ラミン・ヤマル(Lamine Yamal Nasraoui Ebana、2007年7月13日 - )とは、スペイン出身のサッカー選手である。
スペイン・ラ・リーガのFCバルセロナ所属。サッカースペイン代表。
概要
2023年に15歳9ヶ月16日でバルセロナの最年少トップデビューを果たすとそれを皮切りに16歳57日でのA代表デビュー&A代表最年少ゴール、16歳87日でのラ・リーガ史上最年少ゴールなど、最年少記録を次々と更新してみせたスペインの若きスター。2025-26シーズンからはバルサの背番号10を託される。
EURO2024では、16歳338日での大会最年少出場記録、16歳362日でのEURO史上最年少ゴール記録を樹立。圧倒的なパフォーマンスでスペインの4度目のEURO制覇に貢献し、次世代のスター候補として一気に注目度を増す。
フルネームは「ラミン・ヤマル・ナスラウィ・エバナ」。ナスラウィが父方、エバナが母方の姓。
下部組織が生んだ最高クラスのドリブラーで、周囲からは今度こそ本物の「メッシ2世」と期待がかけられている。
ピッチ上では老獪なDFにも臆せず立ち向かい、スピードを生かしたトリッキーなフェイントでサイドを切り裂く。マークを外す動きが巧みで自在に相手を抜いてカットインする能力が魅力的。
身長は伸び盛りであり、フィジカル面でも飛躍が期待される。
出身地はスペインのアスプルガズ・ダ・リュブラガートだが、父親はモロッコ人で、母親は赤道ギニア出身なため、3カ国の代表を選択する権利があった。スペイン代表を選択した際はSNSを中心に多数の誹謗中傷を受けた。
あまりにも年齢離れした活躍を続けるため、半ばネタで年齢詐称疑惑がかけられている。
経歴
生い立ち
2007年7月13日、建築画家であるモロッコ人の父とウエイトレスである赤道ギニア出身の母の下、スペイン・カタルーニャ州東部にある海沿いの街マタローのロカフォンダで生を受ける。両親は3歳の時に離婚。離婚後、母親はグラノリェースへと引っ越し、子供の頃から両親と一緒に過ごすために両方の都市を行き来することになる。
4歳のときに最初のクラブとなるC.F.ラ・トレッタでキャリアをスタートさせる。幼い頃から素晴らしい才能の片鱗を見せており、やがてFCバルセロナのスカウトの目にとまることになる。
バルセロナ
6歳となった2012年にFCバルセロナのカンテラであるラ・マシアへ加入。このとき家族もバルセロナに引っ越している。 最年少のカテゴリーとなるプレベンハミン(U7)からFCバルセロナでのキャリアを始めると、才能が結集したカンテラ内でも卓越した技術を見せており、入団後すぐにクラブ史上最高の才能を持つ選手の1人として注目を集めるようになる。どのようなトーナメントに参加してもトップスコアラーとして結果を残し、2019年6月に開催されたラ・リーガ・プロミセス(U12)では、決勝戦で最大のライバルであるレアル・マドリードに敗戦を喫しているが、彼個人としては7得点を記録し大会得点王に輝いていた。7人制サッカーでは敵なしの活躍で11人制サッカーに移行すると、インファンティルB(U13)ではチームキャプテンとして牽引。2020年には13歳ながらも既にインファンティルA(U14)でプレーしていた。
2022年7月、15歳ながらもU19カテゴリーのフニベールAに昇格。この出世スピードはクラブ最高のレジェンドであるリオネル・メッシ以上の速さだった。ここでも彼の才能は特別なものであり、トップチームのシャビ監督もヤマルの才能に目をかけ、9月にはトップチームのトレーニングに招集される。そして2023年4月29日、ラ・リーガ第32節レアル・ベティス戦で後半38分にガビとの交代で途中出場し、15歳9か月16日でのトップチームデビューを果たす。この出場記録はラ・リーガ史上5番目に若い記録であり、バルサのクラブ史上最年少記録を103年ぶりに更新した。
