ヘルレイザー(Hellraiser)とは、
ここでは出来る限り、1の内容について記述する。
クライヴ・バーカーの長編小説「ヘルバウンド・ハート」(1986年)が原作。
その筋では有名なグロ映画。
苦痛に泣き叫ぶ男、うごめく皮膚のない人体、2つの頭を持つ怪物、繰り返される猟奇殺人など、見ていて顔を背けたくなるようなシーンもある。もちろん血しぶきが頻出し、ウジ虫やゴキブリもわんさか出てくる。
しかしこれらのグロシーンは全体的に物語の仕掛けとしての性質が強く、いわゆる「拷問」描写は少ないため、筆者の感覚から言えば割とライトな作風である。見ていて嫌になるグロさなら「SAW」や「ファイナル・デスティネーション」辺りがオススメ。
その仕掛けを解くと「究極の快楽を体験できる」とされるパズルボックス「ルマルシャンの箱」。
だがその正体は異界の存在である「セノバイト」を召喚するものであり、彼らが修めている「究極の快楽の源となる究極の苦痛」を未来永劫堪能させられる事となる。
放蕩の果て、究極の快楽を求めてパズルを入手、仕掛けを解いてしまった男、フランク・コットン。彼が儀式に用いた家に弟のラリーが引っ越してきた時、僅かに現世に残っていた「残滓」が何気ない要因で復活。ラリーの妻であり、かつてフランクと不倫関係にあったジュリアに、この世に戻る為の生贄を要求した。
求められるままに行きずりの男を連れ込んでは殺害し、その血をフランクの「餌」にするジュリアを、ラリーの娘・カースティは不審視。復活の最中にあったフランクを発見し、襲われて逃げ出した際に「ルマルシャンの箱」を偶然手に取ってしまい……
前半の主人公。ラリーは弟、カースティは姪に当たる。
元は極めて退廃的・不道徳な男で、弟の妻であるジュリアを始めとした様々な女性と密通したヤリチ○男。ありとあらゆる放蕩に身を落とし、それでも満足できずに究極の快楽を求める。その果てに古物商から「ルマルシャンの箱」を買いとり、それを解いてしまったためにセノバイトに拘束。肉体を喪失するほどの「教え」を受けさせられた。
原作では箱を開けた後に顕現したセノバイトに、道を究める覚悟を問われて肯定してしまった。一応引き返す道を示してくれる辺り、有情である。
儀式の現場に残されていた血痕(原作では精液)をよすがとし、偶然にもラリーの血を吸った事で不完全ながら復活。おぞましい肉の塊となってより多くの血を求め、ジュリアを利用して完全な復活、およびセノバイトからの脱走を目論む。
だがこの蘇生はイレギュラーなもので、自分を拘束していたセノバイトの来訪を恐れている。ラリーを殺害して本人になりすますも、最終的にカースティの告発により脱走が発覚し、顕現したセノバイトらによって復活したての肉体を破壊され尽くした。
後半の主人公。
フランクの姪、ラリーの娘。目鼻立ちのくっきりしたイギリス風美人。
父の再婚相手のジュリアを良く思っておらず、ボーイフレンドのスティーブとよく外泊している。復活の途中だったフランクを発見してしまい、逃げる途中で「ルマルシャンの箱」を手にした事で災難に巻き込まれる。
割と肝が座っており、意図せずパズルを解いた事でセノバイトの訪問を受けてピンチに陥るも、逃げおおせたフランクの存在を告発。彼を連れていく代わりに助命されるほどの弁舌を見せた。
原作では設定が異なり、ラリーに想いを寄せる女友達になっている。美人とは言いがたいが、異常事態や命の危機に際して芯の強さを見せる。
カースティの父、フランクの兄。放蕩者の兄と違い、良くも悪くも普通の男。
よき家庭人として振る舞おうとしているが、ジュリアと再婚してからは娘との関係がぎくしゃくしている。ジュリアもフランクとの逢瀬が忘れられず、ラリーが示す愛情に対してやや冷たい。
かつてフランクが住んでいた家への引っ越し作業の中で誤って負傷、彼が零した血がフランク復活のきっかけになってしまう。屋根裏に変わり果てた兄がいる事も知らず、また復活の為に血を集めていた事も知らなかった。終盤になって力を取り戻したフランクにより殺害され、顔を含めた全身の皮膚を奪われてしまう。
不幸な善人であると同時に、彼が最後の良心でもある。
あるいはその死に様をカースティが見なければ、まだ彼女も救われていたかもしれない…
ラリーの後妻。
ラリーと結婚する直前にフランクに誘惑されて関係を持ち、危険な香りに魅了される。その後フランクが失踪してもなお、彼の事を忘れがたく思っていた。人外と化したフランクを復活させる手伝いとして、サスペンスホラーばりに行きずりの男を連れ込んで殺すようになる。
最終的にラリーも犠牲に捧げ、カースティを殺そうとするがフランクに誤って刺されて死亡。
男を誘惑して連れ込む場面で「いや無理」と批判する向きもあるが、ジュリアの中の人は出演時点で32歳。この年代のイギリス人としてはまだ美女に属する方である。
服装も時代を鑑みれば高級感がなくもなく、ラリーもそれなりに裕福な為、彼女の誘惑もあながち的外れではない。
「ルマルシャンの箱」をしかるべき組み合わせで解いた時、異界から現世に降り立つ存在。曰く、「ある者には悪魔、ある者には天使」。
