ニコニコ大百科

とりあえず隕石落としによる破滅的な環境破壊の回避と地球から上がってくる難民と先住コロニー住民との間のいさかいが避けられたのは事実だろうな
シャアは「世直しのことなど考えていない」というセリフのように、アムロに打ち勝つこととアースノイドに一泡吹かせてやれれば、地球圏がどうなろうと知ったことでは無かったのだろう

連邦寄りとか現実逃避とかってのはともかくアムロの言ってることに中身がないってのはその通りだろうな
殺人機械のアスペメカニックかまとめ役のスパロボ隊長の印象で語られる事が多いが
「リュウさんやほかの人にありがとうの一言ぐらい」とか
「人の善意を無視する奴は一生苦しむぞ」とか
「分かってるよだから世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろ」とか
富野の小説なんかではその限りではないが映像作品での行動や思考は一貫して情緒的だし理想論者だから
逆シャアでは無数の人々の命や意志を軽んじるシャアの傲慢が許せないという辺りが動機になっているだろう

逆にシャアはよく言われる部分ではカミーユが潰れたからどうこうってのはあまり関係ないだろうな
ガルマもララァもクェスも同様後で気づいて後悔するのを繰り返すのは本質的にそこを重視していないせい
人の感情でも未来の行く末でもなく今ある社会の不正腐敗が許せないから短絡で過激な行動になる
で連邦寄りの人が増えたのは世相の違いでシャアのやってることが一面的なテロリズムだという評価になったから
だと思ってる

シャア自体の人気は高くても、隕石落としまで肯定しているファンはそんなにはいないのでは？

クェスの「アムロ、あんたちょっとセコいよ」ってセリフがよく突っ込まれるけど
シャアの「世界は人類のエゴ全てを飲み込めない」って絶望の言葉に「人間の知恵はそんなものだって乗り越えられる」って正面から喧嘩買って言った手前、「今すぐ愚民ども全てに叡智を授けろ」って無茶振りに「できない」って言って引き下がれず売り言葉に買い言葉って感じで「お前殺してからそうさせてもらうわ」ってできもしないことを言いつつ射殺しようとしてて
シャアよりはマシだけどアムロも血が上って大概客観的に見て無茶苦茶なこと言ってるような気もする
問題はアムロがせこいのはまぁ事実かもしれないけど肝心のシャアがアムロ以上にせこくて外道ってとこだと思う

宇宙世紀の大衆って、自分の生活圏の外側でコロニー潰しが起ころうが隕石が落ちようがお構いなしって空気を感じる。
この点ではスペースノイドも同様っぽいし、もし地球寒冷化が成功すればアースノイドが難民化して宇宙に上がってコロニー社会を荒廃させる、という想像もしてなさそう。

で、シャアはそんな空気を、その中途半端に明敏なニュータイプ能力もあって察知してしまって、それが人類全体に対する絶望感になってしまった。
だから、逆シャアでの彼の行動は、一種の自殺だった。
でも、この世を去る前に「アムロに勝った」という確信を得たい。
この唯一の未練となっていて、それを果たすために「ネオ・ジオン総帥という道化」を演じていた。

はっきり言ってエゴそのものなんだけど、「自分の事しか考えていないのは愚民どもも同じだ！」「私のエゴだけなぜ許されない！」とシャアも叫びたかったんじゃないかな。

>>1144
今すぐは絶対無茶ぶりでも全人類英知は出来なくもない。アムロがシャアをぶっ飛ばしたあとたとえば教師でもして教えを広めていけば数百年以内に技術的には可能(技術的に考える以上はもちろんアムロがそれに耐えれるかは考えないものとする)他にもアムロが政治家になってそういう事に資金を回すよう働きかけたり自分が金とかを出す立場になって教えを広めれれば可能だろう。
日本史においては大企業立ち上げるような人がそういう立ち回りをすることで日本をGDP上位で比較的豊かな国に持っていくのに何役も買ってる。アムロがそういうのを知ってるかは怪しいけどそうさせてもらうはそういうの含めたものだろう

って考えるとクェスは何も知らんガキだしシャアはセコ過ぎる
数日あるいは数分後に文明を徹底的に破壊する大量殺戮と怨念の生産を生みだす隕石が落ちつつあるのに世紀単位で教育とか流暢な事言ってられるか(書物とかほとんど宇宙に上がってないだろ)

人類に英知とか現実のSNSとかみてるとちょっと無理だと思うな
フィクションの世界なら製作者の都合でどうとでもなるけど

逆シャアでのシャアの暴走については、彼自身の確信や絶望といったもの以外に、周囲の環境からの影響もあった可能性も考慮した方が良いかもしれない。
参謀のホルストらの影響もなかったとは言えないんだよなあ。
また、下手したら、あの最高幹部連も「事が全て終わったら『シャアひとりが狂気にかられていた』ってことにしてしまえ」という打算で動いたいたのかもしれない。

