『蒼海訣戰(そうかいけっせん)』とは、納都花丸(なんと はなまる)による日本の漫画作品である。
(又作品タイトルとしては『蒼海訣戰 ~GOD SAVE THE EMPRESS~』を用いる場合がある)
なお本作品は続編(第二部)である『蒼海訣戰 -世界編-』についても取り上げる。
概要
女帝の帝国である津州皇國(つしまこうこく)を舞台とした水軍を中心とした仮想戦記作品である。
第一部では水軍志官寮を舞台とした学園物語であったが、第二部の『世界編』では水軍仕官になった後の物語である。
舞台としては明治時代の日本をモデルとしている。
商業誌に連載される以前に、創作同人誌として2003年に発表(確認ができた中では3冊頒布されている模様)。
内容は現在の登場人物とほぼ変わりがないが商業誌よりは若干設定・ストーリの組み立て方等に違いがある。
その後一迅社の『Comic REX』にて連載が開始された。第一部終了後にアスキー・メディアワークスに移り、
『電撃コミックジャパン』にて第二部である世界編の連載を開始したが、休刊により第18話を以って連載打ち切りとなった。
権利の都合上、長らくお蔵入り状態が続いていたが、2016年9月30日より世界編を除く作品については各社配信サイトにて公開復活となった。
連載期間
| 作品タイトル | 雑誌名(出版社) | 連載期間 | 単行本 |
|---|---|---|---|
| 蒼海訣戰 | Comic REX (一迅社) |
2006年1月号~ 2011年3月号 |
全10巻[1] |
| 蒼海訣戰 -世界編- | 電撃コミックジャパン (アスキー・メディアワークス) |
2011年6月号~ 2013年2月号 |
全1巻[2] |
「蒼海訣戰 -世界編-」の今後について
コミックマーケット83にて頒布された第2巻によれば以下の通りである。
休刊と単行本が出ないことについては休刊数ヶ月の段階で作者側に通知され、既に第17話までは単行本が出る前提でストーリーは進められていたようである。又12/26の雑誌発売まで全て口止めされていたようである。
第9~18話分
『電撃コミックジャパン』休刊に伴い、第2巻以降は今後出ないこととなった為、コミックマーケット83にて納都花丸氏自身のサークルより同人誌(自費出版)という形で第2巻が頒布された(アスキー・メディアワークス了承済の上)。
但し写植や作品ロゴは出版社側の権利所有で使えないとのことで、作者側で全て写植し直している。
第19話以降
一迅社から移籍したばかりで簡単に他出版社へすぐに移ることは難しく、又アスキー・メディアワークスが一定期限で権利を所持している為に同人誌等で続きを描く事も出来ないとのこと。
出版社側の権利が(放棄等で)無くならないか他出版社へ移籍しない限り、当面連載を再開することは難しい。
主な登場人物紹介
津州皇國
水軍志官寮出身・在学
第十五期生徒
- 三笠真清(みかさ さねきよ)
- 現在17歳、男性。追那人で幼年期に三笠家へ養子となる。養子になる前の名前は「サネク」。
水軍志官寮を第十五期首席で入り、卒業後は水軍少尉となり甲級戦艦「在原」の乗組員となる。
養兄である光清にはよく手紙を書いており、おそらくブラコン気味であろう。 - 初瀬忠信(はつせ ただのぶ)
- 現在17歳、男性。秋津人で水志寮幼年部と名高かった巧玉舎の出身。
三央港海戦の英雄である父忠比古水軍大尉の次男である。
水軍志官寮を第十五期次席で入り、卒業後は水軍少尉となり水軍軍令部橋立少将付副官となる。
真清とは良きライバルであり一番の理解者でもある。
第十四期生徒
- 八島文行(やしま ふみゆき)
- 現在18歳、男性。汐見人で水軍志官寮に来るまでは汐見人が多く居る志井原(しいばる)に住んでいた。
水軍志官寮を第十四期首席で入り、卒業後は飛行科水軍水軍中尉となり当継基地所属のパイロットとなる。
正義感・責任感が強く汐見人としてのプライドも高い。ついでにツンデレで萌え属性も多く持っている。
第十六期生徒
- 吾妻一彦(あづま かずひこ)
- 現在16歳、男性。秋津人であるが出自にコンプレックスを持っていた。
貧困層で少年期は学校にも行けず外から授業を盗み聞きして学ぶ。
その為記憶力は抜群である。その後学費免除で授業を受けることが出来、
