新条アカネとは、テレビアニメ『SSSS.GRIDMAN』の登場人物である。CV:上田麗奈
「概要くん、武士は食わねど高笑い~ってやつ?」
主人公・響裕太のクラスメイトで、独特な制服の着崩し方をしている女子高生。
モデル並みの美少女であり、制服の上から分かるほどの巨乳でもある。(誰が呼んだか一部から「グリッドマンの上半身担当」との呼び名もある)更に魅力的なのは容姿だけではなく、いつもニコニコしており気さくで明るく、無邪気で接しやすい雰囲気を持つ。内海将曰く「才色兼備才貌両全の最強女子!クラス全員に好かれるという奇跡みたいな女」。
実際、記憶喪失となって教室で戸惑っている裕太に対し昼食のスペシャルドッグ(ゆで卵が乗っかったホットドッグ)を奢ってあげるなど、誰に対して分け隔てなく親切に振る舞っている様子が窺える。一方、一人でいる時にはどこか遠い目をして物憂げな表情を見せることがあるのだが……
「見て!新作!」
「いーいねぇ素晴らしい!何に使うんだい?」
「イヒヒヒ……
うちの担任、殺そっかなぁって思って♡」
上で述べられた人当たりのいい姿は全て偽り。実はアカネこそが街を襲う怪獣を造り出した張本人である。
彼女は学校で起きた些細なトラブル(偶然ボールが手に当たった、自分にぶつかっても謝らなかったなど本当に些細なものばかり)に苛立つと、自宅で怪獣フィギュアを手ずから製作し、それをパソコンに住む謎の存在「アレクシス・ケリヴ」が実体化させ暴れさせていたというのが真相であった。
自ら造り出した怪獣でストレスの原因になった人物を襲撃し、殺害に成功すると「ぃよっし!よっし!死んだぁーっ!はははは!!」と歓喜の声を上げるなど、その本性は非常に自己中心的かつ残虐。前作における藤堂武史と同じ役回りであり、色々と共通点が見受けられるものの、少なくとも武史の方は殺人には躊躇いを覚えており一線を超える事はなかった。しかし、アカネは無関係の人間をも巻き込む殺戮を嬉々として行うなどおよそ良心の呵責がまるでなく、キャラクターにはかなりの隔たりがある。
自宅は豪邸だが、彼女の住む部屋はウルトラ怪獣のフィギュアが無数に飾られ、部屋からあふれ出すほどのゴミ袋が散乱した異様な空間となっている。
物語開始以前から怪獣を暴れさせていたようだが、突如現れた謎の戦士「グリッドマン」に怪獣を撃破されてからは自身のストレス発散の他にもグリッドマンを倒すための怪獣作りにも取り組むことになる。
そのグリッドマンと関わりを持つ響裕太、宝多六花、内海将ら「グリッドマン同盟」はアカネが怪獣を呼び出しているという事実はおろか、彼女のサイコパス的な本性にも気づいていない。それどころか将は彼女に好意を抱いているらしく、裕太も記憶喪失の時に親切にされた経験から好印象を抱いているものと思われる。一方アカネは三人がグリッドマンと何らかの関係があることは把握しており、幾度かグリッドマンの情報を引き出そうと接触を試みている。そしてそれを邪魔した奴に容赦なく怪獣を差し向けるのもお約束。
六花とは家が近所で「前はよく一緒に朝学校に行っていた」仲であったが、最近は一緒にいることが少なくなったと語られている。そのほかエンディングにてかなり親密な仲になっている様子が描かれているが、これがヒロイン達によるイメージ映像なのか、はたまた全てが終わった後(舞台は初夏くらいだが、EDでは秋~冬の景色)の二人の関係性なのかは不明である。前作を鑑みると、二人の間柄に何かしら特別なものがある(生じる)事は不自然ではないが……
視聴者からも当初は正統派ヒロインと思われていた為、その本性が明かされた第二話の展開は大きな驚きを持って受け止められた。一方で、無邪気な笑顔を浮かべながら心底楽しそうに怪獣を操り、理不尽に人々を虐殺する美少女という、強烈なキャラクター性に魅力を感じた者も少なくないようだ。
なお、彼女の名前は特撮版『電光超人グリッドマン』の実現しなかった続編企画案に由来しており、アレクシス・ケリヴと共謀して怪獣を操る女子高生という設定もその時点で存在していた。
真相、そして結末
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この項目は、下記に本作の6話~最終回までのネタバレを含んでいます。 未視聴の方はご注意ください。(要スクロール) |
第6話、怪獣少女によって語られた真実。それは、「このツツジ台は新条アカネによって造られた世界」というものであった。
街の外などというのはそもそも存在せず、遠足で訪れた郊外の土地もアカネによって用意されたマップでしかなかった。怪獣を倒した後も修復が為されなかったのは、イベントが終了したために場所そのものが不要となったため。
また、行き帰りの電車で皆が眠ってしまったのも怪獣の吐くガスの所為であり、「何も無い」部分を見せないための措置によるものである。そのためか、6話での駅名標は隣駅が2つともツツジ台になっており、どこにも行けない状態になっている事が示されている。
