マシンロボとは、「一般的な乗り物群が単独でロボットに変形する」というコンセプトで発売された、バンダイの変形ロボット玩具シリーズである。
テレビキャラクターの玩具を中心とするバンダイには珍しく、玩具オリジナルキャラクターを長期展開しているシリーズとなっていることが特徴と言える。
1982年ポピー(現・バンダイ ボーイズトイ事業部)から、まったくの手探りかつゼロから作り上げた変形ロボット玩具シリーズとして発売された。当初は超合金・ポピニカの延長として作られた、安価な変形トイ(通称「600シリーズ」)として展開。600円という値段は小遣いで集めやすいようにと決められたらしい。マシンロボの情報は徳間書店『テレビランド』誌上で独占掲載された。
当時ポピーの中心的デザイナーだった村上克司は、マシンロボシリーズを「アイデアの浪費」としながらも、「600円という価格と単純な動作で変形させるという制約のあるマシンロボのデザインが、ポピー企画室(現・プレックス)の若手デザイナーの育成に役立った」としている。
奇しくも1982年は『ダイアクロン』『超時空要塞マクロス』など、各玩具・模型会社から「パーツ差し替えを極力伴わない、リアルなビークルからの単体可変」をコンセプトとしたロボットシリーズが次々と発売されており、精密な変形ロボットの夜明けとも言うべき時期であった。
1984年初頭からマシンロボは、専用キャリアーの「ジェットギャリー」・DX変形キャリアマシン「コンバットギャリー」・要塞基地マシン「バトルベース」・敵キャラクター「デビルインベーダー」・合体パワードスーツロボット「バトルアーマー5」と「ランドコマンダー5」を発売。変形するコレクション玩具から秘密基地ごっこ遊びができる玩具シリーズにシフトした。
1985年のマシンロボは、『ゴーボッツ』として海外進出。この時点で日本国内でもアニメ化企画が持ち上がった他、玩具自体の売り上げも1985年当時のバンダイでは1300~2000万台となり、堂々1位を獲得する。続いて合体マシンロボ「マシンパズラー」・2台の変形合体マシンロボ「ダブルマシンロボ」・海外逆輸入の「ビッグマシンロボ」・アクションフィギュアと変形ロボット玩具が融合した「格闘技マシンロボ」といったラインナップが次々と発売されるに至った。
1986年、前年から持ち越しとなったテレビアニメ化の話が再浮上。タツノコプロ・スタジオぴえろ・葦プロダクション(現:プロダクション・リード)等が参加のコンベンションが行われ、最終的に葦プロ制作の『マシンロボ クロノスの大逆襲』が放映されることになった。
それまで『テレビランド』誌などで発表されてきた設定を一新し、主人公として人間大の機械人類であるロム・ストール及び、彼が一体化する大型ロボのケンリュウとバイカンフーを設定。共に戦う仲間として600シリーズより、ジェットロボをブルー・ジェット、ドリルロボをロッド・ドリルの名でキャラクター付けした。また空を飛ぶマシンに変形するものを「ジェット族」、地面を走るマシンに変形するものを「バトル族」という種族に設定し、これに合わせて玩具「600シリーズ」のナンバリングも変更された。
『クロノスの大逆襲』は外伝的なOVAが数本制作されたが、いずれも玩具「マシンロボ」のアニメとしての要素はほとんど無いと言っていい。『クロノスの大逆襲』についての詳細は当該記事を参照されたい。
アニメ放送中には、アニメの主役である「DXバイカンフー パイルフォーメーションセット」の他、「ホイールマン」・「岩石超人」(「宝石超人」)・「パワーライザー」等の新マシンロボシリーズが発売された。これらは、翌年のアニメシリーズにも引き続き登場した。またアニメの主要キャラを「DXキャラコレクション」として別フォーマットで発売もしている。