>>1146
「悠長に数百年も待ってたらその間に人類が地球をどうにかしてしまうぞ」という話だから「今すぐ」なわけで

今すぐ解決できない問題に対して「希望的観測に基づいた悠長な道」か「悲観的な思想に基づいた短絡的な道」かどちらかを選ぶかという話なんで、シャアの選んだ道がかなり短絡的であるというのは見落としてはいけないと思う。

思想とか道とか以前に、大規模テロって時点で問題外だっていう

あの場面としてはアムロの正確な思想や主張というより、売り言葉に買い言葉で咄嗟に出たものなんで
「何でそう極端に走るんだ。こうなったらもう殺ってでも止める以外無いだろボケ」くらいの意味だろうし

シャアが真っ当に政治家やって、数十年かけて連邦を改革していくよってスタンスだったら、アムロもブライトも全面的に協力するのも吝かではなかったろう

シャアも根っこはジオン星人だから他のジオン星人同様にテロや戦争などの極端な暴力を選択肢として優先してしまうんだ……

シャアは1stのザビ家はやはり許せないやクワトロ時代の諸々からして正義感と(身勝手だけど)義憤も抱いている。迷いのないシャア出典の話でも本当はダガール演説みたいなことをやりたいと監督が言っていて、死んでいく兵を見て涙を流すぐらい何とかしたかった気持ちはあったんだ
それはそれとして、好きにパイロットやれる立場が居心地良いから縛られたくなんかないし、ただでさえ他人を信じられないのに親父みたいに民衆なんかの人身御供なんかやりたくねえんだ
これらと本人の悲観的に見る性質とエゴに忠実なところがせめぎ合ったからああなったって感じ

最近SEEDが映画で話題になっているけど、アスランとクルーゼとデュランダルが組み合わさったらシャアになる納得感が個人的に他のアナザー(今で言うオルタナティブ)のオマージュキャラより強い。それだけシャアへの解像度が高いと思った

過去作をよく知らない人にも話の顛末が理解できるように結構説明台詞が多いけど、ほとんどがアムロとブライトの会話という形で描かれてるからあんまり不自然さが無い

あとアムロもブライトも気配りや気遣いのできる大人に成長してるな。台詞や声優の演技の声色の端々に優しさが見え隠れする

そりゃ中年差し掛かったいい歳の大人になればそうなるのが当たり前なんだけど、富野ワールドではそれが当然とはとても言えないわけでやっぱり稀有

説明といえば月（サイド3≒旧ジオン公国）と地球圏の位置関係も本作が一番分かりやすいな

>>1145
まるっきり本音と思われるアムロに対する最期の一連の台詞の中で
アースノイドはゴミだってはっきり言っているのに対して
スペースノイドには特に言及ないしNTに対して夢見ている（宇宙に上がればNTになるとも思っている）台詞もあるのでスペースノイドへの悪意はさほどなさそう

つまり全員宇宙に上がって全員人類の革新たるNTになったら大体解決するはずって思想はそのままだと思うよ
自殺願望についてはあんなことする以上多少なりともあるだろうけど媒体によって程度が違うと思う

逆襲のシャアで地球にいたかどうか、見える場所にいたかどうかはわからないけど
カミーユはオーロラと一緒に地球への軌道から逸れていくアクシズを見て何を思ったんだろう……
一緒に戦って信じていた先輩にして戦友たちがこんな末路迎えていくの悲しすぎるだろ
アストナージの死を知った時点でだいぶ落ち込みそうなのに

シャアの発言って「道化」の部分が多いから、どこまで本気なのか分からんのよね

少なくともアムロと決着付けたいからアクシズ落としただけ。なんてことはないだろうが

・地球の連中がムカつくので隕石落とす
・自分のウザい支持者も隕石落とし望んでるし
・隕石落とそうとすればアムロも出てきてタイマンできそう
・アムロに勝つのが理想だけどもしタイマンで負けても隕石落ちれば実質俺の勝ちーｗにできるし


みんなが望む指導者シャアとしても戦士シャアとしても隕石落としが割と最適解という

いくら地球の連中が気に入らないからといっても、地球の動植物ごと無差別殺戮を招く隕石落としまではやって欲しくなかった。
これではギレン以上の悪人だ。ベルトーチカチルドレンのメスタでさえこの作戦を暗に批判するようなことを言っていたし。

富野由悠季監督＆出渕裕が振り返る　生の人間を描く　ラストシーンの違和感
https://mantan-web.jp/article/20240316dog00m200025000c.html

出渕さんは「逆襲のシャア」について「シャアを再発見、再構築した作品だった。クワトロ・バジーナって人は、富野さんにとって失敗作なんですよ。アムロたちと一緒にしていた方が、話が膨らむかもしれないと、クワトロをいい人にしちゃった。」

「反発する方もいるかもしれないけど、あいつ、サイコパスなんです。独善的で、共感力がなくて、ウソばかりついている。最後のアムロと対峙（たいじ）しているのもウソを言っているかもしれない」と分析。

富野監督は「その指摘は正しいですね。ラストシーンのシャアとアムロのせりふを作っている時、なんか気持ち悪いな、本当はこう作りたくないんだけれど……と時間切れだからしょうがなく作った」とうなずいた。

