ムーンライトシンドローム 単語

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ムーンライトシンドローム

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ムーンライトシンドローム(MOONLIGHTSYNDROME月光症候群』とは、
プレイステーション用に制作されたホラーアドベンチャーゲームである。

はじめに

このゲームフィクションであり、実在する団体・名称・事件とは一切関係ありません。

このゲームマルチエンディングではありません。

このゲームゲームオーバーがありません。

このゲーム一本道シナリオで進行します。

このゲームで起るすべての判定は、ご購入された皆様の判断に委ねられます。

このゲーム1996年6月企画され、同基礎開発開始、1997年1月ビジュアル作成開始、
より本格的な開発スタートし、1997年8月完成しました。

このゲーム制作者の意図により、ノイズ音を多用しています。

このゲーム日本語が理解できれば、どなたにでもプレイできます。

このゲーム1997年7月自主規制を行いました。

このゲームは「トワイライトシンドローム」の続編的作品ですが、
同一の登場人物以外は関連性のない、全く新しい作品として制作されました。
トワイライトシンドローム」を購入されていない方でも、安心してプレイすることが出来ます。

―ムーンライトシンドローム解説書より抜

概要

1997年10月9日発売。開発元/発売元はヒューマン
同年、東野による小説扶桑社から発売。ゲームを補する描写が含まれているが、現在絶版で入手困難中古でも高値がついている。

前述の通り「トワイライトシンドローム」の続編的作品ではあるが、世界観や登場人物を受け継いではいるものの、それ以外に「トワイライト~」とは関連性のない全く新しいゲームとして制作されている。
舞台となる町の名前が「トワイライト~」では、「ムーンライト~」では代町と、微妙に異なっていることもそれを示しており、一種のパラレルワールドと捉えることも可である。
また怪談ホラーテーマであった「トワイライト~」とは異なり、本作は本格的サイコホラーテーマに据えている。

キャラクターは新キャラの他、「トワイライト~」のキャラが多く登場する。
しかし「トワイライト~」とべて性格が極端かつ嫌な方向に変わっていたり、救いようがない悲惨な結末を迎えるキャラが多く、そういった意味でも受け入れられない人が多い。
後続の須田ゲーに同名のキャラが登場するなど、ある種のスターシステムの原となっている。

トワイライト~」の主人公ユカリだったが、今作の主人公ユカリ後輩キャラクターの一人だったミカである。
前作のフライトシステムを一切排除し、あくまで移動も含まれている通常のアドベンチャーゲームといった印が強いが、それ以上にあまりにもありすぎるシナリオがこの作品の特異性を高めている。全10話のシナリオるのも難しい内容だが、電波まみれと酷評される一方でそのに魅了された手遅れな者もおり、賛否両論となっている。否が多めだけど。
なお制作中に起きた神戸連続児童殺傷事件酒鬼薔薇聖斗事件)により、ゲームの一部に自主規制が行われている。

未だに圧倒的多数のアンチ(トワイライト好き)と極一部の熱信奉者を抱く、ある意味伝説とも言える作品。
何にせよ確実に人を選ぶ内容であることは、上記の内容を見れば作品を知らないプレイヤーでも疑いようないだろう。
日本の「人を選ぶゲームクリエイターと称される須田ゲーファンをしてさえ「これは理」と言われることもある程である。
一般的なADVとしての点数は限りなく低いが、自分がサイコシーな雰囲気を楽しめるという剛の者だと言うならば挑んでみるのもいいだろう。

ただし自己責任で。

ゲームカタログ@Wiki ~クソゲーから名作まで~exitより

登場人物

岸井ミカ

主人公高校二年生。ラクロス部とバドミントン部に所属するが、幽霊部員
壮麗な高級マンション、通称「ピラミッド殿」に両と共に暮らす。兄弟はいない。
前作で共に行動したユカリとチサトとは、二人が受験を控えている為に(実際には触れ合うのに勇気がいる為に)距離を取っている。
クラブイベントに参加したりV系バンドを好んだりと享楽的な日々を送る中で、怪異な事件に巻き込まれていく。終盤になり失踪し、ユカリ達はその行方を捜すが……
シルバー事件#0に最悪の形で登場。

長谷川ユカリ

高校三年生。帰宅部
クールで近づきがたい雰囲気を持つが、実際には繊細な内面を隠す為のもの。チサトやミカに誘われても断る事が多く、理矢理引っり出されている感はある。
とは言え自分に関わった人間が苦にいる事を看過できず、結果的に傷つく事もしばしば。

逸島チサト

高校三年生。弓道部に所属。
強い霊感を持っており、「よくないもの」に興味本位で近づく事に否定的。
基本的に穏やかな人物だが、のヤヨイに対しては辛辣で厳しい態度をとる。
本作では驚きの正体が明かされており、霊感も最超能力レベルに変化している。

