JR四国は、四国旅客鉄道の略称である。四国の主要都市を結ぶように路線を所有している。
1987年の国鉄分割民営化に伴い発足した。本社は香川県高松市。
概要
|
四国に基盤を持つ、鉄道、およびバス運行会社である。現在の経営方向としては成長分野は子会社のジェイアール四国バスが中心であり、鉄道部門は主としては運営費圧縮に注力、そのほか子会社としてうどん屋なども営んでいる。子会社のジェイアール四国バスやめりけんや(うどん屋)は毎年黒字を稼いでおり、親であるJR四国本体を支えているが、残念ながらJR四国本体を支えきれてないのが現状である。現在、JR北海道と同様に固定資産税減免を受けている。現時点では独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が全ての株式を保有しており、事実上の公有民営会社である。今後どのように経営・運営していくのかに注目していきたい。
2016年02月25日、JR四国と台鉄(台湾鉄路管理局)は友好鉄道協定を締結した。鉄道技術の交流や誘客などで協力する。
ちなみに、JR西日本2代目社長の井手正敬はJR西日本とJR四国の合併を持ちかけたことがあるが、「子会社になりたくないと断られた」と読売新聞のインタビューで語っている。
JR四国の特徴
- 本体から分離したバス会社であるジェイアール四国バスが現在、有力な成長分野となっており本体であるJR四国を支えている。
- 本州3社とは違い、島ひとつが営業エリアである。JR西日本岡山支社とは運命共同体ともいえる。 優等列車のダイヤは岡山での新幹線接続を念頭に作られる。
- 四国の高速道路網の充実に伴い、島内主要都市間は勿論、島内―関西方面など島外への連絡も高速バスと熾烈な競争を繰り広げている。
- 他のJR各社と比べて、確実なドル箱路線が存在しない。四国の人口(約450万)や知名度も関係している。
- 1988年に「本線」の呼称を廃止し、「線」に統一した。そのため「~本線」は四国にはない。
- 予讃線は伊予市まで電化され、8000形が岡山・高松―松山間の特急として運用されているが、観音寺以西のトンネル断面の関係からマリンライナーなどの車両が乗り入れることができない。
- 伊予市―松山間は電化されているが、現在は松山以北の運用の都合からディーゼルカーによる運行が主体となっている。
- 予讃線は途中の向井原と若宮信号場の間で海線と山線に分かれるが、山線側の内子~新谷間は内子線という地方交通線に乗り入れる。(元々盲腸線だった内子線を予讃線の短絡線として利用する際、何故か新設される部分を予讃線として建設したため。)
- 向井原駅は分岐駅だがホーム1本の棒線駅。
- 土讃線は多度津―琴平が電化されている。架線を1本だけ直接吊る特殊な電化方式のため、むしろ電車より気動車の最高速度が高い。(電車はすべて85km/hだが、気動車は2000系列が120km/h、一般形式は95km/h)
- 土讃線の特急はアンパンマン列車が多い。故やなせたかし氏が高知県の出身だからである。
2000年の運行開始から続々と走行エリアを増やし、普通列車にもステッカーを貼り付けて運行している。 - 高知県の土讃線では、土佐くろしお鉄道中村・宿毛線に特急が、ごめん・なはり線から普通列車が乗り入れを行っている。特急は県西部の宿毛駅まで1往復・中村駅まで8往復運行している。
- 予土線では普通列車による朝刊輸送が残っている。
- 最近まで、JR四国管内には自動改札設置駅がなかったが、高知駅と高松駅に設置された。
- 島内の私鉄各社と共通のICカードを作る計画がある。
なお、坂出駅と高松駅にはICOCA対応の自動改札機が2012年3月17日よりにJR西日本の費用負担により運用が開始された他、2014年春にICOCA対応駅が予讃線多度津駅まで拡大され、JR四国でも独自デザインが施された「SHIKOKU ICOCA」が発売された。JR四国エリアのICOCA定期券は発売しない。JR西日本エリアとまたがってICOCAを利用できるが、最短距離における営業キロが200km以内までとなる(ICOCAの導入は独自カードを導入すると莫大な費用が掛かる他、ICOCAとの相互利用が難しくなる為)。 - 予讃線の主要駅では、接近メロディに「瀬戸の花嫁」を採用している。
高知駅では「アンパンマンのマーチ」が採用されている。 - 海洋堂ホビートレインを運行している。フィギュアがいっぱい乗っている。
弟分として誕生した鉄道ホビートレインが、その独特すぎる外観で人気になった。 - 日本郵便と連携事業協定。列車内への郵便ポスト設置や、郵便配達員による無人駅の状況確認をおこなう。
副業
