デザエモンとは、株式会社アテナより発売されたシューティングゲーム作成ツールシリーズである。
ラインナップは以下の通り。(プレイステーション版の2作はゲームアーカイブスで配信中のため、PS3とPSPでも遊ぶことができる)
コンシューマ機のみの販売で、ゲーム機さえあれば、グラフィックもBGMも完全にオリジナルの自作シューティングゲームを作ることができるのが大きな特徴。
ファミコン版は制約が大きく、実験的な要素の強いソフトであったが、2作目であるスーパーファミコン版からは自由度が飛躍的に向上し、サンプルゲーム(大王GALE=アテナのアーケードゲーム「大王」の続編的存在)が下手なゲームよりもよっぽど遊べるぐらい可能性のあるソフトに大化けした。
特に当時はパソコンが普及しておらず、ゲームを作るにもプログラム知識が必要だった為、ゲームクリエーターを夢見る学生たち(もしくは気分に浸りたい人たち)の間で重宝された。
似た分野のソフトとして、オリジナルのRPGが作成できるRPGツクールがある(こちらはPC版が元祖)。
従来は自作ゲームを不特定多数の人に遊んでもらうことがかなり困難だったが、プレイステーション版がゲームアーカイブスで配信されたことにより、ユーザーが作成したゲーム(セーブデータ)のネット上での配信が容易になった。
記念すべきシリーズ第1作。
ハードがファミコンということもありSFC版などより、エディットの制約がかなり多い(時代を考えれば妥当?)
グラフィックエディタでは基本的に3色しか使えず、ステージも3ステージまでとなっている。
ミュージックエディタは音色固定の4和音。
ゲーム中のアイテムはSFC版以降と似通っているが、グラディウスのようなオプションアイテムが存在する。
サンプルゲームは「E.D.I.T.」
敵のグラフィックにコアがあったり、上記のオプションアイテムとあわせ、グラディウスを彷彿とさせる要素がある。
サンプルゲームだが難易度がやたら高い。STG慣れしていないとステージ2を超えることすら困難だろう。
シリーズ第2作。
当時ビデオゲームに熱中し、「いつか自分もゲームを作ってみたい!」と思っていた人たちは、「描いて、作って、遊べる、デザエモ~ン!」というCMに心ときめかせ、このゲームを入手したのではないかと思う。
今作はアテナのSTG「大王」をベースに作られているため、ゲームモードのシステムもそれに似通っている。
大王については当該記事を参照のこと。
シリーズのエディットモードの基礎は今作でほぼ完成している。
ミュージックエディタなどは後の作品にほぼそのまま流用されるほど、この時点でも洗練されていた。
裏技を使うことで「大王」のBGMのアレンジ版を聴くこともできる。
また今作からゲームコンテストが開催された。
今作での受賞作の一部は、続編の「デザエモン+」でプレイ、または動画でゲーム内容の一部を視聴することができる。
DAIOH GALE
「大王」をベースに作られているが、ステージ内容などはほぼ別物になっている。
ゲーム自体もさることながら、特にBGMの評価が高く、「2トラックと特定のサンプルコード、最大16小節」という制約のあるミュージックエディタのパワーをフルに活かしており、その完成度の高さは多くのプレイヤーに希望と挫折を与えた。
シリーズ第3作。
SFC版デザエモンの手直し版といった内容。
新たに敵の拡大・縮小や回転といった設定ができるようになったが、作成ステージ数が最大で5ステージ(任意で4ステージ以下にすることも可能)になったり、またデータの保存にメモリーカード1つ丸ごと使う(おかげでデータのセーブ・ロード時間が異常に長い)など、不便な点もそれなりに増えた。
またハードが変わったことによりミュージックエディタで使える楽器が一部変更され、同一の楽器でも音の鳴り方や音量なども大きく変更されているため、SFC版と同じ曲を鳴らしても印象が大きく異なる。
DAIOH GALE Ver.2
「DAIOH GALE」を元に、デザ+のシステムに合わせ作りなおした内容になっている。
無論5ステージで終わるため、前作にあった宇宙要塞突破ステージおよびラスボスとの戦闘は無い。
