Item #: SCP-447 - Ball of Green Slime (緑のスライム)
Object Class: Keter Safe
特別概要プロトコル
SCP-447のオリジナルの文章はインターネット上に掲載されています。英語が理解できない職員に向けた翻訳文章も存在します。閲覧は全てのクリアランスレベルの職員が利用可能です。
SCP-447と死体を接触させてはなりません。死体と接触しなければSCP-447-2は非常に有益な性質を持つ物質です。職員はSCP-447-2と死体が接触した場合にどうなるかと言う事を考えるのに無駄な時間を費やすより、死体との接触の恐れが限りなく低い分野におけるSCP-447-2の有用性の研究を行ってください。SCP-447と死体との接触の危険性は明白であり、O5の指令により、死体との接触に関する研究は禁止されています。違反者は予告なしに抹殺もしくはクラスD降格となります。重ねて言いますが、SCP-447と死体を接触させてはなりません。
説明
SCP-447は、英語圏のシェアワールド創作作品群「SCP Foundation」に存在するオブジェクトの1つです。特に断りのない文脈である場合、通常はSCP-447-2の事を指してSCP-447と呼ぶ傾向にあります。SCP-447は2つのオブジェクトにより構成され、それぞれSCP-447-1とSCP-447-2と呼ばれます。
SCP-447-1は直径約5cm、重さ1.37kgの緑色をしたスポンジのような球体です。触ると人肌程度に暖かく、中心部は更に若干高温なようです。アメリカ合衆国カリフォルニア州███████市██████████で回収されました。SCP-447-1を回収した際に事件が発生し、SCP-447の危険性が判明しました。この為一時的にSCP-447はKeterに指定されました。
SCP-447-2はSCP-447-1から生成される粘性の高い緑色の液体であり、口語的に「緑のスライム」と呼ばれます。SCP-447-1は1時間当たり約10ccの割合でSCP-447-2を生成します。足りない質量がどこから生成されるのかは不明です。SCP-447-2は悪臭がありますが、本質的に無毒性、非腐食性、非放射性であり、食用可能です。死体に接触しない安全対策が施されている限り、輸送は通常のプラスチック・ガラス容器で十分です。様々な物質にSCP-447-2を混合すると、あらゆる性能が、大抵は2倍に向上する傾向にあります。ただしこの性能向上は、場合によってはデメリットになる場合もあります。食用では、特に野菜ドレッシングに有用である事が判明しています。食肉の味も改善しますが、ステーキが死体に含まれる恐れがあるため生きた状態で接触し、その後加工の過程で除去されます。また、影響を受けた物質は大抵緑色になり、SCP-447-2を食べた人物の息や、燃やして発生した煙はミントの香りがするようになります。蒸留プロセスAppendix 447-Cで精製されたSCP-447-2は、優れた潤滑剤として財団の保有する装置へ利用する事が許可されています。ただし死体を潤滑するのに使用される事はありません。
SCP-447-2の危険性は、死体と接触する事です。その初期効果は[O5指令により抹消]。この為、SCP-447が収容されている透明な50ガロン (約190リットル) のプラスチック容器に常に保存され、溢れないように監視します。最低1日1回、クラスD職員によって回収されます。SCP-447-2と死体が接触するリスクを最小限にする為、SCP-447保存区域はレベル1クリーンルームに保たれ、埋葬所・死体公示所・霊安室から10km以上離れていなければなりません。SCP-447を取り扱う全ての職員は自殺、死体愛好、殺人の傾向がないか、ポリグラフテストを通過する必要があり、加えて職員は健康かつ良好な体調である必要があります。敷地内では死体を出さない安全対策が保たれている必要があり、職員はそれを順守する必要があります。これが理由でブライト博士やSCP-076-2はSCP-447との接触が禁止されています。
