スーパーロボット大戦Lとは、バンダイナムコゲームスのバンプレストレーベルから2010年11月25日に発売された ニンテンドーDS用ゲームソフトである。略称は「スパロボL」。ジャンルはシミュレーションRPG。
概要
派生作品を除くと、ニンテンドーDS向けのスパロボとして3作目となる作品である。
新規参戦作品は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』、『戦え!!イクサー1』、『冒険!イクサー3』、『獣装機攻ダンクーガノヴァ』、『マクロスF』、『鉄のラインバレル』の6作品。参戦作品に被りが見られるが、例によって前作『スパロボK』や前々作『スパロボW』との物語上のつながりはないと思われる(というかシリーズ明文化されているタイトル以外で続編があった例がない)。
なお前作スパロボKの不評雰囲気を廃するためか、制作面でいろいろ変更があった。
システム
連続ターゲット補正が続投、ボスを除いて敵がほぼダブルユニットで来る(後述の説明を参照)、無消費武器が無くなったetc・・・こともあり、シングルユニットでの無双がほぼ不可能なシステムになっている。
他にも特徴的なシステムを以下に記述。
パートナーユニットシステム
2つのユニットで1つの組を編成し、コンビで戦うシステム(例外として戦艦はパートナーユニット不可)。
パートナーユニットになる主なメリットは
- 機体ボーナスを共有できる
後述。特に地形適応を上げる手段はこれと5・10段階オール改造ボーナス(特定機体のみ)しかない。 - 合体・合体攻撃などは、対象のユニット同士でパートナーユニットを組んでいれば、気力等の条件さえ満たせば位置を気にする必要無く常に使える。援護防御も同様にいつでも可能。(援護攻撃は元々両方とも一緒に攻撃するので発生しない)
- 鈍足ユニットでも移動力の高いユニットと組めば擬似的に鈍足を解消できる。
- 戦闘内容に関係なく経験値は2ユニットに同等に入るので、レベルの低いパイロットの引き上げも可能。
- 一部の精神コマンドは片方が使うとパートナーにも同時にかかるためより高い効果を得られる。
逆にパートナーユニットを組まない(シングルユニット)で得られるメリットとしては以下の様な物がある。
- アタックコンボ攻撃を使う事が出来る
ただしアタックコンボは対象とする敵ユニットの数が多くなるほど威力に下降補正がかかるようになり、前作までと比べてだいぶ使い勝手は低下した。ただそれでも削りにはまだまだ有用だし、元の威力が高い武器はパイロットを育てれば一撃で複数機を撃墜する事も十分可能。 - 隣のユニットから援護攻撃・援護防御を受けられる
パートナーユニットを組んでいると基本的に援護は自分のパートナーからしか受けられないが、シングルユニットだと隣接セルにいるユニットから受けられる。このとき隣にいるのがパートナーユニットを組んでいる2機1組のユニットであっても可で、その場合はどちらから援護を受けるかを選べる。
このように前作「K」と比べてパートナーユニットのメリットが濃く、シングルユニットのメリットが薄くなるよう調整されている。なお「K」では、イベントによる強制出撃の対象になっているユニットも編成でサブをつけることが出来たが、今作「L」では完全にシングル固定であり、MAPが始まってから編成する事も出来ない。
機体ボーナスシステム&強化パーツ廃止
恐らく、新作が出るたびにプレイしていたスパロボファンにとってはここが一番目を引いた変更点だと思われる。
従来のシリーズにあった、「強化パーツを装備させて追加の能力を得る・弱いユニットほど多く装備できる」と言うシステムをばっさり廃止。
代わりというように、機体ごとにいくつかの能力値にボーナスが付くように。
例:「装甲値+150」「HP+1000」「地形適応・陸A(陸の地形適応がB以下である場合、Aにする)」
この機体ボーナスは全箇所(武器含む)5段階改造、10段階改造でそれぞれランクアップする。ランクアップにより新しいボーナスが追加される事もある。また、強化パーツのスロット数のように、弱いユニットほど強力なボーナスを持っている傾向がある。
合体系コマンドについて
以前の作品では複数のユニットで合体する事が出来るユニットは合体後も分離してバラバラに戻ることが出来たが、本作では一度合体したら分離できなくなった。
例外としてゴーダンナーのみ、「別のオクサーと合体しなおす」ことによってそれまで合体していたオクサーを外して擬似的に分離する事は出来る(ダンナーは単品には戻れない)
またイクサー1・2・3はイクサーロボ合体とあるものの、実質的にただの変形扱いなのか、合体前の生身に自由に戻れる。(そもそも「イクサーロボ合体/分離」という能力になっている)
新規作品の特殊システム
- ファクター・Dソイル値
「鉄のラインバレル」から参戦したパイロットのうちの一部が持つ能力。
技能「ファクター」を持つパイロットは独自ステータスとして「Dソイル値」を持っており、この値に応じた量、毎ターンのHP自動回復が得られる。パイロットによって初期値が違う他、戦闘の行動によっても上下する。 - ATフィールド・アンビリカルケーブル・シンクロ率
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」から参戦したユニットが持つ能力。
新劇場版設定での参戦が初なだけで、今までの旧エヴァが参戦した作品と殆ど同じだが、エヴァ3機が持つATフィールドは3000を基本値としてシンクロ率により効果が上昇するようになっている。使徒が持つ「ATフィールド(強)」は従来と同じく4000固定のバリア。
