ニコニコ大百科

「放任してしまった子供特有の怖さ」は、地球環境保全の名目で隕石落としを企てたシャアにも言えそうだ。
映画のラスボスならデカい悪事を企てさせる必要があるかもしれないが、シャアにここまでの悪事をやらせるのはどうかと。

放任してしまった子供特有の怖さ・放任した親側の自分勝手な期待の押し付けはこの後からの富野作品のテーマだよねぇ

>>1229
「悪役、シャア」を完膚無きまでに叩きのめすことに納得出来るだけのヒロイックさを監督がアムロに見出だせず結果必要になったのがアクシズの奇跡であるなら、それは1stでアムロを一兵士として描き、Zで「前作主人公」を（今風に云うなら）弱体化させざるを得なかった帰結という感じがしますね
作品のために張り巡らせた設定が作者も思わぬ伏線になったとでいうか
となるとやはり監督的には「ハサウェイとクェスを導けなかった大人としてのアムロとシャア」という視点から出発したのが閃ハサなのかな
シャアは言うに及ばず、「アムロ、お前がシャアに手一杯でクェスを助けてやれずハサウェイに同じ悲劇を体験させてしまったことの結果がこれだ。お前はララァから逃げたがハサウェイは逃げなかった、逃げられなかったんだよ」という感情があったのかもしれない

監督によればクエスは話の都合上死んだだけで
あの死には何らかの意味があるわけではないとのことだから
それは違うだろうな

逆シャア当時意味はなくても描いたからにはそれは事実となり歴史となるからこその閃光のハサウェイですよね、という意味

>>1235
逆シャアの同人誌で、当時雑誌アニメックの編集をやっていた永島収さんが語っているのですが、公開当時、逆シャア劇中でのハサウェイの扱いに納得できず、富野監督へ直々に問い質したそうです
ファーストガンダムでアムロがララアの命を奪った後、シャアとの対決というワンクッションでフラストレーションを発散させているのに、ハサウェイには何もない、中途半端に「泣いて」終わって救いがないと
富野監督は「今の俺には、若い者がクェスとかハサウェイのようにしか見えない」と答え、新たにハサウェイの話を展開するかについても「あれで終わりだ」と返したそうで、永島さんは「非常に悲しくはありましたが、その後で小説の形でハサウェイに片を付けてくれたのは嬉しかった」と述べられています
また富野監督は庵野監督の取材の中で、富野監督自身の子どもたちが、制作当時は10代の反抗期だったことに言及して、「当然、全然自分の言う事を聞かないんですよ」「まさに生んだ子だから似てもいるだろう。生んだ子だから親の言う事を多少聞くかもしれない。怖い。生んで育てた子だから」と赤裸々に語っています

>>1236
アムロが少年時代にラル、リュウ、マチルダ、ウッディなどの、ある種理想化された大人と出会い（リュウは年齢的にも立場的にも兄貴分だけど、職を得た存在という意味でアムロと立場を異にする）導かれたのに対して、カミーユとハサウェイにはそれに応じる存在が用意されなかった理由の一端が富野監督の私的経験に由来するんだろうか、などと連想しました
持ち前の度量の深さで出会う大人からなにかしらを受け取っていたジュドーの最終的なセリフも「大人たちはッ！！」ですし、その辺り戦後日本創作の潮流の影響下にあったがためにそれに対して真摯であろうとして、あるいは影響から脱しようと反発する当事者としての監督の意地もあったのかなと想像しました

ともあれ、やはり自分のように想像や連想をベースに何かを考察しようとする態度は本質的に不誠実だなと、事実のみを淡々と述べることの大切さを改めて知った思いです
ついでに、子供の反抗期に苦悩した監督が後にGレコで協力を仰ぐような関係になれたことは喜ばしく微笑ましいエピソードだなあと明るい気持ちになりました

