今日犬(きょうけん / きょういぬ)とは、VOCALOIDを使用した楽曲投稿者の一人である。
別名“ジャムおじさんP”。
味わい深くも一風変わった作品を生み出すことに定評がある作者。
しかし一風変わったと言えどもアングラや電波曲のように極端なものではなく、
一杯のグラスにワンエッセンスを加えるか如く、ありがちな曲に捻りを与えるような作風なのだ。
ニコニコ動画のデビュー作は“パン屋さん(2008年3月12日)”。
この作品でパン屋さんだけに「ジャムおじさんP」のP名が与えられている。
主たる作品公開の場はニコニコ動画だが、それ以外の場所でもVOCALOIDに纏わる活動は進めており、
時として人知れず作品の制作協力を行った経験も少なからず。
突拍子もなく予想外のコラボレーションを組むこともあり、パターンが読めない。
これでも殿堂入りを達成した作品を幾らかあるボカロPだが、人気の程は未だに未知数。
やや好みが割れやすい要素と振れ幅のある作風、音楽面以外の要素の影響が強いこともあり、
一作者としての正確な評価を割り出すのも難しい。支持層も常に同じとは限らないし。
だが、それでも彼のセンスは偶然や便乗だけでヒットしたような底が浅いものではない。
昔は色々な動画ネタを醸すことで知られていたとかなんとか。最近は気が付かれないことも多いが。
その歌に実社会の喜怒哀楽と覚悟を刻む作風を持つ。
鳴らし鳴らす靴音の 響き響かすワケ変えど 巡り巡るは街の歌。
大きな特徴として、リズムと共に韻を踏んだ言い回しの歌詞には定評があり、
率直に表現せず、察しのいい人なら感じるような“含み”を持たせる表現が秀逸。
有り体で言えば「愛」や「恋」の単語を使わずにラブソングを書くようなものに近いか。
時として物事の核心を突くような歌詞を書き、中には風刺的に感じるぐらいに不穏な表現も。
しかしながら良くも悪くもスルメ曲と称される程度には“クセ”が強く、
歌詞そのものよりも歌詞のリズム感を評価する層も少なからず。ある意味ラッパー気質とも。
一方で自身の作風よりも作品のテーマ性を重視する傾向にあるようで、
後述する作風の特徴に該当しない例も幾らか存在する。特に制作協力を行う場合が顕著。
自身の個性をある程度コントロール出来ると考えれば、案外柔軟思考なのかも。
かつてはイラストも描かれていたのだが、現在では自作画の公開は皆無に等しい。
また、自身はあくまで音楽活動を主として活動しているのからか、
作曲の根幹に関わらない作品は「お手伝い」の範疇に止めている節もある。それらは関連作品の項にて。
活動当初から現在に至るまで作風を大きく変えていった作者である。
以下は活動時期ごとの傾向と推移を記載する。
活動開始から間もない時期。主に「みくみく童話」と題して作品を投稿していた。
近作期の作風とは異なり、淡い色使いのイラストと旋律の激しいロックが特徴的だった時代。
特にイラストはデフォルメのような緩やかな風合いを感じさせるタッチなので、
きっとさよならポニーテールのイラストも程良く仕上げてくれることだろう。
しかし曲調のベクトルは真逆なもので、ロックはロックでもメタルの方に例えられるぐらい激しい。
初投稿は「パン屋さん」という如何にもほのぼのとしたタイトルだっただけに、
タイトルと曲調のギャップにやられたリスナーは数知れず。サムネイルがあの様ならば尚更というもの。
この時期の曲調は近作よりもテクニカルなコードが多用されており、
チープながらも味のある音源も含め、近作期にはないような特徴が幾らかあった。
また、旧作期は全体的に2番以降の展開が早い傾向にある。Cメロが存在しない作品も。
歌詞も当時から韻やリズムに合わせていたが、現在ほどの意味深長さはない。
気まぐれな表現の中に“含み”を感じさせる作風は当時ならでは。きっと意味はあるはず。たぶん。
総括すると「色々と不思議なボカロP」という印象が残る時期である。
当時マイナーだったニコニコネタをどうやって探り当てたのかも含めて。