また今回のアンビリカルケーブルは特定マップのビルや出撃時に最も近い戦艦に接続されており、戦艦・エヴァ両方に移動範囲の制限がかかる。戦艦がなぜか移動できなくなったら、エヴァのケーブルを疑おう。
ケーブルが接続されているときは毎ターンENが全回復する。逆にケーブルを切断すると移動制限がなくなるが逆に毎ターン一定値のENを消費し続ける。ENが0になると戦闘不能=撃墜扱いとなるので注意。ちなみに初号機はこのパターンでも例によって暴走します。
戦艦に隣接して「接続」コマンドを使うか、戦艦に収容させればその戦艦に接続し直される。
参戦作品
- 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
- 機動戦士ガンダムSEED
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINY(デスティニーガンダム)
- 超電磁ロボ コン・バトラーV(コン・バトラーV)
- 超電磁マシーン ボルテスV
- ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU(ガイキング)
- 鋼鉄神ジーグ(鋼鉄ジーグ)
- マジンカイザー
- マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍
- 神魂合体ゴーダンナー!!(ゴーダンナーツインドライブモード)
- 神魂合体ゴーダンナー!! SECOND SEASON
新規参戦
- ヱヴァンゲリヲン新劇場版(試験初号機)
- 戦え!!イクサー1(イクサーロボ)
- 冒険!イクサー3
- 獣装機攻ダンクーガノヴァ(ダンクーガノヴァ)
- マクロスF(VF-25F アルト機)
- 鉄のラインバレル(ラインバレル)
その他
- 物語は「マクロスF」と「ボルテスV」が中心の世界と、その他作品が纏まった世界の二つで進行する。が、Kのように「マクロスF・ボルテスⅤ」側の世界に行ってどうこうする事はほぼない。その世界の話がプロローグから始まるため、「マクロスF」と「ボルテスⅤ」が序盤からかなりクロスオーバーしており、プレイヤーを驚かせた。
- 「スパロボL」のLは「リンク(link)」のLKの続編だからLらしい。
- 新規作品「鉄のラインバレル」はシナリオ面で厚遇されている。このためスパロボLのLは「ラインバレル(LINE BARREL)」のLと言われることも。シナリオ面での厚遇もあってか、ラインバレルの主人公である早瀬浩一の方がスパロボLの主人公に見えるという人もいる。
- 「想像しろ」の台詞の汎用性が高く、ちょっとした流行に。
- 「イクサー」シリーズやイクサー4ジャック・スミスといったSSサイズユニットは、歴代SSサイズ伝統の性能を受け継ぎ、驚異の回避能力でロボなんていらなくね?状態と化す(一応連続ターゲット補正により、過去作品と比べて無双しにくくはなっている)。
- 同じく「イクサー」シリーズには「渚バグ」と呼ばれる相方消滅バグが存在する。イクサーロボ形態時にゲームオーバーになるとサブパイロットの「渚」が消滅、セーブしてしまうとその周回では二度と使えなくなるというかなり重大なバグ。
ゲームオーバーになったらそのまま続けずに一旦電源を落として全滅する前のデータをロード、ゲームオーバーにならないようプレイするかロボと分離してから全滅すれば回避できる。ソフトリセットでは回避不可。
うっかりバグを起こさないように人型のままでプレイする人もいる。 - 参戦作品の「機動戦士ガンダムSEED」は、ストライク・デュエル・バスターのためだけに表記されている。
- 本作の「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」は、原作とかけ離れたシナリオ改変が行われている。キラとシンはいがみ合うことも無くなっり、シンが「運命を断ち斬る、切り開く」とよくつぶやくのが特徴。本作のスペシャルサンクスに、SEED監督の福田氏の名前が書かれており、今回のシナリオ改変に関わったのではないのか、と噂されている。
- 我らが張五飛は第一話から登場するという優遇っぷりであり、さらに「全く関係ない他作品キャラの説得」という前代未聞のチャレンジを行い、五飛伝説に新たな一ページを刻んだ。詳しくは「ナタクのファクター」を参照に。
- 「新約エヴァ」はTV版でいう「奇跡の価値は」までの再現。なのでマリは使用不可で、アスカが最後まで戦うことに。しかし空気参戦と言われればそういうわけでもなく、碇シンジが「ラインバレル」の早瀬とよく絡むため、出番は普通に多い。
- 主人公南雲一鷹は主人公だが『義理の兄が作品内でもトップクラスのネタキャラ』、『ラスボスが空気』、『ラインバレル勢のキャラと間違われる』など空気っぷりをネタにされる。前作が濃すぎた反動か。
関連動画
恒例行事
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- スーパーロボット大戦
- スーパーロボット大戦シリーズの一覧
- スーパーロボット大戦の関連記事一覧
- ラッシュバード
- 南雲一鷹
- AL-3 アリス
- 悠凪・グライフ
- HL-0 ハルノ
- まったく問題ありません!
- 黒人!イクサー4
- 巨人!イクサー5
- 今日もどこかで眼鏡が割れる
- ナタクのファクター
- 想像しろ
- 火消しのスラスターモジュール
- 大統領(スパロボ)
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