ボブネミミッミとは、アニメ『ポプテピピック』の永遠の新コーナーにして休まらない箸休めである。誰が呼んだか「揚げ物の箸休めに油飲まされてる」コーナー。制作はAC部。
概要
アニメ『ポプテピピック』は様々な制作者が代わる代わる各コーナーを担当する形式を採るが、その中でも特に異彩を放つコーナー。製作のAC部メンバー・安達氏いわく「箸休めアニメコーナー」。
第1話から何回やっても「新コーナー」扱い、全く似ていないポプ子・ピピ美を始めとした異様に崩壊した作画、フレームごとに別人のように表情が変わったりするなど雑すぎるアニメーション、AC部のメンバーである板倉氏・安達氏自らによる何とも言えない演技と、他のコーナーが見てくれだけはまともな体裁を保っているのに比べると、電子ドラッグと呼んでも差し支えのない一幕(というかいつものAC部)と化している。
それもそのはず、このコーナーだけは原作者である大川ぶくぶ氏も須藤Pも監修に入っておらず(「○秒で作ってください」という尺の指定をする程度)、完成品を渡されるだけ。AC部が全部自由にやっている。…が、きっちり原作4コマを元に製作され、ネタの持ち味を大幅に破壊する事なくオチなどが新たに加えられ、非常に丁寧に作り込まれている。作画にさえ目を瞑れば。
AC部が自由に創っているためか、通常作画の他コーナーで既にアニメ化した原作ネタでもお構いなしにボブネで再度アニメ化されていたりする。というか第1話で早速やってる。しかしオチがかなり付け加えられているため、一粒のネタを二度美味しく楽しめる。作画にさえ目を瞑れば。
「ボブネミミッミ」という謎タイトルについて、AC部は「ポプ子とピピ美のキャラを崩していった結果、崩しすぎてこれはもはやポプテピピックではないと判断したので別タイトルにした」「あえてポプテピピックではない別タイトルとし、本作を”ポプテピピックのパロディ”と位置づけることで自由に制作することができた」という旨を語っている。要は「AC部の世界をポプテピピック化した」アニメである。毒々しい色使いと粘着質な音と共に表示されるボブネミミッミのタイトル文字は、企画書で書いたものからそのまま持ってきたという。なぜか最終話分のみ「新コーナー」が表示される際にピッというSEが入った。神風動画の効果音付きOPのリスペクト?
放送中の評価
あまりの個性的な仕事っぷりに「ここだけ飛ばした」「いらない」のコメントがニコ動では飛び交い、先行上映でも「最悪の反応だった」と言わしめたボブネミミッミ。さらに再放送パートでも一切内容が変わらないことから「もう見た」のテンプレコメントで埋め尽くされ、クソアニメでも群を抜く賛否両論コーナーとして爆誕した。
が、「声優リセマラ」で毎パート毎回声優が変更され、ネタも人を選ぶものが多い本編と比べると、ボブネミミッミはいつでも板倉氏・安達氏が声を担当し、Aパート(本放送)とBパート(再放送)でも内容が変わらず、作画が異様という部分で毎回安定していた。次第に「いつ見ても安定してる」「慣れてきた」ことから中毒になる人も出始め、コンスタントな「箸休め」コーナーとして徐々に視聴者に受け入れられるように。
第5話の担当声優、金田朋子・小林ゆうの強烈コンビ出演でとうとうボブネが「癒やし」と言われる始末。第6話は本編が今までと比べ少し物足りない内容だっため、「救世主」と言う声まで現れた。見る側が毒されているとも言えるが。
そして第7話、「ボブネミミッミ」としてはお休みだが、AC部はタイトルとなるネタ「ヘルシェイク矢野」を担当。遂に本編を担当した。その中身は、第6話で既に使われていた「ヘルシェイク矢野」ネタを膨らませ、ほぼ全編AC部2名の高速紙芝居で進行という離れ業だった。
しかも「ボブネミミッミ」とは違い、再放送ではAC部パートで初めて変化が発生。配役を入れ替えてアフレコを入れ、高速紙芝居の再演を行うという、メインコーナーに相応しいサプライズもあり、AC部とボブネミミッミの人気は決定的なものとなった。
その後も安定した「箸休め」っぷりを最後まで発揮し続け、こっちが本編・楽しみという人も続出。
最終話では1回分の尺しかなかったが、再放送で違う話を放送することとなり、「もう見た」と書き込もうとしたファンを驚かせ、逆に「見てない」のコメントが散発されることに。
ボブネミミッミで出現したセリフが流行ったものも多い。詳細は後述。
1期放送終了後~現在
1期の放送終了後には、KING AMUSEMENT CREATIVE公式通販サイト「キンクリ堂」限定商品としてボブネミミッミだけを集めた映像作品集が販売された。しかも描き下ろし2話収録。のちに動画配信サイトでも配信された。
