Team Monlau
とは、MotoGPのMoto3クラスに参戦するチームである。
2012年から現在に至るまでメインスポンサーがEstrella Galicia0.0
で、
チームの正式名称も「Team Estrella Galicia0.0」である。
このチームはMarcVDSとは無関係のチームで、MarcVDSとの共通項はEstrella Galicia0.0をメインスポンサーに持つことだけである。
MarcVDSと区別するときは「Team Monlau」とか「Team Monlau Competicion」などと呼ばれる。
ライダー
チームのボス
Team Principal という肩書き。「チームの中心人物」と和訳できる。
ホンダで0勝チャンピオンになる
1999年MotoGP125ccクラスにおいて、0勝で年間チャンピオンに輝いた。ランキング2位のマルコ・メランドリ
との差は僅か1ポイント差だった。日本語版Wikipedia
に、1999年の戦歴が載っている。
G+の解説でおなじみの坂田和人さんや上田昇さんは現役当時のエミリオとずっと戦っていてエミリオの性格をよく知っている。「エミリオは非常に強気な性格だった」と2人とも証言している。
現役時代はほとんどのシーズンをホンダで戦った。1999年チャンピオン獲得の際もホンダのマシンだった。ヨーロッパの選手でホンダ党になる人は結構珍しい。
現役引退後はホンダとの関係が深いレース専門学校Monlau Competicion Repsol Technical School
のCEOになったのだが、これは現役時代にホンダと関係が深かったからと言えるだろう。
マルケス兄弟のマネージャーになる
マルク・マルケス&アレックス・マルケス兄弟の個人マネージャーでもある。
MarcVDSのMoto2チームにはアレックスの応援をするためピットに訪れるし、レプソルホンダにはマルクの応援をするためピットに訪れる。Moto3のTeam MonlauやMoto2のMarcVDSのピットにいるときはEstrella Galicia0.0のシャツ、レプソルホンダにいるときはレプソルホンダのシャツに着替える。スポンサーのためにそうしているわけだが、いちいち着替えねばならず面倒だろう。
心配性
マルク・マルケスが125ccクラスやMoto2クラスにいたときは、ピットウォールスタンド(メインストレートのコース脇にある走行情報の機械があるところ)の近くにいて、そこのテレビ画面を見るのがいつもの姿だった。気が向いたらピットウォールにいき、ぶら下がって両手を下にして、走行中のマルクに「落ち着け、落ち着け」とメッセージを出していた。
マルクが転びそうになると、やたら大きなリアクションをしていた。アメリカのコメディテレビ番組の出演者のように、飛び上がるような仕草をしていた。これを見た坂田和人さんや上田昇さんが「現役時代はあれだけ強気だったエミリオが、あんな風になるなんて」とビックリしていた。
マルク・マルケスのことになるとエミリオは心配性になるらしく、次のエピソードでもそのことがわかる。2014年7月の時点でマルク・マルケスとヴァレンティーノ・ロッシは仲がよく、ロッシは自分のトレーニングコースであるランチにマルクを招待していた。そのとき、エミリオ・アルサモラは「ロッシのランチでレースなんかしたら、危ないだろう」と言い、心配そうにしていたという。この記事
でロッシが語っている。
2015年ケーシー・ストーナー代役参戦を妨害したと疑われる
マルク・マルケスのことになると異様に心配性になるため、2015年のケーシー・ストーナー代役参戦を妨害したのはエミリオだろうとささやかれている。
2015年開幕戦のあと、ダニ・ペドロサはあまりにも腕が痛むので、腕上がりの手術を受けることにした。第2戦のアメリカズGPでは代役を立てることになったが、そのときケーシー・ストーナーが「代役参戦しても良いよ」とホンダの首脳に伝えた。ところがホンダの首脳から返ってきた答えは「ケーシーに良い成績を挙げさせるような体勢が整っていない」という、なんとも歯切れの悪い声明を出して、ケーシーの申し出を丁重に断っていた。
この記事
で、中本修平HRC副社長が「ケーシーの申し出を断るのは辛かった」と語っていて、その判断は中本修平HRC副社長の本意では無かったのではないか、誰かの圧力・要請を受けて仕方なくケーシーの申し出を断ったのではないか、と噂されるようになった。
となると、真っ先に疑われるのは心配性のエミリオ・アルサモラだった。「代役参戦のケーシー・ストーナーにマルク・マルケスが負かされたらマルクの自信が粉々に打ち砕かれるかもしれない、だからケーシーの代役参戦を妨害しよう」とエミリオが考えてもおかしくない。
エミリオの後ろ盾として巨大石油企業のレプソルが控えているので、エミリオが要請すればホンダの首脳もその意向を受けざるを得ない。
ケーシーはホンダ首脳の人々の態度から、「ホンダ首脳はマルク・マルケス周辺の人物から圧力を受けて自分の申し出を断っている」と直感したらしく、この記事