2020年度までに分譲マンションなどを基幹事業に位置づけ、収入の5割増を目標としている。
- めりけんやといううどん屋を子会社に持っている。一部ではこっちが本業とも
- ウィリーウィンキーというパン、菓子の製造、加工販売会社を子会社に持っていたが、2020年に別の子会社であるステーションクリエイト東四国に合併された。店舗の一部は別ブランドのパン屋チェーンであるリトルマーメイドに転換され、残りは閉店。
- 太陽光発電参入している。香川県宇多津町他3カ所からのスタートで、数年で5~6カ所に拡大。年間約5000万円の売電収入を見込んでいる。
ホテル事業
- JRクレメントイン高松。2018年秋から運営する。
- JRホテルクレメント。地下1階・地上20階建て。高松駅前に立地。
- ホテルクレメント徳島。徳島駅に平成5年7月に開業。徳島と直結。
- ホテルクレメント宇和島。宇和島駅と直結。
- 四万十の宿。宇和島駅と直結。高知県四万十市下田に立地。全30室
路線
本四備讃線以外は、路線ごとのラインカラーと駅ナンバリングがある。
- 本四備讃線(瀬戸大橋線) ‐JR四国は宇多津‐児島間を保有
- 予讃線 - 高松-松山Y(よさんせん)
松山から内子経由U、伊予長浜経由S(途中駅の下灘・SeasideのS・ラインカラーはグレー) - 内子線 - 松山から内子経由の宇和島までU(うちこ・うわじま)
- 土讃線 - 多度津-高知D(どさんせん)、高知-窪川K(こうち)
- 高徳線 - 高松-徳島T(たかまつ・とくしま)
- 鳴門線 - 池谷-鳴門N(なると)
- 徳島線 - 佃-佐古B(よしの川ブルーライン)
- 予土線 - 若井-北宇和島G(しまんとグリーンライン)
- 牟岐線 - 徳島-阿波海南M(牟岐、阿波室戸シーサイドライン)
車両とその概説
電車
- 5000系
- マリンライナーに使用される車両。先頭車両はE217系2階建てグリーン車、中間車両は223系を参考にした。基本的にJR西日本岡山電車区の223系5000番台と併結して運用。 - 6000系
- 予讃線高松口で主に使用される。211系などを参考に設計。なお、「参考に設計」はコスト削減のため。最近更新工事を受けたらしく行き先表示器がフルカラーLEDになっている。朝夕には7000系付随車を連結した1M3Tの4両編成が見られることも。 - 7000系
- 単行運転から4両まで幅広い運用を行う。ロングシートとボックスシートを点対称に配置している。一部の列車では全車M車の4両編成が見られることも。 - 7200系
- 元121系。国鉄の置き土産で初めて四国の電化区間を走った電車。
- 全編成が台車など走行機器を総取替の上VVVF制御化し、7200系となった。
- ほとんどの編成でワンマン化改造されたが、一部ワンマン非対応車両が残っている。 - 8000系
- 予讃線の特急「しおかぜ・いしづち」に用いられる車両。 振り子式で、一応160km/h対応である。2016年からアンパンマン列車の仲間入り。2023年度から二度目のリニューアル工事を行い、また外観が変わる模様 - 8600系
- 2014年に新しく導入された特急形電車。従来の振り子式ではなく空気バネ式車体傾斜を採用。
「しおかぜ・いしづち」で運行中。
気動車
- キハ32系
- ロングシート・トイレなし。山間部の長距離運用が主。 国鉄末期に四国専用の車両として作られた。予讃線では空転が多発したため単行での運転が少なくなってしまった。 - キハ40系 (キハ40形・キハ47形)
- 日本中を走った一般形車両。 勾配の関係で運用のない区間がある。08年2月よりキハ47の2両が首都圏色に戻された。1500形の導入に伴い、キハ47型の廃車が徐々に進んでいる。うち2両はJR九州に売られて、水戸岡デザインの観光列車(JRKYUSHU SWEET TRAIN「或る列車」)に魔改造されてしまった。電気式気動車の導入計画がありそちらでキハ40系を置き換える模様。
- 2014年からはJR四国内でも、キハ47系を魔改造したキロ47系による「伊予灘ものがたり」が週末を中心に運行されていたがキハ185系に置き換えられて引退した。 - キハ54系(0番台)
- 32系と同じく、ロング・トイレなし。予讃線・土讃線の山越え区間用。キハ32系と同じく国鉄末期に四国向けに作られた。 500番台は北海道にいる。 - キハ185系
国鉄が分割民営化直前に遺した置き土産。一部車両は民営化後に作られた。なので国鉄型特急車両なのに産まれた時には国鉄がなくなっていたという車両もいる。最近は観光列車に改造された車両もそれなりに居る。
(基本番台)