また、1期放送終了後からしばらくした後にYoutubeでは、AC部2名の代わりに本編の声優が声の担当を行った動画が投稿された。
これが好評だったのか、2021年10月から放映されたリミックス版からは、TV放送版のボブネミミッミも本編同様に毎パート毎回声優が変更されるようになった=AC部が登場せず本編声優のままになったのだが、1期当時のAC部2名の声を支持していた層からは「コレジャナイ」という否定的な意見も見られていて賛否が分かれている。
みんなのカバャピョ
最初のボブネミミッミに登場し、その後も何度か登場機会のある半オリジナルキャラ。食べ物を恵んで欲しいとこれ見よがしにポプ子・ピピ美に空腹をアピールするが、結果サソリを食わされそうになり悲鳴をあげるという役どころ。
一連の流れは原作にあるネタの通りだが、原作では某小児向けアニメのカバ男のような見た目が、本記事の冒頭にもあるとおりカバャピョはいかにもAC部らしい造形の崩壊した珍奇なキャラクターとなっている。
その後原作者の大川ぶくぶは「ボブネミミッミ(=ポプテピピックの二次創作)というアニメの二次創作」としてカバャピョとサソャビョというキャラクターを争わせる漫画を投稿している。
何気ない◯◯が◯◯をきずつけた
何気ないマンボがサンバ師匠をきずつけたとはポプテピピックに出てくるネタ。
原作1巻52話に登場。「ウーッ…マンボ!」とマラカスを手に踊るポプ子を見て哀しい顔をしているサンバ師匠を見た際のオフゼリフ。マンボとサンバがどう違うのかというとマンボ(Mambo)はキューバの音楽形式で、サンバ(Samba)はブラジルの音楽である。
アニメでは3話にボブネミミッミで登場。アニメオリジナルで更にピピ美がオーレと言いながら踊り、「何気ないオーレがフラメンコ師匠をきずつけた」「そしてきずつきあった2人は結ばれた」と続く。オーレ(Olé)とは「行け」「進め」などを意味するスペイン語の間投詞で、闘牛士やフラメンコの踊り手などへの賞賛・激励に用いる掛け声。本来は踊っている本人がオーレとは言わないのである。
また、マンボの掛け声の前にポプ子が「あたいサンバ大好き」と話しているのもアニメオリジナル。何気ない誤解にフォーカスを当てた内容へとアレンジが加わっている。
何気ない◯◯が◯◯をきずつけたの汎用性が高く放送後いろいろな用途で使われた。
ヘルシェイク矢野のこと考えてた
原作1巻97話で登場。進路相談でパラディンになりたいと言ったら怒られたことをポプ子がピピ美に語っていたが、ピピ美は「ああ、ごめん。ヘルシェイク矢野のこと考えてた」と返して話を聞いてなかったという話である。このとき、ヘルシェイク矢野はたった1コマしか出ておらず、特別なセリフもなかった。アニメでは6話で取り上げられたが、このときはさほど話題にもならなかった。
しかし次週の7話にてAC部がこのネタを再び、しかも本編パートで取り上げた。AC部はヘルシェイク矢野についての回想シーンを膨らませ、この部分をひとつの物語として再構成してみせた。冒頭部はいつものボブネミミッミの作画だったため、誰も期待しなかったが、ピピ美の回想部分でまさかの実写を使用。何をするかと思えばヘルシェイク矢野に関するストーリーをAC部の2人が高速紙芝居で上演したのである。
AC部の得意芸とあってそのクオリティは高く、ハッシュタグ「#ヘルシェイク矢野のこと考えてた」は長時間Twitterのトレンド上位に入るわ色々な公式アカウントが話題にするわ、大きな反響を呼んだ。
なお、今回はメインパートということもあり、ポプ子とピピ美の作画は顔だけしっかりと原作のテイストそのままになっている。一方で体型は妙に筋骨隆々としているため相変わらずいつものAC部感も満載で、更にヘルシェイク矢野のインパクトが絶大なので作画に関しては気付きにくい。
なお、リミックス版では高速紙芝居で登場しているAC部2名も本編の声優が担当している。
行動力の化身
原作1巻50話に登場。ミュージックビデオ作ったというポプ子の報告を聞いたピピ美の感想。一応女子中学生のポプ子が独学でミュージックビデオを作ったのだから確かに行動力の化身と言える。しかしその内容はと言うとド下手かつカオスであったため、ピピ美は「止めて、今すぐそのテープ焼き捨てて」と言うのであった。