アニメ劇中に途中から登場し、玩具も発売されたタフトレーラーとプロトラックレーサーの2体は、先行して『超新星フラッシュマン』のタイタンボーイ(フラッシュタイタン前部キャブパーツ)としても発売されたが、元々はバンダイの村上克司デザイナーがマシンロボ用に設計したものであった。これは当時、東映のスーパー戦隊シリーズ担当であった同社の鈴木武幸プロデューサーが、「超新星フラッシュマン」に登場させる2号ロボのデザインを探しており、カラーリング変更やコンテナから変形する強化パーツ(グレートタイタン)付与による差別化の上で、言わば「逆流用」という形で導入がなされたという経緯がある。
1987年、マシンロボTVアニメシリーズ第2弾として前作の続編である『マシンロボ ぶっちぎりバトルハッカーズ』を放映。個性豊かなロボット生命体の群像劇(人間キャラも登場するがあくまで補佐)を描き、マシンロボのシリーズ原点回帰と昭和シリーズの集大成を狙った作品であったが、視聴率はともかく玩具の売り上げが伸びず、これは同年末で打ち切りとなった。
1988年前半には、前年秋より企画されており、『バトルハッカーズ』でも活躍したニューマシンロボ「ウィナーロボ」が発売されたが、その頃バンダイと玩具業界は『聖闘士星矢』のセイントクロスシリーズ人気が席巻しており、ロボットから等身大の武装ヒーローへと男児向け玩具のトレンドも過渡していたため、マシンロボも全盛期ほどの人気を得るには至らなかった。
昭和=1980年代の終わりと同時にマシンロボ展開は一旦終了。だが1990年代、マシンロボの新企画が新たに立ち上げられた。
1992年~1994年に、リスペクトかつ一度限りの復活商品であるCGロボ(シージーロボ)が発売されたが、同期の勇者シリーズに商業面で勝てず終了。CGロボはヨーロッパ展開『ロボマシーン』において、昭和の600シリーズとの混合で発売されることを活路とした。ちなみにCGとは「Change & Glow」の略で、変形と発光という特徴を表していた。
2001年にガシャポン商材「マシンロボGP」が発売。これはマシンロボ復活の序章と位置づけられる。
1999年~2001年の間、東映アニメーションの関弘美プロデューサーは、プレックスの野中剛デザイナーと平成ウルトラマンのデザインチームに「デジモンシリーズに変わる新企画」のオファーを持ち込む。プレックスの答えは「マシンロボの復活」であった。パイロットフィルムとデザイン画が製作されたが、同時期プレックスはサンライズの古里尚丈プロデューサーにもマシンロボの新企画を持ち込んでおり、実際にはサンライズの『出撃!マシンロボレスキュー』が制作・放映された。
昭和マシンロボシリーズが「宇宙生まれのロボット生命体(すなわち、機械の身体を持つ異星人)」という設定だったのに対し、これ以降の平成シリーズでは「地球製(日本で誕生し、後に海外支部へと拡大される)の意思を持つロボット=科学の結晶、かつ人間の少年少女のバディとして活躍する存在」へと大幅に設定が変更されることとなる。
前2作から制作プロダクションが変わり、ロボットアニメに関して数々の蓄積とノウハウを持つサンライズがマシンロボを制作することを(双方のブランド名の大きさもあって)却って不安視する声もあったが、放映時は玩具の売り上げや視聴率も高く、作品商業両面で成功を収めたと言える。好評を受けて平成シリーズ第2弾制作の声もあったが、実現しなかった。詳細はやはり当該記事を参照されたい。
2013年時点では、『出撃!マシンロボレスキュー』がマシンロボのテレビアニメ化としては最後の作品となっている。
アニメシリーズ終了後の2004年~2006年まで玩具オリジナルの『マシンロボ・ムゲンバイン』がバンダイ・ボーイズトイ事業部から発売され、小学館『てれびくん』紙上で漫画連載やオリジナルジオラマによるグラビアや玩具情報が展開された。『ムゲンバイン』は『レスキュー』と設定を共有している、続編に相当する展開である。
