ニコニコ大百科

OPのあの吸い込まれるような目が好き

>>207-208を見て思いついたのでレス
>>201
lainは情報工学や哲学、心理学等からまともに相手にされたことはないし、思想史の上に位置づけられてもいない
本当に知識を持って学んだ人にとっては、lainに中身どころか「箱」すら無いことを見抜いてるんだろう（そもそも学術世界とオタク世界とじゃ隔たりがありすぎ）

lainにあるのは高尚を装った、思わせぶりな言葉遊び
だから知識人・実力で学位を取得した人等からは相手にされない一方で、衒学趣味の人・意味もなく学術語を使いたがる人等から賞賛されたんじゃないかと

自分は馬鹿にする意図でlainをオカルトと言ったわけではない
たとえばPKDの「宇宙の眼」を読むときに、誰もバーブ教を本気で信じたりはしないけど、しかし「宇宙の眼」が面白いのは事実だっていうのと一緒
Lainの中で使われているオカルティックな思想は事実ではないけど、そんなことは作者もわかってるし、今となっては古臭い思想ではあるけど、それでLainの面白さは目減りしない

Lainの面白さは、作中ガジェットとして使われている思想や仮説の事実性にあるんじゃなくて、それが作り出す世界観とストーリーテリングの面白さにある
ソーカルごっこをして思想が云々工学が云々とか余計なことを考えていると、この作品の持ってるシンプルな面白さを見失うことになる

≫212
横から失礼します。
「lainは情報工学や哲学、心理学等からまともに相手にされたことはない」てとこを読んで思い出したことがあったんで。

今年でた小中千昭氏の著書『恐怖の作法』にlainのことがいくつか書いてあって、その中の第三章アリスと私P341に「松下電器の先端技術研究所から招かれたこともあるし、早稲田で開催された人工知能学会にもパネラーとして招かれたことがあった」とあったから、そういう人たちに関心は持たれてたのは確かだと思う。

このアニメを語るときに多用される「哲学」って言葉は、文化庁メディア芸術祭の選評からよく使われてるのかもしれないけど、これって哲学めいた内容はシナリオを読む限りないよ。
記録＝記憶でぐにゃぐにゃ変容する世界で人はどうなるのか？っていう恐怖が一番印象にのこってる。

『恐怖の作法』のp338にネット世界の未だ見えぬ暗部を描くことに関心が移ったとあって、このアニメのネット描写がやたら細かいのはそのせいがあるのかもしれない。

オタク臭い作品は敬遠されるってことだね
マトリックスもあんなすごいのに1部以外は全然評価されてないし
オタクっていうか英語でいうとnerdとでもいうのだろうか
たとえすばらしい作品だとしても声を大にして「すごい、すごい」というと煙たがれるってことかね

>>216
元々ｦﾀ向けなのにオタク臭いとか気にしてたら、ｦﾀからもそっぽ向かれるぞｗ　そうなったら、誰も見向きしなくて埋没するだけ。
それにﾏﾄﾘｯｸｽは1stが一番オタク臭いと思うｗ

>>215
大昔からの哲学的話しのテーマの一つ、「自分の見ている世界が実は誰かの夢だったら？」「そもそも自分とは実在するのか？」
に通じる物があると思ったり

東浩紀が言及してるかとおもいきや案外それがないんだよね
ムックに寄稿を頼まれてスケジュールの都合でできなくなったらしい　東浩紀が設計に関わったアスキーのタブレットのデザインを安倍吉俊がやったっていう謎の誰得企画はあったけど
東浩紀の批評的テーマって、あの手この手を使っても基本的には「ネットワーク技術が可能にした新たな自己イメージと社会構造」の話だから親和性高いと思うんだけど

もうちょっと分かりやすい言葉で説明してほしいんだけど

>>218
つっこみ失礼。
東浩紀が言及してるかと、僕も同じこと思った。
エヴァが好きで押井守のファンでもある東の方向性に、実はlainはあんまり親和的じゃないのかもしれない、と思ったり。まぁ、単に東はlainを見ていなかっただけのような気もするが。

ネットワーク自体が自己意識、自我を持つlainの話と、『動物化』から『一般意志』までデータベースの話をしてもそれは大衆の無意識を発見するためのあくまでもデータに過ぎないとする東の話とは、やっぱり相容れない気もする。半端な知識でコメントして、すんません。

