アーマード・コア ラストレイヴンとは、フロム・ソフトウェアから発売されたPlayStation2用ロボットアクションゲームである。
通称『ACLR』。タグ検索時も同様。ただしシリーズファンの間では『LR』のみで通用する。
キャッチコピーは、PS2版では「誰もが、生きるために戦っている。」というもの。
後に発売されたPSP版では「最後の傭兵(ラストレイヴン)となるものは、誰だ。」となっている。
概要
『アーマード・コア』シリーズ第10作(ただし、ほぼシミュレーションゲームであったために外伝的扱いを受けている『アーマード・コア フォーミュラフロント』も含めると第11作)。PS2向けに発売された最後の作品である。
ゲームプレイでは前々作『アーマード・コア ネクサス』(以下、『NX』)で導入された新操作や新システムがより洗練され、ストーリー面では『アーマード・コア3』(以下、『AC3』)から続く物語の完結を描いており、まさにシリーズの総決算的作品といえる作品(次作『アーマード・コア4』以降は、世界観や操作方法が根本から見直されリニューアルされた)。
『NX』で、その大味すぎる調整でレイヴン達を慄かせた「熱暴走」の要素などが、大幅に改良されたほか、各部位に耐久度が設定され、これによって性能劣化が起こる「部位破壊」の導入によってさらに戦略性が増した。また、マルチエンディングなど『NX』で期待されたものの導入されなかった要素が追加され、パーツ数も大幅に増加しており、全体として『NX』をブラッシュアップした正統進化版となったと言ってよい。
しかし、シリーズでも特に高い難易度と、パーツバランスの劣悪さで悪評も高い。
パーツ数自体は多いのだが、そのせいでいわゆる「産廃」パーツが少なからず生まれている。また、「部位破壊」導入の結果、脆すぎて足の速さが殺された「フロート型」と、鈍すぎてほかのパーツを危険に晒すことになった「タンク型」の2つは、カテゴリーそのものがほぼオワコンと化してしまった。
また、この大味さはまるごと対戦にも反映されてしまっていたため、対戦バランスも悪かった。前作『アーマード・コア ナインブレイカー』が良調整だったこともあって、今作での対戦はさっぱり盛り上がらなかった。
移植版
2010年には『アーマード・コア ラストレイヴン ポータブル』のタイトルでPSPに移植された。
こちらは、『ACLRP』と略されることが多い。
操作方法は、『AC3』や『アーマード・コア3 サイレントライン』のPSP移植版と同様であるが、キーコンフィグが可能である。
PS2版を忠実に再現した良好な移植作だが、ボタン数の都合上操作性が低下しているにも関わらず、難易度やパーツ調整も忠実なままであったため、難易度はかなり高い。また、キーコンフィグで操作方法を調整しても、「パージ」=「パーツ切り離し」に使用するコマンドは変更できないため、設定によってはパージが出来ない。今作はパージの重要性が高いため、PS2版を遊んだレイヴンからはこの点で評価が低い。
ただし、敵AIが弱体化しているため、相対的に難易度はPS2版と同等かそれ以下となっているという声もある。ストーリーモードも、一切ペナルティ無しでコンティニューできるようになったため、クリアが容易になっている。
ちなみに、『アーマード・コア5(当時)』に使用できるプロダクトコードが封入されていたが、当初2011年に発売されるはずだった同作が、詳しい告知もなしに長期にわたって延期されたため、結局このコードは使わずじまいになるのではないかと危惧する声もあった。
最終的に、『アーマード・コアV』となって同作は1年越しに発売され、かなり間隔は開いたものの、無事、このコードを用いたキャンペーンが行われた(シリーズおなじみ「月光」のオリジナルバージョンが入手できると言うものだった)。
世界観・ストーリー
NXで起こった企業同士による「資源」を巡る騒乱の果て──
旧世代の遺産が人類にもたらしたのは繁栄などではなかった。旧世代の遺産の起動により飛来した無数の無人兵器のために地上は壊滅的な打撃を受けることになる。