「今までこの街に現れた怪獣は、全部一人の人間から生まれたの」
「一人の人間から…?」
「そう…ひとりぼっちの人間の心から。
それが……新条アカネ」
怪獣で街を破壊していたのがアカネならば、壊れた街を修復し、死んだ人間によって生じた隙間を埋めていたのもアカネ本人。更にその街で生活する住人たちもまたアカネによって生み出された存在であり、その中で機嫌を損なうような人間は殺されていき、段々とアカネにとって都合のいい世界に調整されていった。
新条アカネにとって、この街は世界の全部。そしてこの世界の人間にとって、新条アカネは神様と同じなのである。
だが、そうした暴挙を繰り返す内に彼女の心は歪んでいった。怪獣少女曰く「あの子の心が、この街自体が怪獣になっちゃった」との事。そして、今はその歪んだ心に目をつけた外から来たとても危険な人に利用されていると……
なお、怪獣少女はアカネが作った怪獣ではなく、ツツジ台ができる前からいた怪獣でありアカネのやる事を全て見てきたという。また、裕太に協力しているのは先代がお世話になったからとも。
今までも街の描写や演出などから「これは仮想世界を舞台としているのではないか?」という考察は数多くあったが、6話にてそれがほぼ決定的となった。
裕太たちはこの話を聞いて、グリッドマンの使命は「新条アカネを救う事」であると位置づけたが、アカネはその後も裕太たちへの接触(直接裕太の自宅に乗り込んだり、学校で三人に怪獣を差し向ける宣戦布告を行ったり、など)やグリッドマンを倒すための怪獣作りに取り組んでいく。
しかし独断で怪獣を作り出したアンチやそれを勝手に許可したアレクシス、次々と怪獣を倒すグリッドマンなどアカネにとって不都合な事態ばかりが続く。
やがてアカネは怪獣の力を使いグリッドマン同盟の三人に夢を見せる。その夢は三人がアカネのことを好きになるように作られた都合のよい夢。しかし夢の中でもアカネは三人に拒否され、夢から覚めてしまう。自分に都合のよいはずの世界で次々と自分を拒否されてしまったアカネは荒んだ心が露わになり、やがて怪獣すらも適当なもので済ませるようになり、学校にも来なくなってしまった。
アカネが新たに生み出した怪獣は世界を管理している怪獣をも破壊し、アカネ自身が生み出した世界をも破壊しようとしていた。心を失っていったとアカネとは対照的に怪獣でありながら生き物の心が芽生えたアンチはグリッドマンを守る騎士=グリッドナイトとなり怪獣と戦う最中、街じゅうをさ迷ったアカネはグリッドマンが宿っているジャンクがある六花の家に辿りつく。そして…。
覚醒
裕太をナイフで刺したアカネはアレクシスの怪獣作りを促す発言も無視して再び街中をさ迷っていた。六花はアカネと話をするためにアカネを探し出し話をするが、そこに割り込んできたアレクシスによってアカネ自身が怪獣ゼッガーに変貌してしまう。グリッドナイトはアカネを救うためにゼッガーと対峙、死闘の末に怪獣を撃破しアカネを救いだした。
だがすぐさまアレクシスはアカネを取り込み巨大化。自らの虚無を満たすためにアカネのような人間の下に向かうべく次の世界に向かおうとしていた。本来の姿を取り戻した電光超人グリッドマンはアレクシスと対峙、しかし無限の命を持つアレクシスを倒す事はできず苦戦を強いられる。グリッドマンは本来の力を思い出し、グリッドフィクサービームをアレクシスへ発射。かつてコンピューターワールドを修復してきた力で新条アカネの心をも救おうとしたのだ。アレクシスの中にいるアカネには、自身が生み出した「友達」たちが呼びかけていた。
「ここは私が作った世界だから……この世界に私がいちゃいけないんだ……!」
「自分の意思で帰らなきゃいけないんだ……」
「私の、場所に……!」
命ある者の力によって敗れたアレクシスは封印されハイパーワールドに連行。そしてアカネも六花との別れが迫る。六花はアカネのために買った定期入れをプレゼントし、神様にひとつ約束をお願いをした。
「私はアカネとずっと一緒にいたい。
退屈から救われ、何者かから侵略されていた世界から目覚めた新条アカネは、この世界ではないどこかで友達と一緒にいるはずだろう。
余談
- 新条アカネの初期デザインは現在のような姿ではなく、どちらかというと現在の宝多六花に近い外見で、逆に六花がアカネのような短めのヘアスタイルだったそうだ。しかしとある女性スタッフの「二人のイメージは逆の方がいい」という一言を聞いた雨宮哲監督がその意見を採用し、現在のデザインになったという。
- アカネが劇中で生み出した怪獣の咆哮などは全てアカネ役の上田麗奈の声を加工して使用している。最後に登場したあの怪獣の叫び声を聞けば分かりやすいだろう。(アンチが生み出した怪獣はアンチ役の鈴村健一が担当)
「関連動画♪ どこで視るの?」
「またいっしょに関連静画見ようね♪」
「関連項目ちゃんと死んだかな…?ま、どっちでもいいけど♪」
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