でそのように語っている。
中本修平HRC副社長もリヴィオ・スッポ監督も口が固いので、この件についての決定的なコメントはしていない。
Team Manager という肩書きで、つまりチーム監督。
Team Monlauが選手と契約することを発表する記事には、彼の姿が見える。(記事1
)
Twitterアカウントあり
。1981年11月6日生まれとまだ若いので、MotoGPライダーと一緒にトレーニングする姿がいくつか上がっている。
戦歴
MotoGPのMoto3クラス
2012年、Moto3クラスが始まると同時にチームを立ち上げて参戦開始した。2019年現在に至るまでMoto3クラス専門のチームである。
2013年を除いて、全ての年でホンダのマシンを使用している。ホンダの重鎮である中本修平HRC副社長
や桑田哲宏レース運営室室長
や国分信一開発監督
がちょくちょくピットにやってくる。
Estrella Galicia0.0やレプソルの手厚い支援があって資金力が高く、2014年にはオーリンズ(スウェーデンのメーカー)
の非常に高価なサスペンションを使用していると話題になった。また、ライダーへ支払われる給料も高額であるとの噂があり、この記事
では2018年にアロン・カネットがTeam Monlauに20万ユーロの年棒を要求したと書かれている。
スペイン・カタルーニャ州バルセロナに拠点があるのでスペイン人ライダーを起用することが多い。
| 2012年 | アレックス・リンス | ランキング5位 | ルーキーイヤーで表彰台1回 | |
| ミゲール・オリヴェイラ | ランキング8位 | キャリア2年目で表彰台2回 | ||
| 2013年 | アレックス・リンス | ランキング2位 | 6勝しながらも大接戦の末チャンピオンを逃す | |
アレックス・マルケス![]() |
ランキング4位 | ツインリンクもてぎでキャリア初優勝 | ||
| 2014年 | アレックス・マルケス![]() |
チャンピオン | 兄弟同時チャンピオンに輝く | |
| アレックス・リンス | ランキング3位 | 2勝を含む表彰台8回 | ||
| 2015年 | ホルヘ・ナヴァーロ![]() |
ランキング7位 | ルーキーイヤーで終盤に表彰台4回 | |
| ファビオ・クアッタハッホ | ランキング10位 | ルーキーイヤーで序盤に表彰台2回 | ||
| 2016年 | ホルヘ・ナヴァーロ![]() |
ランキング3位 | Moto2移籍が決まった後転倒続出 | |
アロン・カネット![]() |
ランキング15位 | ルーキーイヤーで表彰台1回 | ||
| 2017年 | アロン・カネット![]() |
ランキング3位 | 3勝を含む表彰台5回 | |
エネア・バスティアニーニ![]() |
ランキング6位 | 前半不調ながら後半表彰台3回 | ||
| 2018年 | アロン・カネット![]() |
ランキング6位 | 前半で2位4回も後半絶不調 | |
アロンソ・ロペス![]() |
ランキング23位 | ポイント獲得4回に留まる | ||
| 2019年 | アロンソ・ロペス![]() |
|||
セルヒオ・ガルシア![]() |
CEVのMoto3クラス
CEVという若手育成選手権がある。かつてはスペイン選手権と呼ばれていたが、スペイン以外の国でもレースを開催されるようになったのでその名で呼ばれなくなった。2019年はスペインで5ヶ所、ポルトガルで1ヶ所、フランスで1ヶ所、サーキットを使用してレースを行う。
Team MonlauはCEVの軽排気量クラスに参戦している。初めて参戦したのは2009年で、それ以降毎年参戦している。常にチャンピオン争いに加わる強豪となっている。
軽排気量クラスは2011年まで2ストローク125ccマシンで争われ、2012年以降はMoto3クラスと改称されて4ストローク250ccマシンで争われるようになった。MotoGPの軽排気量クラスと全く同じ。
CEVのMoto3クラスにおいても、ホンダとKTMの2大メーカーが激しい競争をしている。2012年以降のTeam Monlauは2013年を除く全ての年でホンダのマシンを採用している。
| 2009年 | エドガー・ガルシア | ランキング18位 | 0勝 | 結果![]() |
|
| 2010年 | アレックス・リンス | ランキング3位 | 1勝 | 結果![]() |
|
| ニクラス・アジョ | ランキング5位 | 0勝 | |||
| アレックス・マルケス | ランキング11位 | 0勝 | |||
| 2011年 | アレックス・リンス | ランキング1位 | 2勝 | 結果![]() |
|
| アレックス・マルケス | ランキング2位 | 2勝 | |||
| フランチェスコ・バニャイア | ランキング3位 | 1勝 | |||
| 2012年 | アレックス・マルケス | ランキング1位 | 2勝 | 結果![]() |