その出現と同じく無人兵器は唐突に姿を消した。かつて世界を支配していた企業は力を失い、各地で物資を巡る争いが頻発する。 破壊と混乱の中で疲弊した企業側は、単独での支配権の確立は困難だと判断、自らの権益の守るため連合統治機構「アライアンス」を設立。それから半年、アライアンスが徐々にその機能を発揮し始め、世界に新しい秩序が生まれようとした矢先、無人兵器襲来後行方不明となって いたジャック・O率いる武装勢力「バーテックス」がアライアンス打倒の声明を発信。ジャックは「レイヴンによる新たなる秩序の創出」という理想を掲げ、自らの本拠地「サークシティ」の所在を明らかにし、きのこっている全てのレイヴンに集結を呼びかけ、さらに大胆なことに自ら決戦となる襲撃日時を予告。
アライアンスはジャックに同調する全てのレイヴンに賞金を懸け、バーテックスの切り崩しに計る。ジャックもまた自らの敵に回ったレイヴンに同様の措置を取ると 表明しこれによりレイヴン達はお互いの賞金を狙い激突を繰り返した。2大勢力争いは拮抗し、そして熾烈を極めていく、バーテックスの予告したアライアンス 襲撃決行まで24時間、残りのレイヴンは22人。
今作は『NX』の直接的続編である。
『NX』からわずかに半年ほどしかすぎていない時代が舞台となっており、引き続き登場する用語や組織・人物が非常に多く、シリーズの中でも、続編として前作との関わりが特に深い作品である。
そのため、『NX』をやっていると世界観などの把握が容易になるが、ストーリー自体はそこまで深く繋がってはいないので、この作品からプレイしても問題は無い。
むしろ、どれも個性的な登場人物と、優位を得るべく戦う二組織の対立状態と言う比較的わかりやすい世界情勢のおかげで、従来作よりも妄想力フロム脳の必要性が低いわかりやすい展開になっており、世界観に入り込めるという点に関しては新規プレーヤーにも勧められるストーリーである。
シリーズを通して見ても、24時間というタイムリミットの中で戦うという短時間のストーリーは唯一無二である。
また、過去の作品では、歴史伝記のように、世界情勢を主人公という傭兵が傍観するような展開であったが、本作では主人公を含めた個人の物語に焦点が当たっており、過酷な世界を生きるレイヴン達のドラマティックな生き様が描かれる。
撃破された場合、また最初の時間からやり直すことになる(一応コンティニューできないわけでもないが)。
主人公の行動が情勢に影響を及ぼすため、ミッションをこなすごとに、世界情勢が刻一刻と変化していく。
最終的には、どの勢力に加担したかなどの条件によって、6つのエンディングに分岐する。シリーズでマルチエンディングを本格的に導入したのは2度目である(最初に導入したのは初代『アーマード・コア』。この後、『アーマード・コア フォーアンサー』などにも導入される)。
AC戦(いわいる中ボス戦)が非常に多い、機体の速度に対し作戦領域が小さい、シリーズ恒例のローディング後の弾薬補給・AP回復が無い、という仕様のおかげで、ストーリーモードの難易度はシリーズ屈指を誇る。
『アーマード・コア2 アナザーエイジ』と並び、シリーズ初心者には決してお勧めできない。
特に、中枢進入におけるジナイーダ(通称ラスジナ)、パルヴァライザー最終形態の鬼畜っぷりはシリーズ屈指であり、あのナインボール・セラフと並ぶ程である。
それでも「高難易度上等!俺はこれから始めるぜ!」と言ってのける剛毅な新米レイヴンには、一番最初の3つのミッションのうち、最も報酬の高い「管理局強行偵察」というミッションを選ぶことを強く推奨する。
登場人物
- 主人公
- ストーリー開始時、22人だけ存在するレイヴンのうちの1人。
シリーズでも人物設定が希薄な部類に入り、いったいいつからレイヴンとして活動しているのか、どのような過去を持つのか、そもそもどんな人物なのか、一切不明。
ジャック・Oの総攻撃宣言を受け、タイムリミットまでの24時間に渡り、ぶっ続けでいくつもの過酷なミッションに身を投じる超人。彼も、彼をぶっ続けでサポートするシーラも、彼のACを幾度も修理してベストコンディションに持っていく修理担当者も、凄まじい体力の持ち主であると言えよう。