英利政美が言ってた「人との繋がり」「ワイヤード上の情報は全てシェアされるべき」っていう台詞から、
英利はワイヤードを使っての人類補完計画みたいなのを理想としていたのだろうか？

もう一つ質問。
英利政美は12話で肉体を得ようとしていたけど、
あれは英利政美という「神様」が、lainという「信仰」を失いそうになった＝自分の存在が危うくなったからマズいと思って急きょ肉体を作って存在を保とうとした、ってこと？

英利政美はワイヤード＝集合的無意識が現実世界の上位にある世界であり、なおかつそこでの出来事が現実世界のあらゆる出来事を決定しうると信じていた
英利政美は現実世界の人間の問題を解決しようとしていたというよりは、自身が発見した（と英利政美本人は思っている）「本来の姿」へと世界を変革したかったのだろう
そして、彼にはその発見に至った自身の知識や先見性への自己陶酔に近い自尊心があったのだろう

なので集合的無意識＝神の断片である岩倉玲音から、それらの英利政美の発見が彼個人の才覚によるものではなく、そうした神から決定づけられたものにすぎないのではないかと指摘された時に彼は当惑し激怒したのだろう
しかも英利政美は完全に自身の存在をワイヤードをベースにしており、最早彼個人と神＝集合的無意識の境界を明確にすることもできず、それもまた岩倉玲音に指摘されたのだ
よって英利政美は、改めてそうした世界の変革が彼個人に負うものであることを自他共認識させるために、自我境界＝肉体を作り出さざるを得なかったのだと思われる
長文スマソ

ゲーム版がファンディスク的な扱いってのは納得いかないな
玲音の名前の元ネタになったR・D・レインから発想を得て創られてるのが見え隠れしてる点でアニメとは明白な違いがあると思うんだけど
SFベースなのは変わらないんだけどさ

学術的じゃないから中身が無いって……対象が学術論文ならそう言えるだろうけど、エンターテイメント作品にする評価ではありえないでしょう

学術議論をそのまま持ち込んでストーリーを展開させるような作品は凡百…というほどでもないがいろいろあるけど、
ほとんど”初心者向けの概論”にしかなってないからそれほどおもしろみがない

この作品がオカルトを持ちだしたのは、ある思想とそれを拡大解釈したオカルトネタの境界を曖昧にしたり、それらを取り違えたりすることを繰り返すことで、
最終目的である「lainが現実に居るかのように感じさせる」という途方も無い“勘違い”を観客にさせるためであって、
オカルトネタを本気で受け取ってみた話でも無ければ、哲学概論でもないと俺は思う
さっき言った目的を達成するため思想ネタが有効に道具として使われ、単純にエンターテイメントが成り立っている点でlainは珍しいと思うし、非常に好き。内容の読みが甘かったらスマン。

というかアメリカの西海岸で情報技術の最先端に元ヒッピーやらニューエイジやらのスピリチュアルな連中がいたんだってことがわかってないと文脈伝わりにくいんだと思う　ジョブズなんかもその一人だけど
カプラのコペンハーゲン解釈やら並行世界やらイルカ崇拝やら、、、実証主義とは無縁だけど、それでも科学のオルタナティブとして真剣にとりくまれた場所と時代があったし、なんとなれば今でも信奉者はそれなりにいるんだから
今やフィットネスと化したヨガだって元はそういうものだし

コペンハーゲン解釈はさすがにニューエイジと一緒くたに扱っちゃかわいそうなんじゃないかｗ？いや、専門家じゃないから実際はそうなのかもしれんけど

科学思想と今ではオカルト扱いの思想がごちゃごちゃになって全部信じられていた歴史的時期・土壌があって、それをそのままうまいこと再現した結果225で言ったような効果が生まれた作品とも言えるんだろうな