水軍志官寮を第十六期首席で入学する。現在も在学中である。
第十二期生徒
第九期生徒
- 三笠光清(みかさ みつきよ)
- 現在23歳、男性。秋津人で真清の養兄である。
津楠戦争の英雄である三笠正清大将の実の孫でもあるが本人は良く思っていない。
又、津州皇國内乱の際には『内見矢の英雄(又は内見矢の三笠)』として英雄扱いされている。
水軍志官寮を第九期首席で入り、卒業してから現在は陸軍騎兵大尉となっている。
現在は単身で公費留学でレヒトブルグにいる。 - 山城衛次(やましろ えいじ)
- 故人、男性。秋津人で光清の同級生で友人である。
卒業後に発生した津州皇國内乱では改革派に加担する。
最終的には中尉にまで上り詰め、内見矢城包囲戦で光清と一騎打ちとなり、戦死する。
第八期以前の生徒
- 吉野聡一郎(よしの そういちろう)
- 年齢不明、男性。秋津人で階級は水軍統率科大尉で水軍志官寮の教官である。在学中は首席であった模様。
過去の砲弾の暴発事故による負傷が原因で視力低下により、現在は地上勤務に専念する。
その他
皇族
- 壱代(いよ)
- 現在18歳、女性。秋津人で津州皇國の皇帝である。百五代姫巫女(ひゃくごだいひみこ)の皇女でもある。
津州皇國内乱終結後、14歳で即位する。
少々ドジっ子の属性を持っている。 - 百五代姫巫女(ひゃくごだいひみこ)
- 故人、女性。秋津人で先代津州皇國の皇帝である。壱代(いよ)の実の母でもある。
与志原佐乃土屋
- 翔鶴(しょうかく)
- 年齢不明、女性。追那人でお職(花魁)である。
三笠光清へ特別な想いを持っている。 - 白鷺(しろさぎ)
- 年齢不明、女性。追那人で遊女である。
かつては小鷺(こさぎ)と名乗り、翔鶴の見習いの妹分であった。 - 小鳩(こばと)
- 年齢不明、女性。追那人で翔鶴の見習いの妹分である。
三笠家
初瀬家
- 初瀬忠比古(はつせ ただひこ)
- 故人、男性。秋津人で初瀬忠信の父である。
水軍大尉として三央港海戦にて名誉の戦死を遂げるのであった。 - 初瀬忠久(はつせ ただひさ)
- 年齢不明、男性。秋津人で初瀬忠信の兄である。
現在は水軍中尉にいる。 - 初瀬忠靫(はつせ ただゆき)
- 年齢不明、男性。秋津人で初瀬忠信の弟である。心臓が弱く現在は自宅療養中である。
衣笠家
- 衣笠古鷹(きぬがさ ふるたか)
- 年齢不明、男性。秋津人で皇民新聞の主筆記者である。
現在は三笠光清と共にレヒトブルグに居る - 改革派の出身で政府要職にはつけない為、新聞記者として道を選ぶ。
『内見矢の英雄』の記事を書いた張本人でもある。 - 衣笠青葉(きぬがさ あおば)
- 年齢不明、男性。秋津人で衣笠古鷹の実弟である。
皇帝派に対しては反感を持っている。売れっ子の小説家の一人である。
神成家
水軍
- 橋立啓蔵(はしだて けいぞう)
- 年齢不明、男性。秋津人で階級は水軍軍令部少将である。
- 加賀明年(かが あきとし)
- 年齢不明、男性。秋津人で階級は水軍大佐である。
甲級戦艦「在原」艦長でもある。 - 仁川(にがわ)
- 年齢不明、男性。秋津人で階級は水軍情報部大尉である。
現在担蓮を拠点に諜報活動を行っている。
陸軍
その他
- おりん
- 年齢不明、女性。追那人で陸軍幟門研究所に働いていたが、
樫野ら陸軍が研究所を掌握してからは拘束され消息不明。
おそらくG動力に利用されているものと推測される。 - 加古(かこ)
- 年齢不明、男性。秋津人の博士でかつては陸軍幟門研究所にてG動力の研究を行っていたが、
樫野ら陸軍に研究所を追い出され、現在は担蓮に異動されている。
消息不明のおりんを娘のように思って現在も心配している。
楠叙朝
ヴェラヤノーチ帝国
津州皇国の民族構成について
津州皇國には3つの民族から成り立っている。諸外国からはひとくくりに『津州人』と呼ばれている。
国政の主力・中心は秋津人であり、少数民族である汐見人や追那人は社会的差別は今も残っている。
- 秋津人(あきつじん)
- 人口の約8割を占める。黒髪が特徴である。国家の中心をほぼ独占している。
- 汐見人(しおみじん)
- 人口の約1割強を占める。金髪碧眼が特徴である。
- 追那人(オイナじん)
- 少数民族である。猫耳と尻尾が特徴で、カムイピリマという他人の意識を感じる特別な能力を持つ。