その行動如何で、アライアンスとバーテックスのパワーバランスが変化する。アライアンスの下で秩序維持のために動くレイヴンとなるのか、バーテックスに参加して新たな秩序を作るために暴れるレイヴンとなるのか、それとも悦の何かになるのか、は、プレイヤー次第である。 - ジャック・O / 搭乗AC:フォックス・アイ (CV:津田健次郎)
- 『NX』から引き続き出演。愛称は弱王、興。
今作の鍵を握る人物。武装勢力バーテックスを結成し、その裏で自らの目的のために暗躍する。物語の裏で糸を引く策謀家であり、曲者ぞろいのレイヴンたちを纏め上げるカリスマである。
彼の愛機“フォックス・アイ”は重量級+高火力。しかし、あまりに設計が破綻しているほか、主人公と戦うときにはだいたいコンディションが悪いため(高濃度ECMにより攻撃頻度が非常に少なかったり、瀕死だったりする)、容易に背後を取れる。
ゆえに「弱王(じゃく・おう)」と呼ばれている。
「興」という異名の理由については、この文字の項を参照しても良いが、実際にプレイしてみれば一発でわかる。
物語内での魅力もさることながら、いちいち台詞回しや行動がホモネタっぽいため、シリーズ内でも屈指の人気を誇るホモネタキャラである。大百科内にも記事が出来るほどである。彼の愛称の由来などもっと彼のことを知りたい人はそっちの方も参照してほしい→ジャック・O - エヴァンジェ / 搭乗AC:オラクル (CV:桐本琢也)
- 『NX』からの続投。愛称は「隊長」。強化人間。
- アライアンスの戦術部隊の司令官として活動している。「実力は確かだがそれ以上に自信過剰」という評価が劇中でなされているが、その評価通り、自身を「ドミナント(戦闘センスがある者)」と信じて疑わない怖い性格。若々しかった前作とは打って変わって、落ち着いた感じが増しているが、根本的には相変わらず野望に燃える熱血漢といったところ。
ルートにより立ち位置がかなり変わる人物。かませ犬だったり、ライバルだったりと何かと忙しい。 - 彼の愛機“オラクル”は中量二脚のバランスの良い機体構成。左手に輝くドミナントソードこと「MOONLIGHT」がトレードマーク。し強化人間であるため、肩に装備したリニアキャノンを地空問わず連発するという強力な戦法が可能であり、重量級機体以外は被弾する度に硬直して間合いの主導権を奪われてしまう。
ただし、左手にブレードを装備しているため、射撃戦における瞬間的な火力は決して高くなく、間合いを維持して冷静に射撃攻撃を重ねれば勝利可能である。 - とあるルートの最終ミッションで何故か強さの秘密である肩リニアを両肩グレネードに変更し、弱体化してしまう。しかし、そのミッションでの彼の行動に感動し、その漢の背中に惚れたレイヴンも多い。
- ジナイーダ / 搭乗AC:ファシネイター (CV:浅野まゆみ)
- 最近になって活動を開始した(写真付きプロフィールが存在しない)レイヴン。女性。
特定勢力に荷担しないレイヴンの中では、最高レベルの戦力と言われている実力派。バーテックスとアライアンスの争いには興味がなく、「俺より強い奴に会いに行く」を地で行く女傑。NEW GAME時に暴れまわっているのも彼女。
レイヴンを倒すミッションを多く遂行していると、彼女の方から接触してくる。 - 彼女の愛機“ファシネイター”は射撃重視のバランス型中量二脚。通常武装時は主武装は右手のマシンガンなので低火力気味であり、そこまでの強敵ではない。しかし、決戦武装時の彼女は最早1年フライングしたネクストACであり、圧倒的な量の弾幕と立体的な機動力の前では、趣味だけで作った機体で無策のまま勝つのは不可能である。その強さはシリーズ内のボスでもトップクラスであり、今作の難易度を引き上げた要因であり、プレイヤーの心を最も多く折った敵の1人と言ってよい。
- その姿が確認できる数少ないレイヴンであり、NEWGAME時のムービー内でACを降りてくるのが見られる。ただし顔は映らず、首より下のみ。パイロットスーツを着ていることを加味しても明らかにぺったんこであり、一部では「マナイータ」という不名誉なあだ名をここからつけられている。