岩倉玲音だけ見てると、この子ってヒキコモリになっちゃうんだよね。
NAVI/PCばっか見て、現実の人間関係も上手くいかなくて、身を持ち崩して、増設にばっかハマって廃人みたいになっちゃう。
玲音が何人にも分かれるのは、玲音の混乱を絵にしてて、要は分裂症なんだと思う。
玲音はネットにハマった人間の行動を逐一やっちゃう症例みたいなキャラクターに見えるんだよ。
それで救ってくれるのが友人のアリスで、ここで現実/リアルワールドに戻れば普通のラストなんだけど、玲音はリアルワールドに戻らないんだよね。
玲音はWIRED/ネットの人間だから、自分の居場所に戻ることで平穏を取り戻すって話なんじゃないかと思う。
ここでWIREDをあの世とダブらせてるから、もっと細かい指摘が必要なんだろうけど。

最終話で玲音が着ぐるみのフードを脱ぐシーンはいいものだ

>>226
西海岸には今もその文化の残滓があるな
グーグルがマインドフルネス瞑想法を取り入れたりとか、レイ・カーツワイルを登用してポストヒューマン研究やったりとか
昔と今で違うのは、今や彼等こそオルタナティブどころかメインカルチャーで巨大資本そのものってことなんだけど

ひいらぎ子さんホント好き。
アニメ版にも登場してほしかった

疑問があるんだけど、アクセラ少年が再登場した場面で玲音は実際に自殺したのかな。
あとの場面から考えると自殺したと見えるけど、12話でのありすとのやりとりでは肉体があるかのようだし。
2chで偶然見かけた話で、ありすが玲音のことをはっきり記憶していたから玲音もリアルな存在として描かれた、的なことを読んだけど、そういうことなんだろうか。

後半のlainにおいて玲音の肉体をどうするってのは最早不可逆でもないし特に意味がないのではと認識してたんだが
アクセラの少年が言ってるのは多分どちらをベースと考えているかじゃないのかなと思うけど　ちょうどイーガンの「ディアスポラ」でポリス住人と機械人との差異が意味があるのかどうかの違いと同じような感じで

>>後半のlainにおいて玲音の肉体をどうするってのは最早不可逆でもない
やっぱりそう解釈するしかないかぁ。その解釈じゃないと英利の肉体化も説明できないしな。
俺としては玲音とありすのやり取りが身体的だったからそこが引っかかってたんだけど、あれは玲音に肉体があるというより、玲音は確かな存在なんだと示していると解釈したほうがいいのかな。

ゲームのレビュー漁ってたときに「プレイヤーにlainをインストールさせるゲーム」って書いてあったのが印象的だった

今更だけど、BDBOX買おうか悩んでる

今のある意味毒にも薬にもならないアニメ見てると、やっぱあの時期が異常だったんであって、それが健全なんだろうなって思う
決して最近のアニメが嫌いなんじゃないけど。

例えばまどかとかサイコパスなんかでもやっぱりわかりやすさに軸点置いてるのが分かるし

心の自分でも気づかなかった変な部分を鷲掴みにされる感じの作品はもう作れないんだろうな。作っても批判されるだけだろうし

>>237
両方ぶっちぃじゃないですかー
あの人は昔からあーいう作風だからなぁ
でも確かに９０年代後半はＥＶＡの影響もあってかメンタル面に突っ込んだ作品は多かった感はある
でもＬＡＩＮみたいなのは今作っても評価されそうだけどな
ネットがこんだけ当たり前になってる今だとインパクトは若干薄れそうではあるが
本当未来に生きてるアニメだったわ

まぁエヴァというか、それは突き詰めるとオウム真理教の影響だな
lainもオウムもニューエイジだしエヴァもオウムくさい　大塚英志がエヴァの最終回を「自己啓発セミナー」と言って批判したのとかも思い出されるな
そういう意味では俺の中では輪るピングドラムがここ最近で唯一そういう方向での名作だったんだが

ホントだ、適当にあげたのに両方虚淵さん関連だったｗ
ピングドラムもよかったな、ああいう監督の趣味全開のやつはハマると名作になるよね
エヴァとかはまだなんかどこから来たがわかるんだよな、なんか庵野さんのそういうが趣味でてて。
ただlainはなんかどこから来たのかイマイチわからないところが怖いんだよ
キーワード挙げていけば解析できるかと思いきやそれを辿っていっても一番知りたいところにたどり着かないというか
そういうところが雰囲気アニメって思われちゃうんだろうけど
メッセージ性があるというのともちょっと違うし