更にそれを人一倍強い力を持つものをカムイサシミという。
世界の国について
- 津州皇國(つしまこうこく)
- 皇帝壱代が治めている立憲君主制国家である。周りを海で囲まれた島国である。
- 楠叙朝(なんじょうちょう)
- 津州皇國と対岸にある大陸側の国家。津楠戦争で津州皇國に担蓮を失う。
- ヴェラヤノーチ帝国
- キリル三世皇帝が治めている帝国。北に位置している400年以上の帝政である。
- レヒトブルグ
- 軍事国家であり津州皇國はこの国をモデルとして多く学んでいる。
ストーリー
追那人である主人公・サネクは幼少の頃に秋津人である三笠家の養子になり、名を三笠真清となる。
その後水軍志官寮を首席で入学。在学中に次席である初瀬忠信や一年先輩の首席である八島文行らと出会い、
様々な事件等を遭遇つつ成長していく。卒業後は水軍の若き士官となって世界の海へと赴くのであった。
連載は現在休止状態である。
作品中の主な出来事(年表形式)
| 発生年月 | 主な出来事 | 真清の年齢 |
|---|---|---|
| 2624年 | 秋津州國(あきつしまこく)が汐見王朝と追那人居住地を併合し、津州皇國が誕生する。 | 誕生前 |
| 2649年 | サネク(現在の三笠真清)が追那人として生まれる。 | 0歳 |
| 2651年 | 楠叙朝と大陸資源の利権を巡り、津楠戦争(しんなんせんそう)が勃発する。 | 2歳 |
| 2652年02月07日 | 三央軍港にて三央港海戦が勃発。水雷艇艦長である初瀬忠比古水軍大尉(初瀬忠信の父)が戦死する。 | 3歳 |
| 2653年 | 津楠戦争終結。津州皇國勝利により楠叙朝から担蓮を割譲される。 | 4歳 |
| 2653~56年頃? | サネクが三笠家の養子として引き取られる。名を三笠真清に改名する。 | 4~7歳 |
| 2658年04月 | 三笠光清、第九期首席として水軍志官寮に入学する。 | 9歳 |
| 2659年12月 | 三笠光清、水軍志官寮を卒業する。 | 10歳 |
| 2660年 | 百五代姫巫女(壱代の母)崩御。改革派と旧政府との内乱(津州皇國内乱)が勃発する。 | 11歳 |
| 2661年 | 内見矢城(うつのみやじょう)包囲網にて旧政府側が勝利。三笠光清陸軍騎兵少尉の活躍により『内見矢の英雄』として英雄扱いされるようになる。 | 12歳 |
| 2662年初春 | 汐見人居住地の志井原にて旧政府側による改革派残党の一掃作戦が行われる。旧政府側の勝利となり、津州皇國内乱終結。壱代が14歳の若さで皇帝に即位する。 | 13歳 |
| 2662年 | 水軍志官寮が汐見人及び追那人に受験を認めるようになる。 | 13歳 |
| 2663年04月 | 八島文行、第十四期首席として水軍志官寮に入学する。 | 14歳 |
| 2664年04月 | 三笠真清、第十五期首席として水軍志官寮に入学する。 | 15歳 |
| 2664年04~06月頃 | 三笠光清、レヒトブルグへ留学する。 | 15歳 |
| 2664年07月 | 真清らが乗艦演習にて担蓮に向かう。抗津組織『癸酉党』による嫩(ふたば)爆破事件に合うが、真清の協力により主犯格逮捕・解決し英雄扱いされる。壱代と初対面を行う。 | 15歳 |
| 2664年12月 | 八島文行、水軍志官寮を卒業する。 | 15歳 |
| 2665年05~06月頃 | 八島文行の大切な人でもある神成五十鈴が肺の病状悪化により逝去する。 | 16歳 |
| 2665年12月 | 三笠真清、水軍志官寮を卒業する。 | 16歳 |
| 2666年 | 三笠真清、水軍少尉となり甲級戦艦「在原」乗組員となる。 | 17歳 |
関連動画
新装版 蒼海訣戰(電撃ジャパンコミックス:全10巻【絶版】)
蒼海訣戰 -世界編-(電撃ジャパンコミックス:全1巻【絶版】)
関連項目
外部リンク
脚注
- *現在絶版。アスキー・メディアワークス社から新装版として発売されたが、電撃コミックジャパン休刊によりコミックレーベル消滅により再び絶版。
- *現在絶版。電撃コミックジャパン休刊に伴い未完。収録は第8話まで。コミックレーベル消滅により絶版。
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