エンブレムである裸婦の酒瓶がナイスバディなこともあって、フロム脳患者の間ではコンプレックス説が後を……(このコメントに三度目はありません) - シーラ・コードウェル (CV:深見梨加)
- 主人公個人と専属契約している今作のオペレーター。
任務斡旋組織や企業などに所属していたり、正体がAIだったりした歴代のオペレーターとは違い、歴代オペ子と比べかなりフレンドリー。砕けた口調と性格の持ち主で、個人契約ゆえに報酬にとてもうるさい。雇い主に報酬の増額の交渉をしたり、歩合制のミッションでは報酬の上乗せを求めてきたり、いわゆる守銭奴。実際、予期せずレイヴンを倒し、賞金が入ったりすると凄く喜んでくれる。 - 主人公と契約する前は、旧ミラージュ社の情報伝達班に所属し、若くして同班の責任者として活躍していたらしく、オペレーターとしては情報伝達もまめで、その能力は非常に優れている。
なんやかんやで主人公のことはとても心配してくれている。 - その他の登場人物
- ※赤字はバーテックス、青字はアライアンス所属、黒字は独立勢力。NXから登場している人物には(続)を付記
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- G.ファウスト/パンツァーメサイア
- ゴールディ・ゴードン/レイジングトレントⅣ(続)
- グリーン・ホーン/ホットスパー
- ジャウザー/ヘヴンズレイ
- ケルベロス=ガルム/二フルヘイム
- モリ・カドル/ピンチペック
- ムーム/METIS
- ンジャムジ/ウコンゴ・ワ・ペポ(続)
- ファントム/ストレイタス(続※設定のみ)
- プリンシバル/サンダイルフェザー(続)
- ライウン/ストラックサンダー(続)
- リム・ファイアー/バレットライフ(続)
- トロット・S・スパー/バリオス・クサントス(続)
- VOLA-VOLANT/サドゥンドロップ
- ウォーンタン・バスカー/クライストチャーチ
- 烏大老/エイミングホーク(続)
- ズベン・L・ゲヌビ/サウスネイル
- Ω/ClownCrown(続)
主な登場兵器
- AMIDA
- NXからの続投、AC界のマスコットキャラクター。
そのボディライン、触手、複眼、どれをとっても可愛らしく、レイヴンたちの荒んだ心を癒すのに一役買っている。
LRでは新たに空を飛ぶ個体も現れ、数多のレイヴンの心を鷲掴みにした。 - 基本的にミッションでは集団で出現し群がってくる。レイヴンモテモテである。
そのあまりの愛くるしさに見惚れて融けてしまわないように注意が必要だ! - 残念なことに4系に入ってからはめっきり出番がなくなってしまった。
何、きっと次回作でトーラスあたりがやってくれるさ。 - レビヤたん
- 緊急発進☆レビヤたん!こちらもNXからの続投。
シリーズ恒例の”あんなもの”レビヤたんはシーラにこんなもの呼ばわりされている。NXでは格納施設の奥のほうに座っているだけだったが、LRでとうとう空を手に入れた。 - こちらもレイヴンたち人気の的であり、ある意味AMIDAのライバルである。
とあるミッションでは計3体のレビヤたんと戯れることが出来る。
関連動画
↑パーツ無購入縛りでミッションを攻略するシリーズ。この作品でレイヴン入門するプレーヤーにとってミッション選択方針は参考になるだろう。
関連項目
- アーマードコア
- ドミナント
- ゴミナント
- ジャック・O
- エヴァンジェ
- ジナイーダ
- この先生きのこるには
- istd
- じょ、冗談じゃ・・・
- ゲイヴン
- KOLDITS ←アセンブリー解説のドミナント。攻略に詰まったら、機体から見直そう。
- 二等兵の人 ←ノーダメージ攻略のドミナント。どうしても攻略出来ないなら参考にしよう!
- パルヴァライザー
- シーラさんは絶対です
子記事
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- なし
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