ウォッカ(водка、vodka)とは、ロシア人の燃料である。
最近はよりロシア語に近い発音としてウォツカ、ウォトカ、ヴォトカなどとも表記される。
ウォッカ(名探偵コナン)→黒の組織
概要
ロシア・中東欧などで広く飲まれる蒸留酒。ジンや焼酎と同様、様々な素材を原料として作られる。ライ麦・大麦、ジャガイモなどを原料とすることが多い。原酒を白樺の炭で複数回ろ過するので、ほぼ無色透明無味無臭のお酒である。ジン、ラム、テキーラとともに4大スピリッツと呼ばれることもある。
カクテルに用いると、素材の風味を生かしたまま酒らしく仕上げることができる。カクテル作りではジンと並んで出番の多い蒸留酒である。バンドで例えれば腕の立つベーシストかドラマーといったところか。
フルーツジュースとの相性は抜群で、生フルーツを用いたカクテルを作るときにアルコール分を確保するのに重宝する。氷結など一部のチューハイでは焼酎の代わりに原料として用いられている。
本場ロシアではストレートで飲むことが原則とされ、水や氷を加えたり、カクテルにするなどの飲み方は本来は邪道とされる。冷凍庫で冷やすか、厳寒期には戸外で氷点下まで冷やしとろりとさせたものをストレートで飲むこともある。ただしアルコールは全身の血管を拡張し、結果として体温の発散を高めるために、ほんとに寒いときはアルコールの摂取は避けた方がいい。死ぬよ?
その他、しばしばロシアの文学や民間療法などに登場し、ロシア人とロシア文化の主要な一翼を担っている飲料である。ロシアではウォッカのアルコール度数は40度が標準となっているが、これについてはウォッカの製造法を標準化し度数を定めたのは周期表で有名な科学者メンデレーエフだという俗説がある。
酒飲みで有名だったボリス・エリツィン元大統領一行が来日した際には、泊まったホテルにあったウォッカが払底し仕方なくジンやブランデーを供したなどと言う逸話も残っているが、現在のロシアでは経済発展に伴って健康志向が広まっており、ウォッカの消費は冷え込んでいる。
ほかの蒸留酒と同様、様々なブランドが存在し、それぞれ個性がある。自信があるならば飲み比べてみるのも一興。本来は精製された無味無臭で純粋な水とエタノールに近いものが上質とされるが、スパイスや香草などで風味をつけたフレーバード・ウォッカも普及している。
ちなみに、語源は英語のwaterと同語源で、印欧祖語 *wed-/wod-”水”。それが変化して出来たロシア語で水を表す "вода(voda)" に縮小辞をつけたもの。ようするに、水のようなもの、水に準じるものというのが本来の意味。
ウォッカにまつわる伝説
…そして最後にディミトリー大公が、タタールの軛からロシアを解放した。彼は1380年、ドン河畔の戦闘でママイ汗を打ち破り、それによってドンスコイと言う尊称を得た。これはドンの、と言う意味で、森の精が大公に加勢したので、迷信深いタタール軍が逃走したといわれている。
そうだったにしても、森の精の魔力は長持ちしなかった。すでに二年後にはトフタムイシ汗が押し寄せて、国土を荒らし、モスクワを - 初めて - 焼き払っているからである。母なるロシアは戦りつした。
大公ディミトリー・ドンスコイは逃げた。遠くから自分の町が燃えるのをながめた。彼は切り株にしゃがみ、あごに手を当てて泣いた。その前につぼがあった。あつい涙がつぼに落ちた。父なるディミトリーが立ち上がって、さらに馬を走らせたあと、一人の百姓がそのつぼを見つけた。彼は、水だと思って、のどが渇いていたので飲んだ。舌を刺すような味がしたが、うまいことはうまかった。つぼを飲みほして、百姓は酔っぱらった。
と彼は鼻歌を歌った。
「お泣きであった。おれが、涙を飲んでやった。これを飲むやつは泣かなくちゃならん。」
つぼの中には少し麦が入っていたのだ。それがモスクワの火事にあぶられ、大公の涙がひたすうち、ウォッカになったのである。ウォッカはディミトリーの涙からできたのである。ウォッカは人を悲しくする。
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