- 小説『スター・ウォーズ アソーカ』、ドラマ『アソーカ』についてはそれぞれの記事を参照のこと。
アソーカ・タノ(Ahsoka Tano)とは、「スター・ウォーズ」サーガに登場するキャラクターである。
アニメでの声優はアシュリー・エクスタイン、実写ドラマでの担当俳優はロザリオ・ドーソン。日本語吹き替えは双方ともに伊藤静が担当する。
概要
頭部の角が特徴的な種族トグルータの少女。アニメ『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』全編において活躍と成長が描かれる同作のメインキャラクターであり、ドラマ『アソーカ』の主人公である。
3歳のときにジェダイ・マスター、プロ・クーンに見いだされジェダイ聖堂で育った。やがてアナキン・スカイウォーカーのパダワンとなり、以後共にクローン戦争を戦うが、よんどころない事情によりジェダイ・オーダーを去る。しかし以後も共和国側に与して戦い抜き、オーダー66でのジェダイの粛清を逃れる。やがて“フルクラム”のコードネームで反乱同盟軍のエージェントとして働き、若きエズラ・ブリッジャーやケイナン・ジャラスを導く側となる。
若い頃の性格は生意気かつ恐れ知らずであり、命令違反などで師であるアナキンやオビ=ワン・ケノービの手を焼かせることもしばしばである。アナキンとは似たもの同士で、彼が自分に任務をまかせてくれないなど愚痴をこぼす場面はオビ=ワンに反発するアナキンの姿そのもの。戦いを経験していく中でアナキンの反骨精神に強く影響されていくが、聡明なジェダイとしての力を確実につけていく。
『クローン・ウォーズ』作中でコスチュームは何度か変化している。『クローン・ウォーズ』シーズン3前半までは上半身の胸の部分を隠すだけのシンプルな出で立ちだったが、それ以降はきちんと体を覆う服を着ている(しかし背中が出ているので露出度は依然高い)。シーズン7ではジェダイを離れ民間人となったこともあり、より一般人的な服装に近づいている。
人物と能力
大胆で勇敢な性格だが若さゆえに熱くなりやすく不注意なところがあり、戦闘で窮地に陥った場面もある。パルパティーンが参加している作戦会議に口をはさむなどアナキンの弟子になりたての頃には生意気な面もよく見られた。しかし類まれな意思の強さは師であるアナキンからも評価されており、実際にトランドーシャンに拉致されたときには仲間のパダワンを鼓舞し状況を打開するきっかけをつくった。またアナキンを“スカぴょん(Sky guy)”と呼ぶなどユーモアのセンスもある。
戦いではライトセーバー片手に戦場を軽快に動き回るのがアソーカの戦闘スタイルである。ライトセーバーを持つ相手との戦いではグリーヴァス将軍やアサージ・ヴェントレスといった強大な遣い手などと渡り合ったこともあり、能力の高さがうかがえる。『クローン・ウォーズ』シーズン3からはライトセーバーを2本所持し2刀流で戦うようになった。宇宙での戦いではスターファイターを駆りアナキンとコンビを組んでいることが多い。クローン戦争時点ではフォースの扱いは未だ修行中であり、修行を終えぬままジェダイの粛清を迎えることとなった。
経歴
クローン戦争での活躍、その運命
クローン戦争中、クリストフシスの戦いのさなかにアナキンのもとに派遣され、そのパダワンとなる。以後、重要な戦いの数々で師匠と共に成果を挙げた。ライロス解放における惑星封鎖の突破作戦では、自身の無謀な戦い方で部下を失いその責任の重さを痛感するが、後にクルーザーごと相手艦に体当たりさせるという大胆な作戦を立てて見事これを成功させる。また第2次ジオノーシスの戦いではルミナーラ・アンドゥリのパダワンであるバリス・オフィーと共にドロイド工場に潜入し、決死の覚悟で工場を破壊する任務を達成した。
戦争半ば以降は単独で任務に赴くことも多くなり、パドメ・アミダラの護衛やジェダイ訓練生たちのカイバークリスタル探索に同行することもあった。ジェダイとしての振る舞いやフォースの能力はこの頃からめざましい成長を見せており、マンダロリアンの結社デス・ウォッチと一戦を交えて生き延びたり、分離主義勢力の要塞からの脱出作戦を成功させたことからも明らかである。
騎士団を去る
クローン大戦末期、アナキンとアソーカはジェダイ聖堂爆破事件の捜査のために呼び戻され、評議会はジェダイを含も内部の者の犯行の可能性を示した。ジェダイ犯人説が囁かれる中、アナキンとアソーカは聖堂で働く夫を利用し爆破事件を起こしたとされるレッタ・ターモンドを容疑者として捕まえるが、レッタはジェダイの指示を受けたと供述する。そして聴取の最中にレッタは突然何者かのフォースによって殺され、アソーカは彼女と2人きりだったことを理由に逮捕されてしまう。
アナキンとの面会も出来ず拘留されるアソーカだったが、牢のカードキーと自分のライトセーバーを発見し脱出を図る。しかしこれは罠であり、クローン兵の死体を発見し自分が陥れられたことを悟る。逃走する最中、アソーカはアナキンからの投降の求めを拒否し、コルサントの暗黒街へと落ち延びた。暗黒街ではヴェントレスの協力を得、バリスから手がかりと教えられた倉庫を調べるが、ヴェントレスに扮する何者かに襲われ、さらに聖堂を爆破したものと同じ爆弾がある場所でクローン兵たちに捕まってしまう。