>>1161
ファースト&Zを見ていなくて劇場Zだけだったから頼りになる上官だなぁってイメージしか無かったんだけど、ファーストから見てきた勢にとってはキャラ変わりすぎって評価だったんだろうか？

そういえばPS1だかのゲームで百式から脱出したクワトロが精神崩壊したカミーユを目の当たりにして絶望(闇堕ち？)するシーンが描写されてたっけな…

>>1162
Z追ってると解るけど、クワトロマジで「どうしようもないオッサン」感凄いからね。
カミーユを正しく導いてくれるのは、ウォン・リーとかエマとか、口うるさいファとか、フォウやカツといった環境で、クワトロはそういうのを彼らに丸投げして勝手に成長するカミーユに期待だけしてる描写が目立つ。
クワトロもまじでそういうの自覚してて、カミーユが軍人として割とマトモになって報連相とか足並み揃えた行動が出来るようになっても、アレオレせずに「リーさんの鉄拳が効いたらしい」とかアポロべと陰口言い合ったりしてる。
唾つけるだけ付けて蔑ろにしたレコアが敵に寝返ったり、割とだらしなさも目立つ。

で、そういう無責任さが極まって、逆に成長したカミーユから鉄拳制裁を喰らって「これが若さか、知らない内に成長したなあ」としぶしぶクワトロではなくキャスバル・レム・ダイクンとしての役目を演じるというどうしようもなさ。
Zを「見栄えはスマートだが割とどうしようもない主任」と「めちゃくちゃにもまれて段々角が取れていく新人」が何となくつるんで何となく懐き合ってる物語とみると不思議な味わいがある。

>>1163
解説ありがとう　なんというか劇場Zの人物像が嘘のようだ…(でもレコアが「キスの時サングラス外さなかった」って傷つく？場面とかその片鱗がありそう)

それでも富野監督、出渕氏からしたら“いい人”立場なのね

一応クワトロの名誉のために言っておくけど、Ζ最終話で言った「新しい時代を作るのは老人ではない」という主張やそこに向けて行動しようとする意志に関してはだらしないながらも大マジだからね
カミーユもそれがわかってたから最後までクワトロについて行こうとしたわけで(違ってたら大人の悪意に敏感なカミーユはとっくに見切り付けてる)

1st〜逆襲のシャアは通して見たのこれまでに一回きりだけど、逆襲のシャアでのシャアの人物像を加味して1st、Zを見返してみるとまた違った見方ができそうだな
なんか声の威厳とスマートな外見に騙されたのかクワトロにダメな人って印象があまりなかったから
思い返してみるとグリプス戦役の後エゥーゴをほったらかしにしてようやく出てきたと思ったらネオジオンの総帥ってかなり酷い裏切りな気がしてきた

何だかんだ言って、レコアさんに対しては満更でも無かったしな。殺すことに最後まで迷いを抱いていたし、新訳じゃ奥手な反応に対して「私だって独り身だ」と言うぐらい満更じゃなかった

https://www.famitsu.com/news/202403/18337538.html
出渕「1つは、シャアを再発見・再構築した作品だなということ。前にクワトロ・バジーナって人いたじゃないですか。あれってね、富野さんにとっては失敗作なんですよ。基本的にクワトロっていい人にしちゃったというか、これはアムロ達と一緒にしといたほうが膨らむかもしれないって。でもね、基本的にシャアって・・・これいうと反発する方もいるかもしれないけど・・・あいつね、サイコパスなんですよ」
「だってサイコパスの症例と全部当てはまるんだもん!独善的で自分がやろうとしていることには手段を選ばなくて、共感力がなくて人に嘘つく。これから『逆シャア』見ていただくとわかるんですけど、シャアって嘘ばっかし言ってますから!交渉の時もそうだけどね、女性に対しても、部下に対しても、みーんな嘘ついてるんですよ!
シャアの言ってること、本当のことなんて一言もないですよ。もしかしたら最後のアムロとの対峙も「こいつ嘘ついてんじゃね?」というくらい。サイコパスって刺激を求めるんですよ」
富野「その指摘は初めて聞いたけど正しいね!つまりラストシーンでのシャアとアムロのセリフを作っているときに今の感覚は実はあったというのを思い出した。なんか気持ち悪いな、本当はこういうふうに作りたくないんだけれども時間切れだからしょうがなくってというところあると思います」

御大的に逆シャアの最後のセリフは仕方なく入れたにしろ、シャアがサイコパスという認識で作っていたわけではない
カミーユにだって「新しい時代を作るのは老人ではない」の台詞からして、あんなんでも本心からちゃんと導こうとしていたはずだし...

考えてみればブレックスに跡を任されたという事もシャアの運命にとって呪いだったように思う

リアルタイム世代じゃないからまあこんな末路と受け入れてるけど、実際最初から追いかけてたら情けない上に共倒れでオカルトエンドなんてあんまり納得出来てないかもな
それともΖ辺りの時点でコレジャナイとなっていたか…

ガノタには「初代以降は全部二次創作のゴミ」って奴らも居るからそういうもんよ