裏技を使うことで前作「DAIOH GALE」をそのまま移植したものもプレイできる。
OMAKE POWER STORM
裏技でプレイできる隠しサンプルゲーム。
こちらはゲーム起動時に特定のボタンを押しっぱなしにすることで、エディットに自動的にロードされる仕様のサンプルゲーム。
「DAIOH GALE」に負けず劣らず、非常に完成度が高い。
武装はデザ+で新たに追加されたチャージショット・シャドウレーザー・バルカン2の3種。
全2ステージ構成だが、敵の量がやたらと多く、背景にとけ込んでいる高得点の敵が配置されており、グラフィックエディタにスタッフのハイスコアが殴り書きされていたりと、スコアアタック重視の内容になっている。
また、ゲーム未使用のBGMも必聴モノ。
今作には、2度にわたって行われたSFC版デザエモンゲームコンテストの受賞作品がいくつか収められている。
ただし全てがプレイできるわけではなく、一部の作品は動画として視聴することしかできないものもある。元データが消失したため移植できなかったのか、容量の都合でゲームデータが収録されなかったのかどうかは不明。
受賞作はどれも高い完成度で、ツクール界隈でも活躍したチームグリグリの祁答院慎氏、浜本真央氏、洞窟物語を作成した開発室Pixelなど、受賞作には有名な作者さんの名前もチラホラとある。
ちなみに、これまた裏技で、なんと受賞作のデータをエディットモードにロードすることができる。ハイクオリティなドット絵やBGMをじっくり楽しむために、データをこぞってロードしたプレイヤーは多いだろうが、何故か岩田友彦氏の作品のみロード不可能と知って愕然としたプレイヤーも、また多いのではないだろうか…。
人気作品は初代グランプリの「SCARECROW」、両コンテストでそれぞれグラフィック賞・アテナ賞を受賞した、岩田友彦氏による「THE HEART OF DARK」「JUSTICE」、かわいらしいグラフィックとハイセンスなBGMで人気を博した「リトルチェイサー」、そしてカセット2本を駆使して壮大なストーリーを創り上げた「けじめ ~七転八起~」など。
現時点でのシリーズ最終作。
これまでのシリーズにあった多くの細かな設定を排除し、非常に簡略化されたシステムとなっている。
サンプルグラフィックが多数用意されているが、グラフィックエディタで使用可能な色が固定の256色のみとなっており、またサンプルミュージックも多数用意された分、エディタそのものがなくなっている…が、CD音源をゲーム中に使用することができるという利点もある。
また今作はペロン(SFC時代から居た緑色のウサギのようなキャラ)がエディタ画面でしゃべる。こいつ削ってサンプルデータもっと増やした方がよかったんじゃないかな。
デザエモン+ゲームコンテスト受賞作を100本収録した別ディスク。
Kids!本編よりこちら目当てに買ったプレイヤーもいるとかいないとか。
前回・前々回のコンテスト受賞者による作品は相変わらずのハイクオリティ。特に縦シューで横シューをむりやり作った「SIDE」など、そのアイデアの奇抜さに驚いたプレイヤーは多いのではないだろうか。作者が初代コンテストで受賞した怪作「けじめ」の作者と同一であるとわかると、なんとなく納得はいくかもしれないが。
佳作群にもいい作品がひしめき合っていて、その中には「むし~る」などあまりにも鬼畜な難易度のため、有名な作品もある。
今回は裏技ではなく、デフォルトで受賞作のデータをメモリーカードにロードできる機能がついているが、一部作品は作者の意向によるためか、はたまたメモリーカード2枚分のデータのためか、ロードできない作品もある。というわけで、岩田友彦氏の作品は今作もロード不可能。
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最終更新:2025/12/12(金) 23:00
最終更新:2025/12/12(金) 23:00
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