クェスが「私はララァの身代わりなんですか？」って言った時の他のクルーの反応　これはなんと捕らえればいいのか

>>1238
絵コンテには「指揮所のクルーが一斉に見る。」次のシーンで「シャア、クェスを押し出して、指揮所の外に出る。」シャアの台詞「クェス！」「……？誰に聞いた？」とあるので、クェスの発言内容は、周囲の人たち全員が把握している周知の事実。にも関わらずシャアだけは咄嗟に事実を周囲から隠そうと立ち回ってしまう対比の構図として描かれています

逆シャアの同人誌で富野監督は、「シャアだって所詮は凡俗なんだ。その程度のボロがなかったら、かわいくないよねって（笑）」と発言されていますので、クェスの発言→クルーたちの反応→シャアのクェスに対する反応を見せることで、シャアの凡俗さを描く演出の1つなのだと思います

>>1212
自分も逆シャアは正史上でアムロとシャアの最後の登場だから悪くは言われないのかもしれないが、
ストーリー自体はご都合主義的感覚が強く、MSの戦闘シーン以外は面白みに欠けるというのはよくわかる。
クェスやハサウェイの存在は不快要素だし、上で言われている子供を扱ったテーマもＺで見てきたから
目新しさはないな。
チェーンにしても諸事情によってベルトーチカの代わりに出したのだろうが、やっぱりベルトーチカを出すべきだったと思う。
公開当時の純粋な映画としての評価はどうだったんだろな。

劇場版ガンダムにベルトーチカを出せなかった理由がスポンサーからの「ヒーロー（主人公）が子持ちになるのは如何なものか」という鶴の一声だったというエピソードを加味すると、御大としてはベルチル展開が本来で、それが叶わなかったが故のアクシズの奇跡というオチだったことになると思うけど
ベルチルの「赤子バリア」はアクシズの奇跡と同じくご都合主義的だけど「次世代への期待」という意味で正しく戦後日本アニメまんがの文脈を踏襲していると同時に1stアムロとZZジュドーを踏襲していて（アクシズと比べると）無理がない流れに思える
やはりZZ放送中に突然持ち上がった「劇場版ガンダムの制作」がガンダムという物語を意図しない形で複雑にして、その結果がハサウェイ処刑でのシリーズ幕引きに繋がったのではなかろうか
その複雑さはシリーズの魅力をある意味引き立たせる結果にも繋がってもいるけど…

逆シャア単体で見ると、終わり方が中途半端に感じた。

変に日和らずに登場人物殆ど殺して、生き残りも死ぬより辛い目に合わせたのは偉いと思う
戦争なんて馬鹿がするものだものね
けどまあ別にリアルタイム世代じゃないからそんな他人事に言える訳で

>1243
まあ、黒富野が出る時は大抵、物語のケジメを意識しすぎてる時だからそういう感覚で作られたんだろうなってのは否定しないけど、結局それを腐したってその戦争を腐す見下しが争いの火種になって戦争は続くんだなっていうサンボル。

ジークアクスのシャアは己を犠牲にソロモン落としを阻止した英雄なのにこの作品のシャアはただの大量虐殺者になり果てて悲しいな

>>1245
「これでは道化だよ」って道化を演じてるの自覚していたのに最終的に悪い意味で道化になってしまったな

人間って完璧じゃないし、合理的な生き物でもなければ、ロボットにもなれないよ
でも人の心の光が奇跡だって起こせるかもしれないね
でも人間はこんなくだらん事で争うんだよ

別にどっちが正しいとこじゃなくて天秤に重しを乗せて右に下ろしたり左に下ろしたりを繰り返し続けてる作品だから、すっきりさせる作品じゃないのよ

一応逆シャアのシャアは表向きスペースノイドの支持を取り付けた上で行動しているので「ただの虐殺者」とも言い切れない
アクシズ落としは連邦を騙すためにスペースノイドにも伏せられていたけど、フィフス・ルナ落としがスペースノイドから支持された（ということになっている）し、アクシズ落とし自体がスペースノイドに対するシャアの求心力を低下させたという事実は無い、とされている

