が下がったために開発する必要が無くなってお蔵入り。 - ペンシルバニア鉄道『S2』
前述S1のボイラーを流用した驚異の蒸気タービン機関車。低速では火室の温度上昇がひどく火室を固定するボルトの破損が頻発、製造後2年でポイされた。 - ペンシルバニア鉄道『R1』
1934年に1両だけ製造した試作機関車。D型電気機関車(※駆動輪8つ)なのだが車軸配置4-8-4、つまり駆動輪を4軸台車に載せている(普通はD型の場合曲線を考えて2軸台車×2にする)。その長~いホイールベースはちょっときつい曲線で脱線するためポイントでの脱線事故を頻発した。ペンシルバニア鉄道のいつもの癖だと速攻でポイするはずだが、こいつはなぜか24年も使い倒され1958年にようやくお役御免となった。 - クライスラー A57
前述M4中戦車のために開発されたエンジンの一つ。専用のマウントに直列6気筒エンジンを5基マウントし扇形30気筒エンジンを無理やり実現した。6気筒エンジンがマウントからにょきにょきと生えたように見えるその姿はまさにエンジン界のネオエクスデス。さらにこれの奇怪なことはこんなアレな構造にもかかわらず整備しやすかったと宣わった人間が結構いた(整備性については賛否両論だったらしい)事である。まさに、整備の 法則が 乱れる! - エドセル
フォード社の自動車開発史上に燦然と輝く黒歴史。フォード車が1950年代に発表したブランドなのだが、出した車がどいつもこいつも大外れの大失敗、ブランド設立後たった三年で消滅したという伝説のブランドである。ちなみにエドセルとはかのヘンリー・フォードの息子で夭折したエドセル・フォードの名にちなむがフォード一族はその名を使うのは大反対だったらしい。 - ジャイロ-X
車体に巨大なジャイロを内蔵した倒れない二輪自動車。これだけでも十分にすごいが、これが製造されたのは何と1967年!人類が月に行く2年も前の事である。同名のホンダの3輪スクーターとは無関係。 - クォーターホース
西部劇でお馴染みの馬。
瞬発力を重視した改良で短距離ならサラブレッドよりも足が速いと言われており、瞬間的に90km/h近くを出した記録もあるとか。
車のゼロヨン競技やドラッグレースはクォーターホースで行っていた短距離競走がルーツ。 - ヤード・ポンド法へのこだわり
信頼性を取って古いものを末永く使うことが多い(=規格も古いものを使わざるを得ない場合も出てくる)軍事方面のみならず、民間でもヤード・ポンド法がまかり通っている。道路交通じゃあ速度制限とかスピードメーターはマイル表示だったり。 - 奇妙な色彩感覚
上記コストコの妙な色の巨大ケーキや、或いは某ド派手な色の馬のキャラクターなど真面目に考えれば「そりゃねーわ」と突っ込みたくなるような奇妙な色彩感覚。 - ポラロイド
デジカメ登場以前は、銀塩フィルムを使うカメラは撮影後に画像印刷されるまで数日~数時間待つ必要があった。
エドウィン・ハーバード・ランドの3歳のょぅι゛ょ 、もとい娘の「どうして撮影した写真がその場でみえないの?」の素朴なツッコミからインスタントカメラは発明された。
当時の大きなレンズや印画紙を鏡を巧みに使う事で薄く平らに折りたたむそのデザインは、現在でも物語などで目にしていると思う。
撮影されたインスタント写真は当時は画質の良い複製が出来ず、その後デジカメやスマホの台頭によりポラロイド社は破産に追い込まれたが、デジタル画像の複製があたりまえになると、その時その場所の空気に触れた一枚に価値が出るようになった。現在、他のインスタントカメラ(チェキなど)と共に復活中。 - ファルコン9/ファルコンヘビー
前述スペースX社が開発したロケット。スペースシャトルじゃないのになんと1段目が再利用が可能。その方法が豪快で、2段目を切り離した後ロケットをふかしながら減速、ゆっくり最初の打ち上げた場所に戻ってきて立ったまま着地……、漫画かよ!!
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脚注
- *配備されたのは4000t弱の駆逐艦である
- *当時併売していたPentiumIIIとは実はクロック当たりの性能は負けていた。ただしクロック数はPentiumIIIの倍以上であり結果として高性能となっていたのである。
- *似たような仕組みはPentium4にも採用されている。ただこちらはソフトの書き換えなど全く考慮されてなく、速度にパラメータ全振りしているようなものである。Crusoeは逆に低電力駆動に全パラメータを振ったと考えることができる。
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