アニメでは8話にボブネミミッミで登場。ミュージックビデオの内容は原作のカオス度を忠実に再現。AC部板倉の濃い作画や、意図的な補色の多用で視覚的に強烈なアクセントを加えたこともあってAC部の成分マシマシとなっており、原作より狂気度が大幅アップ。電子ドラッグの名が相応しい、見事なほど悲惨な仕上がり(褒め言葉)であった。ピピ美の「止めて、今すぐそのテープをやきすてて」もより鬼気迫ったものになった。そしてアニメオリジナルでそれを聞いたポプ子が即焼き捨てたことを受けてピピ美が再び「行動力の化身・・・」とつぶやく展開に。
この流れを受けて、ポプテピピック関連(特にボブネミミッミ関連)での「ジェバンニが一晩でやってくれました」として「行動力の化身」が使われるようになった。
エイサイハラマスコイおどり
エイサイハラマスコイおどりはポプテピピックに出てくるネタ。
原作1巻160話に登場。アニメでは8話のボブネミミッミで登場。更に11話でもアバンで登場したほか、OPがエイサイハラマスコイおどりで乗っ取られ、2回目のボブネミミッミでも本場のエイサイハラマスコイおどりが登場したため視聴者に強烈な印象を残した。
放送終了後にはMikuMikuDanceのモーション職人が本場のエイサイハラマスコイおどりの振り付けを即日で配布したため、エイサイハラマスコイおどり関連の動画がニコニコで溢れかえることとなる。項目も参照。
なお、11話2回目のボブネミミッミはエイサイハラマスコイおどりの作画枚数こそ普段より多いが、それ以外はほぼ1枚絵の拡大縮小表示で構成されている。これは原作1巻78話の「『コピペが多くてしょうもない』というハガキを貰ったが、『分かった』と言いながら舌の根も乾かぬうちにコピペを行う」というエピソードの内容を「作画枚数が少なくてしょうもない」という形で映像として再現したためである。3話のスペースネコカンパニー担当パートでも既に同じネタが取り上げられているが、内容としてはボブネミミッミのほうが原作に対して忠実な表現である。
各話リスト
Season 1
話 | 内容 | 原作 | ボブネでの主なセリフ |
---|---|---|---|
1 | サソリ | 1巻:63 | みんなのカバャピョ |
おこった? | 1巻:1 | わたし怒らない性格 (たくあん) | |
2 | あっパンダだ! | 1巻:39 | ざ~んねん。タスマニアデビルはまだでてませ~ん |
かくれんぼやろうズェ… | 1巻:47 | まあだだよまあだだよまあだだよ (L字画面) | |
3 | でかかった | 1巻:56 | あっレッサーパンダだ! |
サンバ師匠をきずつけた | 1巻:52 | そしてきずつきあった2人は結ばれた | |
4 | 即身仏 | 1巻:83 | サムギョプサル・サムターン回し・サムハラ神社 |
猫のベッド | 1巻:79 | わお~ん ダメか・・・ 帰りなさい!帰りなさい! | |
5 | 助言フクロウ | 1巻:103 | 自分で行けや! |
待ち合わせに居合わせたグラサン | 1巻:126 | 見てない 見てる 見てない 見てる | |
6 | ご当地三点倒立 | 1巻:54 | ご当地甲子園初戦敗退 |
おふとんくん | 1巻:62 | みんな、ありがとう! | |
7 | POP TEAM STORY進出の為お休み | ||
8 | エイサイハラマスコイおどり | 1巻:160 | もういい~! あっ、待って! |
ミュージックビデオ | 1巻:50 | わかった! 行動力の化身・・・ | |
9 | お茶会 | 1巻:46 | ウサウサウサウサギさーん! |
まだ言ってない | 1巻:140 | !? | |
10 | サボ神 | 1巻:139 | サボサボ・・・サボサボ・・・(サボテン) |
クソ接客 | 1巻:119 | ボブ!ネ!ミミッミィィィィ! | |
11 | 遊具の陳情 | 1巻:82 | 長生きしろよ・・・ |
おたより | 1巻:78 | ボブネミミッミは作画枚数が少なくてしょうもないです | |
12 | めがねめがね | 1巻:21 | ブラックホールだぁ・・・ |
カツ丼食えよ | 1巻:17 | 私がカツ丼です! | |
13 | 迷子 | 2巻:243 | さすが生粋のエンターティナーやでぇ・・・ |
14 | ボブッミ | 1巻:63 | みんなのカ |
BBNM | 待ち合わせ | 1巻:18 | 何これ?新しい振り付け? |
オススメ | 1巻:129 | さてはアンチだなオメー |
関連動画
関連生放送
関連項目
- 36
- 0pt