2023-24シーズンは開幕からトップチームのメンバーに名を連ねると、2023年8月20日の第2節カディス戦で初スタメンを飾る。8月27日の第3節ビジャレアルCF戦では初アシストを記録するなど2ゴールに関与し、MOMに選出される。9月19日のアントワープ戦では史上2番目の若さでUEFAチャンピオンズリーグデビューも果たし、10月4日のFCポルト戦でCL最年少で初スタメンを飾る。そして、10月9日のラ・リーガ第9節グラナダCF戦でスタメンで出場すると、前半終了間際に初ゴールを決め、16歳87日でのラ・リーガ最年少得点を記録する。その後はしばらくの間ゴールから遠ざかるが、2024年2月11日ラ・リーガ第24節同じグラナダを相手に初の1試合2ゴールをマークし、MOMに選出。4月21日のエル・クラシコではチームは敗れたものの、レアル・マドリードを相手に攻撃の中心としてフル出場し躍動。終盤戦にはレギュラーを掴んでおり、公式戦44試合6得点8アシストという成績を残し、世界中に次世代のスター候補として名を知られることとなった。
2024-25シーズンからは若手時代のリオネル・メッシが付けていた背番号19を使用することになる。2024年8月24日、ラ・リーガ第2節アスレティック・ビルバオ戦でシーズン初ゴールを決め、開幕4試合で4アシストを記録。9月15日のラ・リーガ第5節のジローナFC戦では2ゴールを決めると、9月19日にはCLリーグフェーズ第1節ASモナコ戦でCL初ゴールを決める。10月26日、ラ・リーガ第11節レアル・マドリードとのエル・クラシコではクラシコ初ゴールとなるチーム3点目を決める。このゴールは17歳106日でのクラシコ最年少ゴール記録となった。2025年3月11日のCLラウンド16 2ndレグ ベンフィカ戦では1ゴール1アシストを記録し、CL史上最年少で1試合にゴールとアシストを記録した選手になった。3月15日、ラ・リーガ第28節アトレティコ・マドリード戦では左足からのゴラッソによる逆転ゴールを決め、優勝争いの重要な一戦で勝利をもたらす。バルセロナでの通算100試合目となったCL準決勝 1stレグ インテル戦ではドリブル突破からコントロールショットという圧巻のゴラッソを決める。5月11日のラ・リーガ第35節レアル・マドリードとのエル・クラシコでは前半32分に同点ゴールとなるコントロールショットを決め、その後も攻撃の中心となって輝きを放つなど大一番での逆転勝利に貢献。バルサが2年ぶりのラ・リーガ優勝を決めた第36節エスパニョールとのバルセロナ・ダービーでも1ゴール1アシストと全得点を演出する活躍を披露し、17歳にして国内タイトル総なめを果たす。公式戦60試合に出場し、19ゴール22アシストという数字を残している。
2025-26シーズンからは背番号10を背負うことになる。10番の初お披露目は2025年7月27日に開催された日本でのヴィッセル神戸との親善試合となった。
スペイン代表
アンダー代表
2021年9月、U-16スペイン代表に14歳という飛び級で選出されると、9月16日のロシアとの親善試合で後半の30分間プレー。スペイン代表としてのキャリアをスタートさせる。2022年10月には15歳ながら飛び級でU-19スペイン代表に初招集される。
2023年5月にはハンガリーで開催されたUEFA U-17欧州選手権に出場するU-17スペイン代表のメンバーに選出される。第2戦のスロベニア戦でゴールを決めると、第3戦のセルビア戦では2試合連続ゴールを決める。準々決勝のアイルランド戦でもゴールを決めれば、準決勝のフランス戦でチームは敗れたものの、4試合連続となるゴールを決める。結果、大会通算4ゴールを記録し、バルサのチームメイトでもあるマルク・ギウと共に大会の得点王に輝く。
フル代表
2023年9月、16歳にしてフル代表に初招集されると、9月8日のEURO2024予選ジョージア戦で16歳57日でのスペイン代表最年少出場によるデビューを果たす。しかもこの試合の後半29分にスペイン代表史上最年少得点記録となる代表初ゴールまで決めている。この活躍によりフル代表に定着すると、11月16日のEURO2024予選キプロス戦で代表での2ゴール目を決める。