「苦痛こそ快楽の源である」という哲学に達しており、パズルを解いた人間を異界に連れ込んで「快楽と道徳の道」という名の、未来永劫に渡る拷問を科す。これら犠牲者の中にはごく稀にドMとしての才能を開花させる者たちがおり、そのような者は自らに苦痛を架してセノバイトの仲間入りをする。
セノバイトは「箱を解く人物は自らこの快楽と道徳の道に入りたがっている」と思っているらしく、作中でもその話が歪められて伝わり、その道から逃げ出すような人間を想定していなかった。フランクの脱走についてもカースティから聞くまでは把握しておらず、また脱走を許す事は決してない。
クライヴ・バーカー曰く「NYのSMクラブに影響された」という拷問具を腰に提げたボンテージファッションと、苦痛を極めるために肉体改造を施した外見は強烈そのもの。かの荒木飛呂彦も大絶賛し、後続のサブカルチャーに大きな影響を与えた。
ただこの姿は何か幻覚のようなものらしく、致命傷や正気に返るような出来事があると元人間であったことを思い出し、それと同時に外見が人間っぽく戻る。その様は2作目以後で確認できる。
よく「魔道士」と訳されているが、いわゆるファンタジー的な魔法を使うわけでもなく、むしろ登場・退場シーンは「トロン」のようなSFを思い起こさせる。
パズルを解いていない人間の目には映らないという特性を持つ。倒す方法は「1」時点ではなく、パズルを逆に解く事で退散させられる。
ちなみに修道士とは、キリスト教に厳格に従う熱心な教徒のことであり、イエス自身が行った苦行やその生涯に倣って禁欲的生活や苦行でもって信仰を確かにする。
また人体は苦痛を受けすぎるとそれを緩和するために脳内麻薬(エンドルフィン)を分泌するようになるため、彼らの言う「究極の快楽」とは、脳内麻薬を自在に抽出するような苦痛を帯びることなのかもしれない。
セノバイトの筆頭。本作のみならず、後の作品でも代表としてちょくちょく顔を出す。
「釘頭」の名の通り、無数の釘を顔面および頭に打ち込んでいる。ただ鍼灸の概念があるアジア圏では割と見慣れた顔であり、ともすれば経穴人形にも見える。
フックのついた無数の鎖を自由に操る能力を持ち、これで犠牲者を拘束する。
知的かつ(比較的)紳士的な言動を取り、カースティの告発に耳を貸して猶予を与えるなど、意外にも寛容。中の人ことダグ・ブラッドレイの憂いを帯びた顔もあって、シリーズの中でも随一の人気を誇る。
「2」「3」では肉体改造の工程、および生前の姿が判明する。本名はエリオット・スペンサーといい、イギリス陸軍所属の大尉で、第一次世界大戦に従軍していた。
セノバイトの一人。別名カットスロート。
あちこちにぶっ刺した針金と、喉の気道を開放するかのように切開しているのが特徴。
この切開跡のためか、時々「ヒュー」という笛のような音が鳴る。両腕にとりつけた巨大な鉤が武器。
セノバイトは全員頭髪を剃っているためわかりづらいが、名の通り実は女性。日本語吹替役も女性が当てられている。
作中で自身の代わりにフランクを差し出そうとするカースティに対し「お前のほうがいい」と囁き、脱出しようとするカースティを連れて行こうとするなど、かなりお気に入りの様子。
「2」で判明する生前の姿は金髪の美女。
セノバイトの一人。
徹底的に崩壊してケロイド状になった顔面と、歯茎までむき出しになった口が特徴。「2」では豚っ鼻に整形手術された。「バイオハザード3」に登場するネメシス(追跡者)の元ネタとして知られる。
「お喋り」の名の通り、よくカチカチと歯を鳴らしている。パズルを解いた者を拘束する役目を負う。
「2」で判明する生前の姿は茶髪の美少年。どうしてああなった。
セノバイトの一人。
「球状に溶かし固めたバター」の名の通り、まるまると肥った肉の塊。あとグラサン。
本作では比較的まともな外見に見えるが、膨れた腹部を縦一文字に切り裂き、さらに傷口を広げるように鉤で固定している。
本作での退散シーンはパズルの逆解法ではなく瓦礫に押し潰されるというもの。それでも次作では元通りの姿で現れる。
「2」で判明する生前の姿はでっぷりと太ったおじさん。
掲示板
20 ななしのよっしん
2021/09/08(水) 01:25:45 ID: Zc+75n/Bdl
DBD ヘルレイザーのセリフの音声全削除らしくて「コラボしたけどそういう細かいところの許可取らなかった可能性」が浮上してて草 ヤバすぎんだろ
21 ななしのよっしん
2021/09/12(日) 19:16:58 ID: Vdx1ojvqFz
>>20 DBD運営って昔から杜撰や、開発リーダーの失言が度々炎上して公式のコミュニケーションフォーラム閉じちゃうくらいだし。
22 ななしのよっしん
2024/02/04(日) 15:54:03 ID: f721YLYPkQ
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/20(月) 19:00
最終更新:2024/05/20(月) 19:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。