|
| フランチェスコ・バニャイア | ランキング3位 | 1勝 | |||
| ロレンツォ・バルダッサーリ | ランキング8位 | 0勝 | |||
| 2013年 | マルコス・ラミレス | ランキング2位 | 0勝 | 結果![]() |
|
| マリア・エレーラ | ランキング4位 | 0勝 | |||
| アレッシオ・カステッリ | ランキング37位 | 0勝 | |||
| 2014年 | ファビオ・クアッタハッホ | ランキング1位 | 9勝 | 結果![]() |
|
| マリア・エレーラ | ランキング8位 | 1勝 | |||
| 2015年 | アロン・カネット | ランキング3位 | 4勝 | 結果![]() |
|
| ジャウメ・マシア | ランキング5位 | 0勝 | |||
| 山田誓己 | ランキング10位 | 0勝 | |||
| 2016年 | アロンソ・ロペス | ランキング5位 | 0勝 | 結果![]() |
|
| ヘレミー・アルコバ | ランキング11位 | 0勝 | |||
| ジャウメ・マシア | ランキング15位 | 0勝 | |||
| 2017年 | アロンソ・ロペス | ランキング3位 | 3勝 | 結果![]() |
|
| ヘレミー・アルコバ | ランキング5位 | 1勝 | |||
| セルヒオ・ガルシア | ランキング7位 | 1勝 | |||
| 2018年 | セルヒオ・ガルシア | ランキング2位 | 4勝 | 結果![]() |
|
| ヘレミー・アルコバ | ランキング4位 | 0勝 | |||
| アンドリュー・ネスビット | ランキング26位 | 0勝 | |||
| 2019年 | フリアン・ジラル | ||||
| ダニエル・オルガド | |||||
| 山中琉聖 |
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スペイン北西部の大西洋に面したガリシア州
で1906年から作られているビールがEstrella Galicia
で、和訳すると「ガリシア州の星」となる。そのためラベルには六芒星のマークが入っている。
Estrella Galicia0.0
はノンアルコールビールのブランド。Team Monlauには未成年ライダーが多いので、彼らにアルコール度数5%の酒を宣伝させてはいけない。
2012年から名門チーム「Team Monlau」のメインスポンサー。
2013年からレプソルホンダのスポンサーになり、レーシングスーツの右鎖骨にプリントされるようになった
。
2015年からMoto2と最大排気量クラスに出走するMarcVDSのメインスポンサーを兼ねるようになった。
Estrella Galiciaの支援を受けるライダーたちがチームの垣根を越えてイベントをこなすこともある。画像1
、画像2
、画像3
スペインの石油企業。2輪レースに理解があり、CEV
のメインスポンサーを務める。
1995年からレプソルホンダ(最大排気量クラスのホンダワークス)のメインスポンサーである。
巨大企業レプソルの支援を受け、メカニックの育成をする2輪・4輪レース専門学校。
「レプソルの支援を受けるモンラウの競争技術学校」と和訳することができる。
モンラウ(Monlau)とは地名なのか人名なのか、よく分かっていない。スペイン・カタルーニャ州バルセロナのこの場所
に校舎がある。
MotoGPのメカニックやホンダの技術者が講師としてやってくる。今までのメカニックはレースの現場に身を投じて見よう見まねで仕事を憶えていくしかなかったが、この学校では一流講師がしっかりと教え込んでくれる素晴らしい環境が整っている。
CEO、つまり校長はエミリア・アルサモラ
が務めている。
この学校の概要を語る動画がある
。「オラ!(英語のHelloと同じ)」から始まるスペイン語動画。
この動画
やこの動画
でも、学校の活動内容が紹介されている。
マルク・マルケスもこの学校の支援を受けてきた
。この本
の147~148ページには2006年と2007年のマシンが描かれているが、マシンの真ん中にモンラウ技術学校の文字が入っている。
この動画
は、2015年のCEVのMoto3クラス最終戦を紹介している。モンラウ技術学校の生徒15人が8ヶ月かけて独自の車体を作り、そのマシンにMarc Garcia
というライダーを乗せて走らせた。レース1では完走できなかったが、レース2では17位で完走している
。また、このときは、ホンダの中本修平HRC副社長もピットにやってきている
。
公式サイト
、公式Youtubeチャンネル
、公式Twitter
、公式Facebook
、公式Instagram
あり。
モンラウ技術学校は4輪のレースにも参戦していて、そのときの画像がSNSに上がっているのだが、ちょっと面白い画像になっている。メインスポンサーらしき場所に「マグロ」というカタカナが踊っている
。
「Monlau MAGURO」で検索すると多くの画像がヒットする