‐ 1986年に登場して民営化されて2000系が量産されて予讃線が電化されるまでの数年間だけ、四国の特急列車の顔だった。 JR九州に売られたりしながら、現在は定期列車では「剣山」「むろと」、多客期に高松~多度津で区間運行される「いしづち」で使われている。
(3000・3100番台)
- 前述キハ185系を普通列車仕様に改造したもの。といっても、座席はほぼそのままでリクライニングも利くあたり、乗り心地はいい。なお、3000番台は特急用に復元され現存しない。 - 1000形・1200形
- 例の点対称型の座席配置を最初に導入した車両。故にボックス席に座ると、ロングシートから見つめられる。愛媛県以外で運用。 - 1500形
- 新方式のエンジン搭載により窒素酸化物の排出量が少なくなった。 転換クロスシートが導入され、1000形に比べると心にやさしい。高徳線・徳島線など、香川・徳島両県を中心とした運用である。 - 2000系
- 世界初の振り子式気動車。 現在は土讃線の「あしずり」、予讃線の「宇和海」などの特急に投入されている。
- かつては「南風」「しまんと」「しおかぜ」「いしづち」にも使用されていたが酷使による劣化が激しく、2700系の導入で大半が置き換えられ、2021年に上記列車の運用を退いた。その際非貫通先頭車と中間車は廃車された。 - 2600系
- 2000系の老朽化に伴い開発された特急型気動車。コスト削減のために空気ばね式車体傾斜制御を採用したが、カーブの多い土讃線では空気の補充が間に合わない可能性があるため量産を中止した。主にうずしおで運行。 - 2700系
- 2600系に代わって、従来の振り子式制御を採用した特急型気動車。2020年度までに41両が導入された。 現在は土讃線の「南風」「しまんと」、予讃線の「宇和海」、高徳線の「あしずり」などの特急に投入されている。2000系からの伝統を受け継ぎ現在のアンパンマン列車として各地を駆けまわっているのは大体がこの車両。
その他
- 111系
- 国鉄の置き土産。電動車としての111系は国鉄分割民営化後、JR四国だけで運用されていた。01年春にJR四国での運用を終了。 - 113系
‐ JR東日本から譲渡された車両を大改造。かつては東海道線で活躍していた。車号は東日本時代と異なる。瀬戸大橋線の運用がなくなり2019年に運用終了 - DE10 - 四国の主力ディーゼル。
- DF50 - 伊予西条駅付近にある四国鉄道文化館に展示。 国鉄期の主要機。今でも車籍は残っており本線上を走行可能である。(ただし展示の際にエンジン等の整備をしていないと思われるため実際には走れるかは不明)
- キハ58系 (キハ28形、キハ57形、キハ58形、キハ65形)
- 日本中を走った急行形車両。08年秋にJR四国での運用を終了。 - 12系 - ムーンライト松山・高知の運行に使用。2011年に全廃。
- 14系 - JR東海より譲渡。2016年に東武に2両残った12系と共に譲渡された
- マヤ34形 - 高速軌道試験車両。
- キクハ32形 - 瀬戸大橋トロッコなどに使用。 動力を持たないためキハ185系がペアを組む。
- トラ45000形 - 無蓋車を改造。予土線のトロッコ「清流しまんと号」に使用。
- アイランドエクスプレス四国 - 現在2代目。キハ185系改造のジョイフルトレイン。
主な列車
- マリンライナー 岡山~高松間の快速
- しおかぜ(列車) 岡山~伊予西条・松山間の特急
- いしづち(列車) 高松~松山間の特急
- モーニングEXP高松・ミッドナイトEXP高松 高松~伊予西条間の特急
- モーニングEXP松山・ミッドナイトEXP松山 新居浜~松山間の特急
- 宇和海(列車) 松山~宇和島間の特急
- 南風(列車) 岡山~高知間の特急
- しまんと(列車) 高松~高知・中村・宿毛間の特急
- あしずり(列車) 高知~中村・宿毛間の特急
- うずしお(列車) 岡山・高松~徳島間の特急 全国の気動車特急の中では最多本数。(16.5往復)
- 剣山(列車) 徳島~阿波池田間の特急
- むろと(列車) 徳島~牟岐間の特急 なお室戸岬がある室戸市には鉄道自体が通っていない
- サンライズ瀬戸 高松~東京間の寝台特急
- 伊予灘ものがたり 松山~伊予大洲・八幡浜で運行される観光列車
- 四国まんなか千年ものがたり 多度津~大歩危で運行される観光列車
- 時代の夜明けものがたり 高知~窪川で運行される観光列車
関連動画
JRグループ
子会社
- ジェイアール四国バス
- めりけんや(NREと共同にて山の手沿線に出展している。)
- よんてつ不動産
関連項目
親記事
子記事
兄弟記事
- 6
- 0pt