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ブルックリン・ナイン-ナイン(Brooklyn Nine-Nine)とはアメリカのコメディ刑事ドラマ。2013年からFOXで放送され(～第5シーズン)、第6シーズン以降はNBCに鞍替え放送される。日本ではNetflixで手っ取り早く視聴できる。
概要
ニューヨーク市ブルックリンを舞台に、架空の警察署であるNYPD第99分署の刑事達の活躍(?)を描くコメディドラマ。昨今では珍しい30分枠のドラマになっており、気軽に見られるよう配慮されている。
日本のアニメで言うところの日常系に近い内容で、登場人物の会話や行動の滑稽さを中核としている。事件と捜査については簡単に描かれており、捜査を全くしない話も珍しくない。一方で刑事の日常系コメディであることから、警察官労働組合やCOMPSTATなど、一般的な刑事ドラマではあまり題材にしない警察内部のネタが多い。また他の刑事ドラマではあまり取り上げらることのない法執行組織や法執行官も出てくる。
2013年の放送以来人気の高いシリーズだったが、2017年秋から始まった第5シーズンの視聴率が低迷、2018年にFOXは打ち切り決定を公表した。しかしそれから31時間後にNBCでの放送が決定し、第6シーズンからはNBCで製作が続けられることとなった[1]。
登場人物
NYPD第99分署
- ジェイク・ペラルタ刑事 (アンディ・サムバーグ)
優秀だがお調子者の刑事。マホーニ枠。本気を出せば出来る子だが基本的にふざけている。刑事という仕事にはやりがいを感じているようで、捜査はかなり熱心に行う。但し騒ぎも起こす。給料は悪くないはずだが金の遣い方が滅茶苦茶で経済的に困る事も。 - エイミー・サンティアゴ刑事 (メリッサ・ファメロ)
真面目で優等生タイプ。上昇志向が強いのだが、上司に媚を売りたがるセコい面も。ジェイクと手柄争いをするなど負けん気も強い。 - チャールズ・ボイル刑事 (ジョー・ロー・トルグリオ)
ペラルタの同僚にして親友。食べ物などに拘りが強いヲタク気質な面もある。女性からはしばしば気持ち悪がられているが、なんだかんだ言って結構モテるプレイボーイ。お人好しで失敗もする。元妻が怖い。 - ローザ・ディアス刑事 (ステファニー・ベアトリス)
ヤンキー刑事。硬派過ぎてビビられる事が多いが、根は義理堅くで仲間思い。元々はお嬢様なので所々で育ちの良さがでる。 - テリー・ジェフォーズ巡査部長 (テリー・クルーズ)
刑事達にとっての直属の上司とある係長級の監督官だが、部下達とは割と馴れ合っている。元々は太っていたものの、今は体を鍛えてムキムキマッチョに。結婚し子供が出来てから臆病になり現場仕事から離れていたが、周囲の支えもあり勇敢さを取り戻した。義理の兄からのモラハラに嫌気がさしている。時々上司らしい言動をとる。 - マイケル・ヒッチコック刑事 (ダーク・ブロッカー)
オッサン刑事コンビの片割れでスカリーの相棒。二人合わせて活躍らしい活躍もせず、処理案件数は二人合わせて年二桁だが以前は一桁だった。刑事としての才能はあり、優れた読みと隙の無い追求を行うことはできる。但しそれは食欲を満たしたり仕事をサボる為だけに使用され、犯罪捜査で発揮されることはない。 - ノーム・スカリー刑事 (ジョー・マッキノン・ミラー)
ヒッチコックの相棒で後は上に同じ。 - レイモンド・ホルト警部 (アンドレ・ブラウアー)
第99分署長。謹厳実直で厳格なベテラン警察官。ふざけた者が多い第99分署に配属になった当初は綱紀粛正に勤しんでいたが、彼らと交わるうちに朱に染まってしまった。ゲイであり大学教授の夫がいる。綱紀の緩い時代からNYPDに在籍し、アフリカ系でゲイであることから酷い差別を受けてきた。現場の勤務を長らく志望してきたものの、この差別によって閑職を盥回しにされた過去を持つ。一時上層部の嫌がらせで市警本部の広報担当に追いやられるが[2]、既に自分の家となっていた第99分署に執念で戻る。
ちなみにホルトの階級が原語でCaptainであることを知っていると、少し楽しめる回がある。 - ジーナ・リネッティ (チェルシー・ペレッティ)
第99分署刑事課所属の事務吏員で署長の秘書のような仕事も兼ねる。ホルト警部が広報担当に追いやられた時も帯同し、彼が復職できるように尽力した。美人だが、やや不思議ちゃんが入っている。妙に冷めた目で物事を見る事があり悪知恵も効く。元々大卒ではなかったのだが、学びたくなったので働きながら大学へ通い始める。
NYPD (その他)
- マドレーヌ・ワンチ警視監 (キーラ・セジウィック)
NYPDの上級幹部でホルト警部の刑事時代の相棒。既に階級では追い抜いているにも関わらず、ホルトにライバル心を燃やし何かとパワハラをしてくる。理不尽な扱いに憤るホルトが逆撃を加えても、それをさらに利用して自分の地位を高める強かな女。 - ペンブローク (ディーン・ウィンタース)
通称はハゲタカ。自分にとって旨みがありそうな事件を漁り、手柄を横取りしていく事からそう徒名された。当初は重大犯罪捜査課(MCU)の刑事として登場したが、その後出世し、ホルトが一時広報担当に追いやられた時は署長として赴任してきた。さらにその後は緊急対応部隊(ESU)の指揮官になるなど地位を高めている。 - ポドルスキ警察委員 (ジェームズ・M・コナー)