2024年6月にドイツで開催されるEURO2024本大会のメンバーに選出。16歳338日での大会最年少出場記録樹立となった初戦のクロアチア戦では右からのクロスでダニエル・カルバハルのゴールを演出し、大会最年少アシストを記録。その後も右サイドでキレのあるプレーを見せ続け、スペインの全勝でのグループリーグ突破に貢献。準々決勝のドイツ戦では後半6分にダニ・オルモの先制ゴールをアシスト。そして準決勝のフランス戦ではペナルティエリア外からのコントロールショットによるゴラッソを決め、16歳362日でのEURO史上最年少ゴール記録を樹立。17歳の誕生日を迎えて2日後のイングランドとの決勝でもニコ・ウィリアムズの先制ゴールをアシストし、スペインの4度目のEURO制覇の立役者となる。通算4アシストは大会最多であり、最優秀若手選手賞を受賞。今大会でもっともブレイクした選手となった。
2025年6月5日、UEFAネーションズリーグ2024-25の準決勝フランス戦では、代表で初めて1試合2ゴールを記録。
個人成績
| シーズン | 国 | クラブ | リーグ | 試合 | 得点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022ー23 | バルセロナ | ラ・リーガ | 1 | 0 | |
| 2023ー24 | バルセロナ | ラ・リーガ | 31 | 4 | |
| 2024ー25 | バルセロナ | ラ・リーガ | 35 | 9 | |
| 2025ー26 | バルセロナ | ラ・リーガ |
個人タイトル
プレースタイル
メインポジションは右のウイングだが、左ウイングでもプレーすることもある。天賦の才による高いテクニックと驚異的なスピードを駆使したドリブル突破が最大の魅力で、静の場面でも鋭い切り返しやフェイントを駆使して相手を置き去りにし、チャンスへと繋げられる。ワンチャンスで個人技により局面を変えることのできるプレイヤーである。指導者たちは、巧みにマークを外し、右サイドから相手を抜いてカットインする能力が魅力的と強調している。
ボールコントロールも卓越しており、足下にボールが吸い付くようなタッチでボールを動かし、相手からのプレスをいなしたり、タイミングをズラした独特のリズムからパスを配球しながら違いを生み出すことができる。10代の頃のリオネル・メッシですら独善的で球離れの悪さが見られたが、ヤマルの場合は若くしてそのような悪い癖は見られず、周りがよく見えており、プレー選択も的確で、シンプルに味方やスペースを使うプレーができるため、攻撃にバリエーションを増やせる選手であることも強み。
メッシのように中央の密集地帯でもお構いなしにドリブル突破を仕掛けられるわけではないが、タッチラインでボールを持ち、相手のディフェンダーがプレッシャーをかけるスペースを制限することができた状態で勝負を仕掛けることが多い。相手DFと正対した1対1の局面を作れるのも特徴で、自分の技術的な優位性を最大限に活用することができる。また、ドリブルを開始する前に、目の前の相手ではなく、カバーに来る相手のセンターバックやボランチ、味方のFWの動きを必ず視野に入れながらプレーをしており、抜いた先にスペースがあることを確認している。これらのことから、ヤマルは自身の得意なプレーを最大限に活かすための条件を把握し、それを元にした戦略的な思考を持ち合わせていることになる。
まだ若いため肉体的に完成されていないため、フィジカルコンタクトの場面になるとまだまだ発展途上の部分が見られる。また、自らフィニッシュまで持ち込める形は持ち合わせているが、フィニッシュの精度には課題を残している。
人物・エピソード
- 生まれ育ったロカフォンダは治安が悪く、貧しい地域だが故郷のことを誇りに思っており、ゴールパフォーマンスに地元の郵便番号08304の最後の桁である304の数字をジェスチャーで表している。
- 世界中を驚かせたEURO2024だが、学校の宿題を持ち込んでおり、大会中にも宿題をこなし、オンライン授業にも参加していた。
- 生後半年の頃、リオネル・メッシに沐浴される写真が父親によって公開され、話題となる。
- 自身の18歳の誕生日パーティーで低身長症の人々を招いてのショーを行ったことが物議を醸すことに。
関連動画
関連リンク
関連項目
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