ムゲンバインシリーズは純粋な変形玩具ではなく、組み替え遊びを楽しむ有形ブロックトイである。これは『レスキュー』における「エクス合体」の要素を強化したものと言える。ロイドと呼ばれる小型ロボとバインパーツを組み合わせる事で、機械や動物や人型ロボに変形させられる他、複数のムゲンバインのバインパーツを組み合わせて巨大ロボに合体させられるのが特徴。ジョイントが共通なので、別のムゲンバインのバインパーツを使っての組み替えや、『レスキュー』シリーズのマシンロボとの合体も可能と、正に無限の遊びが秘められているシリーズだった。
『マシンロボ・ムゲンバイン』の2005年~2006年展開において、この時期に発売された商品は全て「日本以外の海外支部で活躍するマシンロボ」という劇中設定であり、国際色豊かな世界観となっている。2005年度のクエスナイト・レイザーニンジャ・セイブガンマンは、ヨーロッパ支部ブロック内の各地域で活躍。同じく2005年度(発売時期は2005年12月~2006年3月の年末から年度末にかけて)のテイオウリュウ・ウズマキドリ・ワンリキグマ・ユウテンマは、それぞれ中国支部・ロシア支部・モンゴル支部といったユーラシア支部ブロックを拠点としている。
続く2006年度のウィングバットとインパクトダイルは南米支部、カードコングとギアトータスはアフリカ支部、スピットコブラ・サーガファルコン・シグスフィンクス(合体してサーガシグフアルコン)はエジプト支部で開発されたマシンロボであるが、これら3地域はまとめて(トルコなどの中東地域も含めた)熱帯地区支部ブロック所属のメンバーという位置づけであった。
2007年からは『マシンロボ』の名を廃した食玩「ムゲンバインシリーズ」が展開。当初はボーイズトイとして発売されたムゲンバインもキャンディトイにシフトして継続を図ったが、マシンロボのブランド名自体はついに忘れられかけた存在となった。
生誕30周年記念を迎えた2012年には、食玩『マシンロボNEXT』としてスポットライト的に復活。ただしパッケージに『ムゲンバイン』のロゴがあるように、商品としては食玩版ムゲンバインの延長線上にある。
2019年には食玩にて『マシンロボデュエル』が展開したが2シリーズで終了。
2022年からは「マシンロボユニバース」と冠した『ユニトロボーン』が展開。
身近にあるあらゆる物同士がアリエナイ合体するというコンセプト。例えば”リンゴ”と”ロブスター”という色ぐらいしか共通点が無い二つが合体&瞬間変形してロボになる。シリーズ間での共通ジョイントも採用されているのでムゲンバイン程では無いが組み換え遊びも可能。
2013年1月現在のニコニコ動画で「マシンロボ」と検索すると、アニメファンの支持が高い『クロノスの大逆襲』の関連動画が多く表示されるため、その他のシリーズの動画を探すには工夫が必要である。
掲示板
20 ななしのよっしん
2022/08/18(木) 15:24:21 ID: +D5m9QspjL
マシンロボシリーズ新作のユニトロボーンの合体サウンドが中毒になりやすい
21 ななしのよっしん
2022/09/09(金) 10:44:07 ID: IWK8UwmuJU
散々言われてるけどユニトロボーンよりジョブレイバーの方が遥かにマシンロボらしい
往年のマシンロボらしさを求めるならジョブレイバーを買った方が良い
22 ななしのよっしん
2024/05/14(火) 07:30:05 ID: WOylVg3u0f
お前には敵はない
といいつつ、その場面ではケンリュウが思いっきり敵に吹っ飛ばされてるが
思えば敵もマシンロボだから問題ないのか
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最終更新:2025/02/17(月) 14:00
最終更新:2025/02/17(月) 13:00
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