ニコニコ大百科

>>1950
草案第24条
「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される」

自民党は「個人」ではなく「家族」を最小単位にしようとしているフシがあるんですよね
そこんとこどうなってんだって感じなんです
「イエ(敢えて片仮名)」制度の復活ってことなんでしょうかね
その「イエ」という「共同体」の在り方にそぐわないものは放逐できるとも取れるわけですよね
江戸時代かって感じです
仰るとおり「共同体」が「人の尊厳を規定する」方向に持って行きたいのだろうか？

「個人」を最小単位にしないのなら、投票も「イエ」ごとに行うのかな？

>>1949
なるほどなぁ、とってもわかりやすい
「個人」の重みがピンとこない習性ってのは、「家」やムラ社会的な「共同体」に重きをおいてきた歴史的経緯(もっと言えば日本人のメンタリティ)があるからだろうか
共同体意識ってのは良い面もあるけど、個人の意見や権利主張を圧殺する同調圧力の温床にもなりうる
と考えれば自民の草案ってのはその日本人の習性を知ったうえで練られている、だからこそ危険だと言える
草案は社会的な存在としての「個人」を否定する思惑でもあるのかという疑いがあなたの意見によって強く思わされた

社会福祉が自助によって賄われるのがメインになる雰囲気…？

>>1952
つい70年前まで日本の社会の最小単位は「共同体」でした
無論、西欧を始めとした諸外国もそうであった時代があり
まぁ、言っちゃなんですが
未だに根強い「差別」なんてのもこの「共同体」の問題と言えなく無いでしょう
「個人」がどうかではなく、「人種」、「貧富」、「居住地」etc
だからこの「共同体」に対する問題は未だに日本に限らず向き合っていかなければならない問題でしょう
西欧が進んでいるという問題でもないでしょうね
「愛しあう2人がイエどうしの不和で引き裂かれる」なんて洋の東西を問わず鉄板なわけです
残念ながら人間は共同体に属してなければ生きていくのが困難なので
最小単位が「個人」というのはフィクションであり、現状努力目標です、高すぎる理想というやつです
でも目標を低く設定するというのは、その低い目標の中でしか活動ができなくなるということなので
世界人権宣言を始めとした各国憲法は「すべての人」、「個人」という用語を使うのです
「共同体」は「個人」同士が豊かで生産的かつ自由な世界を実現する「手段」であって「目的」ではない
国民の生命と権利と財産を保障しない国家など滅んでしまえ
と西欧の人達は割と本気で思ってるんですよね
愛国心とは実はそういう土壌から生まれるんです、そうすることが「個人」に還ってくるからです
愛国心が欲しかったら憲法に書く前に愛されるシステム(手段)になれってことです

にしても、最小単位を「家族」にするのはホントにどうなんだろ……

>>1953
草案24条はそこを見越しての条文だと思いますよ
ぶっちゃけ言えば社会福祉に金を使うなって言ってる層を取り込む為でしょう
そうでなければ、今更家族原理なんか持ち込んで最小単位を「個人」じゃなくすとか
土人宣言みたいなもんです

>>1950-1951
まあ権利の最小単位を個人ではない、ないし個人の尊厳というものを否定すると、ナチスの優生思想とかSFのディストピアなりに近似するだろうね。
論理的帰結として国家なり共同体から不要の烙印を捺された個体（「人」、と書かないのは「人未満」とされるから）を排除（隔離・結婚等の権利の非付与・究極的には殺害）する事が可とされるだろうし。

共同体ってのも不変ではない以上、常に価値観は振れ動く訳で、その共同体によって排除を決定される個体に自分達がなるか、って多分に運が絡むから、かなり猜疑心の高い社会になりそうだよね。
ありがちな危険として共同体の意志を決定出来る人間にポル・ポトみたいなのが現れた場合、「個人の尊厳」という動かせない最小単位がないと、歯止めがかからない気がするけど。

人の尊厳って言葉はあまり気に食わないけど（人にのみ尊厳を認めねばならない理由が希薄なので）、共同体に権利や尊厳を認めるのはさらに危ういバクチに見えるね。暴走した共同体なんてごまんとあるんだから。

>>1950
GHQの命令にも関わらず、個人単位の戸籍が制定されぬまま今に至っている。
今の「戸籍法」とて、明治時代の家父長制だけでなく、古代律令制さえも引きずっている。
つまり戸籍法そのものが日本国憲法に違反していると考えられるが、日本としては、戸籍を改めるより憲法の方を改めるべきかもしれない