鹿原アリサ

高校一年生弓道部に所属し、チサトとは先輩後輩の関係。
強い霊感を持っており、「エスパーアリサ」を自称する。ミカとは遊び友達
幼い言動が立ち、上下関係や言葉遣いにも頓着。しかし意外にも性格は老成している。

華山リョウ

主人公。全身づくめで「地雷震」呼ばわりされた。高校中退している。
キョウコに対し、以上の情を抱いている。一方で排他的な性格であり、キョウコにかなり依存している。そのキョウコが事故死した後は、二つのミカに執着していく。
シルバー事件#0に最悪の形で登場。

華山キョウコ

高校卒業生。ミカ二つで、高校在籍時には双子かと噂されていた。
リョウに対し、以上の情を抱いている。その「代用」としてスミオと交際していたが、結局長続きせず破綻している。
バイクを走らせている時に対向線のトラックと衝突して死亡するが、何故か事件現場から彼女の頭部だけは発見されなかった。

冬葉スミオ

キョウコの元彼。自己中心的な男で、自分が完璧人間であると自負する。顔も良く社交性も高い事から、女性ファンが大勢いる。
キョウコとの関係が破綻した事に納得できず、「サンプル」と称して不特定多数の女性と性的関係を持った。その中にはヤヨイやミカも含まれている。
その後自分に欠落はないと判断したスミオは、いまだキョウコに依存するリョウを責める。しかし「サンプル」の少女高橋キミカの恨みをかい、無理心中に巻き込まれて焼死した。

冬葉ルミ

スミオの高校二年生で、ミカとはクラスメイトだが、最近はほとんど登校していない。またアリサとも面識がある。
一時期リョウと交際したが、彼がキョウコしか見ていないのを理解して別れた。「他人には期待しない」と言いつつ、内心ではあたたかな関係を結べる相手を希している。
シルバー事件#0に最悪の形で登場。

逸島ヤヨイ

チサトの家族とは別居しており、チサトとは対立している。霊感が非常に強く、エピソードによっては驚愕を発揮する。
「サンプル」の一人であり、スミオに命じられてリョウに接近し、彼を翻弄した。しかし一方でスミオをも手玉に取っており、実はキョウコの事故死にも関与している。
チサト同様に、その正体はかなりぶっ飛んでいる。

アラマタ

前作に登場した作家モデルはもちろんあの人。
今作ではただのセーブポイント。しかし序章ではミカに接触し、代町に不穏な気配が漂っている事、今から起きる事件を観察する事を伝え、警告してくれる。

白髪の少年

ミカリョウ興味を抱き、たびたび彼らの身辺に現れる。癇に障る笑いが特徴。
常的存在で、物語全ての元凶リョウとはある「契約」を結んでいる。
その正体は契約「ミトラ」であり、全知全の存在だが自らも「契約」にめられている。
その後「Killer7」に登場している。

余談

解釈すら困難なほど難解な作により、発売当初から一部でカルト的評価を得ており、更に『新世紀エヴァンゲリオン』のを受けた所謂「謎本ブーム」の後押しもあり、一本道アドベンチャーゲームであるにも関わらず7つの出版社からそれぞれ攻略本が出版されている
内容は攻略情報はそこそこに作品内描写やキャラクターの解釈が多数のページを占めており、開発提供によるボツシナリオ没キャラクター稿が掲載されるなど、資料価値も高い。
そんな中で一際を引くのがメディアファクトリーより出版された「ムーンライトシンドローム トゥルースファイル」である。
「『ムーンライトシンドローム』の作中で起こる事件を元に、ひとりのルポライターが執筆した記事・取材メモの集積」という、攻略本の体裁を大きく逸脱した本書はその着眼点の巧みさと情報量の濃さによって反を呼び、本書に感銘を受けたディレクター須田剛一は本書を執筆したライターまさひコンタクトを取り、シナリオ共同執筆の話を持ちかける。これが後に『シルバー事件』プラシーボ編として結実する。

本作のディレクターシナリオライターである須田剛一は本作発売後にヒューマンを退社。新会社「グラスホッパー・マニファクチュア」を設立、独立した。

独立後の第1作『シルバー事件プロローグ#0 Lunatics」は本作の後日譚ともいえる内容である。
当時から繋がりを示唆されていたが、17年後のHDリマスター版の特典コミックにおいて正式に物語の繋がりが明示される事となった。
また作中世界の年表において、1997年10月に起きた女子校生連続殺人事件「ムー」の存在が確認できる。
更に続編『シルバー事件25区』リメイク版において大まさひ氏が執筆した追加シナリオYUKI」では、に出する「亡霊」に翻弄される女子高生と、死者が見えると自称する男の物語が描かれる。

海外須田剛一ファンの間ではほとんどの作品としてられており、リメイク海外ローライズの要望もしばしばある他、有志による非公式英語吹き替えすら行われている。

多くの人に黒歴史扱いされている本作だが、こうした所でひっそり供養されている......のかも知れない。

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