乱暴に例えると原爆投下に対する日本側と米国側の評価のようにまったく異なる見方が出来るのが「宇宙世紀の歴史として見た場合」の逆シャアでのシャアの行動

で、誰も知らない歴史の裏にシャアの個人的な「しかしこのあたたかさを持った人間が地球さえ破壊するんだ、それをわかるんだよ、アムロ」という感動と絶望が存在する

>>1245逆シャアはZでカミーユに未来の希望を抱いていたシャアが絶望と失意で決起する話だから
全くの別人だよ、だから似たようなポジションだったクェスもただの戦争の道具としか扱ってない
新約Zでも逆シャアにも繋がるらしいがかなり無理があると思うわ

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長年に渡る設定補完や議論によって「シャアはそういう奴」として受け入れる空気が醸成されたけど、
Ζと逆シャアの話の繋がりはTV版で見ても大概強引だから(当時の池田秀一もそう思ってた)、
それを思えば公式が「劇場版Ζからも逆シャアルートに入れます」と言うならそういうものなのだろう

つまるところ、シャアの性格は今までも話の都合でいくらでも変えられてきた

劇場版Zだとカミーユが無事なのもあるが何よりもハマーンがミネバをサイド3経由で地球に留学させて
自分等は地球圏から離脱する流れになるからZZの話は発生しないのが駄目だろ
その状態からネオジオンの総帥になるにはZZ作中グレミーがやっていた役割をシャアが代行する事になるが
本来の逆襲のシャアとは全く別の話になるし、なんの同情の余地もないシャアなんて見たいか？って話
更にロンド・ベル隊もアムロだけじゃなくカミーユも配属される可能性もあるし勝負にならないぞ

劇場版Ｚを無理やり逆シャアに繋げるとしたら、ミネバを地球に留学させるためにアクシズから離脱させたことでハマーン政権の求心力が低下し、その後のグレミー派の内乱により双方弱体化したところを連邦軍に仕留められたというオチだろうか？
カミーユはジュドーと同様に大人たち軍人に嫌気がさして軍を抜けたことにすれば、逆シャアでカミーユがいなかったことも一応説明がつく。

グリプス戦役からアクシズ落としまで作中史で5年近くも空いてるんだから、帳尻合わせはいくらでもできるでしょ
その内容が正史のΖΖをなぞったものになるのか、全然異なる事件を扱ったものになるのかはわからんが、
それなりに自由に辻褄合わせができる期間設定ではあるからまあどうにかなる、
って話なんでしょうよ

根本は連邦の腐敗やアースノイドからスペースノイドへの差別意識だしそのへんがある限りどうあがいても逆シャアに収束するんじゃね？

逆シャアが作られなかった場合のZZのシャアは、おそらくジュドーにニュータイプと人類の未来を見出だすか託すかしてZZハマーン並みの潔い最期を迎えたはずだと思っている
そう考えると御大にとって逆シャアアムロが逆シャアシャアの相手として不足だったという感覚も理解できる（御大的には大人アムロは赤子（次世代）バリア無しに大人シャアに勝てない）

でもその場合、本来のZZでのアムロのポジションはどう設定されたんだろうと気になる
ジュドーたちを守って戦死なのか、ベルトーチカと夫婦になってジュドーの先の世代である赤子を作りハッピーエンドなのか、他の可能性なのか
当時の御大、倒されるべき存在であるシャアについては言及してるけど、アムロの将来について何か語ってただろうか…

多分ジュドーとの決闘時にハマーンが見た死者の幻影（？）は本来シャアが見るはずのものだったんじゃないかな
「ジュドーを守ろうとするララァの幻影」はシャアにとって自分の間違いを覚る決定的な証拠になる

それが相手が「あのアムロ」になると複雑骨折するというのが逆シャア最終盤のシャアの感情に繋がる、と考えると自然な気がする

本来のΖΖでもアムロの出番は無かったんだろうな、という気はする

ボンボン連載のときた氏マンガの最後の会話は個人的に好き

シャアが地球に住む者達は自分達の事しか考えていないって言ってたけど、スペースノイドは違うとでも？