このように、SCP-447は本質的に危険な性質を持ちますが、その性質が現れる条件が明白化されており、管理された状況では安全に取り扱う事が可能です。正確な性質が判明した事によりSCP-447はKeterからSafeへと格下げされました。これは、SafeとKeterの違いを学んだり、Safeは危険性が無いというよくある誤解を否定する良い例です。一方で、保管にはクリーンルームが要請されながら、微生物の死体で溢れている生体に浸したり食用にしても問題ないなど、微生物が死体にカウントされるかは謎です。微生物そのものには影響をもたらすようです。
SCP-447と死体との相互作用で何が起こるのかは論争の対象ですが、結果が伏せられている事から不明です。「ゾンビになる」「生き返る」「地球が大変な事になる」など、様々な回答のどれかは正解かもしれませんし、全て間違っているかもしれません。ただし結果について考える事は禁止ですし、実験はもっての他です。禁止と明示されている以上、SCP-447と死体を接触させてはなりません。絶対にです。
実験記録447-a
以下は「実験記録447-a」から抜粋したものです。明らかに無駄な物や、死体との接触可能性が高そうな実験が多そうなのは気のせいです。
通常物質との試験
- モルモット (ペットショップで購入) : 窒息しないように顔を出しながら5分間浸した。付着したSCP-447-2の除去に数時間毛繕いを要したが悪影響は見られず。毛皮からSCP-447-2を除去した後に食した結果は「これまでで最高の食用モルモット」であったとの事。ステーキが死体にカウントされる恐れがある事からマリネへの使用要請は保留。
- ペンティアム4 コンピューター: 5分間浸した所、ベタベタに固まって二度と使用できなくなった。こんな事を思いつく頭は蹴り飛ばせ。
- 即席スモークグレネード: 硝酸カリウムと砂糖との混合物を燃やした所、発煙量が10倍、持続時間は5倍になった。ただし煙のはミント臭になった。野外では死体との接触の恐れが高すぎる事から実用化は保留。
- 速乾セメント: コンクリートは緑がかった色になり、硬度は2倍になったが固化時間も2倍になった。固化に時間が掛かり過ぎ、その間に死体が中に落ちるリスクがある。
- 水の汚染除去: 水は緑色になった以外は正常。汚染は78%まで減少。プールの消毒剤用途が見込めるが、スイマーはしばしば不注意で死体になる。
- コンドーム: コンドームをA██████博士の[削除済]に装着し表面にSCP-447-2を塗布、[削除済]により試験。「非常によくいった」事から "それ" 用の潤滑剤としての用途が見込まれるが、屍姦愛好家が注意書き程度で使用をやめるだろうか。
- 車のガソリン、エンジンオイル、ウィンドウォッシャー液、ラジエーターへの添加: いずれも燃焼効率の150%増大、16万マイルに渡る完璧な潤滑、新品同様の完璧な窓ガラスの清掃、340℃までオーバーヒートを起こさない等の改善が見られた。副作用として排気や排水、窓ガラスは緑色になった。ただし運転手はしばしば死体になる。
- ██████ブランドのダクトテープ: テープは通常の2倍の接着力でコンクリートブロックに貼り付いた。剥した跡は緑色になった。ダクトテープの用途を考えると、死体への接触確率は高い。
- 原子炉: 中性子線の減速材にSCP-447-2を使用。減速能は[編集済]倍に増加したが、その影響で内部温度が急上昇、警報が作動した。チャンバーは緑がかり、ミントの香りが残された。危険な実験を無認可で行ったKaczka博士はO5により矯正施設へ送致された。
- コルト・パイソン: メンテナンス用の布をSCP-447-2に浸し、油の代わりにSCP-447-2を使用したところ、弾速や命中精度の増大、反動の軽減などが見られた。装填された未使用の銃弾は緑色になりミントの香りになったが、別の銃に転用しても効果は維持されなかった。ただし、銃は本質的に死体を作る道具である。
- 靴・服: SCP-447-2に浸した所、足が若干早くなり、靴ひもがほどけにくくなった靴と、着心地が良く破れにくくなった服が出来た。ただし、現代の死体は大抵服を着ている。
- 消毒剤: 手に付けたところ雑菌を通常より30%多く殺菌したが、生き残った細菌はより有害になり、抗生物質への耐性も高まった。これにより手には複数の傷が現れ、数日後に消滅した。実用化にはスーパー耐性菌の問題に加え、死体に消毒剤が使用されるリスクも伴う。