未だVOCALOID業界全体がマイナーな時代だったとはいえ、少なくとも一定の定評を得ていたようだ。
なお、この時代に公開された“ゆっくりしていって!!!”は最も反響の大きかった作品の一つ。
しかしながら話題を集めたのは別作者によるPVであり、一枚絵との差を強烈に見せつけられる結果に。
2019年4月30日にて“ゆっくりしていって!!!(2008/03/21)”が殿堂入りを果たす。
| パン屋さん | みんなも一緒にやってみようYO! | ふうせん屋さん | ゆっくりしていってね!!! | でんきゅう屋さん |
|---|---|---|---|---|
| なんだこの階段はぁ!? | 待ちわび屋さん | あんこ入りパスタライス | たたき屋さん | ろっくみくにしてあげる |
| てんき予報 | おまんじゅうがたべたいな | てーへんだー! てーへんだー! | 歌詞募集中。 | ねむたいや |
徐々に作風の変化が進む時期。過渡期とも。
曲調は一種のジャンルに固執しなくなり、歌詞の詩表現もどことなく輪郭を帯びていき、
時折見せるシリアスな表現は、後のイメージ転換の布石となる。今日犬節の鱗片が垣間見得るとも。
だが、この頃から近作期の特徴が現れていた訳ではなく、活動当初の雰囲気は未だに残していた。
自作イラストが積極的に公開されるピークの時期でもあり、以降他者の協力を受ける頻度が増す。
それに伴い“ある意味”合作に近い形で作品が作られる事が主となるので、
今日犬(ジャムおじさんP)純作という点で見れば最盛期とも言える時代なのかもしれない。
オリジナル以外にもアレンジやリスペクト、或いはインスパイアを受けた作品も多く作られており、
それでもってボカロラップに挑戦していたりもする。元・ラッパーだけに。
肝心のオリジナル曲もメタルと接点なさげなジャズにも手を出したりと、げにフリーダム。
なお、この時期から他の作者の制作協力も積極的に行っていた模様。詳細は関連マイリストにて。
| 電柱連立哀愁歌 | 君に☆スプラッシュ | ぼくは おおかみ | こねこどこのこ |
|---|---|---|---|
| 最終LookOut | ファンデイフアンデイ | ジューン・プライド | 盗賊万歳 |
| melted | ジェネレイション | ナンダコレクション | わりばしおんな。 |
| 夏の、思い出。 | 実況するぜ! | ストレンジャー・イン・パラダイム | ネムケデリック |
新たな作風の頭角が次第に現れ始めた時期。
VOCALOID業界全体も大きな節目を迎えようとしていた時代でもある。
当初から続いた気まぐれな歌詞から変わり、詩の内容に実像を帯びてきたとも言うべきか、
どこ浅はかとなく歌の背景を芳せるような表現が活発となってゆく。
特に漠然とした表現の中に“含み”を持たせた言葉回しには定評が集まり、
韻の踏み方と相まって「今日犬節」と呼ばれる新たな特徴を築く結果となる。
対する作曲は長らく続いたテク重視のメタル趣向は鳴りを潜め、
前奏や間奏などでボーカルが口遊む演出が活発化してゆくようになる。
さしずめ「疾走感」よりも「リズミカル」な印象の作品が次第に増えていくのだが、
後の作風と比較すると、作曲の展開については作品ごとの差違が多い。
いわば旧作から近作への過渡期と言うべき時代なのだが、
“自爆”や“ふたりのり”のように、どこか不穏な雰囲気を醸す作品がチラホラと目立つ。
ついでに旧作期特有の“ゆるさ”が消え失せてしまったことに戸惑う声も少なくなかった模様。
しかし、難解な歌詞故に共感し辛いことや、話題にしやすいネタが殆どなかったせいか、
この頃から当時の主流層から大きな注目を浴びていたとは言い難く、評価は伸び悩む。
それでも“ぱんだのこども”は密かに認知されたようで、2012年頃には殿堂入りを果たした。
なお、みくみく童話シリーズが行われた(現時点で)最後の時期でもある。
“甘いディスコード”がそれなのだが、様変わりした絵のタッチに驚いた方も多いのではないだろうか?