まだまだ日本は個人の尊重が足りない
社会福祉で個人に国税を注いだところで、役所や大企業に潰される。
個人が暴走すれば、勢いで共同体ごと責められる。

13条の「人」への変更は自民内の「行き過ぎた個人主義が伝統を破壊した」という思想の表れでもあるだろうなあ
ちなみに24条は世界人権宣言から取ったと自民Q&Aに書かれているし実際類似文があるのだが…
<自民改憲草案24条1項>
家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。
<世界人権宣言16条3項>
家庭は、社会の自然かつ基礎的な集団単位であって、社会及び国の保護を受ける権利を有する。
The family is the natural and fundamental group unit of society and is entitled to protection by society and the State.
<国際人権規約B規約23条>※参考、原文は同じだが外務省訳が異なる
家族は、社会の自然かつ基礎的な単位であり、社会及び国による保護を受ける権利を有する。
The family is the natural and fundamental group unit of society and is entitled to protection by society and the State.

>>1958
それは俺も知ってるが

「基礎的な集団単位」と「基礎的な単位」じゃ意味合いが違いすぎるよね
人権宣言では「人間の『共同体』の基本単位は家族だよ、保護するよ」と言ってるのに対し
草案第24条は「人間を家族を基本単位として捉えるよ」という意味にしかならん

意味合いにおいて天と地ほどの差があるんだよね
group unit of societyの訳がおかしいよね

>>1959
自分も自民改憲草案24条1項を酷いと思ってるよ
国連のは「国に」保護する責務があると主張するために"natural and fundamental group unit"と強調したのを、
この草案は都合よくつまみ食いして家族のあり方に介入し「国民に」責務を負わせるような文章にしたわけで
世界人権宣言を参考にしたと言ってるけど実は思想的には両者は正反対なんじゃないかとも思う
こう並べると自民草案の問題点が浮き彫りになるになるんだよねえ

それとは別に何で外務省はB規約の訳では"group"を訳さなかったんだろうなあ…
個人と集団って法的には区別しなきゃいかんところだと思うんだが
と言っても自民草案はQ&Aで世界人権宣言を参考にしたと明言されてるのに"group"が抜けてるのは謎

>>1960
こんなの"group"の意味が取れてないから試験とかでも0点の訳だよね
日本の外務省がこんな訳を公式に載せてるってだけで国の恥だと思うんだけどな、正直

世界人権宣言のこの条文は「家族原理」を持ち込むための条文じゃなくて
「個人が作る最初の共同体は家族で、その共同体を結びつける感情は尊重するよ」って話なんだよな
それを「家族は互いに助け合わなくてはならない」とか論旨のすり替えどころの話じゃないもんな

実際仰るとおり意味が正反対になってる
人権宣言は「個人が家族を大切にしたいという思いは尊重するよ」と言ってるんだけどなぁ

日本の改憲派すら護憲派に変えるこのゴミって海外じゃどういう風に評価されるんだろ

>>1954
そうなんですよね、家族という共同体を拠り所とするかどうかも含めて「個人」に判断を帰するべきなんですよね
家族云々なんて大日本帝国憲法ですら記されてないのに、ましてや価値観や環境の変化で家族を持つことをせず個人で生きていく割合も増えている中でこんな草案を出すなんて時代錯誤も甚だしい
今後の社会のあり方を見ても社会の最小の構成単位は個人であることに間違いないわけだが、やはり自民は個人や権利をネガティヴに捉えているようだ
そこらへんは草案で現行憲法の97条が削除されてるところからも垣間見える

日本で憲法に関する議論が行われる場合、「改正するか否か」ばかりが焦点になり、
具体的に何処をどう改正するかは改憲派の人達ですらあまり語ろうとしないのは、
具体的に挙げちゃうとこういう便所の落書きレベルの案にしかならないからなのか？

産経新聞が出した草案も前時代的過ぎて目を疑うレベルだったもんなぁ

＞公明、「加憲」具体化に着手　来夏参院選後の発議に備え
＞おおさか維新、参院選までに独自の改憲案
これもアカンかったら憲法改正は当分諦めるしかないわ

>>1962
でも“ケンポーカイセー”を壊れたレコード（古っ!）の如く唱えているだけで盲目的に痔罠を支持している売国カスウヨは、このゴミを知っている上で支持しているんだろ。