SCPオブジェクトとのクロステスト
- SCP-882 (機械): SCP-447-2を潤滑剤として使用したところ、摩擦とノイズを50%軽減する事に成功したが、同時に錆も全て取れてしまった為、直ちに海水へと戻された。関わった職員は検査の為隔離。A. クレフ博士「二度と試さないように。」
- SCP-500 (万能薬): SCP-447-2に5分間浸した所、SCP-500は全ての病気を治療する効果に加え、被験者の息をさわやかなミントの香りに変えた。A. クレフ博士「何を期待して、なにが起こると思ってた?」
- SCP-076-2 ("アベル"): SCP-447-2と███████ブランドのウォッカ、氷を良く振ってピッチャーに濾し、ミントとライムを加えたカクテルをSCP-076-2に飲ませた。本人曰く「さわやか」であるとの事だが、死体との接触効果を聞くと興味を失った。SCP-076-2は死体になるか死体を作る傾向にある為これ以降接触は禁止された。
- SCP-458 (はてしないピザボックス): エージェントPalhinukがそれぞれ片手にSCP-447-2入りカップとSCP-458を持ちピザを1枚生成。SCP-447-2に変化は無し。味見するとPalhinukはクリーミーイタリアンドレッシングの味がすると述べた。食べるにつれ息はミントの香りがするようになった。ドレッシングとして有望であるが、ピザを食べ過ぎる人は死体になりやすい傾向にある。
- SCP-914 (ぜんまい仕掛け): それぞれ円筒形ガラス容器に入れた1リットルのSCP-447-2を入力。
"Rough": 正確に10等分された、円筒形ガラス容器入りのSCP-447-2。
"Coarse": 円筒形ガラス容器に入ったSCP-447-2。ハンドウイルカに類似した組成及び2時間の半減期を有する[編集済]が含まれており、これを徐々に分解させる方法で回収。味はシンプルかつ素朴で驚くほど魅力的であるとの事で、味見した料理長は料理に使うために5リットルを要請。要請は却下された。
"1:1": 1体の死体が出力された。以降SCP-914での試験は禁止された。 - なお、死体を入力し "Very Fine" を設定した結果、SCP-447-2が生成された事を受け、死体の試験も禁止された。
その他
- A. クレフ博士: クレフ博士を廊下で待ち伏せ、SCP-447-2で満たした浴槽へ引き摺り込み、約25秒間浸した。対象は激高し、もし実験手順に違反しないなら実験を行ったスタッフを殺してやるところだと脅した。
- スナイダー教授: 乱視携行の両目にSCP-447-2を注す。6時間ほど視野が明瞭になったが全てが緑色に見えた。効果はその後消えたが瞳は緑色になったままである。
- ██████製携帯電話: 浸した所ダメになった為焼却炉に放り込まれた。灰や煙は緑色でミントの香りがした。ペンティアム4がダメになった事が判明した後の試験である。エージェントPalhinuk「ねえ、誰か僕の携帯電話知らない?」
- 死体: 試験は中止。実験を計画した研究者はクラスDに割り当てられた。
SCP-2798 (この死にゆく世界)
SCP-001 (SCP-001-kln) の封じ込めの為、財団はエネルギー場であるSCP-2798を維持しています。その維持に重要な化合物Z21-バイオレットの合成にSCP-447-2が他のSCPオブジェクトと共に使われています。SCP-447-2は、化合物Z21-バイオレットの効果範囲を指数関数的に拡大するための触媒として用いられた。これにより1954年前半からSCP-2798を運用し、SCP-001の封じ込めの維持に成功しました。ただしSCP-2798は2005年から指数関数的に強度が減少しており、近い将来消滅すると予測されています。
2016年11月2日、SCP-2798は機能を停止しました。SCP-001は未収容です。世界規模の緊急プロトコルを実行中です。
創作記録447
447-A: 映像記録
447-B: 静止画記録
注
「君たち、本当にそんなに難しい事か?死体は無しだと言ってるだろう?全く、決して、絶対にだ。考えるのも冗談にするのも、ましてや試すのは絶対に駄目だ!まったく。」
関連付録
拡張リンク記録
- 3
- 0pt