。みんな、気になっていたのだろう。
そしてなんと、2019年シーズンのMotoGPのMoto3クラスに参戦するTeam Monlauの車体に、小さいながらも「MAGURO マグロ」の文字が入るようになった。フロントカウルの左
や、フロントカウルの右
に、赤色の文字が確認できる。また、レーシングスーツの右胸にも文字が見える
。
一体全体、これはなんなのか。モンラウ技術学校の公式ウェブサイトにもMAGUROの広告があるのだが、それはどこの企業にもリンクが付いていない。それゆえ、考察するしかない。
1つ目の候補は、FRIMEというカタルーニャ州バルセロナの水産加工企業である。この画像
で、マグロの字の近くに「FRIME Barcelona」と書いてある。同社のウェブサイトによると
、マグロとメカジキが得意分野の水産加工企業であるとのこと。同社を紹介する動画はこちら
で、この瞬間
では「鮪」の漢字が付いたシャツを着た従業員たちが写っている。
2つ目の候補は、TUNAMARという企業である。この画像
で、躍動する魚のイラストがマシンの横にデカデカと描いてあり、「TUNAMAR」という字が書いてある。この記事
やこの記事
によると、2000年にドイツ企業がスペインに進出することになり、アンダルシア州のカディス
に進出を果たし、TUNAMARという名の子会社を作った。マグロやメカジキを得意分野とする水産企業である。同社を紹介する動画はこちら
で、赤い刺身の画像が写っている。
RACCは、Real Automobil Club de Catalunyaの略で「王立カタルーニャ自動車クラブ」の意味。日本のJAF
、米国のAAA
、ドイツのADAC
と同格の自動車団体で、それらと同じように国際自動車連盟(FIA)
の傘下に入っている。
スペインにはもう1つReal Automobil Club de Espana(王立スペイン自動車クラブ)という自動車団体があり、本部が首都マドリッドに置かれている。スペインらしい地域対立と言える。
ラリー・カタルーニャ
という歴史あるラリーのレースの公式スポンサーである。
カタルーニャサーキットのF1レイアウトの最終シケインの名前も「RACCシケイン」である。空撮画像で、「RACC」の塗装を確認することができる
。
RACCはマルク・マルケスを支援したことがある
。
Team Monlauも支援していて、マシンのカウル
やレーシングスーツの左鎖骨部分
に名前がある。
1952年にカタルーニャ州バルセロナで創業したブレーキ製造企業。この動画
で、GALFERのシャツを着た技術者がライダーに話しかけている様子が写っている。
Team MonlauとMarcVDSは同じチームではなく、メカニックが2つのチームを異動するといったような人的交流も行われていないが、両チームの関係自体は非常に良好である。MarcVDSがTeam Monlauのスポンサーになっている。
Team Monlauのマシンには、MarcVDSを象徴するライオンのマークが付いている。(画像1
、画像2
) なぜMarcVDSの象徴がライオンかというと、同チームのオーナーであるマルク・ファンデルストラーテン
がアフリカのコンゴ
生まれだからである。コンゴにはライオンが生息している。
関連リンク
Estrella Galicia0.0
Team Monlauだけではなく、Estrella Galicia
の支援を受けているライダーやチーム全員が話題になる。マルク・マルケスやアレックス・リンス、ジョアン・ミル、MarcVDSなどである。
- Estrella Galicia0.0 公式Twitter

- Estrella Galicia0.0 公式Instagram

- Estrella Galicia0.0 公式Facebook

- Estrella Galicia0.0 公式Youtubeチャンネル

- Estrella Galicia0.0 公式ウェブサイト

Monlau Competicion Repsol Technical School
Team Monlauの母体であるレース専門学校。MotoGPやCEVや4輪レースの話題がSNSに出てくる。
- Monlau Competicion School 公式Twitter

- Monlau Competicion School 公式Instagram

- Monlau Competicion School 公式Facebook

- Monlau Competicion School 公式Youtubeチャンネル

- Monlau Competicion School 公式サイト

関連項目
- アレックス・リンス
- ミゲール・オリヴェイラ
- ファビオ・クアッタハッホ
- フランチェスコ・バニャイア(CEV時代はこのチームに在籍して参戦した)
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