改憲派が勝てばあの国賊共は“選挙で勝ったのだからこの案が全面的に支持された”と厚顔無恥に主張してこれを無改正で持ち出すぞ。

>>1964
こんな所でうだうだやりながら議論する話でもないからなんともなぁ
第9条2項は破棄でいいとは思うが
本気で議論するなら現行憲法の妥当性を一項一項精査するレベルで話し合わないと
改憲派の憲法学者もいっぱいいるけど、著書とか読んでみたら？

ぶっちゃけ憲法改正自体は悪いことでも何でもない訳でな、俺も第9条2項の破棄には賛成だし
ただ、憲法改正しようって奴らの頭の程度がこれじゃ困るんだよね
改悪(実際改悪案をこうやって出してきてる)するくらいなら改憲せんでいいわな感じなんだよね
実際この草案は改憲派の憲法学者に便所の落書きどころか便所紙以下の扱いを受けてるし

正直、一度日本国民も痛い目見ないと分からんかもね。
産経とか読売に勤めてる連中も自分たちの主張する『ユートピア』を改憲で体験してみたらいいと思う。
その時に日本という国家が存続出来てるか分からんけどね。

これも産経の草案も酷いけど、それをさらに斜め下に退化させたのがJC(日本青年会議所）の草案。
正直おぞましすぎてリンクを張るのもためらうレベルなので気になる方は検索してみると良いよ。ちびるで。

>>1968
日本人は絹布の法被と誤解したまま地獄を見て、結局解らなかった。が史実です
日本には憲法が要らない可能性しか考えられぬ

>>1968
もう既に一度痛い目見てるじゃないですか…

>>1969
「家族は、共同体を構成する基礎であり、何人も、その属する家族の維持及び関係の強化に努めなければならない。」
自民案が穏健的に見えて笑った
「国民は、国及び共同体の利害並びに世代を越えた利害等を、利他の精神をもって一体となり、解決する共同の責務を負う。」
「国は、国民が相互扶助を通じても、自らの力で生活できない場合、その生活を支援しなければならない。」
ここらもちょっとって感じだけど、一番びっくりしたのは前文でした
ここ出身の議員さんからすればそりゃ自民案でも不十分だって話になるわ…
産経案は西・百地両先生（憲法学）が関わってたけどこっちは学者先生が関わってすらいないのかな

必要あらば改憲を是とする立場だが、この国の改憲派と言われる立場の人間や組織から出される案がことごとく噴飯モノの内容ばかりで軽くジレンマに陥る護憲には与したくないし、しかしろくな改憲も望めそうにないとするとどーすればいいのでしょう

>>1972
奴隷（根性の持ち主）は（偉そうな）権力者に従うまで。もとより憲法など要らない…が当面の答え
これをきっかけに何かに気づく可能性もあれば、一生気付かないかもしれない

自由な社会で規律が乱れるとか言うなら、いっそ身分制度でも導入したらどうかな(暴論)
皆が身分相応の行動をすれば、社会は安定するんじゃない(錯乱)

自民党は身分制度を公に導入できるのならやりたいって人間多いだろうね

民定憲法の本質として、保障する身分は「自国民」だけで十分
これが欽定であれば、君主～貴族｜血統の壁｜庶民～身分の無い者（罪人、移民など）が基本となる

>>1967
なるほど、確かに憲法「学者」なら少なくともこの改憲案よりはマシなものを作れそうだね。
もちろん中には百地先生みたいなのもいるから安心は出来ないけどｗ

>>1977
確かその先生、産経の草案作りに参加してたんだっけ。
憲法で飯食ってる人間とは思えんな。俺みたいな素人以下だもん。

「名文を書こうとして失敗」のたぐいか？
あるいは「自称憲法学者」の方が、はるかにまとも憲法草案が書けるかも

プライバシー権とか日照権みたいな新しい権利を憲法に入れるべきという主張もあるのにそういうのを盛り込んだ案がないのが悲しいなあ

あと憲法で国民に勤労や納税だとかの義務を課してるのって日本くらいだとも聞いたんだけど権利を増やさず義務だけ増えるというのもなあ
まあそういう改正案を書いた人は権利ばかり主張して社会に対する義務を果たそうとしない愚民どもを増やさないためだって言うんだろうけど