ニューヨーク市警察委員会の委員。息子のトレバーが器物損壊など数々の問題を起こしてきたのだが、その度に地位を利用して揉み消してきた。だがトレバーが第99分署管内でパトカーに落書きをする事件を起こした際は、どうしても逮捕したいペラルタと、彼を支援するホルト警部に脅しが効かず敗北している。
ニューヨーク市消防局
アメリカ合衆国郵政公社監察室
- ジャック・ドンガー監察官 (エド・ヘルムズ)
郵政監察官[6]。ペラルタとボイルが、郵便ポストを悪用した薬物密売事件を捜査した際に合同捜査を行った。苗字の読みを「デンジャー」だと勘違いしたペラルタは、その言葉の響きからハードボイルドな人物を想像し期待していたが、実際は郵便フェチの小役人で読みもドンガーである。
用語
- ハロウィン
例のお祭だが、本作品ではペラルタとホルトの勝負回として恒例になっている。第1シーズンはペラルタ、第2シーズンはホルト、第3シーズンは二人に邪険にされたサンティアゴが勝利している。 - 労働組合
警察官の労働組合。NYPDの警察官労組は巡査が加盟するPBA
、刑事が加盟するDEA、巡査部長が加盟するSBA、警部補が加盟するLBA、警部や警視が加盟するCEAがある。登場人物で言えばモブの巡査はPBA、刑事はDEA、テリーと昇進後のエイミーはSBA、ホルトはCEAに加盟する。労働組合は警察や自治体上層部との労働にかかる交渉のみならず、組合員が何らかの理由で訴追或いは処分された場合の互助も行う。NYPDの労組が先述のように分かれているのは、組織が大きいというだけでなく、階級によって利害関係が分かれている為。例えば巡査は上席者から処分を受ける可能性がある一方、管理職はその上席者から処分を受けたり部下から訴えられる可能性がある。ホルトが労働組合のことに対して口を出すのを憚ったのは、こういった事情があったわけだ。 - 近年の組合はツイッターやインスタグラムなどSNSを通じた活動を行っており、組合員への啓発と顕彰、業務や司法に関する改善案の提示、市長や市警上層部の悪口などを発信している。
- 人種互助会
労働組合とは別に、警察官は人種ごとに互助組織を作っている。作中にも登場したNYPDのアフリカ系警察官の組織としてはNYPD Guardian Associationがある。同様にアジア系警察官はAsian Jade Societyを、アイルランド系警察官はNYPD Emerald Societyを結成している。ちなみにNYPDのみならず、アメリカ各地の警察や消防のバグパイプ隊を主として担っているのはエメラルド・ソサイエティである。
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関連項目
脚注
- *人気刑事コメディ「ブルックリン・ナイン-ナイン」打ち切りから31時間で奇跡の復活！ 放送局をかえて、シリーズ継続が決定
- *但し実際の広報担当は閑職ではない。NYPDで広報の役割を担う部局は大別して二つ。一つは地域業務局。各所轄の地域との交流、情報交換、苦情受付や対処に掛かる業務を監督し、住民と警察との信頼関係を構築する。もう一つは広報担当警察委員(DCPI)。NYPDの報道発表など広報全般を取り仕切る警察委員。個別の事件においては、現場に専従職員を派遣し情報収集を行い、事件毎に広報の立案や報道発表の仕切りを行う。またNYPDの記者会見や公式発表全体を采配している。どちらの部署においても、情報の出し方一つで市民に有益ともなれば有害ともなり、また警察の信頼をも損ない兼ねない。アメリカ各地の警察機関は規模の大小を問わず何かしらの広報策を取っており、SNSの発達とも相まって、広報の重要性は高まっている。
- *原語ではFire Marshalと言う。日本語訳として「消防本部長」という言葉が付けられたが、FDNYの本部長は原語でChief of Departmentと呼ばれる役職である。よって公式の日本誤訳は誤りなのだが、他の消防組織では本部長職をFire Marshalと呼称するところもあるので、ここから生じた誤解だと思われる。
- *FDNY消防保安官は州刑事訴訟法第2.10条第44項で規定された司法警察職員であり、銃器を携帯し捜査や令状執行を行う警察官である。
- *検挙の一例。FDNY消防保安官は2018年2月17日、モロトフカクテル(火炎瓶)で故意に火災を発生させたとして、ブルックリンに住むジョージ・トーマス(35)を一級放火の疑いで逮捕した。一方でNYPDも放火捜査を行っており、刑事局放火及び爆発物案件課を市警本部内に設けている。アメリカは縦割り多重行政の国だから仕方ないね。
- *郵政監察官(Postal Inspector)は郵便に関わる窃盗や詐欺などを取り締まる連邦特別捜査官。大別して制服部門と刑事部門があり、前者は郵便施設における警備活動、後者は郵便に関わる事件捜査を行う。
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