杉本 清(すぎもと きよし、1937年2月19日~)は、元関西テレビアナウンサー。現在はアライバルに所属するフリーアナウンサー、タレント、競馬ライター。関西放送記者クラブ会友。
概要
「関西競馬実況中継の神様」と謳われ、数々の名台詞で知られる。
1961年に関西テレビのアナウンサーとして入社。60年代から松本暢章の後継として関西地方の中央競馬実況を担当、現在では当たり前となったラップタイムやペースの概念を実況に取り入れ、一般に広く根付かせた。1990年代には「専門職」と呼ばれる関西テレビに籍を置きながら比較的高い自由度の仕事を許される立場になり[1]、「さんまのなんでもダービー」ではテレビ朝日系の番組ながら、かねてより明石家さんまとの親交があったことから、局の垣根を越えた出演を実現させた。
1997年に定年退職した後は少しずつ関西テレビの後進に道を譲り、最終的には1月下旬の大阪国際女子マラソンで馬場鉄志や石巻ゆうすけがいない時と宝塚記念のみ担当を続けたが、2004年にそれらも降板。現在は競馬関係のテレビ番組にたびたび出演しつつ、SEGAの競馬ゲーム「Starhorse」のレースなどでは実況も担当している。バージョンが進む度に音声は追加録音しているのだが、本人曰く「毎回緊張しっぱなしで録っている」らしい。Starhorseシリーズのレースは史実通りの出走馬と人気で行われるため史実レースの再現となることがあり、下記の名実況もいくつか特殊演出として収録されている。
実況はかなりマイペース。しばしばカメラに映す馬を指示したり、ラップタイムを言ってペースを気にしたりする。また他の実況アナウンサーと比べ騎手に注目することも多い。
第一回、第二回のジョッキーマスターズの実況も行っている。
名実況集
- 後ろからはな~んにもこない!後ろからはな~んにもこない!後ろからはな~んにもこない!(1975年桜花賞 テスコガビー)
- 見てくれこの脚!これが関西の期待テンポイントだ!(1975年阪神3歳S テンポイント)
- 見てるか天国の仲間たち!俺はお前たちの分まで走ったぞ!勝ったのはエリモジョージです!何もないえりもに春を告げた!(1976年天皇賞(春) エリモジョージ 1974年に発表した森進一の「襟裳岬」の「襟裳(えりも)の春は何もない春です」という歌詞と75年の故郷のえりも牧場が火災でエリモジョージ以外の同僚馬が焼死したのを受けての実況)
- それいけテンポイント!鞭などいらぬ!押せ!(1976年菊花賞 グリーングラス)
- いぶし銀が今日もひかりました!(1977年菊花賞 プレストウコウ)
- 中山の直線を流星が走りました!テンポイントです!(1977年有馬記念 テンポイント)
- 大地が!大地が弾んでミスターシービーだ!(中略)史上に残る三冠の脚!史上に残るこれが三冠の脚だ!(1983年菊花賞 ミスターシービー)
- 赤い大輪が薄曇りの京都競馬場に大きく咲いた!三冠馬8戦8勝!我が国競馬史上、不滅の大記録が達成されました京都競馬場!(1984年菊花賞(GI) シンボリルドルフ)
- 変わるのか!変わるのか!変わった!ニホンピロウイナーかわした!(1984年マイルCS(GI) ニホンピロウイナー)
- うわー歓声が上がった!ニホンピロウイナーは京都で7回走って負け知らず!今年は文句なし!(1985年マイルCS(GI) ニホンピロウイナー)
- 雪はやんだ!フレッシュボイス1着!(1986年毎日杯(GIII) フレッシュボイス)
- そろそろ後ろの馬が動かないと前の馬が笑います(1987年阪神大賞典(GII) スダホーク)
- 菊の季節に桜が満開!菊の季節に桜!サクラスターオーです!(1987年菊花賞(GI) サクラスターオー)
- さあ差は開くか!開いた!差は開いた!これは恐ろしい馬だ!(1988年マイルCS(GI) サッカーボーイ)
- しかしびっくりだ!これはゼッケン番号6番、サンドピアリスに間違いない!(1989年エリザベス女王杯(GI) サンドピアリス)
- 負けられない南井克己!譲れない武豊!(1989年マイルCS(GI) オグリキャップvsバンブーメモリー)
- メジロでもマックイーンのほうだ~!内田浩一ガッツポーズ!(1990年菊花賞(GI) メジロマックイーン 1番人気にメジロライアンがいたのを受けての実況)
- 馬の世界でもレオ!(1991年菊花賞(GⅠ) レオダーバン この1週間前に西武ライオンズが日本シリーズ連覇していたことを受け)
- 前の2頭はもうどうでもいい!(1992年産経大阪杯(GII) トウカイテイオー)
- 菊近し 淀の坂越え 一人旅。(中略)10番のミホノブルボン!三冠へ向かって視界良し!(1992年京都新聞杯(GII) ミホノブルボン)
- あーライスシャワー先頭に立った!ミホノブルボンは三冠にならず!ライスシャワーです!ライスシャワーです!あーっという悲鳴に変わりましたゴール前!(1992年菊花賞(GI) ライスシャワー)
- 関東の刺客!ライスシャワー!天皇賞でも圧倒的な人気のメジロマックイーンを破りました!(1993年天皇賞(春)(GI) ライスシャワー)
- 今日も涼しい顔をしてビワハヤヒデ1着!(1994年宝塚記念(GI) ビワハヤヒデ)
- 弟は大丈夫だ!弟は大丈夫だ!弟は大丈夫だ!10年ぶり、10年ぶりの三冠馬!(1994年菊花賞(GI) ナリタブライアン 兄のビワハヤヒデが天皇賞(秋)で故障、敗退したのを受けての実況)
- いや~やっぱりこの馬は強いのか!(1995年天皇賞(春)(GI) ライスシャワー)
- 甦れ!甦れブライアン!(1996年阪神大賞典(GII) ナリタブライアンvsマヤノトップガン)
- かわすのかー・・・かわったー!また桜だ!また桜が満開になる京都競馬場!桜が満開だ!サクラローレル!(1996年天皇賞(春)(GI) サクラローレル)
- 38年ぶりセイウンスカイ逃げ切った!まさに今日の京都競馬場の上空と同じ!青空!(1998年菊花賞(GI) セイウンスカイ)
- 私の夢はサイレンススズカです!(サイレンススズカ予後不良の後の1999年宝塚記念(GI))
実況でよく使われる言い回し
- 〇〇を画面に入れてください。
- 〇〇にご注目ください。
- 一息、二息、人馬ともにつきたいところです。
- ちょっと早いのか?ちょっと早いのか?
- 〇〇が内を掬う!
- ちょっとかかり気味か?
- 〇〇が敢然と行った!
- やはり〇頭(強)の争いに(一騎打ちに)なった!
- もう言葉は要らないのか!
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脚注
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