聖堂に連れ戻されたアソーカは、様々な状況証拠から聖堂爆破とクローン兵殺害の犯人との疑いが濃くなり、評議会によりジェダイ・オーダーからの追放を言い渡される。アソーカが軍事法廷での審判を待つ間、アナキンが真犯人の調査に乗り出し、ヴェントレスから、アソーカを案内した後に襲われライトセーバーを奪われたこと、アソーカに倉庫に向かうように言ったのがバリスであることを知る。アナキンはバリスに会いに戻るが、そこで見たのはヴェントレスのライトセーバーを持つバリスだった。アナキンはバリスがアソーカの信頼を裏切り罠に嵌めたことに激昂し、ライトセーバーを交えた末に彼女を捕縛する。
法廷ではまさにアソーカに有罪と死刑が言い渡されるところだったが、バリスを連れたアナキンが現れたことで一連の容疑は晴れた。評議会はアソーカを再び騎士団に迎えたいと申し出、その代表としてクーンが過ちを認め謝罪したが、アソーカは評議会が自分を信じなかったことやバリスに裏切られたことに自分で整理をつけたいと述べ、アナキンの引き留めにも応じずジェダイを去っていった。
マンダロア、そしてオーダー66
その後のアソーカはしばらく民間人として暮らしていたが、戦争末期、マンダロアの攻囲戦に関わることとなる。マンダロアは戦争に中立を保っていたが、内紛の末にモール(かつてのダース・モール)に支配されていた。アソーカはマンダロリアンの実力者ボ=カターン・クライズと組み、旧知のキャプテン・レックスが率いる共和国軍の援軍とともにモールに対抗することとなる。
戦いと決闘の末、アソーカはモールを捕縛し共和国軍の船でマンダロアを出立するが、その途上でオーダー66が発動された。アソーカはレックス率いるクローン兵の攻撃を危うく逃れると、隙を突いてレックスを捕らえ行動抑制チップを摘出、パルパティーンの命令の縛りを消し去ったレックスを味方につける。2人は直前までの味方と戦うはめに陥りながらも、制御を失って墜落する船から辛うじて脱出に成功し、自身の死を偽装して身を潜めた。
共和国は銀河帝国に変貌した。アソーカは騎士団を離れた自分だけがジェダイの粛清を逃れていることに複雑な思いを抱き、フォースを捨て一民間人として生きようとする。だが帝国の圧政のもとで銀河は混迷を深めてゆき、彼女に捨てたはずのジェダイの道から目を背けることを許さなかったのである。
フルクラム
紆余曲折のすえオルデランのベイル・オーガナに接触したアソーカは、「フルクラム」のコードネームを用い、揺籃期の反乱同盟軍の情報エージェントとして活動するようになった。
オーダー66から15年以上が経ち、円熟したアソーカは惑星ロザルの小規模な反乱者グループと出会う。その中にはオーダー66を逃れた元パダワン、ケイナン・ジャラス(ケイレブ・デューム)と、その弟子の少年エズラ・ブリッジャーがいた。アソーカは、弟子エズラの育成に悩むケイナンとやる気が逸りがちのエズラを年長者として見守る。そして反乱活動のなかでシス卿ダース・ヴェイダーに遭遇し、かつての師アナキンが黒い装甲服の暗黒卿へと変わり果てたのではないかと疑いを抱くようになる。
やがてアソーカとヴェイダーはシスの寺院惑星マラコアで激突し、一対一の決闘のなかでヴェイダーが真に師アナキンであることを知る。彼女はケイナンとエズラを逃がすことに成功するが、2人はアソーカをヴェイダーとの戦いの場に置き去りにするほかなかった。以降、アソーカの行方は知れなくなり、エズラたちにはアソーカが死んだように思われた。
反乱の向こうへ
だが、アソーカは生き延びた。ヴェイダーに殺されかけた瞬間、フォースが関わる神秘的なはざまの世界から2年後のエズラが手を伸ばし、彼女の命を救ったのである。しかし2人は皇帝パルパティーンの攻撃を受け、別々のポータルから現実の世界へと戻ることとなった。
その後、エンドアの戦いと帝国の崩壊までにアソーカがどのような道を辿ったのかはわからない。だがエンドアの戦いの後には、ロザル解放の際に自らハイパースペースへと消えたエズラを見つけ出す旅に出ている。さらにエンドアの戦いの5年後には、“マンダロリアン”ことディン・ジャリンとグローグーや、かつての師の息子ルーク・スカイウォーカーとも交流がある様子である。
帝国崩壊後のアソーカは、あくまで自分は“元”ジェダイにすぎないというスタンスを維持しながらも、かつてエズラが自分ごと連れ去った帝国軍の天才的戦略家スローン大提督が“帝国の後継者”として帰還する、という恐るべき脅威をさぐる任務に身をおき、戦いの旅を続けている。
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関連項目
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