| ねこのバス | あまいゆめ | ぱんだのこども | 自爆 | 甘いディスコード |
|---|---|---|---|---|
| レンガジェンガ | 歩いても、歩いても、 | どうしてないているのかな | ツイートパラダイス | ふたりのり |
活動当初の作風から完全に転化した時期。第二期の到来とも。
この頃より“めぐっぽいど”を起用し始めている。
近作期の特徴として、旧作期とは異なり2番以降の展開が変則的であり、
かつて作られた“レンガジェンガ”や“歩いても、歩いても、”の展開みたく、
2番のAメロを切り詰め3番にてメロディラインやフレーズを変えて緩急を付ける傾向にある。
究極的に言えばメロとサビの繰り返す曲構成に変わりはないものの、
この展開が作詞のパターンを更に広げる結果を生んだのは大きな変化だろう。
その一方で映像関連の分野は殆どの作品にて他の作者の協力を受けており、
加えて(偶然もあるが)映像作品を意識して作詞作曲したからか、作品ごとの印象も随分と異なる。
旧作時代の音源もすっかり使われなくなったので、音の特徴も失われた影響も少なからず。
こうした作品性の変化を「多様化」と捉えるか「形骸化」と捉えるかで評価も変わるか。
この時期の主なジャンルは(広域的な意味で)ポップスやロック。間接的にヒップホップも少々。
曲調はともかく、調声は旧作期と比べるとオケのリズムに寄せている印象が強い。
活動当初と比べて投稿頻度は落ち込んでゆくが、注目度は反比例するように伸びた時代でもある。
作品全体のクオリティと話題性に恵まれた甲斐もあってか、
“ひとりぼっちのダンシング(2012/03/13)”が初の殿堂入りを果たし、
この作品がキッカケで徐々に認知されていくようになったのだ。
| 先生にいってやろ! | チューとリアル | ひとりぼっちのダンシング | 変人王子クロニクル | 語る悪魔と機関銃 |
|---|---|---|---|---|
| 喪失狂時代 | ザ・カップリングエンターテイメント | 偽りの眼鏡 | ロックシューターの帰還 | ドブ探検をする二人 |
| DARUMA Rolling Incident | ゆくえ知れず | UNUBORE Self Burning | ピープル、どうでしょう? | ザ・サバイバルコミュニケーション |
| NONOKOOBI Eight Standup | ||||
新たな変化の予兆を覗かせている時期。現在進行形の作風。
この頃より“結月ゆかり”を起用し始めている。
作品の投稿頻度は更に落ち込むが、かといって休止宣言や引退宣言をしている訳ではない状態。
無論、どんな投稿者も様々な事情を抱えながら創作活動をしているというもの。
別に事務所ぐるみで活動してる作者ではないので、新曲は待つのを忘れるくらい気長に待とう。
ちなみにデビュー作がアレなゆかりさんも翌年にはキチンとした出番を貰えたので、そこはご安心を。
それにしても、このキャスティングであのネタをやるというのはどういうつもりだろうか。
過去の作品と比べると歌詞の語呂にとらわれなくなった節が見受けられるが、
これが後の作風として定着するのか、或いは一過性のものに終わるかは現状不明。
だが、長らく続いた活動の中で自身の特徴を変えてきたのは幾度となく起きたことであり、
それが形骸化を招こうとも、新たな可能性を生むとならば決して不毛な話ばかりではない。
変わり続ける事が一つの作風であるのなら、必要以上の固定概念は振り払って望むべきだろう。
今後この先、彼が如何に活動を進め、如何に作風が変わり、そして如何に終えるかは誰にも知り得ない。
しかし、どのような経緯を歩み、どのような結末であれ、どのような結果となれど、彼は彼なのだ。
投稿者は異なるが、関わりの深い作品を掲載。
↑ 最も反響の大きい関連作品 |
↑ 作詞作曲を担当 |
↑ 音楽を担当 |
↑ 作詞作曲を担当 |
|
|
|
_______________________ <○√ <しまった、ここは糞記事だ!! ∥ オレが止めているうちに逃げて一般会員記事作成依頼を要請するんだ! くく 早く!早く!オレに構わず逃げろ!
 ̄l|!l| ̄|l! ̄ ̄|i ̄ ̄l!!l ̄ ̄ ̄|!l ̄ ̄|i ̄ ̄ ̄|l|!l ̄ ̄|!!| ̄ l!l ll | |l |i | |!| |l ii! i| !! | l || | < おおっと残念! ソースは持参でーす! !
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/06(土) 00:00
最終更新:2025/12/06(土) 00:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。